酒肴と握り、小川さんとの会話を交えて、とても優雅な時間。 : 銀座いち分

昨年末に発売された「ｄａｎｃｙｕ」１月号に掲載されていたのを見て興味を持ち予約を入れました。

その際は銀座７丁目に「鮨　おがわ」として掲載されていましたが、完全独立に伴い「銀座　いち分」として

こちらにオープンさせる過渡期であった為、オープンした６月から少し経ってからの日の訪問となりました。

昼の１２時、お店に着くと既に暖簾が掛かっておりました。暖簾には屋号が書かれておらず、

ここ何屋さんかな？と少々隠れ家的な雰囲気でもあります。

暖簾をくぐり店内へ。真新しい普請で、清々しいカウンター席が目の前に現れました。

先に女将さんが出てきました。素敵な方です。名前を告げて荷物を預かってもらい席へ。

そして付け場に小川さんが現れました。「ｄａｎｃｙｕ」に顔写真が載ってましたが、

実際、かなり男前です。３０代に見える若さですが４０代ですと。

こちらは基本つまみと握りのおまかせコースのようです。ただ今回こちらに急な用事が入ってしまい、

通常コースだと２時間半程度かかるとお聞きしていた為、２時間弱の滞在時間に合わせて内容を少し

変更して頂きました。予め伝えておけばある程度の対応はしてもらえる感じです。

まずは瓶ビールを頂きました。小瓶・中瓶があるとのことで中瓶を頂きました。赤星でした。嬉しい。

少しサイズの大きいうすはりでまずは乾杯～。

和食店で出るような先付からのスタート。しろいかの沖漬け・半熟に火を通したいくら・カマスの小袖寿司。

次のツマミはいわしと大葉、ガリの海苔巻き。

これはお酒を飲まないわけにはいきません。おまかせで最初に出てきたのは「あたごのまつ（特別純米）」。

「伯楽星」で有名な宮城県・新澤醸造さんのお酒のようです。いやぁ～美味しい。

次のツマミは一瞬おでん？と思ってしまいました、鮪を藁燻製させて炊いたもの。温かいツマミでした。

次のお酒は「澤の花　ひまり　辛口純米」。

初めて飲むお酒でした。長野県佐久市・伴野酒造さんのお酒。これも美味しい～。

卵の殻をイメージしたという有田焼の酒器でした。器にも結構こだわっているみたいです。

最後のツマミは、蒸し鮑、肝和えした蒸し鮑、積丹半島のムラサキウニ。夏は鮑が美味しい～。

ここから握りがスタートです。テンポよく、且つ適度な間を入れて置かれていきました。

しろいか、あじ（麹で漬けたとうがらし乗せ）、こはだ（おぼろと大葉を挟んでました）、

まぐろ（赤身）、まぐろ（中とろ～大とろの部位）、まぐろ（大とろ　はがし）、

いわし（あじと同じく麹漬けとうがらし乗せ）、うに（軍艦巻き）、あなご（山椒の実挟み）、玉子焼き。

どれも一手間二手間加えた端正且つ丁寧な握りでした。

ガリは薄く切ったものを赤酢で漬けているそうです。甘さかなり控えめでした。

時間とお腹にまだ余裕がありましたので、「巻物もいかがでしょうか？」とのお言葉に従い、

鉄火巻と干瓢巻を頂くことに。それに合わせて先ほど「澤の花」を半合でもいいでしょうか？と

聞いてみますと「大丈夫です」との返事。半合対応は嬉しいです。

鉄火巻は「鶴八」さんのものに引けを取らない豪快さ。口の中が鮪で一杯になります。なんという口福。

干瓢巻は山葵入り・無しを半本づつにしてもらいました。

残しておいた玉子焼きを最後にパクっと頂いてごちそうさま～。

素敵なお店でした。ご主人と女将さんの息も合ってましたし、お二人で目の届く範囲でしっかりとした

仕事をされております。ご主人の容姿も含めて、特に女性受けしそうなお店だなと感じました。

銀座という場所でこれだけの内容のものを頂いて今回二人で３９６００円。ギリギリ１人２万円に収まりました。

「鮨　おがわ」としてあった７丁目界隈の雰囲気よりも、寧ろ落ち着いたこの辺の方が落ち着いていていい感じです。

小川さん曰く、「特に銀座に拘った訳ではなかったのですが、ご縁があってこの場所にしました」と。

今年６月にオープンしたばかり。当面は予約の入っていない日が休みの不定休で営業とのことです。

準備がある為、当日予約も空きがあれば予約可能のようですが、

その場合最短でも３０分くら前には連絡は欲しいらしくフリでの入店はほぼ難しい様子です。

「鮨おがわ」さん時代のお客さんがしっかりついているようですが、

新規のお客さんもどんどん付いていくことと思われます。人気店になって欲しいような欲しくないような・・・。


（訪問時点数　　3.06　　）