銀座の真ん中に素晴らしいグランメゾンが誕生 : THIERRY MARX salon

銀座の4丁目交差点に新しく建てられた銀座プレイスのオープンに伴い、9月下旬に開業。
フランスの二つ星シェフ、ティエリーマルクスによるお店。
（ミシュランの）星の請負人と呼ばれているとか。
ビストロとレストラン（ガストロノミー）を併設してるのですが、今回はガストロノミーの方を結婚記念日で利用。
行った食べ友さん複数から、鳩が絶品だから鳩好きな私には絶対おススメ！とわざわざメールを頂き、そのうち一人の方は電話がつながりにくいからと、予約まで取ってくれました。
超ありがたい。(ノД`)・゜・。
マルクスシェフの下で8年間一緒に働いた女性シェフ、小泉敦子さんがこちらのキッチンを指揮しています。

ビルにはソニーや日産のショールームが入っていて、オープンして間もない土曜ということもあり、多くの人で賑わう。
7Fに上がると、奥に銀座の街を一望できる広々としたダイニング。
こちらがビストロで、お昼前でしたがほぼ満席状態。
多分予約含めると満席と思われ、人気ですな。
で、エレベーターを降りたところにいるお店の方に名前を告げると、すぐ横の扉を開けてガストロノミーの方へ案内。
そちらは、入り口付近にオープンキッチン、奥に客席が一列に伸びる細長い作り。
一番奥は個室っぽい。
ラグジェアリーな造り。
ガストロノミーの方は他にお一人様一人だけと、まだまだ空いてました（遅い時間にもう一組来るようでしたが）。
キッチンでは、シェフ含め4～5人が働く。
ちなみにビストロの方に大きなキッチンがあって、ガストロノミーのキッチンでは主に仕上げをやるそう。
料理は割合スムーズに出てきます。

ランチは、お任せのコース15000円一本。
土曜日はディナーでも出してる20000円のコースもありますが、違いは主に品数とのこと。
夜は軽く日本料理を食べる予定があったので、15000円のコースを予め注文。
当日の料理は以下になります。

＊スナック　　３種のグリッシーニ　オニオンとトピナンブールのサラダ
＊アミューズ　平目のタルタル
＊前菜１　　　フォアグラ/うなぎ
＊前菜２　　　もやしリゾット
＊魚料理　　　のどぐろ
＊肉料理　　　仔鳩
＊デザート　　お重
＊小菓子　　
＊パン　　　　ブリオッシュフイユテ　オリーブのパン

素晴らしかったです。
良いと言われて伺ったものの、ここまでとは思わなかった。
一番印象に残ったのは、塩の利かせ方。
エッジが効いた塩使いで、日本のシェフではなかなか無い塩梅。
やや強めだけど、それが素材ときちんとバランスが取れていて、素材の輪郭をきっちりと浮かび上がらせる。
絶妙ですよ。
また、別の特徴が口内調理。
皿の素材やソースを全部一緒に食べることで、組み合わせによる味の奥深さを演出する。
フレンチではよくあるものの、そのバランスと組み合わせがが見事。
非常に完成度が高くて、考えられた料理。
唸りました。
また、素材や調理による香りの使い方にも秀逸なものがありました。
料理に関してはあまり細かく言う必要もなく、とにかく食べに行ってください♪という感じ。

サービスも素晴らしかった。
まだお客さんが少ないというのもありましたが、実に親切。
何か聞けば丁寧に答えてくれるし、気が利くし温かみがある。
グランメゾンの中でも秀逸だと思います。
お任せコースとはいえ、メインの希望もちゃんと聞いてくれるし。
食後のお茶タイムは、食べ友さんの計らいで、和光の時計台が正面に見えるテラスに席を用意もしてくれる。
ビストロの方なので、満席な中私たちのお茶のためにずっと席をリザーブしてくれてるのがありがたい。

とても幸せな記念日になりました。
連れも絶賛だったし。
食べ友さんに大感謝。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

＊スナック　３種のグリッシーニ　オニオンとトピナンブールのサラダ

グリッシーニは、黒ゴマ・パルミジャーノ・玄米。サクサク♪
スプーンに乗ってるのは、丁寧に火入れして甘さを出したオニオンのピュレ、上にトピナンブール（菊芋）。
パン・デピスの香りが、玉ねぎやトピナンブールの甘さを引き立てる。

＊アミューズ　平目のタルタル

平目のタタキに、クルミ・トマト・椎茸・ディルを和え、ピンクペッパーがアクセント。
塩がやや強めですが、これが平目の旨みを絶妙に引き出してました。
それを、トマトの酸味・クルミの香ばしさ・椎茸の旨み・ディルの香りが一体となって支える。
前述の酸味や香ばしさ・ハーブの香りは魚くささを打ち消し、椎茸は旨みを倍加すると同時に塩の強さとバランスを取る。

＊パン　ブリオッシュフイユテ　　オリーブのパン

ティエリーマルクスは、もともとブーランジェリーのアルバイトから料理人のキャリアをスタートさせたとかで、パンには思い入れがあるそう。
そして、最初に出されたブリオッシュフイユテがすごい。クロワッサンのように、薄い層が無限に重なってる。
一口噛めば、バターの香りがふんわり♪
美味しい。
お代わりのオリーブのパンも、オリーブの香りが高くて美味しい。

＊前菜１　フォアグラ/うなぎ

燻製にした鰻（少量）を下に敷き、ソテーしたフォアグラ。
下にはフォアグラと相性が良い、リンゴのピュレ。
青りんごの皮を散らし、鰻の出汁で取ったクリームを添えて、上にリンゴのサラダ。
全てを一緒に食べてくださいと言われる。
燻製にした鰻は、その脂でフォアグラの脂の甘さと溶け合いながら、燻香で脂の甘さを引き締め旨みを引き立てる。
さらには、リンゴの酸味が絶妙なアクセントとなり、前述の脂の余韻を楽しませる。
最後の一押しが鰻の出汁のクリームで、これが旨みの余韻をさらに長くする。
素晴らしいです。

＊前菜２　もやしリゾット

リゾットと言っても、米の代わりに小さく刻んだもやしを使ったリゾット。
ベースのスープ（ヴルーテ）に使う茸は季節によって変わるようですが、この日はセップ茸。
セップのオイルを加えて、とても薫り高く仕上がってる。
パルメザンチーズを少し入れて、より味と香りに複雑さを。
茸と乳製品は相性が良いです。
そのキノコの濃厚な香りを、シャキシャキで爽やかなもやしのリゾットが、さらに引き上げつつ、品良くまとめる。

＊魚料理　　のどぐろ

ポワレした、のどぐろの火入れが絶品。
その脂の乗りもあり、トロトロととろける様な身質に仕上がってる。
ほんと口に入れた瞬間、とろーと溶ける感じなのですよ。
恍惚。
カリフラワーのピュレの爽やかな甘さは、のどぐろの脂の甘さにグラデーションを付けてその輪郭を浮かび上がらせるし、花山椒やレモンのクリームは引き締め、幸せな余韻へとつなげる。
バターでアロゼ（掛けまわす）したカリフラワーのソテーも美味しい。
生のカリフラワーをレモンやオリーブオイルでマリネしたサラダは、良い箸休め。

＊肉料理　　仔鳩

仔鳩、来た－－－－－！
しかも鳩では一番と思っている、フランスはラカン産。
シンプルに、ジュのソース。
黒にんにくのピュレも添えて、さらには麦と黒米のリゾット。
で、一口・・・。
美味しい・・・（感涙）。
まず、火入れが素晴らしい。
また鳩の独特の香りを引き出す塩の加減も見事。
黒にんにくが、とても合ってることに驚き。
黒にんにくは、にんにくを発酵させたもの。
発酵によりニンニク臭はなくなり、甘味と少しの酸味が出ていてドライフルーツっぽく、鳩の鉄分を含んだ香りにすごく合う。
幸せ・・。
なお、隣の方は川俣の軍鶏（これも有名ですね）だったので、希望をきちんと聞いてくれた形。

＊デザート　　お重

有田焼の特製の器で登場。
フランスでも、bento（ベントー）という名前で出しているとか。
丸い三段のお重で、中にそれぞれデザート。
一番上の段は、イランイランのシャーベット、アボガドのピュレ、グレープフルーツのパンナコッタ。
真ん中は、求肥の中に栗のピュレと生姜のコンフィ。
下の段は、ブドウのスープにライムのシャーベット。

上の段は。甘さと爽やかさの同居。
真ん中は、和風のまったりした甘さが心地よい。
最後のスープは、適度な甘さとキリッとした爽やかさが心地よく、後味すっきり。
変化が楽しい。

＊おまけ

結婚祝いのプレート。
ビーツのラビオリの中には、フロマージュブラン。
フランボワーズのシャーベット。
で、お祝いメッセージがの字が、とても上手。
チョコで書いてますが、ここまで綺麗な字のプレートって、あまりないかも。
非常に感激。
その甘酸っぱさは、そのまま記念日のセンチメンタルへとつながる。
嬉しい。

＊小菓子　　

場所をテラスに移して。
小菓子は、フィナンシェ、カシスのパート・ド・フリュイ、チョコマシュマロ、イチゴのムースタルトなど。
天気が良い日だったので、とても心地が良くて幸せなひと時。
青空や時計台、歩行者天国の人の動きを眺めながら、のんびり過ごしました。

ということで、大満足でしたー。