冒険心があり面白い : レストランエール

当日予約で、2名での利用です。時短の営業でどこのレストランも空席が目立ち、予約しやすいのはありがたいことです。当日の利用者は我々含め2組のみでした。

僕はペアリングを、連れはソフトドリンクを注文。


○6味のジュレ
6食のジュレを溶かし、段階を追って五感を感じられるスープ。浮き沈みの差で味を分けていて、最後はピリッとした辛味。美味しさというよりは、新奇性を感じる料理です。

グラスがsghrっぽいなぁと思って底の印字を見ると、やはりsghr。最近行く店の3件の2件くらいがsghrのグラスなどを利用しる印象で、人気を感じます。


○鰻
上に百合根（月光）のピューレ、木の芽、玉ねぎのコンフィ、うなぎの蒲焼（愛知県産）

ピューレはじゃがいものように甘みがあります。蒲焼きのタレは甘みも控えめで良好。鰻はごくごく少量で、身のふっくら感や、脂乗りは贅沢には感じられません。岩塩が丸みがあり、相性よし。ゲランドの塩を使っているそうです。ゲランドの塩も色々な店で人気ですね。


○フォアグラのコンフィ
低温の油の中でゆっくり調理したもの。フォアグラの味噌漬け、大根の奈良漬け、日本酒漬けのレーズン、おかきとメレンゲを合わせたもの。

フォアグラは溶けておらず、適度な柔らかさと、コクがあります。奈良漬けの塩味、レーズンの甘み、フォアグラの脂のコクで、全体として深みのある味わい。


○エゾバフンウニと卵黄のコンフィ
米粉の焼き菓子（桜の香り付け）、枝豆のサラダ、ボタンエビ、帆立貝のタルタル、大葉のソース、コンソメのジュレ、ホワイトアスパラガスのジュレ、新玉ねぎのムース。

エゾバフンウニは臭みがなく、コクがありますが、目立ったみずみずしさはありません。ボタンエビと帆立貝は少しネタっとしていますが、臭みはなく、全体としてバランスよい味。


○牡蠣
黒キャベツとケールの素揚げ、中にはほうれん草、牡蠣のムニエル、ブルゴーニュバター、ハーブとにんにく、春菊のピューレ

素揚げはサラダ油の130度　低温で一枚一枚素揚げしているそうで、ベタッとした感じはありません。牡蠣は臭みや旨味に関して普通。

ちなみに当日連れが牡蠣を食べれなかったので、わざわざ一人だけはまぐりに替えてくれました。はまぐりは少し火が入りすぎている気もしますが、旨味はしっかりとして美味しい。


○鰆
三陸のわかめオイル、あさりのだし、ヴァンブラン、千住葱

玉ねぎは青臭さが若干目立ちますが、アクのエグミはありません。鰆は脂のりがかなり贅沢で養殖かと思ったのですが天然だそうで、驚きました。ただ天然の脂でも量が乗りすぎていて少しくどいと感じてしまいます。

身は熟成させているそうで、自己分解が進んで旨味がしっかり出ています。


○蝦夷鹿
内ももの部位。赤ワインなどをベースにしたソース、泡はアーモンドミルク。

赤みの柔らく、肉肉しい食感。獣臭はせず、自然な旨味が感じられます。

ただ、切った時にドリップが出て来るのが気になりました。このレア目の焼き加減ですと、事前に肝炎リスク等を防止するために冷凍したものかと思われます。インターネットやジビエ肉を扱う店に聞いて簡単に調べたところでは、野生の鹿は、頭打ち・迅速な放血・鮮度のいいうちに急速冷凍、という過程を経ないと、どうしてもドリップが出やすくなってしまうようです。そして特に急速冷凍設備の整った施設は国内でほとんどないらしく、中々質のいい肉を手に入れるのは難しいとのこと。

とは言っても、脂の乗り切った牛肉よりも、こういった赤身肉の方が最近は好みですし、ソースとの相性もよく美味しく頂きました。


○デザート
オレンジを使用したミルフィーユ、サクサクのパイ生地、オレンジ、なつみかん、オレンジのジュレ、ライムのゼスト、マリーゴールドの花、左手はチャイのクリームピューレをアイスクリームにしたもの

直線的で強い甘味と、強いチャイの香り。パイ生地は少し湿気ってます。好みからは外れます。


○緑茶（ロイヤルブルーティー）
まさかのロイヤルブルーティーのホットティーが飲めるとは、驚きです。業務用で、一般は飲めないものだそうです。

苦味エグミはなく、弱い渋み。アミノ酸量は少なく、香りは弱めです。


○お茶菓子
6種類のお茶菓子。お皿が素敵で、大橋洋食器のものとのこと。購入したいと思ったのですが、大橋洋食器は基本的に一流レストランや一流ホテルにしか食器を降ろしておらず、小売販売がなく一般人は買えないようです。ホームページを見るととても素敵なデザインの食器がたくさん載っていたのに、残念。。。


料理は総じて美味しかったです。