第一分岐点 : 鮨竹

鮨竹

(スシタケ)
寿司TOKYO百名店2022選出店

食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2022 選出店

予算:
定休日
水曜日

この口コミは、超力招来さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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4.1

¥15,000~¥19,9991人
  • 料理・味4.1
  • サービス4.8
  • 雰囲気4.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク4.0

-

1人
  • 料理・味-
  • サービス-
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-
2017/03訪問2回目

4.1

  • 料理・味4.1
  • サービス4.8
  • 雰囲気4.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク4.0
¥15,000~¥19,9991人

第一分岐点

久方ぶりに鮨竹へ。
子持ち槍烏賊と鯖を愉しみに入店したが、鯖は今冬は終わりとのこと。
余程状態が良くならない限り復活は難しいと。

半年ぶりの感想としては、第一に煮物、〆物の仕事のレベルは高く保たれ、同年代の鮨職人のそれを頭一つどころか二つは抜きん出ている。
流石清水さんの技を直に伝承されているだけの事はある。
シャリは以前と比べると大分大人しくなった様相。
親方の話を拝聴していると、種と仕事とのバランスを考慮して、現状ここらへんの着陸点となるのであろう。
先週の師匠店と対比すると個性とエッジが削がれた分少し淋しい気もするがわからぬでもない。
今が第一分岐点なのであろう。

この先機長である親方の舵取りでmake a landing、正に落とし所を作るための長く地道な研鑽が続いていくであろうが、その過程を当方も陰ながら様子を観ていきたい。
ちなみに握り返しは大分減っており、5〜6手で仕上げている。
あとはシャリ玉を作る速度を上げていければ尚可。

【つまみ】
◉芯取菜

◉鮃
◉愛媛産鳥貝
瓜科系の爽やかな香りは赤貝にも通じる旨味成分がシッカリとしている証拠。
まだ肉厚では無いが歯切れも良く、余韻も豊か。
◉白魚酒蒸し 昆布敷
◉鰆の炙り
◉子持槍烏賊
間違い無く、しみづ伝来の仕事。
巧みな煮方、美味きツメ、擦りたて山葵のコントラストは当方の冬の絶品佳肴の定位置を揺るがせない。
先週戴いた師匠の物にも匹敵する美味い槍だ。
槍については異口同音で、釣り物出ないとこの旨味が出ないと。
毎日状態が安定していない様で、河岸でその日の状態を観ながら、子が入っているか、ハリのある身質か等々を見極めて仕入れているという。
ツメの濃度は烏森よりやや緩くサラリとさせたタイプ。

【握り】
◉春子 昆布〆
◉墨烏賊
甘味は抜けてきているが、肉厚でサクっとした歯触りは健在。美味しい墨だ。
◉長崎産鮪赤身
◉長崎産鮪中トロ

今時期の国産鮪はこんな味だという典型的なモノ。
鮪も年々減少傾向が著しい。
サステナビリティという概念を各漁場が取り入れていかないと、将来天然本鮪は食べれなくなる可能性も否めない。
特に海資源に対する環境保護活動を通して漁師や企業が社会的責任を果たしていく事が大事である。

近年の漁獲量の減少の上、日本のみならず海外からの需要も鰻登りに増加したことから値段も高騰し、乱獲が進み、今後の資源管理が最大の課題であろう。
調べてみると、太平洋クロマグロの成魚の資源量は20年前の大体3分の1となる2万6千トンと激減してしまっている。

然るに何の規制も無く野放しではもう10年も持たずに超絶滅危惧種として天然物は漁獲出来なくなる可能性も否めない。
国も大事な資源を後世に伝えていくためにも一刻も早く法整備に取り掛かって欲しい。
例えばここの漁場では一定の漁獲量に到達したら獲らないとか、ある一定の大きさ以外の物はリリースするとか実践されていても隣の漁場が掻っ攫って(かっさらって)いってしまっては元も子もない。
特に鮪に目覚めた某国が根こそぎ乱獲してしまっている現状からも大変危惧して止まない。
法やルールを遵守するという概念を持ち合わせていない者に重罪を課していかなければ資源の枯渇は早まるばかりだ。

◉天草産小鰭
皮目からの小鰭特有の凝縮した風味が素晴らしく、酢〆された脂の旨味が頂点に。
◉金目鯛
◉九州産赤貝
しみづと同じ仕様の肉厚な赤貝はパンと弾ける胡瓜の香りにネットリと色気ある艶めかしき舌触り。
◉出水産真鯵
脂はまずまずで、軽い酢洗いでコクアップ。
◉蛤
◉天草産車海老
◉W海胆
北方四島と宮城を併せ盛り♫
◉穴子
奇跡の穴子!
対馬であろうが今時分の穴子では味わえない旨味を携えている。
甘味もキチンと利かせて穴子の持ち味を存分に引き上げ、ツメで画竜点睛を成す。

◉玉子

◉蛤汁

【日本酒】
◎日高見 純米 半合
◎くどき上手 純米吟醸 半合

  • 鮨竹 - トップフォト 子持ち槍烏賊で一献

    トップフォト 子持ち槍烏賊で一献

  • 鮨竹 - 日本酒(半合)1

    日本酒(半合)1

  • 鮨竹 - 芯取菜

    芯取菜

  • 鮨竹 - 鳥貝

    鳥貝

  • 鮨竹 - 白魚酒蒸

    白魚酒蒸

  • 鮨竹 - 鰆 炙り

    鰆 炙り

  • 鮨竹 - 日本酒(半合)2

    日本酒(半合)2

  • 鮨竹 - 子持ち槍烏賊

    子持ち槍烏賊

  • 鮨竹 - 墨烏賊

    墨烏賊

  • 鮨竹 - 赤身

    赤身

  • 鮨竹 - 中トロ

    中トロ

  • 鮨竹 - 小鰭

    小鰭

  • 鮨竹 - 金目鯛

    金目鯛

  • 鮨竹 - 赤貝

    赤貝

  • 鮨竹 - 軽く酢洗いした鰺

    軽く酢洗いした鰺

  • 鮨竹 - 蛤

  • 鮨竹 - 車海老

    車海老

  • 鮨竹 - 海胆

    海胆

  • 鮨竹 - 穴子

    穴子

  • 鮨竹 - 玉子

    玉子

  • 鮨竹 - 蛤汁

    蛤汁

  • 鮨竹 - 本日のネタ

    本日のネタ

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2016/09訪問1回目

4.6

  • 料理・味4.5
  • サービス5.0
  • 雰囲気4.8
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク4.0
¥15,000~¥19,9991人

-

  • 料理・味-
  • サービス-
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-

心安らぐ本物の江戸前鮨

【28.9.2追記】
前回訪問から大分間が空いてしまったが、今回も〆物と煮物の仕事が素晴らしく安心感もあり嬉しく思う。仕事した握りは絶品。つまみも握りも相変わらず気風の良い竹内史恵親方らしい提供。今を煌めく若手職人の〆、煮仕事では足元にも及ばぬ超超力好みのテイストである。

鮑は終盤に向かいつつあるとのことだがピーク界隈の旨味であることは間違い無い。腰高で厚みのある雌貝を伝統の仕事で最高の状態に仕立ててある。つぶ貝は生と煮切を塗ってサッと炙ったものの二通りの食べ比べで憎い演出♪もちろん美味い!真蛸は定番の塩茹でかと思いきや桜煮とのこと。食べてみると味の染み込み方は外側をコーティングする形で過度な味の染み込ませ方はさせておらず、蛸の持ち味を引き立てる影の演者。桜煮に合わせて櫻で合わせるべく三千櫻を半合戴いた。

握りではしゃりがやや大人しい感じになってきているのかな?と感じた。赤酢の酸味が柔らか目になっている様に思える。塩分、シャリの炊き加減とパッツリとした弾力と噛み締めて甘味が出る旨味は変わらず。手数も以前(10手程)より減ってきており、5〜7手位で握る。これが全ての握りで5未満になってくる頃が成熟期となるのであろう(玉子は2手でふんわり)。史恵親方の場合は手数が多くても握りに違和感があまり無く、解け具合も支障をきたす程では無いが手数は少ない方が良い 。

小鰭新子は背伸びしている大人びた女子高生の味。史恵親方曰く烏森の親方より女性的な〆方と仰っていたが、鈍(なまくら)〆では無くシッカリとした仕事が施されている。
鰯はそろそろ終盤とのことで脂の乗りは大人しいが、塩と酢で〆たことによる身の旨味と香りの立たせ方、単体では醸し出せない脂のコクのある旨味。鰯の嫌なところは全て〆仕事で落とされて良いところ取りの状態をシャリと合わせたらもう得も言われぬ美味。

穴子は本当に超絶的な美味さ!親方は豪快に2貫分の穴子の切身を握り、半分にして塩とツメで戴く。ツメは以前より粘度も味わいもややサラリとさせたテイストになっていた。梅雨を経て十分に養分を蓄えた穴子はそれ自体絶品で、鶴八仕事で酒、醤油、砂糖が穴子の真の潜在能力を引き上げ、底上げして己だけでは射出せない旨味のエッセンスを演出してシャリとマリアージュすることで旨味が更に2倍、3倍と味の階段をかけ上がっていくのだ。穴子の旨味は甘さを加味することによって爆発的な美味に昇華するが、そのバランスも難しいと史恵親方は仰る。穴子の仕事は鶴八系が世界一美味ね!あまりにも穴子が美味いので〆の巻物は穴キュウでお願いした。

他にも新烏賊(墨烏賊)の握りも良い感じになってきており、丁度一貫分の大きさという。パッツリ感はまだ無いが、柔らかでネットリとした旨味がシャリと融合する。そして新烏賊の時期に忘れてはならぬ下足の握りも戴いた。軽くボイルした下足はツメでお願いした。身よりも下足はコリッとした食感と素材の味わいが感じやすく実際旨味も濃い。シャリとの一体感も抜群で大きさ、硬さ的にも今が盛りで後は旨味は増すが硬くて大きくなり握りには向かずにつまみでの提供となる。

本日は秋刀魚が無く後ろ髪をひかれるが、近々秋刀魚のつまみと握りでも戴きたく再訪必至である。史恵親方ととくちゃんにはいつも色々とご配慮戴いて本当に感謝しています。毎回愉しい一時をありがとう!

【つまみ】


つぶ


【握り】
春子昆布〆
墨烏賊新子
鮪赤身付け
鮪中トロ
小鰭新子
墨烏賊下足
金目鯛
平貝
車海老
〆鰯
海胆
いくら
穴子
穴キュウ巻
玉子

【日本酒】
くどき上手 1合
三千櫻 0.5合

------------------------------------------------------------------------------------

ここの店、店主の竹内史恵さんについて何から語って良いか大変迷う。主が新橋しみづに初めて弟子としてつけ場の端で飲み物やおしぼりを提供し出した頃から知っている身として実に感慨深い。大典さん(現鮨まつもと主人)が山葵を擦りおろし、赤貝等貝類や海老を捌いて親方へ種を繋いでいくポジションの時である。その後大典さんは京都は祇園へ旅立ち、彼女がそのポジションへ。初めのうちは中々手が覚束ない事も多かったが、徐々に板に付いていく。仕事ぶりを拝見して徐々に信頼して鮨、ネタの話なども沢山したなぁ。しみづの親方と同じく剃髪に近い程坊主頭とし、気合の入り方が違っていたことを思い出す。当方仕事等で忙殺されていた時期と重なり、8年と少々厳しくも本物の仕事を継承されたしみづを卒業する際、銀座に自分の城『鮨竹』を開業した際と立ち会えて居らず口惜しい限り。何とも遅きに失した感もあるが、丁度一年が経過した頃でワンサイクルやり通したところで初訪問と相成った。

開店されて1年無休で営業した後に定休日を定めたことにより、色々と見えてきた事、更に良い仕事、サービスの提供を心掛けようと思われたこと等貴重な実体験から来るお話をうかがえた。本日早い時間帯は他客も少なくご主人竹内さんの目の前に配膳して頂き、心置き無く全てを出し切って戴くべくお任せでお願いした。このような日がこようとは•••戴いたものは以下のとおり。

【つまみ】
水茄子、鮃(ソゲ)、鮑、秋刀魚の炙り、真ツブ、鳥貝、蝦蛄雄と雌、焼き真ツブ

【握り】
墨烏賊新子、金目鯛、大間産鮪赤身、中トロ、小鰭、鰹、春子の昆布〆、〆鰯、新いくら、鯖、車海老、海胆(馬糞と紫)、穴子、玉子、干瓢と朧巻

日本酒1(醸し人九平次 純米吟醸)

付き出しに水茄子。生の水茄子に軽く塩をして酢橘を軽く掛けたもの。塩と仄かな酢橘の加減が水茄子の甘さを引き立て、口の中を綺麗に掃除してくれるかの如くさっぱりとさせる。うぬー、史恵さん、考えたなぁ。
白身はソゲ(鮃の幼魚)。朝〆だが旨味はしっかりと出ており、身は何日か熟成したかのような柔らかさがあるが新鮮さも兼ね備えている。何でもかんでも熟成させるのではなく、バランス加減が大事と主。全く同感で当方も同じ考えである。
鮑は大振りにカットされた物でしみづ流で圧倒的迫力感。『鮑は大振りに切る仕事しか知らないので』とこれは良き伝承!ペラッペラに薄く切られても味など分からんしね。もう終盤ですがとのことだが鮑の風味は強く、馥郁たる薫りが口いっぱいに駆け巡り、鼻腔へ抜けていく心地良さ。夏場には沢山の鮑の中から選別できたが今はほとんど選べる程の量が入荷されていないという。肝は提供できる程の状態では無い為本日はお休み。残念。鶴八の炒り付けるように煮汁が無くなる程につめるのも良いが、このムッチリ感を残して鮑の旨味を引き出しフレッシュな薫りも閉じ込められているしみづ流の塩蒸は見事の一言。見た目、提供の大きさ、味わい共にしっかりと伝承されており、正直かなりジーンと来てしまった。
旬の秋刀魚は軽めに〆た物を軽く炙り、自分の脂で身はトロトロ。史恵さんが修行時代に賄いで考案したという薬味で食す。浅葱と生姜を最初から混ぜて煮切りと合わす。薬味が均等に行き渡るようにという配慮からのもの。写真で見た時に小笹の薬味の二番煎じかと思っていたのだが全く別物。シンプルだけどお目にかけない物である。ちょっとしたアイデアが素材に対して最大限にポテンシャルを引き出し、魚を旨くする。鳥貝は赤貝のピンチヒッターと言うが、これがまた良き風味。宮津の使えそうな物があったのでチョイスしたとのこと。甘味もしっかりしており、胡瓜のような爽やかな瑞々しい薫りも強い。今回の台風と秋雨前線の影響で海は大荒れ、種も少なくとても苦労されたよう。しかしこの代打はレギュラーを脅かす程の実力者であった。蝦蛄はカツブシ入りの雌と雄との食べ比べとは憎い事をするねぇ。しみづの漬け込みの仕事もキチンと受け継がれており美味い!真ツブ貝は生と焼きでの食べ比べ。薫りと歯ごたえの生と甘味と香ばしさの炙りと愉しめた。

ここでお茶を戴き握りへ。
一番の気掛かりだった赤酢のシャリは全く問題無し。一粒一粒肌理細やかに旨味がコーティングされ、塩加減、酢加減も硬さ加減のバランス感覚が相当に研ぎ澄まされている。握りはシャリ玉を成形するまでにやや時間を要することと、手数が多めであることが気になる点→課題ではあるが、キチンと口の中でハラリと解け、滑らかに喉を通っていく。シャリ玉を成形した時点でネタへあてる分量は決まっており、捨てシャリはしない点は清水親方譲りで好感大。ネタに長く触れる事による影響を逓減していければ、更に進化した握り、味わいとなっていくであろう。

そして種との相性だが•••
墨烏賊は2貫サイズの新烏賊。しかし身に厚みが出ており、噛むと滑らかな食感の中より甘味が溢れ、シャリのシャープな加減が更に烏賊の甘味を底上げして一つの融合物となる。
金目鯛は脂の加減が本日は浅めではあったが身の熟れ具合と旨味の引き出しが良くシャリとの融合も確立されていた。
鮪は赤身が独特の酸味があって鮪らしい大好きな味。本日は即席の漬けで供された。酸味の鉄分を煮切りが円やかにしてシャリとの融合を促す。
小鰭は流石の一言。しかし、しみづの〆よりかは幾分ソフトにされているとのこと。しかし、他店で柔らかめな〆方に慣れている人にはまだ酸っぱいと言われるのだとか。今の時期ではまだ新子からの成長期であり身も脂も味は浅めなので幾分軽めの〆で丁度良い。しかしこの小鰭、後から後から脂と身の旨味が強く出て来るではないか。しっかりと〆られ塩と酢が身からの旨味をグイグイと引き出しているのであった。
鯖もまだまだ身も脂も薄めとは言うものの、しみづでの〆方が受け継がれており鯖のポテンシャルを極限まで引き出し上げ、シャリとの融合へ紡いでいく。大好きなネタであり、これから本格的に身も厚みも良質な脂を増して旨くなっていく。本当に楽しみだ。
本日一番刮目、そして感嘆したものが〆た真鰯。しみづでもツマミとしての提供はあるが、小骨が多いので握りにはしない代物。そこを史恵さん、一歩踏み出て握りに合うよう色々と試行錯誤を繰り返し、ようやく辿り着いた逸品。塩と酢の〆加減が鰯の脂のクドさを消して旨味と転嫁させ、シャリとのセッションを促す。そこにもう一工夫。薬味の存在だ。安易に生姜を用いず、色々ある薬味のうち選ばれたのは刻まれた大葉。軽くシャリ玉に大葉を着けて〆た鰯とマリアージュ。史恵さん曰く、鰯の癖を大葉がサラリと消し去るのだと。青魚が苦手な人はどんな些細なところでも嫌な点が見えたり感じたりすればそれで手を付けなくなる。そういった対処にもなる。小骨も全く当たらず、身の処置も完璧、〆方も赤酢のシャリとの融合も完璧、最後の癖への対処も抜かり無く行われて全く隙の無い握りで凄味を感じた。これはしみづにはない、竹内史恵という鮨職人が心血を注いで完成させたオリジナルである。
もう一つオリジナルを発見。春子の昆布〆である。何故昆布〆にしようとしたのかたずねたところ、本日は〆物の仕事がいくつかあるため(小鰭、鰯、鯖、秋刀魚)、春子まで〆ても面白味が無く、他の種とのラインナップからも被るしクドさも出てしまうからと。軽めに塩をして昆布もそんなに当てず軽い仕上がり。春子の身は適度に熟れ、円やかになり、シャリとの融合も申し分無い。春子の味わいの再発見をさせてもらった。先日のとかみの黄身酢朧の漬けといい、こちらの昆布〆といい、単純に塩と酢で〆るのではなく、色々考えての種への仕掛けが面白い!
海胆はしみづ流ではなくさらに本流に遡上して鶴八流の仕事が。蝦夷馬糞海胆と紫海胆をこれでもかと言うほど、もう乗り切らないよぉと言う程乗せて供される。もう旨味の極致ではないか•••。何故この仕事をとたずねたところ、海胆屋から、海胆の盛りはケチケチするなと言われていると。素晴らしい教えですな(笑)
穴子は文句の付けようも蘊蓄の垂れようもない程隙の無い旨さ。只々美味いの一言が有るのみ。塩でもツメでも最高に美味い!しかし、このツメ。もう何年も継ぎ足しで旨味が凝縮されたような味わいと風味なのであるが、色々とこの味に到達するまでにかなりの苦労をされている。ここでは書けないが、主の長年の修行と血の滲むような研鑽から完成させた珠玉のツメである。
干瓢も程良い煮方と食感、朧の甘さ加減と風味が海苔とシャリとが合わさって最後まで喉を鳴らす。サビをキッチリ入れてくれるのも泣かせる。玉子も握りで頂く。玉子は独立してから初めて自分で焼き、試行錯誤を繰り返して完成させた物。山芋は入っておらず、芝海老に酒、味醂、砂糖で味を決めるとのこと。配合も独立後に自ら調合し、ここまで辿り着いた。シャリが玉子を更に旨く、甘くするのだ。お腹に余裕があれば絶対に玉は握りで食べることをお勧めしたい。

かなり長々と文章を書き連ねてしまったが、此れ程嬉しい初店訪問は今までなかった。銀座という地でツマミと酒を軽く愉しみ鮨を食べての値段は破格と言って良い程のものと思う。一年間色々とあったろう。最後の最後まで気配り目配りが行き届いて素晴らしい時間を過ごさせてもらった。こんなに心が和んで美味しく食事が出来ることは中々無い。間違い無く心に残る鮨、食事であった。そして史恵さんが銀座という地で立派に親方としてやっていることが何よりも嬉しかった。

  • 鮨竹 - トップフォト 今しか食べれない新烏賊下足の握り

    トップフォト 今しか食べれない新烏賊下足の握り

  • 鮨竹 - 泉州茄子 酢橘の香りがアクセント♪

    泉州茄子 酢橘の香りがアクセント♪

  • 鮨竹 - くどき上手 純米吟醸

    くどき上手 純米吟醸

  • 鮨竹 - セッティング

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  • 鮨竹 - 鮃

  • 鮨竹 - ナス~♪

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  • 鮨竹 - 蒸し鮑

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  • 鮨竹 - 鮑肝

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  • 鮨竹 - 大好きな物を巻いて貰って♫

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  • 鮨竹 - 穴子たっぷり~♪

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  • 鮨竹 - ツメで戴く

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  • 鮨竹 - 店構え

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  • 鮨竹 - 暖簾

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  • 鮨竹 - 真ツブ貝

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  • 鮨竹 -
  • 鮨竹 - 鳥貝

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  • 鮨竹 - 蝦蛄の雌(カツブシ)と雄

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  • 鮨竹 - ガリと茗荷の甘酢漬け。これがまた口直しに最高なのだ!

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  • 鮨竹 - 本日の種札。ここに挙げてある物は握りに出来ますとのこと。逆に無い物は出来ません。

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店舗基本情報

店名
鮨竹(スシタケ)
受賞・選出歴
2020年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2020 Bronze 受賞店

2019年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2019 Bronze 受賞店

2018年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2018 Bronze 受賞店

2017年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2017 Bronze 受賞店

寿司 百名店 2022 選出店

食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2022 選出店

寿司 百名店 2021 選出店

食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2021 選出店

ジャンル 寿司
予約・
お問い合わせ

03-6228-5007

予約可否

予約可

住所

東京都中央区銀座7-6-5 石井紀州屋ビル 4F

交通手段

銀座駅B3出口より徒歩5分

銀座駅から308m

営業時間
  • 月・火・木・金・土・日

    • 11:30 - 14:00

      L.O. 12:30

    • 17:00 - 22:30

      L.O. 21:00

    • 定休日
  • ■ 定休日
    祝日の月曜日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算(口コミ集計)
¥20,000~¥29,999 ¥20,000~¥29,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(Diners、VISA、JCB、AMEX、Master)

電子マネー不可

QRコード決済不可

サービス料・
チャージ

おまかせ料金に含む

席・設備

席数

8席

(カウンター8席)

最大予約可能人数

着席時 3人

個室

貸切

不可

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

空間・設備

落ち着いた空間、カウンター席あり

メニュー

ドリンク

日本酒あり、ワインあり、日本酒にこだわる

料理

魚料理にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

一人で入りやすい 知人・友人と

こんな時によく使われます。

ロケーション

隠れ家レストラン

お子様連れ

ディナータイムはお子様連れ不可
(高校生以上は可・ランチタイムは要相談)

オープン日

2014年6月4日

備考

アメックスが使えます(情報提供元:アメックス)

初投稿者

出挙出挙(2391)

最近の編集者

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    4.60

  • 2 さわ田 - メイン写真:

    さわ田 (寿司)

    4.54

  • 3 鮨 鈴木 - 内観写真:

    鮨 鈴木 (寿司)

    4.27

  • 4 きよ田 離れ - 料理写真:

    きよ田 離れ (寿司)

    4.06

  • 5 鮨 さえ喜 - メイン写真:

    鮨 さえ喜 (寿司)

    3.98

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