詩情豊かなフレンチ : レストラン マサ ウエキ

マイレビュアー様の誕生日祝いに伺いました。

銀座４丁目からほど近いビルの５Ｆにあり、グランメゾンの趣きです。

エレベーターを降りると、左右にレストランがあり、ひとつは、「 レストラン　MASA UEKI」で、もうひとつは、

カジュアルな、「the fifith floor by MASAUEKI」です。

今回は、レストランのほうです。

ディナーは、１１品　１６０００円と、１３品　２３０００円の２コースがあります。

１１品のほうをお願いしました。

この日は、お誕生日祝いと伝えてあったので、個室を用意してくれました。

まずは、赤ワインをグラスで。　メルロー主体の、シャトー　サランソ　デュプレです。

予め一人づつ用意されたメニューを見ると、各料理１１品に、シェフのインスピレーションのネーミングのみが

記されています。　実に、詩的なネーミングで、期待感がふくれます。

では、料理です。

１、夏のそよ風　　　　　　　　　　　　　　グリーントマトのガスパチョ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　黒鮑のブレゼと、生ウニ

２、ゆらめく微光　　　　　　　　　　　　　透明なガラス器で登場。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　下部には、紫の発光体が入っていて、まさに「ゆらめく微光」です。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　上部の皿には、セルクルで抜いたアオリイカのムース。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　グレープフルーツで酸味をつけています。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その周囲には、赤パプリカのジュレ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　上部には、イカ墨のアイスクリーム

３、甘美なる憂愁　　　　　　　　　　　　　この料理が運ばれる前に、生きた車海老が大きな円形の容器で
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　運ばれ、見せてくれました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　有田で特注したという黄金の角皿で登場。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　キャラメリゼしたフォアグラと車海老、なんですが、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　シャインマスカット、チョコレートムースなど、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　五味を織り交ぜ、旨みを醸し出す構成なのです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蕎麦粉のチュイールが食感のアクセントに。

４、里山からの贈り物　　　　　　　　　　　天竜川から生きた状態で送られてくる黒豹鮎をコンフィにし、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ブルーベリーとシャンパーニュのソースで。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鮎には、白瓜があしらわれています。

５、荒波を乗り越えて　　　　　　　　　　　長崎、佐世保産赤むつ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　焦がしバターとバルサミコソース
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　茄子、ズッキーニ、スティックセニョール
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　赤むつの卵
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　茄子の葉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　パクチーソース

６、夕暮れの白峰　　　　　　　　　　　　　ヒューガルテンとヨーグルトのソルベに、バラのジュレ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お口直しです。

７、華やいだ微笑み　　　　　　　　　　　　仏産仔牛の藁焼き
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ブルゴーニュバターとガーリックのソース
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ハモンセラーノのクリームソース
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　オーストラリア産黒トリュフ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　枝豆のニョッキ

８、夏のざわめき　　　　　　　　　　　　　淡路の鱧をポシェしたものに、五穀米リゾット
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ホワイトヤングコーン、モロヘイヤ、鱧の卵

９、高鳴る旅路　　　　　　　　　　　　　　いちじくのスープに、ブラマンジェ、ブラウンシュガーの
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　わらび餅

１０、桃色の片思い　　　　　　　　　　　　桃のコンポート、ヴァニラのクリームブリュレ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　メレンゲ、タピオカ、ベリーソース、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　カシスアイス

１１、小さな宝石　　　　　　　　　　　　　紅芋のフィナンシェ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　木苺のマカロン
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　柚子のマドレーヌ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アプリコットのパートドフリュイ

フレッシュハーブティ　　　　　　　　　　　西東京市にあるニイクラファームの新倉大治郎さんが
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　育成したハーブ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アップルミント、アップルセージ、スペアミントが
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それぞれガラス瓶に入ってどっさり運び込まれました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　目の前で、シェフが自ら葉を取って、ポットの中へ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これは濃厚で、香り豊か。　最高に贅沢なハーブティです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（というわけで、食後のコーヒーはありません）

パンは、こちらのパティシエが作った
野菜のブリオッシュと、バジルのパン。
バターは、ブルターニュの海藻バター。海藻が濃くて、美味。

最後に、予めお願いしておいた、バースデーケーキが登場。
いちごのショートケーキで、大きな文字でお祝いメッセージが。
きれいな造りでした。

料理は、いずれもさすが熟練の技で、特にソースがどれも美味。

ソースには、クラシックを感じましたが、

巧みな鮎の表現などは、モダーンな領域。

鮎と車海老のマリアージュは、オリジナリティそのもので、

確かに、五味から旨みを感じさせてくれました。

サービス陣もよかったのですが、説明不足の人がいたり、

質問に答えられなかったり、が、ちょっと残念でした。

ゴージャスでゆったりとフレンチを楽しむには、いいお店だと思います。