ムニュ・スポンタネ : エスキス

2019年11月初訪問
銀座エスキス初体験
メニューはアラカルトはなく、Menu spontané（ムニュ・スポンタネ）というコースのみ。
エグゼクティブ・シェフのリオネル・ベカの束縛のない自由な感性で構成されることから、「自発性」という言葉を選んだのだろうか。
コースは前菜、魚料理、肉料理、プレデセール、デセールの構成。値段により前菜４皿または５皿＋チーズの構成になっている。
写真で見てもポーションの感覚がわからなかったので、前菜が４皿のコースを予約。
ワインはペアリングで。相棒は世界のワイン、自分はフランス銘醸地。

メニューはテーマと主要な食材のみのシンプルな記載のみ。テーマは「Transversalité　横断性」。「幾何学において、内包する空間がどのように交わるかを表現する概念」という簡易な解説のみ。想像が膨らむ。

最初は細身のフルートグラスでグラスシャンパーニュ。テタンジェだったかな……。メモしないと忘れる。NV Gran Cru。多分。

＜前菜＞
熱気　：　雲丹、パン　…　グラスシャンパーニュ

アミューズ。一口で。雲丹の甘味と塩気、食感。小さな空間に様々な要素が詰まっている。雲丹は素晴らしい食材だと再認識。


詩情　：　バターナッツ、イクラ　…　アルザス、ゲヴュルツトラミネール

困惑する。イクラに甘味を感じるスープ、柑橘。磯の香りがする食材と合うのだろうか。疑問に思いながら、脳で予測したものと、
口の中のものが一致しない。不思議だ。食べ勧めていくうちに、因数分解するように、味の構成が見えてくる。これは合うのか、合わないのか。
不思議な料理だった。


感覚　：　烏賊、ユーカリ　…　サンセール、ソーヴィニヨン・ブラン

ユーカリという食材が気になった。コアラになった気分。烏賊は柔らかく、味が濃い。ソースにユーカリが使われているとのこと。


調和　：　白子、トランペット　…　ジュヴレ・シャンベルタン、ピノ・ノワール

これは旨味の塊。白子の高貴さ。それに旨みたっぷりのスープ。


＜魚料理＞
波しぶき　：　甘鯛、ふきのとう　…　シャトーヌフ・デュ・パプ、白

ブイヤベースの旨味を凝縮したようなソース。


＜肉料理＞
獣性　：　鹿、燻製茶　…　ポムロール、メルロー

なんてキレイな鹿肉なんだろう。
栗のペースト。鹿も食べていたのだろう。

＜プレデセール＞
食感　：　葛切り、みかん

＜デセール＞
愉しみ　：　イチジク、セップ茸

＜食後酒（追加）＞
2006 Michel Couvreur 2006 x 2018 12Y
ミシェル クーヴルー シングルカスク

最後はシェリー酒、口ペドロヒメネス樽熟成のシングルカスクを追加注文。美味しい。


＜フランス銘醸地＞
2016 Gewurtztraminer Rangen De Thann Clos Saint Urbain Grand Cru Zind-Humbrecht 750ml
ゲヴュルツトラミネール ランゲンドタン クロサンテュルバン グラン クリュ 2016 ツィント フンブレヒト
生産地：フランス・アルザス　アルザス グラン クリュAOC
生産者：ツィント フンブレヒト
品　種：ゲヴュルツトラミネール
ワインを注いだ瞬間から、ゲヴュルツトラミネールの華やかな香り。最初に優しい甘みを感じる。

2011 Henri Bourgeois Sancerre Cuvee Etienne Henri
サンセール　エティエンヌ　アンリ　アンリ・ブルジョワ
生産地：フランス、ロワール、サンセールAOC
生産者：アンリ・ブルジョワ
品　種：ソーヴィニヨン・ブラン
ロワール、サンセールの最高の生産者。

2015 Gevrey Chambertin 1er Cru La Perriere Phillippe Pacalet
ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・ラ・ペリエール フィリップ・パカレ
生産地：フランス、ブルゴーニュ、コート・ド・ニュイ、ジュヴレ・シャンベルタン、ラ・ペリエール
生産者：フィリップ・パカレ
品　種：ピノ・ノワール

2016 Clos Saint Jean Châteauneuf-du-Pape Blanc Vieilles Vignes
シャトーヌフ デュ パプ ブラン 2016 クロ サン ジャン
生産地：フランス、ローヌ、シャトーヌフ・デュ・パプ
生産者：クロ・サン・ジャン
品　種：グルナッシュ・ブラン 25% 、 クレレット 25% 、 ルーサンヌ 25% 、 プールプーラン 25%

2007 Château Providence Pomerrol
シャトー・プロヴィダンス・ポムロル
生産地：フランス、ボルドー、ポムロール
生産者：ジャン・ピエール・ムエックス
品　種：メルロー９０％、カベルネ・フラン１０％
1928年からはデュピュイ家が所有していたシャトーだが2002年からジャン・ピエール・ムエックス社に。