軽やかさとしっかり感を高い次元で両立させた絶品フレンチ : エスキス

ミシュラン二つ星にして、本サイトでも非常に評価が高いフレンチ。
コルシカ島出身のシェフは、地中海のテロワールに加え日本の調味料や食材も取り入れ、唯一無二の世界を構築してる。
最近こちらの良さを改めて感じており、時々伺おうということで記念日に訪問。

ビルの9Fにあるこちらは、ナチュラル感のある内装が軽やかで良い感じ。
とはいえ、適度にシックな感じもある。
向かいのビルの空調配管とかを眺める景観はアレですが（汗）、気持ちの良い空間であることは間違いがない。
席間もゆったりしてますしね。

ランチのコースは、10000円、14000円、17700円（税・サ12％別）
この中にグラスシャンパーニュとミネラルウオーターも含まれてます。
値段の違いは前菜の皿数で、料理の内容は基本的に一緒みたい。

この日の内容は、以下になります。

＊アミューズ　雲丹　パン
＊前菜1　キノコ　酒粕
＊前菜2　ハモ　イヌハッカ
＊前菜3　ボタン海老　トンカ
＊魚料理　マナガツオ　発酵葡萄
＊肉料理　鹿　燻製茶
＊デセール1　梨　セロリ　リコッタ
＊デセール2　ヌガーグラッセ　グレープフルーツ　オリーブ
＊小菓子　カフェ

今回も素晴らしかった。
具材としてマッシュルームを使っただけの料理の余韻の長さに驚嘆し、鹿の奥深い旨みに感動。
マナガツオのしっとり感に唸り、ハモの和のニュアンスに感心。ボタン海老のソースの香りにうっとり。
デセールは梨とセロリのサラダのような爽やかさが面白いし、ヌガーグラッセの軽やかさに驚く。
ホントすごい。
かなり色々と手が込んでいるのですが、それがきちんとまとまっており、至高の美味を生み出してる。マッシュルームだけの皿が、なぜここまで美味しいのだろう？とか驚きの連続。
鱧や醤油・酒粕など日本の食材や調味料も取り入れフレンチとして成立させることで、複雑みに繋がってるのかな？とも思うが、とにかく口に入れる前の想像をどれも凌駕してくる。
和の要素を取り入れたフレンチは最近多いですが、もともと日本で育ってきたわけではないシェフがフレンチのテロワールをベースに自身が触れた和を入れることで、和を強調しすぎずに隠し味的な複雑性を与えているのかも？とも思う。

サービスはもう少しフレンドリーでも良いかな？と思うものの、さすがに感じが良い。

あ、記念日ということで別注でケーキを頼んだのですが（3200円）、このマンゴーのショートケーキも、とっても美味しかった。見た目は普通のショートケーキなんですけどね。クリームが軽やか。

さすがの名店です。
しばらくリピートすることになりそう。

ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

＊アミューズ　雲丹　パン

パンの上にトマト、胡麻、雲丹を乗せ、さらにフィンガーライム。
雲丹が美味しいし、フィンガーライムの酸味で甘みが立つ感じ。

＊前菜1　キノコ　酒粕

これは素晴らしかった。
（調味料を除く）食材はマッシュルームのみかな。
ゼリー・ムース、生のマッシュルーム。なのにとっても奥深い味。
どうしてこんなに？というくらい美味しい。

＊前菜2　ハモ　イヌハッカ

ハモを骨切りして焼き霜仕立て。
日本料理の手法ですな。
イヌハッカオイルや梅肉を合わせて。
さらに鶏と椎茸で出汁を取ったスープを合わせる。
ハモの骨切りは少し甘いものの、鉄板的な美味しさ。
ハモはかなり上質っぽく、旨みが素晴らしかった。

＊前菜3　ボタン海老　トンカ

ボタン海老はとても甘みがある。
しっかりしつつも海老臭さがなくて上品なアメリケーヌソースに感服。

＊魚料理　マナガツオ　発酵葡萄

マナガツオは、非常にしっとりとした火入れ。
シェリー酒をベースに（鶏の？）ジュを合わせたソース。
麦味噌も使ってます。
このソースが美味しい。
また、発酵葡萄の酸味がマナガツオの旨みを良い感じに、持ち上げてくれる。

＊肉料理　鹿　燻製茶

この鹿がまた美味しい。
鹿を食べる機会は比較的ある方なのですが、一番かな。
何とも言えない香りと旨みがある。
醤油と燻製茶とウイスキーを合わせたペーストを塗ってるらしいのですが、これが突出せずに鹿に深みを与えてる感じ。
素晴らしいです。

＊デセール1　梨　セロリ　リコッタ

甘みが少なくて爽やかな、サラダのようなデセール。
こういうアプローチもあるんだなぁと感心。

＊デセール2　ヌガー　グレープフルーツ　オリーブ

ヌガーの軽さに驚愕。
（成田さんが抜けた後の）前回はデセールが弱いと感じたのですが、これは素晴らしいです。

＊小菓子　カフェ

以上です。

ミシュラン二つ星にして、本サイトでも非常に評価が高いフレンチ。
ただ最近は何故かレビューもそんなに多くなくて、GWのランチも結構簡単に予約が取れました。
そういう私自身も、超久しぶり。

本年の2月に内装をリニューアルし、さらに超有名パティシェの成田さんが辞める（今はスガラボにいます）という変化があった当店。
以前はナチュラル感のある内装だったのですが、少しシックになりました。
以前の内装も好きでしたが、これはこれで落ち着く。

ランチのコースは、11000円、15200円、19200円（税込み。サ12％別）。
11000円コースで出される料理内容は、他の2コースでも全く同じ（前回も今回もそうだった）。違いは、コースの値段が上がるごとに前菜が一皿多くなること。つまり11000円コースをベースに、前菜1皿が約4000円で追加になると思って頂ければ。
また、どのコースもシャンパーニュ1杯・ミネラル水が付いているので、CPという点では11000円のコースは超絶お得。
とはいえ久し振りというのもあり、真ん中の15200円コースにしました。
当日の内容は、以下になります。

＊アミューズ　稚鮎　マンゴーピュレ
＊前菜1　　グリーンアスパラガス　フロマージュブランのソース　アボガドのピュレ
＊前菜2　　フォアグラのポワレ　スッポンのスープ　エゴマ
＊前菜3　　モリーユ茸　ソースヴァンジョーヌ　うずら玉子　ブロッコリーのピュレ
＊魚料理　　鰆　フキ味噌添え　オリーブと自家製魚醤のピュレ　ベルガモットと柑橘のピュレ
＊肉料理　 七谷鴨のロースト　サルミソース　根セロリのピュレ　小豆
＊デセール　ウイキョウのアイス　クレープ　発酵イチゴのソース　サクランボ
＊デセール　バタークリームを乗せたダックワーズ　カルダモンのアイス　プラム　セージの泡
＊小菓子・カフェ　トンカ豆と黒糖のタルト

とってもとっても良かった。
繊細で軽やかながらしっかりと芯があって、根セロリのピュレみたいな何気ないものが唸る程美味しい。超感動。
特に肉料理は、今年食べた中でも1,2を争うというか、鴨料理として生涯トップクラスの素晴らしさ。食べながらずっと悶絶してました。
それ以外も、モリーユ茸のヴァンジョーヌソースに悶絶したり、普段あまり感銘を受けることが無いフォアグラのポワレに唸ったり、本当に素晴らしかった。
また、先述の鴨料理は酒粕でマリネしていたり、アスパラガスの皿に添えたセロリは糠みそでマリネしていたり、魚醤を使ったり、さりげなく和の要素を忍ばせているのも特徴。
それが無理ない感じだし、だから軽さの中に芯がある感じがするのかも？？
素晴らしいです。
いやー、久し振りに行ってみるものですね。
あえて言えば、全体的にかなりのスモールポーションというか、デセールを除き多くの料理が普通の半分くらいの量のため、食べ足りない感じが残ることでしょうか。
あとデセールも美味しいのですが普通に美味しいレベルなので、料理のような感動はない。この部分は、成田さんが抜けた穴をまだ埋め切れていないと感じた。
とはいえ、個人的にはそれらはそんなに気にならず、ほんと幸せなひと時でした。

サービスもさすがで、つかず離れずで感じが良い。
ワインも美味しかった。

ということで、大満足。
ちょっと通うかも。
ご馳走様でしたー。

以下、料理の詳細です。

＊アミューズ　稚鮎　マンゴーピュレ

マンゴーピュレは皮も入れていて、少しの苦み。
その微かな苦みが、稚鮎のはらわたの苦みと親和性があって、マンゴーの甘みはその苦みを和らげつつ対比を生む。そういうちょっとした工夫が皿にまとまりを生んでる。

＊前菜1　　グリーンアスパラガス　フロマージュブランのソース　アボガドのピュレ

茹でたグリーンアスパラガスに、半分フロマージュブランのソースを塗り、下にアボガドのピュレ。
横に、北寄貝と蛤を合わせたものに、貝出汁とサワークリーム、ベルガモットのジュレ、糠みそでマリネしたセロリなどを合わせたものを添える。
グリーンアスパラガスは、青みが鮮烈。
アボガドの青みと甘さは、アスパラの要素と同じで、グラデーション。フロマージュブランの甘さは、それらの香り（青み）を浮かび上がらせる形。
添えた貝の品は、さっぱりとした旨みがあって、強すぎずに皿に深みを与える。
美味しい。

＊前菜2　　フォアグラのポワレ　スッポンのスープ　エゴマ

フォアグラには甘酸っぱいソースを合わせるところが多いですが、それはフォアグラという強い素材を食べさせる料理で、どこで食べてもあまり変わらず、面白みがない。
一方此方は、同じく旨みが強いスッポンのスープを合わせることで、皿の中で旨みの良い拮抗を生み、皿全体がまとまりフォアグラの強さを良い意味で感じさない。でも、非常に美味しいという。
すごいなと思う。
しかも少量なのが良い。多いと、さすがに食べ疲れしそうなので・・。

＊前菜3　　モリーユ茸　ソースヴァンジョーヌ　うずら玉子　ブロッコリーのピュレ

11000円コースとの違いはこの皿のみ。
この皿も素晴らしかった。
フランスのジュラ地方で作られるヴァンジョーヌというワインを煮詰めて作ったソースが、悶絶級の美味しさ。とにかく深みがある。
フランスの春食材であるモリーユ茸も良質なもので、ソースと相まって、すごく美味しい。
日本の春食材である、カタクリの花を添えているのも良いな（あ、カタクリは味的には別に・・）。

＊魚料理　　鰆　フキ味噌添え　オリーブと自家製魚醤のピュレ　ベルガモットと柑橘のピュレ

鰆は、しっとりはしてるものの、少ーしパサつき感も。
オリーブと魚醤のピュレは、オリーブの香りが鮮烈。
フキ味噌が、とても美味しい。シェフはフランス人なんだけど、こういうのはすごいな。
これは、皿としての凄みはそれ程感じず・・（バカ舌で申し訳ない）。

＊肉料理　 七谷鴨のロースト　サルミソース　根セロリのピュレ　小豆

前述のように、超悶絶級に美味しかった。
酒粕でマリネしたという鴨は、エトフェ（窒息）の鴨。
柔かくて旨みが素晴らしく、マダムビュルゴーの鴨に勝るとも劣らない美味しさ。
一口食べるたびに唸ってました（比喩ではなくてマジで。アブナイ人に思えたかも・・）。
サルミソースも綺麗な味ながら深みがあって、これまた悶絶。
そして、根セロリのピュレも猛烈に旨い。土臭い風味がなくて、すごく綺麗で上品な味。
あ、小豆は、面白かったけど、特に組み合わせの妙は分からず（汗）

＊デセール　ウイキョウのアイス　クレープ　発酵イチゴのソース　サクランボ

書いたように、料理に比べるとデセールは感動が少ないものの、十分美味しい。
サクランボは中にフロマージュブランを忍ばせ、イチゴのソースと共に全体が甘酸っぱさのハーモニー。ふわふわなクレープがそれらを優しく包み、ウイキョウアイスの香りが良いアクセントになってる。
これはとても美味しかった。

＊デセール　バタークリームを乗せたダックワーズ　カルダモンのアイス　プラム　セージの泡

シェフが子供の頃、バターソースが好きだったそうで、そのオマージュだとか。
バタークリームが、ちょっと重かったかな・・。

＊小菓子・カフェ　トンカ豆と黒糖のタルト

タルトは、キャラメルっぽい風味。素朴と洗練の同居みたいで、素直に美味しい。
ハーブティーがフレッシュなのも良いな。

以上です。

【2016年1月訪問】

すごく久々に訪問。

昼のコースは、11000円・15200円・19200円（サ12％別）。
日本人らしく？真ん中の15200円のコースにしました。
11000円は、土日は数量限定のようです。
なお、ランチの15200円は夜の19000円のコースに相当するみたい。
シャンパンとミネラルウオーターが付いてます。

リゾート風のカジュアルさもある店内は結構好き。
大きなガラス窓は良いのですが、見えるのが日常感アリアリな（配管とかある）ビルの屋上なのが少し悲しい。
が、我が郷土、松戸の誇り？マツキヨの大きな看板が見えるのはポイント高し（別に高くないか・・）。

この日の内容は以下になります。

＊アミューズ　洋梨で巻いたフォアグラのテリーヌ

フォアグラテリーヌとともに、絹サヤも巻いてます。
洋梨の甘さとフォアグラの脂の甘さは合いますね。

＊前菜1　蓮根のブランマンジェ

下にほんの少しの雲丹。
横に少し酸味があるレモングラスとオゼイユの泡。
ブランマンジェがすごく優しい風味でふわふわ。
蓮根の土のニュアンスと雲丹の海の香り、穏やかな酸味のレモングラスとオゼイユの泡が風のような爽やかさで、それらが合わさってすごくまとまりがある。
自然の息吹を感じる皿。

＊前菜2　キノコのソテー

ヒラ茸・アワビ茸・ジャンボブラウンマッシュルームなどのキノコをソテーしたもの。
下にウイスキーの泡、ほうれん草のソース。
蓮根も添えられています。
アワビ茸がシャクシャクで美味しい。
キノコは風を当てて乾燥しているとかで、旨みが濃い。
キノコ料理としてかなり秀逸。

＊前菜3　白子のムニエル

パセリバターを使った白子のムニエル。
上にタマリンドで酸味を付けた黒ニンニクのピュレ。
パセリとオレンジ、フロマージュブランのソース。
白子が濃厚でウマウマ♪
タマリンドの酸味が何気に良い働き。

＊魚料理　金目鯛のポワレ

サザエ・人参・レモンという3種類のピュレを添えて。
ソースはレモンバーム。
ガルニは、バターナッツカボチャ。美味しい。
こちらの魚の火入れは相変わらず素晴らしい。
ソースも優しい風味で魚の味を邪魔しない。
サザエのピュレがコクを与えて、ニンジンが甘みを、レモンが酸味と複雑なハーモニー。
そして、それがきちんとまとまっているのが良い。

＊肉料理　蝦夷鹿のロースト

これまた火入れがスゴイ。
ゆっくり火を入れている。
肉の周りはブルーベリーとハイビスカスを使ったピュレを塗っていて、その風味も鹿に合ってる。
トップクラスに美味しい蝦夷鹿。
パースニップ（根菜）のピュレが優しく甘い風味で、これもエゾ鹿と合ってた。

＊アバンデセール　ワサビのソルベ

山葵の辛さはそんなに無くて、爽やか。
大きな柑橘、晩白柚の酸味でさっぱりします。

＊タルトタタン

再構築的なタルトタタン。
バニラアイスを添えて。
ブラックベリーのソース。
パイがサクサク♪
タタンも酸味と甘みのバランスが良くて美味しい。

＊小菓子

生チョコ・カヌレ・フィナンシェ。
外はカリッとして、中はねっとり感さえあるカヌレがすごく美味しい。

ということで、前回よりもさらに軽くなった印象。
まさにエアリーなフレンチ。
日本の食材を使って、丁寧で恐ろしく手が込んだ調理を施して作ってます。
前回多用した柑橘は、今回も使っていたもののやや控えめ。
それも含め、料理自体はより洗練かつ完成度が高くなっている感じではあります。
しかし、ポーションの少なさ含め、値段を考えると今回は何か食後の満足感が薄かった。
軽すぎて印象に残りづらいというか。
もちろん、前述のように相当美味しいのですが、値段を考えるともう少し重みも欲しい感じ。
ただ連れは前回より良かったそうですし、難しいものです。
11000円のコースが、前菜の白子が無い以外はこちらと同じ料理だったようなので、CP考えると満足度は高そうかな。

とはいえ、素晴らしいお店であることは確か。
頻度は高くないかと思いますが、また伺うと思います。

ご馳走様でしたー。

（点数は、前回4.7→今回4.5に下方修正）

【2012年11月訪問】

今年銀座に出来たグランメゾン。
気になっていたところ、えこだねこさんが絶賛してたのでそれならば！と連れと訪問～。
伺ったのは平日の昼。

この日はシャンパンメーカーのメディア向けイベントがメインダイニングであり、個室に通されました。
ラッキー♪

白壁に木の柱や梁がある地中海風（行ったこと無いけど・・・）の造りです。

こちらのランチは、10000円、14400円、18400円。
グラスシャンパーニュ１杯とミネラルウォーターが値段に含まれています。

値段の違いは内容ではなく皿数のようです。
前菜の数が違う。
一番安い10000円のコースを注文。

＊アミューズ

ジャガイモのコンフィ

空洞のポテトチップスの上にナツメヤシ、豚の背脂。
柑橘のコンフィチュールっぽいものも。
ポテトの甘みと背脂のコクが良い感じっすなー。
柑橘の風味が、くどくなりそうな組み合わせを引き締めます。

＊前菜１

モンサンミッシェルのムール貝　ねずの実の泡　トランペット茸 　オレンジピール

モンサンミッシェルのムール貝は、小振りだけど味が濃くてスグレモノです。
風味付けに色々な素材が使われているが、主役のムール貝の味を邪魔しないよう上手く風味を抑えつつ複雑さを出していて、全体のバランスが秀逸。
とても上品な仕上がりで、ムール貝の旨味が立ってます。

＊前菜２

フォワグラ　トマトと野菜のソース　

低温でじっくり火入れしたフォワグラにとトマトと野菜で作ったソースを合わせています。
フォワグラの火入れはかなり良く、ふわぷり♪な仕上がり。
上にシトロンキャビア。ライムのような味と香りがする柑橘で、名のとおりキャビアみたいなぷちぷち♪
最近、流行っているみたいですね。
フォワグラの脂を、シトロンキャビアがさっぱりとさせてくれます。
リンゴも添えてあり、その甘みがフォワグラの脂の甘みと合います。
大根のさっぱりとした辛味もアクセント。
酸味・甘み・辛味、様々な味がそれぞれフォワグラの味を引き立てる。
ソースはちょっと濃厚すぎてあまり合って無い気がしましたが、でも全体として美味しい。
あ、煮たタコも添えられていました。味的な相性よりは、フォワグラとの食感の対比を狙ったの感じでなかなか。

＊前菜３

リードボーのフリカッセ　牛蒡とセップ茸のソース

焼き目も香ばしいトロッとしたリードボーにヘーゼルナッツのカリッとした香ばしさが良い相性。
セップ茸と牛蒡の土の香りが、リードボーのミルキーさをより際立たせる。

ただコースの流れとしては、フォワグラの次にリドヴォーは、ちょっと被り気味な印象かも。
まあ、美味しかったの問題は無いのですが。

＊魚料理

あんこうのロースト

昆布で水分を出した鮟鱇をゆっくり火入れして、イカスミとオリーブで作ったペーストを塗った品。
鮟鱇がこの上なく、ぷりぷり♪
旨味が凝縮している感じ。
レフェルベソンス以来の衝撃です！
ちなみにこの数日前にレフェルベソンスの生江シェフが来て、自分の料理とそっくりの食感と言ったそうです。（笑）
ただ上に乗った柑橘が、最初は良かったのですが食べむうちに鮟鱇の上品な味わいを少しだけ邪魔している気が。
でも、とても美味しい魚料理でした。

鮟鱇の肝も添えられていたのですが、これも旨味がギュッとして臭みも無く素晴らしく美味い。
これはかなり感動。

＊肉料理

蝦夷鹿のロースト　

火入れが素晴らしい。
鹿自体もジビエらしい香りがふわっと立って、美味い。
柚子の香りがとても相性が良くて、驚かされました。
鹿に胡椒（ポワヴラード）が利いたソースを使うってとても良くありますが、その辛味が繊細な鹿の風味を損なう気がして好みではないのです。
その点こちらは、柚子という素晴らしく合う提案をしてくれたのが感動。

添えられた栗やカシスのピュレも、その甘さと酸味が良いグラディエーション。

＊アバンデセール

クレームブリュレ　マール・ド・シャンパーニュの泡

品の良い大人の味。
さっぱりとつつも濃厚。
上に巨峰のシャーベット。とても濃い味わい。
美味い。

＊グランデセール

青リンゴを使ったタルトタタン

てん菜糖で甘みを付けた青リンゴのタタン。
青リンゴを使うのは珍しいですね。
酸味がかなりあります。
添えられたローファットミルクのムースが、酸味を良い感じに和らげてくれます。
さっぱりとはしますが、普通っちゃー普通かなー。
ブラックベリーをメロンで巻いたのが意外に美味かった♪

＊小菓子

ファーブルトン・マドレーヌ・カヌレ

普通に美味しく。

＊パン

ここはパンもとても美味しかったです。
小麦の甘みが生きているパン。

ワインは、泡がコースに付いているもの（銘柄不明）。
白はマコンヴィラージュ、赤はジュヴレシャンベルタン。
白はマコンヴィラージュとはいえ、ムルソーを思わせるしっかりとした味わい。
作り手がコント・ラフォンなので、ある意味納得です（笑）
赤も、しっかりとした味で美味しかったです。

ということで、柑橘を上手に使ってアクセントを付け、さらに色々な味の要素を複雑に重ね合わせて、主役の素材感を際立たせる料理。
火入れも素晴らしい。
これだけ複雑だとどうしても好みによって少し異音と感じる所があったりはするものの、それもかえって余興と思えて素晴らしいの一言。
柑橘に拘り過ぎている点が、その効果はとても分かるものの微かに気になったくらい。

なお、ここのパティシェはとっても有名な成田シェフですが、ちょっと狙い過ぎ？
噂ほどのスゴサは、今回は感じられませんでした（汗）。
相性かな。

サービスはかなり良いです。
説明は丁寧だし、ちょっと質問をすると色々親切に答えてくれる。
良い感じにフレンドリー。
目配りも行き届いているし、個室ということもあり快適に過ごせました。

今年出来たフレンチの中でもかなり注目株の此方。
その噂に違わぬ素晴らしさ。
興味のある方は、試しに一度行って損は無いかと思います♪

連れも相当満足していました。
これで、しばらくはオフ会に気兼ねなく行けるか？？（爆）

えこさんに感謝です♪

ご馳走さまでしたー。

追記：本日12/1発売のミシュランガイドで、オープンして１年立たないのにいきなり二つ星を取りました。むーん、さすがだ。