濃厚でパンチのある南インド料理 : アーンドラ・ダイニング 銀座

再訪でミールスを頂いた時はアップしておりませんでしたが、
今回は幾つか頂いたので更新します。

この度頂いたもの
生スーパードライ520円、タンドゥーリチキン1,290円、
バスマティライス490円、ラッサム890円、
ニールギルマトンカリー1,550円、チキンストゥー1,410円

【ラッサム】は前と少し味が異なる(塩気が強い)ような気がしましたが、
都内随一の味わいである事は変わりません。
豆のコクがあり、ガーリックを嫌味無く利かせ、複雑なスパイスの風味。
配膳された際はマスタードシードの香りをしっかりと感じるものの、
いざ頂くと一体感に驚くばかり。

【チキンストゥー】はココナッツミルクベースで、
カレーリーフやカルダモンが利いたカレー。
ケーララ州スタイルとの事ですが、
コーチで食べた同様のカレーよりも美味しかった。

焼き物もカレーもブレが無いです。
おまけにボリュームも抜群。
一部の日本人シェフの鳥の餌カトリ30皿分くらいの量のグレイビー。
一見すると単価は高いように思うかもしれませんが、
質と量を考えると圧倒的なコストパフォーマンスです。

以前お昼にお伺いした南インド料理の名店。
この度、ラマナイヤシェフと10年以上の付き合いを持つ方の会で夜に再訪しました。

訪問した感想としては、昼も昼でハイレヴェルですが、夜はそれを数段超える深い味わい。
メリハリの利いたスパイス使い、テンパリングと乳化の精度、
旨味の使い方などが他のインド料理シェフとは完全に異なるレヴェルです。
やはり、インド料理と言うものは多分に属人的な料理なので、
ラマナイヤシェフとお弟子さんが作るのでは、味に違いが出るようです。

次第にテンションが上がり、手食で頂きましたが、
いやはや、本当に最高でした。
そう言えば前回、ランチタイムに手で食べている素敵女子がおりました(笑)

ラッサム
ダル由来のもの凄いコク！
そして、上品な酸味と鋭い辛み！
旨味の使い方、タマリンドの使い方に驚嘆を覚えるラッサムです。
お昼に頂いた時よりも旨味が利いていると感じました。

チーズクルチャ
生地が美味しい。
前回、チャパティを頂き、焼きものは弱いかな？と感じましたが、今回は当たり。
香ばしさと小麦粉の甘みがある。
生地の食感も魅力的で、サクッと切れつつモッチリ感もある。
チーズにはガーリックをしっかりと利かせており、パンチのある味わいです。
ちょっと残念だったのが、パーツによってチーズ含有量が大きく違ったところ(笑)

パニール・ティッカ
スパイスに漬けて焼いたパニール。
漬けによる鋭い香りが魅力的。
カルダモンが強く、下味が秀逸。
温度が低い点は少々残念でしたが、美味。
なお、付け合せのアチャールが甘酢的風味で面白い。

マトンヴェプドゥ
クローブの強い香りに、羊の雄々しい香りが混ざる。
そして、それをカバーするジンジャー。
シナモンとカルダモンの使い方にも特徴があり、バシバシッと走る。
そして、羊の脂身がトロンととろけており、実に深みのある味わい。

チャパティ
厚みが前よりもあり、香ばしい。

ビンディ・ベイガン
ベジカレーとは思えない程に奥深いコク。
玉葱、トマト、根菜から出た旨味が緻密に一体化。
舌を喜ばせる旨味の協奏。

アーンドラ・コーディ・クーラ
チキンカレー。
ココナッツミルクの使い方が巧く、玉葱、トマトのバランスも良い。
スパイス使いよりもそれらの風味、旨味のバランスに驚嘆する。

チャナマサラ
ビンディ・ベイガンと同じく、肉を用いずとも旨い。

牡蠣カレー、香箱蟹カレー
これはスペシャルメニューで、幹事様が事前調整頂いた。
特に牡蠣カレーが圧感の美味しさで、印象に強く残る。
スパイス使いは南インドだが、日本の牡蠣の風味と調和させている。
牡蠣の火入れも柔らかで、日本人が考える牡蠣の魅力を壊していない。
長年の常連さんだからこその特別メニューなのだが、
他の料理も圧倒的な美味しさで、
これらのメニューは特段スコアに影響しない為、アップ。

御徒町のアーンドラ・キッチンが美味しかったので、長らく訪問したかったお店。
休日のランチに伺い、【ノンベジタリアンミールス】を頼みました。

ミールスの構成は御徒町とほぼ同様。
お値段が割高なのは休日故でしょうか。
カレーが選択性でないところも向こうとは異なるようです。

頂いたカレーはチキンカレーと海老カレー。
これにバスマティライス、チャパティ、パパド、
サンバル、ラッサム、ポリヤル(炒め物)、
ピッケル(ピクルス)、デザートが付きます。

こちらで感銘を覚えたのは、やはり【ラッサム】です。
タマリンドの酸味とエッジの効いた辛味のバランスが秀逸で、
瞬時にして体内の細胞に南インドが染み渡ります。
爽快なラッサムで、お替り必至です。

また、【チキンカレー】もカルダモンがアグレッシヴに使われており、独特の味わい。
さらに黒胡椒も多めで、ジワジワと口に広がる辛味が心地良い。
チキンにもグレイビーにもしっかり旨味があり、美味しいチキンカレーです。

それとは逆に、【海老カレー】は見た目以上に変化球。
マスタードシードの香りが強く、玉葱由来と思われる甘みが強いところが特徴。
チキンの味わいとバランスが取れておりました。

一つ残念だったのは、チャパティが御徒町とは雲泥の差だった点。
御徒町は火入れが良く食感も香りも良好で記憶に残ったのですが、
こちらはフニャフニャで切ない出来栄え。
作り置きを温めたのでしょうが、かなり残念な味でした。

しかしながら、こちらはシェフの引き出しを余すところなく楽しみたくなるお店です。

また、手で颯爽と食べておられる、おひとりさま女子が余りにも眩しかったです。