あのバンコのブーム　気取ったイタリアかぶれ　いまはどこに : ラ ヴィオラ 三笠会館本店

エスプレッソをバンコで。かつて一世を風靡した。イタリアでは今もなお普通の生活。しかし日本ではすっかり死語状態。熱しやすく、冷めやすいのか。あのナポリピザ。真のナポリピッツァ協会の看板。あれを掲げる店が唯一。などと有り難がった。

そういう時代も去った。最近ではピッツァよりもピザが。多く使用されている。ナポリタンをイタリア料理。などと平気で言う国だから。いかなる料理もその国で。独自の発展を遂げる。だから料理は進化するのだ。最近の中華料理など。最たるものだ。

さて久しぶりのヴィオラ。もうバンコで気取る客はみかけない。代わりに立ち飲み用のテーブルで。少し気取ってドッピオを。季節の移り代わり。銀座はいっそう感じる。服装など変化に敏感。真夏も酷暑から猛暑。そして残暑から秋の気配。時はいつも駆け足だ。

○エスプレッソ　ドッピオ

湘南に住む者にとって。あの白亜の洋館レストランは。ランドマークのような。象徴的な存在だった。鵠沼・江ノ島エリアでは。唯一とも言える本格派レストラン。1973年の開店以来50年間愛されてきたが。2021年9月に閉館した。

コロナの影響で環境は激変。湘南も例外ではなかった。いやこの銀座の本店でも。厳しい1年だっただろう。今年（2021年）も終わろうとしている。この平安はいつまで続くのか。新しいオミクロンが心配だ。乗り越えても、乗り越えても。危機は消えない。

１杯のエスプレッソ。深い香りのあとに。心残りだけが。銀座は永久に！

カプチーノ パンプキン ハロウィン仕様　なんて季節がやってきた

銀座の並木通りにようやく秋の気配が。すると待ちきれないようにハロウィーン。その飾り付けがあちこちに。季節の移ろいはかくもせっかちに。そう言えばNYではハロウイーンが終わると一気にクリスマスムードに。サンクスギビング（感謝祭）もかすんでしまう。

古代ケルト人が収穫を祝う祭が。悪霊を追い出すどころか。祝ってしまうみたいな。最近ではバレンタインより賑やかだとか。それで良いと思う。あの作られた「行事」よりも季節感を感じるから。すこしでも景気を盛り上げよう！

銀座の秋はなんとなく心地良い。あの熱い日差しも、台風の風も消え去り。人々の表情も蘇る。足取りも軽やかに並木通りを歩いていると。バンコを思い出した。ハロウィーンの飾り付けも盛り上げる。いよいよ秋だ。

○カプチーノ パンプキン ハロウィン仕様　　450円
○エスプレッソ シングル　　300円

銀座の秋。風が変わる、光も、そして喧噪も。何気にそとを眺めても。服装も、表情も足取りも。いったい季節はどれだけの心模様なのだろうか。まるですべてを支配してしまう。そんな銀座の一角。色づく街は、どこかウキウキと。

それだけでも楽しいのに。エスプレッソのカップに浮かぶのは。それを飲む間に。目まぐるしく移り変わる。銀座に表情が生まれる。香りの中で夢が広がるのか。

一杯のエスプレッソ。今回はドッピオに。要はダブルだが。秋の移ろいの中ではやはり濃いめのドッピオ。先ほど地下のバーでマティーニを飲んだ。深まる秋に、マティーニの深い刺激が心を揺さぶる。ああ、やはり銀座は秋が一番だ。

銀座の街はまだまだ夏の残照が色濃い。来週から温度が下がるらしいが、アスファルトには余熱が漂う。実際、夏の気配が少しずつ消えて行く。その反面、聞きなれない言葉が騒がしく飛び交う。遠慮もないけたたましい会話。店のすべてを買い尽くすがごとくの勢い。そして観光バスへ。

最近、再び多くなった某国の観光客を避けてこの並木通りを利用する。彼らを我が物顔とは言うが。バブル期のパリでは日本人が同様だった。いやNYの5番街でも、LAのロデオ・ドライブでも。むしろ日本が観光立国になって来た事を喜ぶべきだろう。最近では比較的おとなしい親日国の観光客も多いのだから。

あいにくバンコは使用されていないので、スタンディングの丸いテーブルでエスプレッソを。気分はドッピオ（ダブル）だ。気持ちをレフレッシュして次の行動に移りたい。疲労回復には苦みの強い飲み物がふさわしいのだ。暑いのを避けてばかりいた夏。それが終われば何かに急かされる秋となる。

＊今回の写真は最初の4枚

2012.7.24
男と女には、それぞれに出会うべき人がいる

という広告があった。もちろん婚活の。

この「人」を飲食店に置き換えたら。出会うべき店は男女それぞれ異なるだろうけど、出会うべき本物の店と巡り会った人は幸せ。私の場合パリのピエール・ガニェールだけど遠いので数度訪問したのみ。

しかし双方ともに出会うべきなのが気軽に利用出来るバールやバル。それもCPと内容に優れている。とにかく軽くワインを傾け、つまみを食べて語り合う。だけど魅力がある店。

この銀座の一等地のバールはそんな男女雇用均等法の優等生のような存在。特にハッピーアワーは1000円でグラスワイン1杯とつまみが食べ放題。時間調整に、待ち合わせに、独り飲みに、軽い飲み会に、と誠に使いでがある。

男と女には、それぞれ出会うべきバールがある、かな。

＊今回の写真は最初の3枚です。

2011.7.1
銀座の5丁目のオアシス。ぶらりと立ち寄ってバンコで軽くエスプレッソを、またはワインでと小粋な使いかたの出来るバールです。バール本来の使い方の出来る店が銀座のど真ん中にあるのですから便利かつ嬉しい限りです。

16時～19時、スタンディング限定でHappy Aperitivo（ハッピーアペリティボ）というお得なセットがあります。1000円でドリンク1杯(スプマンテ、ビール、赤白ワイン)とカウンターのつまみ食べ放題！

私は赤ワイン（オルトネーゼ モンテプルチアーノ）とサラミ、オクラ、ドライフルーツ、人参を小皿に。ほかにポテトフライ、ナッツ、小魚マリネなどが
あります。

待ち合わせ、または食事の前に軽く一杯という使い方はいかがでしょうか。

＊今回の写真は最初の5枚です。

2009.4.6
銀座でバンコでエスプレッソと言えばこの店です。ところが今回店の前に来たらHappy Aperitivoと書いてあるではないですか！スタンディングのみですが、16時～19時で1ドリンクとカウンターの小皿食べ放題で1000円です。

それで何時ものバンコには小皿があってナッツ、ハム、ピクルス、トマトマリネ、オリーブなどなどが並んでいます。桜の花咲く店内でちょっと気の早いお花見気分でハッピーアワーでした。

これで1000円はお得です！

店の雰囲気が以前訪問した時にくらべて何か微妙に変わってしまったのが気になりました。

＊最初の20枚が今回の写真です。

2007.10.27
開店2周年という事で久しぶりに訪問しました。前回は美女お二人と一緒で終始華やかな雰囲気に包まれましたが今回は一人でそっとの訪問です。懐かしい中島さんも相変わらず笑顔を振りまいて店を明るくしています。

立ち飲み用の丸いテーブルでサンタ・クリスティーナの赤を飲みながら蛸とセロリのマリネ、プロシュートムースのクロスティーニ、骨付き仔羊のソテーのカチャトーラ風を頂きました。

最後に中島さんの渾身のエスプレッソで〆ですが余韻を楽しんでおりましたらカップの中にウオッカを入れてくれました。

これは凄い！頭の中は理性という最後の防波堤が陶酔という大波により決壊するがごとくの酩酊となりました。

なお最初の15枚が今回のデジカメによる写真です。

2006.6.19のレビュー
バンコでエスプレッソを立ち飲みすると美女から尊敬される、とあるお洒落な紳士の方からアドバイスされました。さらに「何と言われようと美女達と共にズカズカとカウンターの前に立つのがイタリア的。いかにも行きつけのバールにいるという感じでバリスタと軽妙に会話をしなさい。さすれば美女達の尊敬の眼差しを一身に浴びること請け合い。」とも言われました。そして、この店のバンコこそまさにそういう場面としては相応しいとも・・・。

そこまで言われてはと、以前部下だった2人の美女を誘ってこの店でイタリアン・バールとバンコの両方を楽しむことにしました。チーフバリスタの中島さんは常に我々に対し細かな配慮をしてくださいました。彼はただのバリスタではなくて、ワインにもかなりの造詣を有しまた支配人として店内の隅々まで、特に美人女性を含めて細かに気を配っておられました。

お楽しみのカプチーノはまあ、写真を見てください。美女は誠に特徴を捉えて可愛らしく描かれております。私の似顔はやや鼻の下が長い気もしますが実物どおりハンサムに描いてくださいました。構図の主要なモチーフを見事に捉え、流れるような曲線のリズムにより造形的にも見事な図柄を完成させた不朽の名昨となっております。カプチーノの味わいは余韻の苦味がひきづるサッシカイア・タイプです。


それで、最後は勿論、場所を変えてバンコです。ここからは特に例の紳士から教わった通りに振る舞わなければ行けません。ズカズカと進み大理石のバンコに3人で向かい合うやいなや、まずさらっと軽くうん蓄を披露します。

「イタリアにはねBANCO（バンコ）という立ち飲みカウンターがあり、ここで飲んだり食べたりしていると、バリスタや他の客と自然に話が盛り上がってしまうから不思議なんだ。バリスタとは、イタリア語でバール（bar）でサービスする人（～ista）のことと言うんだよ･･･

美女達の反応は、「へえー、○×さんて本当に何でも知っているのね。やっぱり凄い！格好いい！」と尊敬の眼差しどころか、羨望と絶賛の嵐です。

中島さんのエスプレッソは香り、苦みともに気品を感じます。「シャトーブリアン」をお願いしました。エスプレッソの最初と最後の部分を捨て、真ん中の部分で1杯分に最も旨味が凝縮されております。エスプレッソの宝石とでもいいましょうか。究極のエスプレッソ！

こうして楽しい食事＋デザイン・カプチーノ＋バンコでエスプレッソの競艶いや饗宴は中島さんのお蔭で大成功に終わりました。正直、これだけイタリアン・バールの要素を備えた店は他に見たことがありません。正真正銘の本格的バールと言えるでしょう。

最後に、美女が「今度、私一人でバンコに来てもいいかしら？」って聞いた時の、中島さんの嬉しそうな、嬉しそうな笑顔が今でも忘れられません。


「頂いた料理の数々」

○オリーブミスト
○穴子の甘酢マリネ
○水牛のモッツァレラとトマトのカプレーゼ：モッツァレラはイタリアで夜中の3時に作り空港へと運び、12時間以内に日本へ届けるための配慮をした特上もので、フレッシュ完熟トマトとバージンオイルにバジル風味で完璧です
○牛肉フィレ肉の生ハム包み焼
○プロシュート：こってりとした大トロタイプ、切り口がやや厚くて旨味を豪快に味わえます
○万願寺唐辛子のピクルス
○タコ、トマトのマリネ、バジリコ風味
○三笠会館創業時からの名物　鶏の唐揚　
○トレビスのリゾット、ホロ苦い青春の香りです
○じゃがいものホクホク・ロースト
○枝豆とペコリーノのクロスティーニ
クロスティーニとは薄切りパンに肉やパテなどの具を乗せるイタリア風カナッペです。
○生ハム　再度
○トスカーナ名物、パッパ・アル・ポモドーロ（トマト粥）　
　ズッパとは異なりトマトとパンによる簡易お粥スタイル　
○ちりめんキャベツのリボリータ、オーブン焼
これもトスカーナ名物でよく煮込んで美味しくした野菜煮込みです。