那須の山を歩いて越えて行く大黒屋の朝食と弁当 : 大黒屋

那須山行二日目の起床は5:30頃。
消灯が早くて前日の寝不足と疲れもあってぐっすりと眠れました。

木の雨戸を閉めていますが、暖房はないのでそれなりに気温は低め。
布団は暖かかったですが、寝ている間に体温も少し下がっていますからちょっと芯が冷えている感じがしますね。
ということでまずは朝食前に温泉で温まりましょう。

朝は6時からの入浴でしたので男性は岩風呂側からスタート。
一番風呂でしたので最初から浸かれましたが、こちらはちょっと湯船が小さくて3,4人浸かれば一杯になる感じですね。
いい感じに熱めでしたのでそんなに長湯せずに体が温まりました。
ちょうど入れ替わりになる方が入ってきたので上がるといいタイミングで朝食時間です。

6:30からの朝食も部屋食。
おかずは納豆、海苔、温泉卵、蒲鉾、しそ巻き、漬物とごはん二杯いただくには十分な品数です。
ネットの口コミを見るとふりかけとか持ってきた方がいいと書かれていましたが、恐らくそれはお櫃ごとごはんをおかわりする方でしょうか。
私は必要ありませんでした。

あんまり早くに出発しても昼食タイミングが早くなってしまうので、ゆっくり支度してほぼ最後の客になり7:45頃にチェックアウト。
会計時に前日に頼んでおいたお弁当(500円)を受け取りました。

こんな山奥なのに温泉にも入れてとてもいい宿でしたね。
宿のスタッフさんも親切な方ばかりでした。
こちらはやはり歩かなければ行けないというところがいいと思います。
次回は春の残雪期に行ってみたい気がしますね。
(もちろんその時は最短ルートで)

宿を出発したら那須三山の最後の茶臼岳を目指しますが少し遠回りして姥ヶ平へ。
そこは紅葉の名所ですが、やはり1,2週間早かった模様。
そこから牛ヶ首を経由して茶臼岳を巻いてロープウェイ駅近くで山頂方面のルートに合流。
ここまで前日から相当遠回りしてきているのに、ロープウェイを使って登って来た普段着の方々と一緒になるのが少々嫌な感じです。

この日は雲が多い天候でしたが、なんとか持ってくれて良かったです。
お弁当は那須三山最後の茶臼岳の山頂でいただきました。
梅干しのおにぎり二個に昆布がついています。
シンプルですが手作り感があっていいですね。
山小屋では弁当代わりにパックごはんを加熱したものを渡されることがありますが、それと比べたら大満足のお弁当でした。

お世話になりました。

昨年に続き、今年も台風やら荒天やらが重なり夏山登山は中止。
結局、秋登山になってしまいました。

登山仲間と検討した結果、夏山で予定していた二泊は難しいということで行程を短縮して近場の一泊の山行。
今回登る山は那須三山にしました。
私は前に三斗小屋温泉目当てで登ったことはありますが、その時は茶臼岳と朝日岳のみで三本槍岳までは行っておらず三山制覇していなかったのです。

未明に峠の茶屋登山口駐車場に到着し、すごい星空を堪能した後は夜明けまで車中仮眠。
日が昇ってから支度して登山開始しました。
那須三山は避難小屋はありますが山小屋やトイレはないので、そちらの支度もしっかりとしなければなりませんね。

初日の行程は峠の茶屋駐車場から峰の茶屋跡、朝日岳、三本槍岳、鏡ヶ沼、大峠を経由して三斗小屋温泉までのルート。
天気に恵まれて気候的にも最高のコンディションでしたが、紅葉には1,2週間早かったでしょうか。
紅葉はまだちらほらといった感じでしたね。

でも、朝日岳山頂からの景色は素晴らしく遠くまで見渡せました。
茶臼岳はいかにも火口といった感じのドーム状。
朝日岳は尖った岩稜で三本槍岳は樹木が多い緩やかな稜線と那須三山の山頂はそれぞれ個性がありますね。
ちょっとルート選択を失敗したかなと思ったのは、鏡ヶ沼を経由するルート。
下りが藪漕ぎしながらロープでほぼ垂直な箇所があり、かなり時間を要しました。
これは紅葉のピークでなければ鏡ヶ沼は展望所経由に留めておいても良かった気がします。
三本槍岳下の分岐から鏡ヶ沼を経由して大峠までは誰にも会わなかったですが、熊に会わなくて何よりでした。

三斗小屋温泉には15時頃に到着。
森の中に急に建物の一部が見えてくるとすごくほっとしました。
峠の茶屋から峰の茶屋跡経由でまっすぐ下りれば2時間かからないで到着するところを相当遠回りしていますからね。

前回の三斗小屋温泉泊は煙草屋さんでしたので、今回はこちらの大黒屋さんに泊まってみました。
今は三斗小屋温泉にある宿はこの二軒のみなので、三斗小屋温泉の宿を制覇したことになります。
大黒屋さんは昔テレビのドキュメンタリーで紹介されたことがあって泊まってみたかったんですよね。

宿はもちろん事前に予約済み。
登山道を歩かなければ辿り着かない場所にありますが、こちらは山小屋ではなく温泉旅館です。
ちなみにどちらの宿も立ち寄り湯はできないので宿泊しないと温泉には入れません。

チェックインすると部屋に案内されます。
部屋は昔ながらの旅館という造りで入口は障子、隣の部屋との仕切りは襖で鍵はありません。
会計は通常の旅館と同じでチェックアウト時ですので、念の為現金や貴重品は身につけておいた方がいいでしょう。

まずは早速温泉に浸かります。
風呂は木枠の大風呂と一回り小さな岩風呂があり一時間ごとに男女入れ替え制。
16時までは男性が大風呂でしたが、床が渇いていたので一番風呂だったのかもしれません。

煙草屋さんとは違ってこちらは露天風呂ではありませんが、明るく解放的な浴室なので引き戸を開ければ半露天状態。
クリアな泉質なので汗もしっかり流せる気がします。
ちなみに環境保護の観点から浴場では石鹸やシャンプーは使用不可です。

温泉を楽しんだ後は売店で、

　・ビール350ml缶(500円)
　・氷結350ml缶(400円)
　・榮川180ml缶(500円)

を調達して部屋呑みしました。
ちょっと高いですが、これは山価格ですから仕方がないでしょう。
最初はワインをいただく予定でしたが缶入りで甘口というので榮川にしました。

ちなみに物資は三斗小屋宿の方の麓から歩荷しているそうです。
なお、玄関前には豊富な湧き水がありますので、こちらでは水を買う必要がないのは嬉しいですね。
とても美味しい水です。

部屋呑みしてゴロゴロしたり館内や建物の周辺を見たりしていたら夕食の17:30。
部屋食ですのでお膳が順に運ばれてきます。

ごはんはお櫃での提供。
ちょうど一人軽く二杯分くらい入っています。
たぶんお願いすればお櫃のおかわりはできるんじゃないかと思います。

この日の内容は、

　・白ごはん
　・きのこの味噌汁
　・鮭フライ
　・クリーム煮
　・ほうれん草のお浸し
　・かぼちゃ煮物
　・漬物
　・フルーツ

ごはんはちょっと柔らかめですが、美味しいお米ですね。
水もいいんでしょう。
普通の旅館と比べたら質素にも感じますが山奥では十分な内容です。
こんな山奥で一泊二食温泉付きで9,500円ですからね。

圏外でスマホは使えずテレビもありませんので、熊除けに持っていたAMラジオを聴いたりして必然的にデジタルデトックス。
こんなにAMラジオをずっと聞いていたのは久しぶりです
暗くなってから水汲みがてら外に出ましたが、周りが暗いので星がよく見えました。

消灯が21時ですので早めに就寝。
掛け布団はフカフカの羽毛布団で敷布団は厚みも幅もあります。
山小屋ではないのでもちろんシーツもあり快適に眠れました。

ちなみにこちらは歴史ある建物ですので、消灯後にトイレに行く方が廊下を歩くときしみ音で目が覚めることがあります。
気になる方は耳栓を持っていった方がいいかもしれませんね。

翌朝に続きます…。