足利に　ハイレベルなうどんがあった : うどん工房たかや

久しぶりに足利へ行った。
昼は一人ご飯なので、今回はうどんを食べようと思った。
熊谷なんかには地うどんが結構あるので、足利にもあるのではないかと思ったのだ。
食べログで足利市のうどんを検索しても、チェーン店以外の専門店はここ1軒しか見つけられなかった。
でも、ここの評価は高かったので食べに行ってみた。

市内からはちょっと離れている。
県道の40号を東へ向かって、東武の陸橋を渡ってすぐの右に入った所にある。
主要道路には面してないので、知らないと見つけられない。
ナビに住所を入れたのでたどり着けたが、そうでないと迷いそうだった。
大きな看板はないが、うどんの幟が立っている。

店の前と横に駐車場があり、6台くらいは停められる。
昼過ぎに着いたら、車は1台も停まっていなかった。

評価が高かったのでてっきり混んでいるのかと思ったのだが、ドアを開けて入ったら先客はゼロだった。
思わず、拍子抜けしてしまった。

外観は普通の店だが、中はかなりこだわりを感じる。
洒落たカフェのような感じで、うどん屋としてはかなりスタイリッシュだ。
黒で統一されたテーブル。
壁は黒と白で、床も黒い。
店主のこだわりを感じる。

カウンターとテーブル席があり、18人くらいが座れる。
カウンターの横には麺打ち場がある。
カウンターの向こうにまだ若く見えるご主人であろう男性が一人で迎えてくれた。
一人だったので、カウンターに座るように案内された。

まずメニューを見てみた。
ランチメニューのうどんを見ると、肉汁とカレー汁の2種しかないようだ。
肉汁うどんが1100円。
バターとガーリックの肉汁うどんが1180円となっている。
カレー汁うどんも3種類あるが、あまり食べる気が無い。

ランチメニューと書いてあるが、営業は昼しかやっておらず、ランチのみなのだ。
値段としてはかなり高めの設定である。
足利という土地で、昼飯のうどんに1000円を出す人は多くないのではと思う。
うどんなんて、どこでも600円くらいから食べられるものだから。

肉汁もカレー汁も、冷たいうどんを温かい汁につけて食べるのだという。
普通の汁もののうどんは置いてないらしい。
ドリンクは自分で入れるのだが、5種類から選べるフリードリンク制。

店主は、肉汁バターか肉汁ガーリックがおすすめだと言う。
では、肉汁バターを食べてみよう。
量はどうするかと聞くので、メニューを見ると、200ｇか300ｇを選ぶらしい。
200でも300でも値段は変わらない。

200ｇがどれくらいの量なのかが分からない。
で、聞いてみたのだけれどはっきりとした返事は無かった。
持て余すと困るので、200ｇでお願いした。

ちなみに大盛りは200円増しで500ｇとなっている。

注文が済むと、まさかの前菜が出てきた。
おからサラダと、ズッキーニの甘酢漬けだった。
このおからサラダのレベルが高く、とてもおいしい。
おざなりのものではないのに、ちょっと驚いた。

おからって好きじゃないのだ。
どう調理してもおいしくはならないものだと思っていた。
ところが、このおからは違った。
なんじゃこりゃと思うくらいおいしかった。

うどんに期待が高まる。

うどんが出てきた。
自然色の白いうどん。
あまり太くはなく、とても長い。
適度な腰がある。

うどんだけを食べてみると、なかなかおいしい。
肉汁につけて食べる。
なるほど、こういう味か。
びっくりするようなものではなかった。

豚肉は結構な量が入っている。
野菜もいろいろ。
そして、しょう油にバターの味がからんでなかなかうまい。
その代わり、出汁のうまみはあまり感じられない。

でも、休むことなく食べるとあっという間に無くなってしまった。
200ｇでは少ないということが分かった。
もう少し食べたいという感じ。
きっと300ｇなら、ちょうど満足できるんだろな。
食べ終わったつけ汁に、出汁を加えて飲めるようになってる。

しかし、客はその後も一人も来なかった。
なぜなんだ？
不思議に思ったので、ご主人に聞いてみた。

どうやら、この足利の土地柄であるらしい。
うどんという文化が無いと言うことらしい。
そういえば、他にうどん屋を見つけられなかった。

これだけのうどんを提供するというのは、かなりの志を持ってやっているはず。
もっと自分のうどんを喜んで食べてくれる人のいる場所へ行った方がいいのではないだろうかと思ったら、彼もそう考えているようで、来年くらいに移転を考えていると言っていた。

とりあえず、また年内に足利へ来るだろうから、その時は必ずこちらへ来るようにしたい。
次は、肉汁ガーリックで300ｇと決まった。