ラーメン、餃子(5個) : おぐら屋

休日の昼時、主要な佐野ラーメン店はどこも行列でスルーしここに辿り着いた。ここも例外なく行列なのだが、こちらはひたすらに広いので回転が良いと見込んでここに決めた。だがそれにしても店の前の人集りはかなりのものだ。100人弱くらい外にいるように思うが、それは言い過ぎだろうか。

車を駐めてリストに名前を書いた。これが13時過ぎだ。僕が入った方ではない駐車場の入り口には車の列ができていた。
ただ店の外で座って待ち1時間程だった14時過ぎに呼ばれ、奥の座敷に案内された。過去何度も訪れているが座敷は初めてかもしれない。水はセルフサービスだ。

「ラーメン」「餃子(5個)」を14時10分に注文し、14時20分に着丼した。

やはり佐野ラーメンは、この『おぐら屋』を基準にして間違いない。どこを食べても、味の濃淡や脂の多少などを考えるとき頭の中のどこかで「『おぐら屋』と比較して◯◯」と考えている。

だが、この日は、いつもの『おぐら屋』と比較して、麺のコシが強く、そしてスープの味わいが鋭かった。文句なしに今までで一番美味しいと感じた。

レベルの高い若い店が増える中、スタンダードである『おぐら屋』がそのポジションに胡座をかかずに佐野ラーメンのボーダーを上げてきた、そんな構図が見えるわけだ。衰退してしまったり一強のみのご当地ラーメンがある中、この佐野ラーメンのシーンは安泰だ。

佐野プレミアムアウトレットに行く前に昼飯を食べに家族で訪れた。この『おぐら屋』は佐野ラーメンの基本形と捉えて間違いない。そういう意味では、例えば白河ラーメンだったら『とら食堂』、喜多方ラーメンだったら『坂内食堂』というテンションで、佐野ラーメンといえば『おぐら屋』と言う人がいてもそこまで間違えてはおらず、そんな重要な店でありながら、ファミリー客も入りやすく、そして入店までそこまで時間がかからないので佐野ラーメンを知りたい人ならば是非ここから始めてみると良い。

佐野ラーメンを語る上では『宝来軒』『とかの』が挙がると思うが、この『おぐら屋』も同じくらい欠かせない店で、数多くの実力店を輩出している点は見過ごせない。例えば『大金』『一乃胡』なんかは特に有名で、市外になると静和『小三郎』、新栃木『かくだや』、篠塚『麺龍』などもなかなかの店でありその影響力はかなりのものだ。

外観からはとてもラーメン屋とは思えないだろう。一見すると駐車場も広く道の駅か何かに見える。

注文したのは「ラーメン」と「餃子」。

佐野ラーメンの基本的なスタイルでもある優しい動物系の旨味とコシもあり食べ応えのある手打ち麺。

最近のクオリティの高い若手の佐野ラーメン店を考えると、ここのラーメンよりコクがあったり、あるいは脂が多めだったり、あるいはキレ味があったりと、やはりここのラーメンを基準に考えることができる。この店を食べておくとそういう比較がしやすくなるという意味だ。

佐野ラーメンのお店はとにかく多い。どこから始めたら良いかわからない人はここから始めてみよう。

『万里』からのはしごでやってきた『おぐら屋』。佐野ラーメン店がひしめき合う市街から少し離れたところにある。

店近辺にきて「ん？ここか？あ、ここだ、あれ？ラーメン屋か？」と思うだろう。その外観はまるでラーメン屋ではない。何というか、道の駅というか、鉄道の駅舎というか、まず店舗がでかいのと駐車場が広い。そうこうしてるとバスが入ってきた。ツアーに組み込まれているのか。

店に入ると右と左に客席が分かれていてどちらかに案内される。社員食堂のような店内だ。広いがほぼ満席状態で賑わっている。

佐野ラーメンらしいあっさりした味のスープ。ふわーっと優しい醤油とやはり優しい動物系の香りがほのかにする。

麺は喉越しの気持ちいいチュルッとした歪な平打ち麺。歯応えも良く食べ応えのあるこれぞ佐野ラーメンといった青竹手打ちの麺だ。

その後色々食べるようになって違いがわかるのだが、ここのラーメンを基準に佐野ラーメンの評価をした方が良さそうだ。

さて、餃子についてだが、やはりでかい。佐野ラーメン店の餃子はやっぱり美味い。餃子がメインでラーメンがスープみたいな感じに思えてしまう。

佐野ラーメンってどんなの？という勉強熱心な人にこの店を薦める。佐野ラーメンがどんなものか一発でわかる。そして美味い。是非行こう。