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店名 |
アルカナイズ(ARCANA IZU)
|
---|---|
ジャンル | 料理旅館、フレンチ |
予約・ お問い合わせ |
0558-85-2700 |
予約可否 |
完全予約制 |
住所 | |
交通手段 |
車、駅よりバス・タクシー |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
¥80,000~¥99,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー不可 |
個室 |
無 |
---|---|
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
有 |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間、カウンター席あり |
ドリンク | 日本酒あり、ワインあり、カクテルあり |
---|---|
料理 | 野菜料理にこだわる |
利用シーン |
|
---|---|
ロケーション | 景色がきれい |
サービス | ソムリエがいる |
ホームページ | |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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車にオーディオ、洋服に時計、宝石・・・。
世の中にあふれる財やサービスは、手に入れた後の楽しみもちろんもあるのだが、それを購入する選択段階がまた楽しいのだ。
様々なものを見比べて、自分なりの答えを導きだしてゆく過程は、物を手に入れた後の結果を含めてすべてが報酬となるのだろう。
旅はまさにそんな典型だ。
一人旅でもパートナーとの旅でも「どこに行こうか?」という軽い会話からすでに旅は始まっていて、わくわくする感情で胸躍る。
日本人はとても豊かになった。
生活の中で必要な物はほとんど揃ってため、デザイン性や新技術が搭載された買い替え需要くらいしかない。
豊かになると、形あるものへの欲望は低くなり、形のないものに関心が移行する。
旅や冒険、食事や学習などがその典型例だろう。
ここアルカナイズも、そんな形の無い満足感を満喫する選択肢の一つ。
他の方が書かれている通り、部屋の広さや、周囲に何もない事を考えると、様々なレジャーが用意されたリゾートとは程遠い。
静かな空間、眼前に流れる川のせせらぎと、生命力あふれる豊かな木々を眺める事に、通常の温泉宿よりはるかに高額なお金をかける価値の意味を理解しなければ、この宿の良さは理解できないだろう。
宿の場所は湯ヶ島温泉地域にある。
ほとんどの観光客は、温泉郷「修善寺温泉前駅」へ向かうだろうから、ここの温泉郷の事を知らない人も多いのではないだろうか。
修善寺からタクシーで20分程度の場所なのだが、失礼な言い方を許していただけるのなら「完全に寂れている」昭和の温泉街だ、、、個人的にはこういう寂れた飾らない温泉郷は嫌いではないけれど。
そこに突如現れるモダンな建物が、ここアルカナ。
宿は完全なプライベート空間を意識しており、ロビーもなければ共用スペースものもない。
客と客が唯一接触する場所はレストランなのだが、ここもステージ状で皆が同一方向を向いているので、顧客同士がお互いの顔を見られる事の無い設計になっている。
中には他の顧客の賑わい感なども含めて、レストランの雰囲気を作り上げたりするものだが、ここは確実に異なる。
他人を意識せず、自分の旅、自分の食事に真摯に向き合い、すべての虚栄心や見栄、わだかまり、肩に乗せた重たい荷物をおいて存分にリラックスして食事を楽しみたい。
部屋にはテレビや雑誌、新聞などの情報源は何一つない。
唯一あるのはラジカセで、FMが1局入る程度、しかも尻切れ音質。
ここがどれだけ山の中なのかが理解できる。
食事が終わって部屋に戻ると、食事前に風呂に入った後のタオルやガウンが全て新しい物に交換されており、ベッドメイク、ハーブティーなどのセッティングに加え、睡眠用のリラクゼーションCDをかけておいてくれる。
退屈感に我慢できない方には、CDやDVD、プロジェクターの貸し出しはしているようだが、せっかくの非日常の空間に居るのだから、たまにはスマホの電源もきって、大自然と一体化する醍醐味を体験してほしいと思う。
チェックインは15時からで、夕食は18時~21時までの範囲で選択できる。
ここは朝食もがっつりたっぷりの内容なので、私は早目の夕食を選択した。
横に伸びた広いカウンターは、隣の客が会話している内容がまったく聞こえないほど間隔が設けられており、プライベートな会話も気にすることなく存分に楽しめる。
調理・盛り付けを行うシェフの背面には、美しい木々がまるでCGのように浮かび上がり、贅沢この上ない。
自然界が作り上げた芸術的な絵画を見ているようで、夜になればライトアップされ幻想的な雰囲気になる。
私は部屋に到着した後にシャンパンを飲んでしまったので、食事中のアルコールは控えておいた。
ただ、次回行くことがあれば、食事中のワインは堪能しようと思う。
メニューを見ると料理に合いそうな赤白泡が数多くそろえているのがうかがえたから。
ここの料理は地元の食材を中心に、お野菜中心でポーション自体は全体的に少な目。
しかし、皿の数が多く、ゆっくり提供されるので、全ての料理が提供されるころには、男性の方でもそれなりに満足する内容だと思う。
そして何よりも圧巻なのは、そのプレゼンテーションにあるといってもいい。
料理と同様に盛り付けにも一切の妥協を許さないシェフの気概を感じる。
比較的、客層は年齢層が高い方だと思うが、そんな方々でも思わずカメラを向けてしまうほどの完成度で、料理はまず目で見て楽しむものなのだと思い出させてくれる。
季節によって使う食材が異なるのは当然なので、今回いただいた料理についてのコメントは控えるけれど、担当したスタッフに「連泊した場合料理はどうなるのか?!」と尋ねたら「365日お泊りになっても、全て異なるスペシャルな料理を提供します」とのことだった。
野暮な質問をしてしまったが、それはすごいことだよね・・・。
一夜あけて朝食。
シェフの奥様がパティシェで、朝食メニューのイラストも描かれているらしい。
ワンプレートで提供されるのだが、その内容がまた素晴らしい。
鮮度抜群のお野菜や、まろやかなパンプキンスープ。
そして何よりふわふわのオムレツは特に秀逸。
日々の仕事や人間関係から解放されるには最高の宿であろう。
風呂を堪能しつくすのもよし、部屋でひたすら眠りにつくのもよし、周囲を散策するのもよし。
無音の空間で自己内観し、自己を見つめる時間につかってもよしなのだ。
まぁ行けば分かる、、、と言ってしまうのは食べログのポリシーに反するかもしれないが、行かなければこの感動はわからないかもしれない。
余談になるが冷蔵庫の中身は全て料金に含まれている。
ビール、ジュース、水が入っていたが、ワインは無い。
持ち込みは自由という事なので、もしワインを部屋で堪能七アナら、レストランで買うか、事前に自分で用意して持ち込むといい。
ただ、それらをレストランで飲酒する場合には持ち込み費用が別途かかるのでご注意を。
食事だけで物足りず、夜食がどうしても食べたい!という場合には、深夜までやっているルームサービスにTKG、お茶漬けなども注文できる。
四季を通じて出かけてみたい素晴らしい宿だと思う。