居酒屋？小料理屋？ : 拓味亭 市山

母が何かの会合だか集会だかで利用し、美味しかったとの事で家族で初めて伺ったのが2014年1月。
初めて見た店構えは料亭のようで微妙に腰が引けましたが、
入店してみると玄関ホールにずらーっと並ぶボトルキープの酒瓶に
「あれ、居酒屋？」とちょっと安心しましたｗ

お店の奥側には集会をしたという宴会用のお座敷席、別に個室が二つあり、
お店の中央にテーブル席が３つと、あとはお寿司やさんのようなカウンター席が数席ありました。
どうやら個室は予約客しか利用できないようで、
他にお客は居ませんでしたが、テーブル席へと案内されました。
せっかく新鮮なお魚メニューが売りのお店に来たんだし、と地魚のアジフライ定食を選びました。
お店の方曰く「お刺身で食べられる鯵をフライにしているので美味しいですよー」との言葉通り、
ふっくらふわふわな鯵のフライは流石プロの業と驚くほど美味しかったです。
しかも、大きな鯵を３枚おろしにした中骨を頭を付けたまま骨せんべいにして添えられていました。
頭までバリバリと香ばしく頂ける位にカリカリに揚げられた骨せんべいに大感激！
母が頼んだ金目鯛の煮付は、小ぶりながら１尾丸々の煮付が大きなお皿で出てきて、
小食の母は食べきれない位でした。
母が食べきれなかった分を頂きましたが、これもふっくら煮付られていてとっても美味でした。
酒飲みの父はおつまみメニューが多くて喜んでいました。
店内はお手洗い入口に暖簾代わりに着物がかかっていたり、あちこちに飾られた手芸作品も品良く、
良いお店を知ったね良かったね、と家族で満足して帰りました。
入口の水槽にカサゴが泳いでいるのを見た父は「次はこれの唐揚げを食べるか」と上機嫌でした。

次に訪問したのが確か８月。
しかし、初訪問時とはメニューがかなり変わってしまっていました。
生魚・貝類が一切食べられない私が喜んだ、
鶏のから揚げやハンバーグといった洋風のメニューが単品のみになって、定食では無くなっていました。
前回感激したアジフライも単品だけで定食は無く、海鮮丼やお刺身定食ばかりに。
仕方ないので、単品のアジフライに焼きおにぎりをつけて定食のようにしてみました。
今回はお座敷席に少人数ながら宴会客がいて、
前回以上に料理が出てくるまでに時間がかかりました。
お店の規模としては結構大きいんですけど、どうやら料理人は一人しかいないようです。
宴席に料理を運んだりお酒の追加の呼び声がかかる女性店員は忙しそうで、
こちらへの対応も「ちょっと待ってくださいね～」と毎回言われる程でした。

前回同様、骨せんべいつきのアジフライはとっても美味しかったです。
そして、父が注文したお漬物盛り合わせに『西瓜の皮の糠漬け』もあったのに驚きました。
うちでは昔から普通に糠漬けにしてますし、西瓜を食べる時には糠漬けにするのも楽しみにしてる位ですが、
お店で糠漬けで出されたのは初めて。
西瓜はその名の通り「瓜」なので、表皮の下の白い部分の糠漬けは美味しいんですよ。

ただ、やっぱり料理屋というより居酒屋的性格が強いせいか、
フライだけ先に来て焼きおにぎりはかなり時間がたってからでした（苦笑）
お酒を飲む場合は焼きおにぎりは〆に頼むものだからか、忙しくて同時調理が無理だったのか。
どちらにせよ、お食事目的の私にはとても残念でした。
あ、でも、冷凍なんかではない、醤油を塗って焼いてある正真正銘の焼きおにぎりはとっても美味でしたよ。
フライとかの主菜的メニューはどうしてもご飯を一緒に食べたい私の我儘です。
出来れば定食のようにお味噌汁もお漬物も食べたかった…。
ていうか、お刺身が食べられれば何の問題もないんですけどね、偏食な自分が憎い。

父も母も、料理はとっても美味しいんだけど、
前回よりメニューが減って選ぶのに苦労した事に加えて、
料理が出てくるのに時間がかかり過ぎたのもあって、
なんとな～く微妙に消化不良のような雰囲気でお店を後にしました。
特に父は前回食べようと楽しみにしていたカサゴが無かったのに凄くがっかりしていました。

ランチもされているようですが、
残念ながら私はランチタイムにこの辺りを通る機会が余り無いのでどんなものか分かりません。
ボトルキープが沢山あったし、
恐らく夜の席なら「美味しいお肴を少しずつ頂きつつお酒を飲む」のに最適なお店なんだと思います。
お食事目的だと…時間がかかるので、ちょっと辛いものがあるかもしれません。
家族で色々頼んで食事をするなら予約して準備して貰っておくか、
時間がかかるのを覚悟して伺う方が良さそうです。
雑誌のような本もテレビも無いので、お喋りするか何か暇つぶしを持ち込まないと間が持ちません。