これぞ『軽い肉割烹。』最高の肉質と、確かな技だからこそ体現できる島田が誇る肉割烹。 : 肉割烹 五平

（味の感想は★からです）


今回のお店は【肉割烹 五平】さん。
静岡県は島田市にありますは、
創業60年の老舗日本料理店で、
カウンター限定
肉割烹コースが堪能できるお店。


場所は島田駅から歩いて10分程。
飲食店の少ない簡素な通りに
忽然と和の空気が宿ります。


時刻は18時。
お店は完全予約制なので、
この日は私一人だけ。


半ば貸切り状態で、
「今日はお一人なんでゆっくりいきますね」
と店主さん。


厳かな空間に柔和な雰囲気。好きぴ。


私は
【カウンター限定、厳選素材・黒毛和牛コース】を頂く事に。

ドリンクは
「よかったらペアリングにしますか？」
ということで、
ワインで店主さんが合わせてくれる事に。


女将さんと静岡のお話をしていると
ほどなくして、先付け到着。
立ち上がるスパークリングの泡に映える
ザブトンの赤。
美味しそうだ。


それではいただきます。

Report〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜★
★・カウンター限定
厳選素材・黒毛和牛コース


・焼き豆腐　ザブトンと芽キャベツ
始まりはねっとりと旨い、甘めのソース。
ザブトンのプルプルな旨味と
芽キャベツのシャキッと感が堪りません。
ザブトンは溶ける食感ながら
ぷりぷりもしている不思議な感触。
めちゃくちゃ美味しい。


・松葉蟹
蟹味噌で和えられた松葉蟹。
蟹の甘さが尋常ではなく、
スパークリングとの相性ばっちし。
蟹味噌の仄かなビターさも良い。


・メンチカツ 蓮根天麩羅
肉汁ジュワジュワのメンチカツを、
サクサク蓮根の天麩羅で挟む。

ジュースみたいに溢れる上質な脂は
旨味たっぷり、けれどあっさりとしていて
非常に食べやすい。


・フォアグラの茶碗蒸し
フォアグラの濃厚な旨味を活かした
茶碗蒸し。
鼈甲餡のような甘めのタレに、
トリュフをたっぷりと削る。

トリュフは白銀を思わせる春トリュフ。
春トリュフは春先の僅かな期間しか
出回らないとても希少なトリュフ。
香りが豊かすぎて、濃い目の餡に浸っても
もの凄い香りがします。
バチくそに美味しい。

五平さんの人気メニューらしく、
何気なしにコースで
別のメニューを出したら、常連さんに
「茶碗蒸しだしてよ！」
ってちょっと怒られたのだとか。
大の大人がわがままいっちゃうくらいには
美味しい茶碗蒸しだ。


・ミノ刺し　ごま塩
新鮮なミノ刺しをごま塩で。
普段はレバーをお出しするそうですが、
私が苦手ということで
ミノにしていただきました。


ミノはしっかりとした歯応えがありながら
筋っぽさなどなく、噛む度に
ホルモン特有の優しい甘さがなんとも旨い。

ごま油の香ばしい香りに、エッジの効いた
少し甘さも感じる塩。
めちゃくちゃ美味しいな、これ。


・ネクタイのユッケ
初めて聞く部位ネクタイ。
ランプの上部にある旨味の強い部位らしく
カットした際の形がネクタイっぽいから
その名が付いたそう。

赤身でとてもあっさりとしているのにも
かかわらず、旨味がとにかく濃厚。
これはやばい。
ユッケ好き歓喜の最高ユッケ。
サクサクとしたガーリックチップも面白く、
食感と味の両方のアクセントに。


・イチボの昆布〆肉寿司
肉寿司にしては珍しい赤身のイチボを使用。
軽く昆布で〆、キャビアを乗せた逸品。

「肉割烹はどうしても重くなりがち。
軽いというか、重すぎない肉割烹があっても良いと思う」

店主さんのそんな言葉が、
まさに集約されたかのような肉寿司。

赤身であっさりとしているのに、
旨味成分の相乗効果で
じわじわと口の中が旨味で満たされていく。


肉割烹って美味しいんですけど、
けっこう重たいなーとか
最後の方しんどいなー
ってなりがち
（28歳でその感覚はどうなの？とは思う）
なのですが、五平さんではそれがない。
故に最高。


・カイノミのステーキ
「うちでは一番こいつが脂っこいですね」
脂で照り照りのカイノミのステーキ。
赤身の中ではかなり脂感のあるカイノミ。
これが一番脂っこい。私にとっては歓喜。

食べる醤油と塩で頂きますが、
どちらも抜群に美味しい。
カイノミって美味しいけど、
けっこうワイルドというか
肉のにおいが気になる場面が多いんですが、
五平さんのカイノミはそれが皆無。
旨味と甘味。ただそれだけ。


・牛タンの味噌汁
見た目は完全に牛タンシチュー。
でも一応八五的には味噌汁。
牛タンはほろほろではなくムチムチ。
え、なんでこうなるの？
ってなるぐらいには美味しい。
見た目の先入観からか味噌汁と言われても
味噌のよく効いたデミシチューに感じる。
味覚が終わってる。笑


・サーロインのすき焼き すりおろし株
見た目は完全にみぞれ鍋。
でも一応八五的にはすき焼き。
概念をぶち壊されっぱなし。

確かに私がご陽気に
話している間、割り出し的なものを
煮ていた気がする。もしかしてこれ？
だとしたらすき焼きか。

優しいすりおろし株の甘さ、
サーロインのこれまた上品な甘さ。
あくまでお肉が主役ですよといわんばかりの
もっちもちの食感と旨味。
確かにお味はお醤油ベース。
さっぱりというかは軽い。


・〆　天むす
実は一番古参メニューだという天むす。
サクフワの海老天
ふわふわのしゃり
香り豊かな海苔
まさに三位一体の素晴らしい天むす。
いらん事してない
変わり映えのない普通の天むす。

なのにもう抜群に旨い。
食感とかお味とか香りとか。
素人では考えられないような
絶妙な技で結ばれた逸品だ。


・ミルクよせ　はるみみかん
葛の要素をはらんだミルクよせに
糖度の高いはるみみかん。
濃厚なミルクプリンのような味わいだが、
後味は爽やか。
やはりデザートまで軽い。素晴らしい。

はるみみかんもめちゃくちゃ美味しいですね。
甘さもそうですが、バツンッ！と弾ける
弾力もまた良い。

drink〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

・ヴーヴ・デュ・ヴェルネ　ブリュット
　スパークリング
熟したメロンを思わせる果実味とは
よく言ったもので、
果実味溢れるジューシーなスパークリング。
辛口ですが、かなり飲みやすく、
甘めですが、いやらしさはありません。
どちらかといえばバランシブルな一本。


・ハウズリーズ・センチェリー・オーク・ワイナリー・エステート・カベルネ・ソーヴィニヨン　2016 白
気品高くクリアな味わいが特徴的で、
かなり飲みやすく後味も爽やか。
程よいオーク感もあり、とても美味しい。
白ですが、かなりフルーティーなので
お肉と良く合いますね。


・ハウズリーズ・センチェリー・オーク・ワイナリー・エステート・カベルネ・ソーヴィニヨン　2016 赤
こちらも白ワインと同じカリフォルニアの赤。
ルビー感のある濃い旨味と、
力強くも重くない後味がさいこうで、
こちらもお肉と良く合います。


・KAWANE 静　7132
静岡抹茶の銘店『ななや』の
緑茶のシングルオリジンボトル。

このお茶にはクマリンと呼ばれる、
桜の葉に含まれる
香気成分が含まれているらしく、
まさに桜チップで燻したかのような
上品な香りが口いっぱいに広がります。

旨味成分がとんでもなく、香りも別格。
高級ボトリングティーは
初めていただきましたが、
めちゃくちゃ美味しいですね。

epilogue〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
最初から最後まで
店主さんと女将さんの楽しい会話に、
終始大満足の食事になりました。


「島田の思い出が
良い思い出になるようにしたいね」


もうめちゃくちゃ良い思い出になりましたね。
初めは島田って地名が
なかなか覚えられなかったのですが、
今では
『あの五平さんのある島田ね』ってなる。
記憶ってもんは恐ろしい。


次の日の朝、
私のLINEの履歴に身に覚えのない通話履歴。
完全に酔っ払って
友達にダル絡みの電話をしてしまいました。


「酔わせたらうちらの勝ちですね」


完全に負けました。
次までにもっとお酒強くなってきます。


それではごちそうさまでした。
とても美味しかったです。