雰囲気よし、コスパよし、薄味。 : 彩席 かわかみ

予約の電話を入れ
コースしかないのかなーと思ったら、アラカルトで大丈夫でした。
メニュー点数は結構ありましたが、本日の食材が書き出されており
「こういう風に食べたい」という希望に沿って なんでも作ってくださるよう。
そうなると迷ってしまってね…

八寸
お通しとして 頼まずとも出てきます。
鮟肝、イチジク胡麻だれ掛け、秋刀魚の煮付、サツマイモ甘露煮、菊花蕪の甘酢漬け、など。
あしらいも秋らしく、なかなかの華やかさ。
結構 量があるので、一品 注文が減りますが、やっぱりこういうものを出してこられると
そこいらのお店とは ちょっと格の違いを感じさせますね。

お造り
ハタ、金目鯛 皮目炙り、秋刀魚、鱧 皮目炙り、カマス 炙りすだち風味、平目 雲丹巻き
お造り美味しいです。炙り加減も良く、お醤油も美味しくて。
味や食感がバラエティに富み、飽きないのでたくさん食べちゃいます。
平目と雲丹は別で食べたいかな？と 私は思いましたけど、
鱧の梅肉ソースが、真っ赤な ド酸っぱ辛いアレじゃなくて、穏やかな蜂蜜梅の甘酸っぱさで
香ばしく炙った皮目と程よく火の通った身のやわらかな弾力と相まって 美味だこと。
今まであまり鱧を旨いと思ったことが無いけど、コレは好きだわ。

生麩の揚げ出汁
ちょっとお店の冷房が強く利き過ぎていて寒かったので、
アツアツのこれが出てきたときはホッとしました。
粟麩、でしょうね、黄色い生麩。
柔らかくてもっちりねっとり、みぞれのお出汁が温かくて。
連れも「こういうの好き」とか言ってたけど、普段 生麩なんぞに興味を示さないクセに…。
美味しかったんだね…

青海苔入り京風だし巻き玉子
あるとつい頼んでしまうのね、だし巻き。大根おろしがた～っぷりで嬉しい。
大根おろし大好きだけど自分でおろすの面倒だから、たっぷりケチらず乗っていると とても有り難い。
お出汁が利いているけどかなり薄味で、汁感たっぷりの かろうじて固まっている ほわほわ食感の玉子。
結構大きくて、これと海老芋でお腹がほぼ満たされてしまった。

海老芋土佐煮
こちらも ほん…のりとした味付けで、素材の味を存分に味わえるやさしいお味。
最近面倒くさくて あまり家で煮ものをしていなかったので、こういうのに飢えてた。
こっくり粘るくらいの甘辛い煮転がしも好きだけど、こういうほこほこの土の香りもいいな。

牛赤身焼き 梨ソース
さすがに薄味続きで少しパンチのあるものを欲して肉を頼んだのですけど、
サーロインほど脂を欲していなかったので赤身の方にしてみました。
ちょっと冒険、の 梨ソース。
サラダセロリ？かパクチー？か 何か、ちょっとクセのある青みを少し入れてあるサラダの上に
軽く焼いた赤身のスライスが乗せられて、おろした梨の甘いソースに粗挽き黒コショウが利いている。
うーん、梨のソース、私的には びみょうでした。
なんだかちょっと 表現が最悪ですけど、韓国のチヂミのタレを薄めたみたいな印象で…すみません。
添えてあった万願寺が身が厚くて柔らかくて、 サッと素揚げしたような 火の通し加減も絶妙で色鮮やかで美味しかった。

デザートに「京の和洋菓子」というのがあったので食べようと思ってたのに…。
あと、「玉川タイムマシン漬けレーズン」のアイスというのが気になって。タイムマシン？なんぞ？
で、調べてみたら玉川タイムマシーンっていうお酒があるのね。なるほど、それも美味しそう。
他にも食べたいものいろいろあったのになー。
疲れていたし、しょうがないけど。また行けばいいし。
また行く機会があれば、今度は お食事もデザートもぜひ頂きたいと思います。
西京焼きやちりめん山椒で ごはんが食べたい…。

ていうか、あとから来た いかにも「私は常連よ」という 態度も声もデカくて横柄な隣のお客さんの
品の無い会話に辟易してしまって 食欲が削がれてしまい、
残さないよう 最後はがんばって食べ切りましたが、名物と銘打った〆鯖クラブサンドには触手が伸びず。
しめ鯖をパンにはさむお店は増えてきていますが、店主は美味しんぼ 愛読されているのでしょうか。
他にもマスカットのみぞれ和えなど、話題の新しい和のレシピを取り入れており、
隣の常連客はそれに衝撃を受けたらしく かなり評価されていたようですが、
これらのメニューは今ではわりと浸透しつつあって検索すればレシピもいろいろ出てきますし
他に特に独創的と感じるお品もなく、特別変わった趣向のお店というわけではありません。
基本に忠実な感じで、定番の料理がほとんど。
清潔感があって、食材を厳選して丁寧に調理・盛り付けしています。
これだけの品数を常備するとなると、仕込みにも時間がかかるでしょうね…。
一生懸命お仕事されているのが伝わります。
店主一人で調理しているので、お品物が出てくるのは時間が掛かりますが、
そもそもこういうところは ゆっくりできるときしか来ないからさほど気になりませんでした。
ただ、お客はカウンターの2組だけでしたから、満席になったら…かなり大変そうです。
応援はしたいけど、あまり混んで欲しくないお店というかｗｗｗ

カウンターは天井高めで開放的、インテリアや器選びのセンスもちょっと女性的？でなかなか良い。
音楽など掛かっておらず静かなお店です。
（なので尚更 隣の会話が気になってしまいましたがｗ）
物によっては高級素材を使っており数千円しますが、ほとんどは1,000円以下のメニューが多く、
意外とリーズナブルに 高級な京の雰囲気漂う 定番料理や創作料理を味わえます。
目立たないので、知る人ぞ知るお店な感じが良いですね。