《清水 末廣鮨》温かなおもてなしを感じられる風情あふれる静岡最高峰の鮨屋 : 末廣鮨

美味しい鮨を求めて！
3月末、緊急事態宣言は明けたが、コロナ禍ということで誰かを誘うことはせず一人旅。

今回は静岡の清水です。

静岡県のお鮨屋でトップの評価とあって興味が湧いたところに、フォロワー様のラッ◯先生が畳みかけるように口コミを上げておられたので即決定！

3日前のお電話で土曜の14時に予約を取りました。


清水だったら車で3時間弱〜♪
そう余裕な気持ちでいざ出発！


ところが、
東名は激混みで海老名まで80分の表示、、

ナビの到着時間は間に合うものの、道路状況によっては危うい可能性があると早めに判断。。


ということで車を諦めて急遽、新幹線で向かいます。


さすがは新幹線！
所要時間を半分に短縮させて到着できたため、まずは清水港の市場を視察。
売られている地魚を見てイメージトレーニングです。笑

冷凍マグロの水揚げ日本一を誇る清水だけあって鮪が豊富！
そして地元で獲れた新鮮なたくさんの海産物、なかでもアジが多く並んでおり、これから食べる鮨に期待を膨らませます。


駅から歩くこと8分ほどで到着。

高級旅館や料亭のような立派な門構えで、趣のあるお庭を抜けると「末廣鮨」と看板を掲げた建物が見えてきます。

入口から進み奥の戸を開けると大将が気付かれて「へい、いらっしゃいやし～」と威勢の良いお声でお出迎え頂きました。

すぐ右に入ると天井の高いフロアにカウンターが10席、後方にテーブルと個室があるようです。
音楽はありませんが、吹き抜ける高い空間は会話が上方向に響く感じ。

ランチ時間帯から外したため、もしかしたらお客さんは少ないのでは？と思いきや満席！

カウンター中央に大将、その両脇にそれぞれ職人さんと三人体制で接客してくださります。
隣のお客さんとのスペースが少しキツめな配置ですが、時間が経つごとに気にならなくなりました。

一斉スタートではなく個々の予約毎、しかも通し営業だそうでひっきりなしに入れ替わるお客さんには繁盛ぶりが伺えます。


この日のメニュはこちら。

おまかせコース

ー つまみ ー
◇お通し（子持ち昆布、あん肝、バイ貝、才巻海老）
◇鮃の刺し身
◇鮑の唐揚げ
◇刺し身（鰤、アオヤギ、背トロ）

ー にぎり ー
◇はがし
◇アオリイカ
◇赤貝
◇鯵
◇穴子
◇穴子の手巻き
◇玉子
◇アオヤギ
◇鰹
◇鯖
◇トロの手巻き
◇鮪の腹
◇煮蛤
◇アオヤギ
◇雲丹
◇白魚　※撮り忘れ
◇ミル貝
◇べったら漬


ー お酒 ー
◆生ビール
◆末廣鮨オリジナル臥龍梅 / 大吟醸 / 三和酒造 2合


～滞在時間：2時間半～

お会計：26,000円（税込）


全体を通してクオリティは高く、鮮度を生かした昔ながらの寿司屋スタイルです。

大きめの白いシャリはやや硬めでもっちり感があり、鼻をツンと抜けるおろしたての山葵が特徴的。
海苔は直前にしっかり炙るため、食感と風味にこだわった印象を与えてくれます。

ミナミマグロの仕入れの先駆者となる同店は、一本買いだからこそ珍しい部位を提供して頂けるのも特筆すべき点です。


ー つまみ ー
◇お通し
・子持ち昆布
粒が大きく抜群の歯応え。
海苔、鰹節の香りと纏まりある優しい味わい。

・あん肝
プリンのような甘さと深いコク、気付くとトロけて無くなるので要注意。

・バイ貝
肝の渋みは一切なくて磯の香り漂う完全なる酒の肴。

・才巻海老
車海老になる前の小さい個体。
小ぶりながら甘さが詰まっていて尻尾まで頂きました。

◇鮃の刺し身
味付けは多めに散らした柚子と塩のみで何もつけずに。
スーッと鼻を通る柚子の香りと強めのえんみが抜群に旨い！
ねっちょりした口当たりは噛めば噛むほどに旨みとなり広がって心地よく。
挨拶代わりの素晴らしいお刺身は迷わず末廣鮨オリジナルの日本酒で。

◇鮑の唐揚げ
…はい、ダントツで優勝！！
旨みの塊はもはや上質な牛肉！
衣の塩気と鮑の旨味は最高のバランスで悩ましすぎる余韻が止まらない。。
原価最高峰の贅沢からあげ、この中にひとつだけ肝が隠されていました♪

◇お造り（鰤、アオヤギ、背トロ）
甘みのある鰹。色みは控えめでも脂の乗りは鮪並み。
普段あまり食べないアオヤギ。新鮮な食感を楽しめました。
背トロ、舌に乗せると溶けていく優しい口当たりが贅沢そのもの。
すべて中盤から茗荷を乗せて堪能しました。


※ここでつまみ継続か握りに行くか尋ねられたので握りにシフト。
今思うともう少しおねだりすれば良かったと後悔。


ー にぎり ー
◇はがし
トロの筋と筋の間の部分をさくにせず剥がし取ったもの。
甘みと香りは格別で、末廣鮨のシャリとの素晴らしい一体感。
握りのスタートに相応しくパンチある一貫。

◇アオリイカ
新鮮さ故のしっかりした食感。
柚子の香りと塩の塩味、山葵の辛さがインパクトを与えつつも後味さっぱりと締まる。

◇赤貝
躍動感ある見た目とボリューム、歯応えは圧巻。

◇鯵
やってきました地の鯵。
フォルムから伝わるハリと弾力は新鮮さの証。
脂もしっかりと乗り薬味が旨みをさらに高めます。

◇穴子
柚子と塩でそのままを頂く。
ふっくらした穴子そのものの甘くて優しい旨味が口いっぱいに溢れます。
素材の味を生かした一貫。

◇穴子の手巻き
こちらはツメを付けた手巻き。
海苔はしっかり炙ってパリッと風味と食感を強調。
そして甘いタレは穴子の旨みとしっかり纏まる。
穴子らしい楽しみ方が際立つ手巻きに。

◇玉子
分厚い玉子焼きはどこか懐かしい味と昔ながらのフォルム。

◇アオヤギ
ハリのある食感、山葵の鼻を抜ける辛味、シャリとのバランスが完成された一貫。

◇鰹
なにもつけずにそのまま頂く。
香り高く、ねっとりした口当たりが心地良い。
薬味が絶妙な中和を持たせ、シャリとの一体感も素晴らしい。

◇鯖
焼津の鯖。
風味の良さは過去1！

◇トロの手巻き
炙りたてのパリっとした海苔を破くとトロの旨みとシャリの酸味がマッチする最高の手巻き。
もう永遠に食べ続けられます。

◇鮪の腹
舌に乗せた途端にトロけだし、旨み脂が浸透していきます。
ノーマルなシャリとの相乗がもたらす余韻が綺麗な一貫。
ネタの面積も広くて贅沢な振る舞いでした。

◇煮蛤
大きな蛤を包丁で半分に切れ目を入れて広げた握り。
甘めのツメと蛤の凝縮された旨味、強めの山葵とシャリの纏りがおいしい！

◇アオヤギ
オススメとしてまた出して頂きました。笑

◇雲丹
襟裳の雲丹。
トロっとした甘さが口いっぱいに広がった後、歯切れの良い海苔の風味で綺麗にたたまれます。

◇白魚
なぜか写真を取らずに口へ。
躍動感ある白魚は口に入れても生き生きとした食感。
硬めの海苔、こちらも山葵が奏でる粋な一貫。

◇ミル貝
しっかりした歯応えを感じると甘みが広がり、終盤でもおいしく頂けました。

◇べったら漬
柚子の風味が〆に相応しくさっぱり締まる。


ー お酒 ー
◆冷酒 末廣鮨オリジナル臥龍梅
通常の臥龍梅からこちらのお鮨に合わせた甘めのオリジナル仕様。
鮨との相性は抜群で、おいしさの余韻を高めてくれます。


今回一人にもかかわらず、職人さんから女将さんまで大変気を遣って頂きありがとうございました。

一見、大将は頑固で怖そうな方かなと思いましたが、優しい気配りと謙虚さ、ご年齢を感じさせない立ち振舞。

「よくお越しくださいましたね」

そうニッコリしながら初めにお声掛け頂けたのがすごく安心したと同時に心に残りました。

学生からすぐに富士の鮨屋へ、10年の修行を経てご自身で始められたそう。一代で築き上げたのにはラッキーが多かったと仰っておりましたが、素晴らしい努力の賜物でしょう。お元気な姿をまた拝見したくなります。


地元のお客さんは少ないらしく、遠方から訪れる方の割合が多い時には8～9割だそうです。お隣に居合わせたご高齢のご夫婦も新幹線でやってこられたそうで、"ここの鮨が一番美味い！"と仲睦まじく楽しそうにされていたのが印象的でした。
お酒も入っており息子のように接して頂き、「これもご縁なのでまたお会いしましょう！」と優しいお言葉をかけて頂きました。

行きの道路が渋滞していたことでお酒を飲めることとなり、美味い鮨と共に心地良い時間を過ごすことができました。

必ず機会をみつけて訪れたい静岡の最高の鮨屋です。