季節感あふれるお店です : 旬采遊膳 あつみ

新静岡セノバから歩いて数分ですが、
小路に沿ったところにあり、店舗は、外見も趣があります。
入り口の大きな鉢に金魚が泳いでいます。

6年半ぶりに伺いました。
オープンから20年ほどと伺っていますので、鷹匠の夜と言えば、あつみさんという評価が定まっているものと思います。
季節の食材を上手に使って、その月、その日の献立を考えてらっしゃいます。

平日の夜に2人で伺いました。
事前に、食事までの6,000円のコースでお願いしました。
入って、正面左側に厨房があり、その前にカウンター席がありますが、
右側の二人には少し広めの場所が用意されていました。

出窓にあるたらい等には、大きな金魚が何匹も泳ぎ、
店内には鈴虫の鳴き声が、秋の夜をやさしく奏でています。

今日のラインナップは、
先付　　　秋茄子、里芋
お吸い物　松茸土瓶蒸し
お創り　　鯛、〆鯵、鮪
焼きもの　秋刀魚の利休干し
揚げ物　　海老すり身、蓮挟み揚げ
煮物　　　茶巾（蓮の実、ごぼう、人参、椎茸、鰆）
御飯　　　きのこの炊き込みご飯
でした。

併せて、地元静岡の酒造のお酒を冷でいただきます。
いずれも丁寧な下処理がなされている料理で、
こちらのペースに合わせて、ゆっくりと出していただきました。
結局3時間以上在席しました。
秋の夜長を過ごすには良いお店です。

新静岡セノバから数分歩いた鷹匠地「い区にあります。
通称北街道からほんの少し小路に入った所にある小料理屋さんです。

「旬菜遊膳　あつみ」と書かれた提灯の灯りが目印です。

引き戸を開けるとすぐ右に下駄箱があり、左側は厨房、それを囲むようにカウンターが６席あり、
右奥には、８人が座れる個室が２つあります。

週末に5,000円（税込5,250円）のコース予約をして２人で伺いました。
ちょうど宴会があり、カウンターに案内されました。

ここは、席数が少な目ということもあるのでしょうが、
早めに予約の電話を入れないといけません。
私も何回か断られた経験があります。

厨房内には、大将（他のレビュアーの方によると板前さんはあと２人いるようですが・・・）、
そして女将さんとお手伝いの女性がいらっしゃいました。

カウンターの下は、掘り炬燵式になっており、荷物を乗せれる棚もあります。
足元にも置けますが、蹴ってしまうこともありますので、これは、便利です。

目の前を見ると、抹茶椀、茶器のセットと井川メンパが置いてあり、スポットライトが当たっています。
柔らかい灯りを使っているので、光源の量が足りず、はっきりとした写真が撮れないのは残念でした。
やはり、私のスマホでは、限界があります。デジカメ１眼レフを買う時期かもしれません。

上を見上げると、天井近くにスピーカーが据え付けてあり、
BGMも流れるていたようですが、話に専念したためか、何かは憶えていません。

その日その日で、料理の内容が変わるということで、
コースの内容は、日付入りで、和紙に手書きとなっています。
お客さんの名前も書かれていたので、隣の方は記念に持ち帰っていました。
この当たりの配慮も嬉しい所です。

カウンターの上の棚には、大きなソラマメが、スポットライトに照らされて美味しそうな輝きを放ち、
南高梅くらいの大きさの新じゃがの子供たちが赤い水のボールの中で遊び、
殻つきのカキは潮の香りが漂って来そうな感じがします。
今回のコースにはいずれも入っていなかったのは残念でした。

コースの内容は、

先付　ほたるいか　酢もの
吸物　蛤潮汁
造り　鮪、鯛
焼物　静岡アスパラ牛肉巻き　
揚物　春野菜　天ぷら
蒸物　甘鯛　桜蒸
土鍋ごはん　竹の子ごはん

です。いずれも旬のものを使っています。

お酒は、生ビール、開運の純米、志太泉の本醸造のいずれもグラスとしました。

先付のほたるいかの酢ものは、酢がよく効いています。
一緒に行った友人は、自分で作るときの酢が足りない事が分かったと言っていました。

吸物の蛤潮汁は、塩味は少な目で、昆布だしの旨みがほのかに効いています。
蛤だけでなく、下に、ちょっとしたお造りがありました。
柔らかで上品な味が良いですね。

造りの鮪、鯛は、貝もついています。
鮪は、赤身のようですが、いずれも、姿、味とも文句はありません。

焼物のアスパラ牛肉巻きは、他に、人参の煮物、ブロッコリー、千枚漬けが付いていました。
こちらは、特に申し上げることはありません。

揚物の春野菜の天ぷらは、たらのめ、うど、椎茸です。
天ぷら専門店のカラ、カラットとまでではありませんが、それなりに上手に揚げてあります。
たらのめは、口の中に独特の香りが広がります。春を感じますね。

蒸物の甘鯛の桜蒸しは、写真では、中身が見えませんが、
桜葉が、巻いてあります。ネットリしていました。

土鍋ごはんは、竹の子。鹿児島産ということです。これも春を告げる野菜です。
竹の子は、柔らかく、ごはんも硬過ぎず、上品な味で美味しかったです。
土鍋に余ったものは、包んでいただきました。ありがとうございます。

大将は、常に忙しそうに、でも、調子を取りながら、見事な包丁さばきを披露しており、
手を休める時がありませんでした。

アラカルトだと少し待たされたお客さんもいたようです。
やはり、こういうお店では、コースでお願いするほうがお互い無理がありませんね。

夜９時を過ぎると、周りのお客さんは、帰途に付いていました。
大将は、鮪を引き切りしています。づけにするのでしょうか。

周りでは、片付けが進んでいたので、私たちも帰ることにしました。
居心地良く、ゆっくり話をすることができて、満足してお店を後にしました。