どうやら、ココの店の造りは、100人乗っても、ジャンプしても、イナバウアーしても大丈夫らしい?! (￣m￣*）割烹屋さん・静岡 : いなば

静岡での夜、またまた、マイレビュアーのめぐらいあんさん情報を頼りにココへ寄る。
いつも貴重な情報は、県外モンには大助かりで、ありがとうございます!

富山・米清あら川と同様、丸い造りが目立つ外観。
入口で靴を脱いで上がるスタイルで、正面にオープンキッチンで寿司屋さんのような掘り炬燵式カウンター5席ほど、右側に個室がある。
先客は接待のリーマン組、大将と、見習いの若手板さん、女将さんで切り盛り。

旬のおすすめコース(\4,800)でお願いした。
まずは、生中でスタート、キリン一番搾りで\550。
泡の注ぎ方が秀逸で、マイスターの方が居られるんやろか?

・先付
メニューには、人参豆腐と記載されていたが、この日のは胡麻豆腐であった。
出汁が効いた餡かけと、山葵がアクセントになっている。

・八寸
写真上段左から、めかぶ、べっこう卵、赤ナマコ酢。
中段左から、ハムと粒山椒、桜型の卵黄チーズ、玉葱・白菜・獅子唐の炊いたん。
下段左から、自家製からすみ、フキノトウ、穴子煮ごこり。

これが出てきたら、日本酒にスイッチですね。
静岡のものから、選びましょう。

・喜平　蔵出し生 / 静岡平喜酒造 (静岡市駿河区): \850
2012(平成24)年創業と新しいが、ルーツは明治時代に掛川市で興った「平島屋」で米穀商から酒造業へ拡大、1928(昭和３)年に岡山でも創業し、1967(昭和42)年に岡山に集約していたものの、45年後にまた静岡に舞い戻ったことになる。
後から過去ログを探ると、岡山・旬菜一楽で、創業者名を冠した「喜平」を飲んでいた。
今回飲んだのは、蔵出し生で、レアもんらしい。

前菜で圧巻の9品、これだけで、酒が進む。
しかも春らしく桜の生花が彩りを添えている。
べっこう卵と言えば、福岡の日本酒バー・ネッスンドルマを思い出す。
鷹匠・美吟でも自家製カラスミが出てきたのだが、静岡では自家製が流行っているのかも?
穴子の煮ごこりは、ブローチのようで、下拵えに時間がかかる手間もんですね。

・椀物
新玉葱を隠し味に使った、筍真丈です。
大阪駅前第3ビル・花狩人 かとうでの蓮根饅頭の餡かけを髣髴とさせる。
三つ葉が括ってあって、ひと仕事してある。

・お造り
ネタは、ミナミマグロ、天然鰤、烏賊。
同じ「みなみ鮪」でも?!(笑)、昼間に食べた清水港　みなみでのネタとは、やはり大違い。
割烹と激安丼屋さんとは、そら価格も違うので、質も違って当たり前。

ツマの人参も桜型にしてあって、ひと手間かかっている。
蓮芋が、鮪と鰤の暖色系間に配置してあると、その薄緑色が引き立つ。
静岡なんで、やはり山葵が旨い。

刺身が来たので、次の地酒を。

・初亀　純米吟醸　「からから」べっぴん / 初亀醸造 (藤枝市): \950
1636(寛永12)年創業、全国に先駆けて1本諭吉越えの商品を投入した蔵元。
閉店した日本酒バー「佐千帆」で、ココの大吟醸「孤月」を飲んでいた。
今回飲んだのは、酒米の王者「山田錦」を55%精米、静岡酵母を使って、日本酒度+10までの辛口に仕上げられているので、刺身によく合う。

・台の物
酢の物と和え物が入っているので「止め肴」とも言えるのだが、出てきた順番では止めていないんで、敢えて「台の物」と言うべきか（￣～￣；）？？
金目鯛、蕪、フキ。

刺身で酒が進んでいたので、別種類へ。

・正雪　純米 / 神沢川酒造場 (静岡市清水区): \700
1912(大正元)年創業、2013(平成25)年に業界唯一の「現代の名工」に選出された杜氏を擁する蔵元。
定番の純米でも、しっかり造られていて、静岡らしいスッキリとした味わい。

・煮物
筍、蛸の旨煮、ワカメ、桜型の京人参、菜の花。

あっさりとした味の、この煮物に合わせるのは、

・開運　特別純米 / 土井酒造場 (掛川市)
1872(明治5)年創業の蔵元、能登杜氏四天王の１人で、マンガ『夏子の酒』に登場する「じっちゃん」のモデルになった故波瀬正吉さんが居られたことで有名な蔵元。
鷹匠・おい川で、波瀬正吉さん遺作の雄町純米大吟醸 (13BY)を飲んでいた。
山田錦を55%精米、静岡酵母を使っている点では、さっき飲んだ「初亀　純米吟醸」と同じスペックだが、こちらの方が飲み飽きしない味に仕上がっている。

・揚げ物
山菜の天ぷら盛り合わせ

天ぶらが出てきたので、更にスイッチ。
この日のメニューに記載されていた静岡の地酒は、これにて御仕舞♪

・喜久酔　特別純米 / 青島酒造 (藤枝市)
江戸中期の創業、菊水酒造(新潟)と被るため、「キクヨイ」との読みに変更。
「おい川」でも自家製樽酒を飲んでいた。
今回飲んだのは雑誌『dancyu』で食中酒部門で1位になったもの、米の旨味が天ぷらとベストマッチになる。

・鉢肴
鰆西京焼き。
鰆と言えば、岡山の刺身やタタキを連想するが、静岡でも出す店があるんですね。

・食事
シンプルな雑炊。
素材は玉子と、何やったっけ? あと1種類ド忘れ(^_^;)
掛川・うなぎの甚八で感じたのと同様、静岡なんで、何気に緑茶が旨い。

・水菓子
柚子シャーベット

最初は素っ気なく感じた大将も、料理の話で盛り上がると、素材について色々と教えてもらった。
一品一品、ひと仕事されていて、コースでこの価格なら、非常に良心的な先ですね。
新静岡駅からもアクセスが良いので、また機会があれば寄ってみたい。