追加　この店は徳川慶喜ゆかりの由緒あり！全国に広がった江戸蕎麦のルーツは。まさに静岡の駿府の蕎麦だった : 安田屋本店

京都五山を開山した聖一国師。宋から持ち帰った茶の実を植えさせ。茶の栽培も広めたことから。静岡茶の始祖とも称される。師は静岡に生まれ。日本と中国の著名な寺で修行。中国から茶の種子や麺類、人形などの技術を持ち帰る。

日本の産業と文化の進歩のために。大いに貢献したと言われる。博多駅の地に臨済宗の寺「承天寺」がある。境内の隅に、金色の文字で。饂飩蕎麦発祥之地と刻まれた
石碑。これは師が豪商・謝国明の助力を得て開いたお寺。

＊謝国明は大晦日、貧しい人々にそばをふるまった。年越しそばの始まりと言われている。

水車を利用した製粉技術。これを記した設計図(重要文化財)を宋より持ち帰り。この挽き臼技術による粉。その製法を日本人に教えたと伝えられる。饅(まんじゅう)や麺(うどん･そば)もこれにより普及。

その後、京都で発祥した蕎麦切りを。茶道とともに今川義元公が。駿府へもたらし、さらに。駿府の蕎麦屋を江戸に。連れていったのは徳川家康公。ちなみに静岡の大川地区には。世代を越えて受け継がれてきた。在来種の蕎麦が残されている。

さてこの安田屋。徳川慶喜ゆかりの。歴史ある蕎麦店として有名。静岡を代表する。そう言っても過言ではない。そば粉は信州柏原で契約栽培、だしの鰹節は特別に熟成された焼津産。水は横内の水を井戸で汲み上げる。などこだわっている。


名物は駿河そば。先に天ぷらが登場。これを肴に酒を飲む。この日はズッキーニ、茄子、海老がサクサクっと。そばは3種で普通（あらびき）、大御所（さらしな）、茶きりで朱塗りの箱に入って。かやくご飯も注文

そばは3種だが衝撃的な特徴は感じない。この中ではさらしなが。上品な食感で結構な味わい。透き通るような端正な白色が印象的。ツユはやや辛めで、薬味としておろし、青ネギ、本山葵。

そばに関する本の中には各地のそばの有名店を紹介しているものが多いのですが静岡では必ず登場しますのがこの店です。まるで静岡を代表するように書いてあります。今回焼津で仕事がありましたので帰りに立ち寄りました。

静岡駅から駿府公園を左手に歩くこと20分程度。店の前は江戸時代に清水港から駿府城へ米を運んだ運河の跡で今でも重要な幹線道路となっています。当時、この店は晒屋（木綿を晒し紺屋におさめる）で江戸の末期にそば屋に転進したそうです。

そばの命であるそば粉は信州柏原で契約栽培、だしの鰹節は特別に熟成された焼津産のもの、水は横内の水を井戸で汲み上げるなどこだわっています。

平成6年に旧店舗が火災で全焼しましたが、翌年城下町の商家風の新店舗を造り今でも現在の建物は風格があり街場のそば屋としては大変立派な店構えです。隣の川島珈琲店と並んで街路樹の柳が風情を醸しだしています。

店の外には「きりした黒姫そば　手打ち生粉打」とか「駿河蕎麦懐石」という貼紙があってなかなかのこだわりを感じます。並みのそば屋とは一線を画す店の意気込みやプライドを感じます。

＊「きりしたそば」とは昼夜の気温差が大きくてそばの生育、結実に適した霧下地帯で栽培されるそばで味覚、栄養、粒型ともに優れているといわれています。産地は新潟・長野県境の妙高、黒姫、戸隠、岐阜・長野県境の木曽など。

まずおすすめの冷酒の生原酒 蔵元直結を頂きました。お通しはそばの揚ものです。

肴の「ニシン煮」はしっかりとしたダシで煮込んであって大変上品でおいしいです。山椒も十分効いていてニシン独自の食感と味わい。「そばがき」は温かいツユと薬味で食べます。どっしりとしたそばがきらしい味わいです。正統派のような舌触り、のど越しです。

さてこの店の名物である「駿河そば」を頂きます。先に天ぷらが登場しこれを肴に酒を飲むそうです。ズッキーニ、茄子、海老がサクサクっと食べる事が出来ます。

そばは3種で普通（あらびき）、大御所（さらしな）、茶きりで朱塗りの箱に入っています。一緒にお願いした「かやくご飯」とともに運ばれて来ました。さらしなの透き通るような端正な白色が印象的です。

そばは3種を一度に楽しめるのは有難いのですが衝撃的な特徴は感じませんでした。香りは少しありますがそばのみずみずしさは思ったほどではありません。ただこの中ではさらしなが上品な食感で結構な味わいです。さすが大御所！

ツユはやや辛めで、薬味としておろし、青ネギ、本山葵です。蕎麦湯は白く濁っていましたがさらりとしていました。

その昔は最後の将軍である徳川慶喜も隠居生活の中で度々訪れていたという由緒ある店です。名物の「きりしたそば」から数多くのそばを工夫する熱心な店です。静岡のそばの歴史とともに歩む店なのでしょう。