出雲地方の「釜揚げそば」初体験 : そば処 田中屋

ちんたらやってた山陰地方へ青春18切符旅のレビューもこちらのお店が最後になります。今回、山陰地方は念願の出雲大社、旧JR出雲大社駅、鳥取砂丘、足立美術館と回れて大満足でした。そしてその中で新たな発見と食で一番印象に残ったのがこちらの「釜揚げそば」になります。
以前、なにかで「出雲大社に参拝した人たちが寒い中で体を温めるため。そしてすばやく提供できるように釜揚げそばが誕生した」という点に興味があったので。


1件目荒木屋で割り子そばを食べた後､向かうは徒歩5分位かな。こちらの田中屋へ。
外で待つこと10分。一人なので早かったですね。昼時か店内は満席です。大きなテーブルで相席です。周囲を見渡すと大半の人が割り子そばを食べていますね。やはり出雲地方といえば割り子そばが有名みたいですね。
しかし、私の最大の食の目的「釜揚げそば」注文。680円。


ここで・・・メニューに書いてる「釜揚げそば」と「割り子そば」の説明書きを転記したいと思います。

割り子そば
＞薬味をお好みで乗せ、だしを少量かけて、そばにだしをからめるようにしてお召し上がりください
＞一段目に残っただしは2段目にかけ、一段目どうようにしてお召し上がりになるのがおすすめです。


釜揚げそば
＞茹でたそばを水洗いせず、茹で湯（そば湯）と共に提供する温かいそばです。
＞そばつゆをお好みでかけ、あまりかき混ぜずにつゆをかけたところからお召し上がりいただくのがお勧めです


さて、早速いただきます。

一口で釜揚げ蕎麦を説明するなら「丼にそばつゆでなくてそば湯入り。そばつゆは食べる部分だけ少量回しがけして食べる」です。

まずはそばだけをいただきます。そばは細めの平打ちっぽい感じですね。そば湯が絡みつく感じですが、喉越しはそば湯が絡んでいますが、悪くないそばだと思います。風味はそばゆが入ってるからというのもありますがよいと思いますね。甘みも強いです。多分割り子で食べても風味が強く感じられるそばだと思います。そば湯だけで飲んでもなかなかおいしいそば湯だと思いました。

次に食べ方に書いてある通りそばつゆを食べる分だけ丼に直接かけます。1,2口食べる分だけそば湯をその部分にかける。あまりかき混ぜず･･･う～ん、なかなか難しいですね。そしてこういう食べ方は初めてですね。混ぜないのがおすすめというのは。しかしこの食べ方がまたおいしいんですね。つゆとそば湯が混ざった部分とつゆとそば湯の境目的な部分の味の変化を楽しめます。そしてこの釜揚げそばとこの食べ方、さらにこのつゆの三位一体がよく合います。

つゆは後口に強い甘さを感じますが舌にベタベタ残りません。1件目荒木屋でも書いたとおり、信州そばと露の色からしてまったく違うのです。信州そばは醤油色をしたつゆです。鰹と昆布が基本だと思いますが、こちらの汁は薄茶色というより少し濃い目の琥珀色っぽいつゆだと記憶してます。そしてうるめいわしが基本の甘くてまろやかで甘みと味に含みのある汁。この汁もとても好みでした。

具は青海苔、鰹節、ねぎ、おろし、もみじおろしです。青海苔と鰹節の香りとそばの香りがミックスされて強くて食欲がグンと増しますね!青海苔もおいしいんですよ。ちょっとこれにはびっくり。風味もよくてそばのアクセントによかったです。

あと、七味がついてくるのですが･･･この七味は何故か長野県の八幡屋礒五郎 大門町店の七味じゃないですか。わたし、出雲へ行く前週に八幡屋礒五郎のお店へ買い物に訪れてたんですよ。いや、まさかこんな遠路はるばるな出雲の国で信州の七味に合うと思いませんでした（笑
ってことで、普段はそばに七味や一味を振らない私も珍しくふって食べてみました。七味の香ばしさと絡みがそば全体を引き締めますね。正直七味で八幡屋礒五郎は特別好きではありません。でも、このそばと八幡屋礒五郎の七味の相性はいいですね。


接客。観光地ですが悪くはないと思いましたね。


よい体験をさせて頂きました。
確かにそばを単純に味わうならもりだと思います。
でも、私はこの「釜揚げそば」もよいと思いますね。今は防寒服も発達してるし店も暖房で冬もそんなに寒いということはないけれど、温かいものを温かいままおいしく食べるという点で釜揚げそばに先人の知恵とおもてなしの心があるのかななんておもいました。


長野県から鉄道で千キロ弱離れた出雲へ。
色々なものを含めて大好きな土地になりました。
また、必ず再訪して出雲そばの食べ歩きをしたいと思います。