鯛めし、ウニ釜飯、あごのやき　再訪 : 庭園茶寮 みな美

初回訪問は2009年。松江の皆美館を3年ぶり4回目の訪問です。この店は鯛めしが秀逸で、何回食べても飽きが来ない美味しさでもてなしてくれます。

鯛めしは、"鯛そぼろ"と"裏ごしした黄身"と"出し汁"のバランスが絶妙。具の1つ1つは薄味仕立てですが、鯛そぼろ達がホロホロとほぐされて、カツオ風味の出し汁に浸った時の一体感が堪らなく美味しいです。もちろん、ワサビ/葱/海苔の風味も良い仕事してます。詳細は過去口コミをご覧ください。

続いては"あごのやき"を紹介します。あご野焼はトビウオのすり身の竹串焼き。島根/鳥取など山陰を代表する郷土料理です。特徴はすり身焼きの太さにあります。巨大なチクワです。材料にトビウオなど青魚を使うという点では薩摩揚げと一緒ですが、揚げと焼きでは全然別物。

外側の皮を焼き上げることで香ばしさを出しつつ、中に旨みをギュッと閉じ込めてます。私は青魚特有の魚臭さが大好きなので、小田原蒲鉾の上品さよりもこちらの方が好み。もっとすり身を粗くしてジョリジョリした舌触りでも良いくらいです。

最後は"ウニ釜飯"です。メニュー上は季節の釜飯となってて具材は選べませんが、夏場は"ウニ釜飯"が多いようです。一緒に付いてくる"カレイ白醤油焼"は、焼き魚というより蒸し料理に近く、ムニエルのような味わいが美味。そう考えるとCPの良さが光ります。

釜飯自体は2種類の食べ方をするよう仲居sanが説明してくれます。
　1膳目）薬味を混ぜてお召し上がりください。
　2膳目）薬味を混ぜ、餡をかけてお楽しみください。
まぁ、名古屋のひつまぶしを意識した指南ですな。

でもね。冒険心が旺盛な私は、3膳目を発見したので紹介します。それはウニ釜飯に、鯛めしの出し汁をかける食べ方です。だって鯛めしの出し汁はお替り無料だし、出し汁だけ飲んでも美味しんだもの。

そんな出し汁を、ウニ釜飯をよそった茶碗にぶっかけると、ウッ、うっまぁーーい。何故だろう3膳目の食べ方が最もウニの旨みを引き出してる気がする。う～む。この店の主役は、やはり出し汁だったのか。という結論です。他店が真似しない/真似できないってのが凄いなぁ。頭が下がります。

今回もご馳走様でした。鯛めし御膳+釜飯御膳いろどり=最強コンボです。次回もまた楽しませてくださいね。
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鯛めし御膳<福>(\2,530)
　小鉢1：もずく酢
　小鉢2：胡麻豆腐
　揚物：カレイ煎餅揚げ
　蒸物：茶碗蒸し
　食事：鯛めし一式<鯛そぼろ/玉子の白身と黄身の裏ごし/ワサビ/葱/おろし大根/海苔/出し汁/御飯/香の物>
あごのやき(\880)
釜飯御膳いろどり(\2,860)
　小鉢1：もずく酢
　小鉢2：胡麻豆腐
　焼物：カレイ白醤油焼
　蒸物：茶碗蒸し
　揚物：天婦羅<海老2本/イカ/茄子/椎茸/ししとう>
　食事：季節の釜飯<ウニ>,とろみ出し餡,香の物,赤出汁

---2012年6月の口コミ---
2012年はランチにて再訪です。皆美館の庭園を明るい時間に見たかった為です。庭園goodで雰囲気+0.4。
みな美の食事は昼と夜ではシステムが異なるようです。昼食はサービス料が掛かりませんが御飯のお替りは有料です。出し汁のお替りは無料っぽいです。夕食はサービス料が+10%掛かりますが御飯も出し汁もお替り無料です。CPが優っているのは当然昼食です。

今回いただいたのは、"鯛めし御膳<福>"と"飛魚のときくずし膳"の2コース。
私と嫁の2人とも鯛めしじゃ芸がない。重複回避。鯛めしは御飯も出し汁もお替りできるし……という理由で"飛魚のときくずし膳"を選択しました。

鯛めしは昼でも夜でも変わらず、鉄板で美味しいです。鯛めしの評価は---2009年8月の口コミ---をご覧ください。
今回は、鯛めしと並んで美味かった"飛魚<アゴ>のときくずし膳"の中から、特に美味だった"飛魚のときくずし"と"鰈みぞれおろし"の2品を紹介します。

"飛魚のときくずし"とは最近の松江の町興し名物で、味噌を溶き、アゴ<=飛魚>の身をすってとろろと混ぜた料理です。とろろの濃厚さと食感、味噌風味と焼きアゴの香ばしさが相乗してくる美味しさです。それぞれの料理素材は、地方の町々で味わえますが、この組み合わせの妙は松江でしか食べた事がないです。

"鰈みぞれおろし"は蒸したカレイがトロトロに柔らかく、おろし大根と醤油のソースと上品にマッチしています。う～凄いぞ。
和食としてもフレンチとして高得点です。カレイという食材の点では、鯛めし御膳で提供される"鰈煎餅揚げ"と同じですが、蒸し/揚げという調理方法の違いで両品とも松江ならでは個性を発揮しています。もちろん、"あご野焼"や"蜆清汁"の郷土料理も抜かりはありません。

あと特に付記したいのが料理の多彩さです。"鯛めし御膳<福>"と"飛魚のときくずし膳"の各品を見てください。料理の重複が全くないのは驚愕です。普通の料理屋なら前菜とかカブるんだけどなぁ。接客ももちろん凄いけど、重複のない多彩なメニュー構成を運営できている点も"みな美"の底力だと思います。

2人組旅行で"みな美"ランチするなら、"鯛めし御膳"と"飛魚のときくずし膳"が絶対お奨めです。両方合わせると郷土料理フルコースになります。あ～、今回も大満足でした。CPでは昼が夜より高評価ですが、接客サービスでは圧倒的に夜が勝ってます。

昼も夜も超お奨めである事に変わりませんので、機会があれば皆様もぜひ松江を味わってくださいませ。
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鯛めし御膳<福>(\2,310)
　小鉢：もずく酢
　前菜：よもぎ豆腐,○紫蘇の実のしぐれ煮
　揚物：鰈煎餅揚げ
　蒸物：茶碗蒸し
　食事：鯛めし一式<鯛そぼろ/玉子の白身と黄身の裏ごし/ワサビ/葱/おろし大根/海苔/出し汁/御飯/香の物>
お替りご飯<大>(\210)
飛魚のときくずし膳(\2,625)
　小鉢：あご野焼
　前菜：野菜焚き<がんも/南瓜/フキ/緑のお麩巻き/紅いお麩>
　揚物：天ぷら<海老2本/イカ/さつまいも/椎茸/ししとう>
　蒸物：鰈みぞれおろし
　椀物：蜆清汁
　食事：飛魚のときくずし一式<とろろ/焼きアゴのすりみ/アゴ刺身/薬味5種/御飯/香の物>
　デザート：レモンシャーベット

---2009年8月の口コミ---
私が知っている鯛めしは3つ在ります。
　①鯛そぼろに出し汁を掛けて食す　　　　松江など
　②一度焼いた尾頭付き鯛を米と一緒に土鍋で炊く　松山など瀬戸内海
　③鯛の刺身を薬味ヅケダレに混ぜて食す　　宇和島など

私は、①＞③＞②の順に好きです。
都内では3つとも食べた事があるのですが、松江で食べるのは初めてです。ご当地は如何なものでしょうか。ワクワクします。

夕食予約して到着してみると皆美館という湖畔の旅館の1Fが食事処"みな美"でした。
庭園も宍道湖の景色も良さげなのですが、もっとも目を見張ったのは着物姿の女性スタッフの接客の質の高さです。私の場合、
　・料理1品1品に関する知識が豊富。何でも即答してくれる。即答と言っても速答ではなく、会話の間の取り方がゆったりしている。
　・飲み物やお茶を注いでくれる時も、ゆっくりとした上品な振る舞いで、でも無駄な動きなく対応してくれる。
　・空調の温度や風向調節、お茶のタイミングなどちょくちょく気にかけ、客が欲しい時に欲しい接客サービスを提供してくれる。
が気に入りました。総じて、みやびな気持ちに浸れます。東京の日本橋コレドの皆美でも鯛めしを食べた事はありますが、島根ご当地の接客レベルは全く別格です。きっと長い日時をかけて教育訓練するんだろうなぁ…。軽薄短小の真逆ですね。

さて料理に対するコメントです。ひとことで言うと出し汁の勝利です。
まずは出し汁だけで一口目。カツオの風味がほんのりと広がります。深呼吸したくなります。

次にご飯に鯛そぼろを乗せて出し汁をたっぷり並々と注ぎます。そぼろが溶けほぐれて出し汁に拡がった所で口に含むと、先ほどのほんのりに更に甘味が加わります。うんめぇ～！　　女性スタッフの言葉「汁が足りなくなったらおっしゃって下さいね。追加をお持ちしますから」に甘えて出し汁お替りをし、ふんだんに堪能しました。

鯛めし以外では、うにしんじょ、鰆炙り、かれいの唐揚げが美味しかったです。
今回は夕食での利用でしたが、昼食ならたった2千円台で鯛めし/出し汁/かれいの唐揚げ＋女性スタッフの気持ちの良いもてなしに接する事ができるのだからお得だと思います。
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鯛めし御膳<八雲>(\3,780+ｻｰﾋﾞｽ料\378)
　小鉢：もずく酢
　前菜：うにしんじょ,えび,紫蘇和え
　造り：鰆炙り,鯛,アオリイカ
　揚物：かれいの唐揚げ
　蒸物：茶碗蒸し
　焼物：焼魚サラダ<サーモン/えび>
　食事：鯛めし一式<鯛そぼろ/玉子の白身と黄身の裏ごし/ワサビ/葱/おろし大根/海苔/出し汁/御飯/香の物>
あごのやき(\840+ｻｰﾋﾞｽ料\84)