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店名 |
喜多品老舗(きたしなろうほ)
|
---|---|
ジャンル | 郷土料理 |
予約・ お問い合わせ |
0740-20-2042 |
予約可否 | |
住所 | |
交通手段 |
近江高島駅から607m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
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利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
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ホームページ | |
初投稿者 | |
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こちらは1619年(元和5年)創業と言う、400年の歴史を持つ鮒鮓店です。
かつてお店の存在を知った際、頂いてみたい!と思ったのですが、
訪問を先延ばししていたところ、なんと2012年に閉店してしまいました。
老舗ゆえの後継者不足か…と思い、ニュースを聞いた時には意気消沈。
しかし、それは単なる自身の間違いでした。
長女の北村真里子さんが18代目を継がれ、旦那さんと共に2013年に復活。
発酵食品として「マニアック」な鮒鮓を継がれる方がいるなんて!と感激を覚えました。
ただ、「マニアック」であっても今後の可能性が大きいのが鮒鮓です。
「発酵料理」が世界的に注目を集め、滋賀には名店・徳山鮓さんもあります。
鮒鮓は食文化が多様化する現在だからこそ、絶やしてはならない伝統料理だと思います。
当ブログは微力ではございますが鮓・鮨・寿司の専門メディアである以上、
頂いて世間に伝えなければ!是非とも応援しよう!と足を運びました。
こちらの鮒鮓は何と3年もの間熟成されるところが特徴となります。
製法の通り名は「百匁百貫千日」。
百匁(375g)の鮒を、百貫(375kg)入る木桶で、
千日(約3年)掛けて漬ける事を意味します。
つまり、18代目が作られる鮒鮓は、2016年頃から頂けるようになった模様です。
鮒鮓は通常の家庭だと、春に捕獲した鮒を3~4ヶ月塩漬けした後、
土用(7月下旬〜8月上旬)の頃に本漬け(お米と漬ける)して、
師走から新年のお祝いの時期に頂くのが常となります。
こちらでは、2年も塩漬けしてから半年本漬け、
更にお米を入れ替えてまた半年本漬けと、3年も熟成させる、いわば長期熟成。
代々伝わる木桶で漬け込むため、桶に常在する乳酸菌が固有の味を生み出します。
使用する鮒は勿論、ニゴロブナ(いお)。
琵琶湖の固有種で一時期は絶滅が懸念されていた魚となります。
スポーツフィッシングの弊害で、
ブラックバスやブルーギルによって稚魚が駆逐される状況でしたが、
滋賀県の尽力により近年は漁獲量が回復基調にあるようです。
お店のある大溝地区は独特の景観が魅力的。
店内に昔の写真が飾られておりましたが、現在も通りに水路の名残を残しております。
そして、町自体が発酵に適した気候なようで、他にも日本酒や調味料の蔵が密集しております。
日本酒は【萩乃露】や【雨垂れ石を穿つ】で有名な福井弥平商店。
お酢は淡海酢、味噌は西川みそ糀店などのお店が連なっております。
訪問した際は閉まっておりましたが、
魅力的なお店が目に付くので、今度は訪問してみたいと感じました。
さて、この度頂いたのは、【飯漬】と【鮒寿し発酵和ごはん】。
前者は伝統的な鮒鮓で、後者はアレンジ商品となります。
【鮒寿し発酵和ごはん】
鮒鮓の「漬け地」であるお米部分は「飯(いい)」と呼ばれ、廃棄される事が多かったようです。
しかし、乳酸発酵の触媒となる米は酸味と旨味を含み、唯一無二の味わいがあります。
最近は飯を巧みに利用して、ソースやディップ、デザートにまで用いるお店が増えております。
こちらでは刻んだ鮒鮓と柚子を混ぜ、食べやすいように工夫されています。
【飯漬】
卵の美しさと美味しさこそが鮒鮓の真骨頂。
旨味が凝縮された身の部分も美味しいのですが、
卵は食感は言わずもがな、発酵による酸味や旨味をまとっており、
他の発酵食品には無い魅力を有しております。
こちらの鮒鮓は「香り」が割としっかり目で、
長期熟成だけあり凝縮感がある鮒鮓だと思います。
乳酸発酵による酸味がしっかりあり、旨味が強いです。
皮は凝縮により食感が強めです。
なので、そのまま頂くだけでなく、お茶漬けで頂くのも美味しいです。
筆者は削りたての本枯節で出汁を取り、
薄口醤油少々を加えて出汁茶漬けにしました。
鮒鮓特有の香りが弱まり、風味が活き、旨味と酸味が出汁に馴染み、
これぞ鮒鮓茶漬けの美味かな!と痛感しました。
滋賀には前述の徳山鮓さんのみならず、魚治さんや阪本屋さんなど、
歴史ある専門店が点在します。
また、道の駅に立ち寄ると、小規模生産者さんの様々な鮒鮓が並んでいます。
自分自身、初めて滋賀を訪れた際には鮒鮓の多様性と
文化として定着している強さに驚きました。
それと同時に、鮒鮓を初めて頂いた時には、パンチの強さに圧倒されました。
しかし、日本酒との相性は抜群であり、
何度か頂く事で鮒鮓ならではな魅力を感じるに至りました。
また、魚治さんが営む湖里庵さんで【鮒寿し懐石】を頂く事で、
鮒鮓の魅力と可能性を痛感した次第です。
湖国、滋賀の味。
悠久の歴史が誇る味ですが、未来の味でもあります。
本記事は下記のブログをベースに投稿しております。
すしログ:http://edomae-sushi.hatenablog.com/