冬の徳山鮓で熊肉となれずしを堪能 : 徳山鮓

夏にお邪魔した時に予約を取っておきました徳山鮓さん。

冬は何と言ってもジビエのシーズン。

冬眠前の貴重な熊肉が楽しみでした。

★つきだしは熊チップともろこ。熊のビーフジャーキー。旨味が強いが臭くない。

★鯉の刺身。上から鮒の卵がかけてあります。弾力があって美味しい。

★牛肉の生ハム。もちろん和牛を使用。下の小枝は自生のクロモジの枝です。香りづけに置いてありますが折るとさらにフレッシュな香りが。ハーブの様なアロマティックな香りが堪らない。

★猪のハム、熊のテリーヌ。これは美味い。地元七本槍の生酒から赤ワイン投入。

★熊の肉団子。少し臭みを感じたがお酒には合う。ジューシー。

★熊鍋→薄ーくスライスされた熊肉でボタン鍋です。これを待っていました。
家畜の肉とはまったく違う旨味を持つ熊の肉は滋養強壮にもなって身体を温めて、コラーゲンも豊富な山の貴重な食材の一つ。真っ白な脂の乗ったお肉を味噌の様なお出汁にくぐらせて大量のネギと頂きます。
全く脂っぽくない。不思議。不思議な弾力もあります。そして獣臭くない。前回熊蕎麦を食べた時と同じ感想でした。
牛肉とは全然違います。

★鯖のなれずしと自家製唐墨の海苔サンド→なれずし酸っぱくて美味しい。最初は酸味でうわぁぁってなるけど地元の酒とペアリングすると、あら美味しい。病みつきになります。唐墨も酒に合う…。

★熊鍋のスープで締めのお蕎麦。美味い…。もっと欲しい。

★デザートは定番の「飯」を使ったアイス。鮒鮓にも使う飯をつかったアイス。一癖あるがとても美味しい。今年食べたアイスでこれと、某中華料理店で食べた紹興酒のアイスが今年のベストアイス。

女将と大将の軽快なトークで盛り上がってみなさん年末の徳山鮓特製のおせちを注文してました。

来年はそんじゃそこらの花山椒とは違うと大将太鼓判の貴重な花山椒の会に行きたいと思います。

琵琶湖の上端にある羽柴秀吉七本槍で有名な賤ヶ岳の北側に位置する余呉湖。

今日のお店に行きたいと思うまで余呉湖の存在すら知りませんでした。

その余呉湖のほとりにあるオーベルジュの徳山鮓。今日はここの為に余呉湖に訪れました。

訪れるというのに相応しき山間の集落にその店があり、全国からわざわざこの辺鄙な所まで「鮓」という食べ物、そして琵琶湖やその近辺で獲れる新鮮なジビエや野草を食べに来るのです。

長浜駅から電車でのどかな田園や湖を見ながら、電車で揺られること20分程。目的の余呉駅に到着です。

駅からは歩いても30分以上離れているので、お迎えの車が来てくれます。同じくランチを食べに来られた東京の方達と相乗りです。

お店に到着。小さな旅館の様な店構え。

大きな玄関には鹿の頭が飾られています。余呉湖が見える奥の個室に案内されました。

個室の外は広いテラス席になっています。そのテラス席の脇で炭火で本日供される琵琶湖の鮎が焼かれています。

まずは先付。つるむらさきと滋賀のご当地麩の丁字麩の和え物。インゲンと胡麻。枝豆など。

お酒は地元七本槍のお酒を。お水もここと同じお水を使って醸造されています。

地元の食材には地元の酒が一番と仰ってました。全て同じ水から出来ているのでと。

次は琵琶鱒に鯉の卵を和えたお造りを。臭みも無くて美味しい。

お次に熊と猪と鹿のテリーヌ。ジビエ来ました。ああ美味しい。もろこも夏の焼野菜も美味。

そして先ほどから若大将が焼いていた鮎の塩焼き。ジューシー。

次は徳山鮓を有名にした発酵料理が。琵琶湖の発酵料理と言えば古来からある鮒寿司。

私初めてです。特徴的な臭みをブドウのジュレで和らげています。普通に食べれちゃいました。

ねっとりとしてクリームチーズの様な食感。酒ですなこれはｗ。

そして鯖のなれずしへと続きます。これも発酵感があって美味しい。

削った吉田牧場のカチョカバロと合うんですねぇ。

隣は鮒寿司のパン。鮒寿司を薄くサンドにしていますが、ハチミツがかかっていて甘さと塩味がこれまたやれれます。

最後は熊肉のお蕎麦。熊肉のコクがあってとても美味しい。もっと食べたくなります。

しめのデザートも鮒寿司ｗ。鮒寿司の「いい」の部分を使ったアイスクリーム。これがまた絶品。


徳山鮓と言えば外せないのが発酵の権威、東京農大名誉教授の小泉先生。

小泉先生の講演を昔聞いた事があったのですが、とても面白かった記憶があります。

昔この地に仕事でやってきた小泉先生の影響で徳山氏は、徳山鮓を作る事になります。

琵琶湖は鮒寿司に代表される発酵食文化の色濃き地。

そこで偶然出会った二人の邂逅がこの名店を作り上げたというお話はとても興味深いです。

また冬に熊を食べに行きたいと思います。