本年も鮎釣りの帰りに滋賀料理 : ひさご寿し

昨年とほぼ同時期の恒例鮎釣りの帰り。本年は友人夫妻を東京から誘ったので、こちらもご紹介しました。

カウンターには、滋賀の火祭りの松明2種が飾られていました。火祭り、一度見たいなあ。

昨年同様、11,000円の滋賀料理のコースをお願いしました。本年秀逸はじゅんじゅんが熊肉だったこと。一度食べたかったのです。旨味凝縮のお肉に大満足です。その他も滋賀、琵琶湖、満載で堪能致しました。

＜お料理＞
⚪︎ 嶺岡豆腐　筋エビ　防風

⚪︎ イワトコナマズのお椀　茗荷　じゅんさい骨の出汁

⚪︎ イワトコナマズの薄造り　しょうが　粒辛子

⚪︎ 小鮎の沖島造り　鮎蓼揚げ

鮎は琵琶湖にいる時はプランクトンを食べ、これではあまり大きくならず、川に遡上して、藻をたくさん食べると大きくなるそうです。知らなかった。

⚪︎ スッポンの泥亀煮　賀茂茄子　芽ねぎ

スッポンは愛知川(えちがわ)のもの。そこは石が硬くスッポンの中の泥が少なくて、食べやすいそうです。

⚪︎ 琵琶マス　皮目炙り

近赤外線での調理が1番おいしくなるとのこと。琵琶のマスは海老を食べて赤くなり、鮎を食べて脂がのるそうで、この時期が最も脂のりが良いそうです。

⚪︎ 発酵３種　鮒寿司　山かぶら　本モロコ熟鮓

鮒ずしの発酵期間は３年。今は木桶でつけないので、そこに永住していた臭くなる菌の影響を受けずマイルドだそうです。山かぶらは鮒と麹につけて3か月。鮒はすぐに溶けて形が無くなるそう。本モロコの発酵は１年。本モロコは、美味しいモロコの居場所をよく知る特定の漁師から仕入れるそうで、どこのものでも同じ味ではないとか。

⚪︎ 強肴３種　氷魚（鮎の稚魚）の佃煮　鮎塩焼き　鮎となすびのはさみ揚げ

⚪︎ 熊のじゅんじゅん　ナス　生姜　平茸　赤蒟蒻　三つ葉　レタスなど

最初は熊肉をしゃぶしゃぶで。思ったよりお肉柔らかい。ぎゅっと肉の旨味。

次にレタス以外の野菜を煮込んで。これも美味しい。

最後に出汁でレタスを。さっぱり。

⚪︎ 寿司　
アジ、鮎、琵琶マス棒寿司、タテボシ貝、玉子・エビ入り、近江牛、鮒きゅう、赤こんにゃく

タテボシ貝はもともと烏帽子を立てたような形からの名前だそうです。琵琶湖にはその他、池蝶貝などもあり、箸置きにも使われていました。出来上がった淡水真珠も見せてくれました。

⚪︎ デザート
チョコレートケーキとフルーツのゼリー寄せ

お酒も滋賀のものばかり、たっぷり頂きました。

ご馳走様でした。また伺います。

毎年恒例、犬上川での鮎釣りの帰り、安土でプチ観光の後に伺いました。当初はもう少し観光予定でしたが、天気も不安定だし、疲れたし、と17:30だった予約をお電話して15時過ぎに変えて頂きました。こんな良いお店で通し営業って珍しい。わがままに快くご対応頂き、大変助かりました。

しかも、急な時間の変更だったためか、カウンターで、店主・料理長の川西さんに対応して頂き、しばらく我々３人で独占状態でした。

滋賀料理のコースは8,000円と10,000円。違いは椀物と鰻のじゅんじゅんがあるかないかだそうです。10,000円の方を頂きました。

食前に麹ジュース。ノンアルコールでした。

①オクラと豆乳の寒天寄せ、スジエビソース

山芋、ヤングコーン、モロヘイヤ、クコが飾られています。器も涼やか。スジエビが琵琶湖産です。スジエビ、初めて食べたと思います。調べると手長海老の仲間。それはエビらしい濃厚な良い香りなわけです。秀逸なソースでした。山芋、モロヘイヤというヌルヌル系と大変上手な組み合わせでした。

②小鮎の沖島造り、揚げたアユタデを添えて

小鮎を二枚開きのお造りで。ピカピカでとても綺麗。我々が釣った鮎も、丁寧に処理すればこうなるのかしら。でも胴の太さから小鮎とはいっても大きめの立派なものばかりで、これはなかなか釣れません。小骨はそのままですが気になりません。酢味噌と生姜醤油、交互につけて頂きました。どちらもいいけど、酢味噌美味しいです。

驚きは素揚げのアユタデ。そのままでは苦くて食べられない、とされているのに、鮎と一緒に、とのこと。よくあいます。鮎イコールタデ酢だけではない発想がすごい。

③琵琶マスの塩たたき　トリュフソース

琵琶マスは今の季節が一番脂が乗っているそうです。確かに。通常、和食にトリュフとか、あまり好きではないのですが、嫌味のない上手な使い方でした。

④マジカ(ニゴイ)のすり身の御碗

マジカってなんですか、と聞いたら、ニゴイです、とのお答え。えっ、そんなもの食べられるの？と思ったら、川にいるものと琵琶湖にいるものは、食べているエサが違うので、臭みが違うそうです。

とうもろこしを混ぜ込んだフワフワのすり身で御碗仕立て。ナスも地元産。素晴らしいお出汁です。

⑤天然スッポン　柳川仕立て

濃いめのお味で、良い変化球。スッポン、犬上川の川岸にもいると思いますよ、とのこと。でも怖くて捕まえられませんよね。

⑥小鮎塩焼き

小鮎をこんなに美しく。塩加減、焼き加減、完璧です。ここにもアユタデの天ぷら。

⑦ 酒肴3種: 鮒寿司にブルーチーズ添え、本モロコの慣れ寿司、鹿肉にトリュフ

鮒寿司、私もそれほど好きではないし、母は絶対ダメだろうと思ったら、大丈夫。ブルーチーズと共に、も良いアイデアでした。3品全てお酒がさらに進んでしまいます。

⑧鰻のじゅんじゅん

滋賀の郷土料理、じゅんじゅん、初めて頂きました。季節の鰻です。お鍋に入れる前にお味見どうぞ、と勧めてくれました。脂の乗った上質な鰻を白焼きで。これでいいのに、とも思ったものの、お鍋も素晴らしい。通常は濃いめのお味のようですが、こちらは上品めなお出汁。鰻と玉ねぎを最初に。次に春菊を。さらに赤こんにゃくやお揚げも加えて。大変美味しく頂きました。

⑨握り: 琵琶マス、小鮎、玉子
素晴らしい。

⑩赤だし、デザート2品

お酒は、一番最初に、同じ酒米を土壌ごとに味わうという3種飲み比べ。松の司、竜王山田錦の純米大吟醸。微かではありますが、土壌ごとの差がわかります。これ、お酒が進んでからでは違いがわからなくなると思います。川西さんも、そう思って一番最初に、とお勧めしましたとのこと。

あとは南側から順番に、ということで、初桜から。次々美味しく頂き、いつも通り、おそらく1人4〜5合くらい。

そうそう、ビールも地元のブリュワリー、two rabbits のもの。創業者はオーストラリア人だそうです。

滋賀料理、といっても相当洗練された形だと思いますが、本当に美味しく頂きました。川西さんとの会話も楽しく、滋賀への理解が深まりました。ありがとうございました。年に２回は必ず訪れる滋賀(鮎釣りとワカサギ釣り)、また伺いたいと思います。