名店であるが決して万人受けはしない : じどりや 穏座

休日に訪問。
超有名店でも使われるブランド鶏「淡海地鶏」の生産者が直営する鶏料理店。
予約は電話のみ、かつ一月分を一斉に予約するため極めて難度が高く何回も敗北しましたが、今回ようやく予約が取れました。


◎雑記
・本来は数コースで営業しているようですが今回はコロナの為カウンターのみの営業。調理を目の前で見ることができます。

・特筆すべきはその圧倒的な物量とCPの高さ。3時間に渡り凄まじい数の鶏料理が提供されます。ポーションも大きく、口直しのサラダも一日分の野菜が摂取できてしまいそうな物量。少量多皿ならぬ多量多皿です。それでいて¥5,800という価格は常軌を逸したお得さであり、儲けが出ているのか心配になるレベルです。

・鶏生産者直営というだけあり、コースのほぼ全ての品が鶏肉で構成されています。白肝、鶏冠など初めて食べる部位も多く幾度となく驚かされました。
　
・コースを最近よりマニアックな方向へと変えたという店主さんの発言通り、前半の刺身を中心にした生肉の皿が多く、生肉が比較的好きな私でも最後の方は若干食傷気味になりました。生肉好きにはこれ以上ないコースだと思いますが、賛否両論となりそうな変更です。

・今回のコースで特に美味しいと思えたのは、メスの上股肉のタタキで作ったハンバーグです。ほろほろとした肉の食感と、その間から流れ出る肉汁が口内を一気に幸せにします。チーズとの相性も良く、鶏肉で作ったハンバーグでは過去最高の味でした。

・圧倒的CPと内容の濃さは予約困難店に相応しい内容だと感じ、実際私も大満足のコースでしたが、一方で女性や小食の方にはかなり厳しいと思われる物量の多さと生の鶏肉をひたすら食べる前半の内容から、決して万人受けする内容でないとも感じました。予約困難の肩書きに釣られてミスマッチが起こることのないように、警鐘の意味も込めて「名店であるが決して万人受けはしない」とレビューのタイトルをつけます。お腹の容量に自信がある方には超おすすめです。


◎料理詳細
(口頭での説明をメモしたため、間違っている可能性あり)
特に美味しかったものは☆を記載。

①マスカットとながら漬け、のり味噌、おみ漬けのタルタル、ふき味噌

②シャンタン　蕪、水菜、うずら卵、鶏肉入り　…☆

③鳥刺し　オスのササミ、皮つき砂肝、メスの胸肉　彦根醤油で

④メスのササミの湯引き、比叡湯葉、わさびのビーズ 　出汁つゆで　

⑤鶏ハム　オスの胸肉の生ハムと火入れハムの食べ比べ、バゲットは鳥皮のパテと自家製ガーリックオイル

⑥漬け　メスの胸肉とササミ、とろろとわさび

⑦メス鶏のレバー(白肝)、スナズリの芯

⑧奥:オス鶏のレバー　手前:オスの心臓、メスの心臓

⑨メスの股肉の藁焼き　九州醤油としょうが

⑩オスの鶏冠、オスの白子、ポン酢と柚子胡椒

⑪メスの手羽先の塩焼き、山わさび、かめびし醤油の三年寝かせた醤油のフリーズドライ

⑫口直しのサラダ

⑬炒め物　尻の油で炒めた鳥皮、トマト、エリンギ、マイタケ

⑭メスの股肉、ネギ、インドの入手困難なガラムマサラ

⑮メスの上股肉のタタキのハンバーグ、ナチュラルチーズかけ　…☆

⑯ぼんじり　長崎の柚子胡椒

⑰鳥丼　横隔膜、お多福(リンパ腺　…☆

⑱ラーメン　…☆

⑲バニラアイス、ドライマンゴーをヨーグルトで戻したもの


◎滞在時間
約3時間

◎料金
¥14,520/2名(コース¥5,800×2、ドリンク¥450×2、¥350×2)