喫茶店のようであり、美術室のような雰囲気のウナギ屋さん、計らずも貸し切り状態に。 : うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋

このお店の屋号、「うなぎ屋酒坊・画荘　越後屋」か～
長い屋号だなぁ～。酒坊は善しとして、画荘って何なの
よ？どういう意味なんだろう。入力変換しても出てこな
い。

食べログのレビューの件数は多いわ、評点が高いわで、
ここのウナギ屋サンにはわんさかお客さんが集まって来
ていると思えましたので、訪問の一時間半ほど前にです
が予約の電話を入れてから行ってみることにしました。
万が一のための用心として個室も予約を。

ウナギ屋サンに着いたのは１２時半頃。完全なるお昼ご
飯時間帯に暖簾をくぐったことに。

店に入ると、しかし、お店の若い女の子が一人いるだけ。
他に客は誰も居ない・・・シーン・・・この時間に誰も
居ないとはな～、う～ん、この時間帯なのになあ・・・
ウナギ屋だけじゃなくどこででもだけど、期待された時
間帯にお客も適度に期待された人数がいてくれないと調
子はずれの感じになるよな～

何かあったのかな？今日は鰻の命日か何かで鰻を食っち
ゃいけない日か？不安にもなるが、来てしまった以上し
ょうがないよな、まあ、こういう日もあるのでしょう～

とは云え、個室を取ったのはこういう風景に出会うとは
思っていなかったからなのでありまして、店全部が一つ
の個室状態になってしまっている今のこの瞬間において
は、最早あえてこれ以上個室に拘る理由はありません。
むしろ、ここで個室に入ってヒソヒソと話し始めたりす
れば、きっと御相伴の主（あるじ）とのあらぬ関係をき
っとお店のご主人やお嬢さんに邪推されることになるで
しょう～　笑）
まあ～それはそれで善いのですが、どっちにしようが個
室の必要性を最早感じない。
なので、お店には申し訳ないが先走り予約してしまって
あった個室の方はキャンセルさせてもらって奥の広いテ
ーブル席を使わせてもらうことに致しました。結果的に
座り心地がいささか窮屈でありましたがトータルでは賢
明な方針変更と回顧されます。笑）
・・・この日は結局店を出るまで客はアタシ達だけであ
りました。

入り口に近い店内カウンター席には、きっと大事にされ
てきたであろうギター二本がカウンター内正面にドーン
と置かれていました。まるで楽器屋さん、ロック喫茶、
或いは神社仏閣のご神体ご本尊的設置。

カウンターを通り過ぎて店の奥に行くと趣がガラッと変
わって、額入りの書画作品が幾つか壁に掛かっています。
掛かっているだけでなく、相対的に大きめな号数のが所
狭しと床にも置かれているので、まるで美術室。

あたし達は奥に座ったので美術室で鰻を食べる塩梅にな
った次第。

書も画も云々する力量を持ち合わせないからいい加減な
ことは云えないけれど、ここにあった書そのもの画その
ものは見ていてこれからウナギを食べるに当たって悪い
気はしませんでしたね。ウナギ屋での客の待ち時間を有
効活用していてナイスです。ただ鰻を食べる食堂の割に
は美術品過剰感があって、いささか空気の重い異質空間
になっていると感じられましたので、もう少し展示品目
を絞り込めばもっと好くなるだろうになどと、妄想して
みたりしました・・・ギターを拝みながらのウナギ喰い
はアタシの好みじゃないけど書画とウナギとは結構調和
するものなのかも。

アタシ達はコースを頂戴いたしました。

出てきたモノはどれも美味しかったのだけど、店全体は
暗めだし、盛り付けは普通で、見てくれは諸般に渉って
特によくはなし。また、注文の時に佳い魚があれば刺身
で出して欲しいとお願いしたけれどこの日は無いとのこ
とで、その分ウナギが中心になって出される、白焼きも
出してくれるとの店の説明ではあったのが、コースの中
には白焼きは出てこなかった。量が少ない方のコースだ
ったからこういうことになったのか、善く聞かなかった
こっちが間抜けなんだけど、判然としません。

コースでうな重が出てくる前にいろいろ食べてしまうと、
しかもそれが結構美味しかったりすると、胃袋の小さな
アタシではそれだけでもうそこそこの満足が得られちゃ
って、うな重をガツーンと美味しく食べられなくなる。
「えっ、まだうな重が残っているのか～！」の負担感が
先に来てしまう。コースは重過ぎ、うな重だけにしなか
った事を後悔。
ウナギ屋に行ってうな重を犠牲にしてまで他のモノを美
味しく食べようって気にはならないので、今度この店に
行くときはもうコースは頼まないだろうな～

この店も他の多くのウナギ屋と同じく焼く煙はやって来
なかったな～