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食べログ 日本料理 EAST 百名店 2023 選出店
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風情ある建物でいただく最高の鮎料理と温かい接客
風情ある建物でいただく絶品鮎料理と親しみやすい接客
埼玉県大里郡寄居町にある料亭/旅館です。
池波正太郎も贔屓にしたと言う旅館で鮎料理で有名ですが、部屋数が少ないため6、7月の土日は予約が困難です。
早めに連絡して6、7月の空いている日を聞いて何とか予約できました。
宿は寄居町を流れる荒川のほとりにあり、電車だと寄居駅から徒歩10分くらいだと思います。
我々は車だったのですが、関越道の花園ICから10分くらいでした。
こちらの建物は元々高名なオペラ歌手の自宅として昭和初期に建てられたそうです。
木造二階建ての一軒家ですが、随所に拘りを感じさせる風情ある造りです。
建物自体も良いのですが、窓の外には立派な和風の庭園があり、そのすぐ先は10mくらいの崖の下に荒川が流れています。
荒川はこの辺りでは両岸が崖になっており、対岸は断崖絶壁になっていますが、崖の上は戦国時代の鉢形城の城跡との事です。
庭園と荒川の流れと断崖絶壁、遠くには秩父の山々も見え、素晴らしい眺めです。
こちらの建物は、1階が和室2ヶ所(1ヶ所は二間続き)と洋室1室、2階が二間続きの和室1ヶ所があります。
部屋数が少ないため、食事は昼、夜とも4組まで、宿泊は2組しかできないとの事です。
この日は食事は4組入っていたようですが、宿泊は我々だけでした。
チェックイン時間は15時ですが、14時半頃着いてしまったところ、女将さんが出てきて快く迎え入れてくれました。
我々は2階の部屋を案内されたのですが、他の部屋は18時からなので、洋室にしかテレビが無いから自由に入って観て良いとか、館内や庭園は自由に見て回って良いとの事でした。
女将さんはかなり高齢ですが、気さくであたたかい接客で、有名な料亭の女将さんと言うより、祖母の家に遊びにきたような感覚でした。
15時にチェックインした後は、館内や庭を散策してから風呂に入りました。
風呂上がりは部屋でビールをいただきながら、本を読んだり外の景色を眺めたりしてゆっくりと過ごしました。
こちらは元々個人宅であり、今も料亭としての営業がメインであると思われるため、旅館としては最低限の機能しかありません。
食事の口コミからは少し逸れますが、行こうと思う方の参考になればと思い、少し長いですが書いておきます。
まず、部屋に鍵はありません。(和室の三面が全面障子の引戸なので鍵の付けようがありません)
部屋にテレビ、冷蔵庫もありません。
流石にエアコンは付いています。
トイレは共同です。(トイレ自体は最新式で快適です)
浴衣やタオルは有りますが、アメニティは歯ブラシしかありません。
風呂は1箇所です。(この日は我々だけ、最大でも2組なので問題ないですが)
風呂自体は綺麗で24時間使用可能ですが、客が入る廊下側には鍵がありますが、脱衣所と浴室にそれぞれ外に通じる扉があり鍵はかかっていません。
尚且つ高い位置ですが窓があるので下手すると外から見えます。
以上のような状況なので、私は全く問題なく快適に過ごせましたが、女性の方の宿泊はよく確認した上で決めた方が良いかと思います。
さて、楽しみにしていた夕食ですが、この日のメニューは以下の通りでした。
先付:うるか、鮎の煮浸し
前菜:沢蟹、白身魚のしんじょう、枝豆、蕪の摺流し、巻貝、鴨ロース
お造り:鮎の刺身
煮物:卵豆腐、蟹、潤菜、鞘いんげん、ミニトマト
焼物:鮎の塩焼き
酢の物:稚鮎の南蛮漬け
揚げ物:鮎の天ぷら、鮎の中骨の素揚げ、沢蟹の素揚げ
飯物:鮎飯、なめこと豆腐の味噌汁、香の物
デザート:桜桃、最中
飲み物は、生ビール、瓶ビール、日本酒、焼酎、ワイン等が用意されていました。
変わったころでは秩父が近いせいか、ウイスキーのイチローズモルト等もありました。(飲めば良かったです)
風呂上がりにビールをいただいていたので、最初から日本酒にしてオリジナルボトルの「京亭」の4合瓶をいただき、氷水に浸けて貰って冷やしながらゆっくりといただきました。
食事は最初にうるかがでてきました。
うるかは鮎の内臓の塩辛で、肝の苦味とコク、塩気が日本酒のアテに最高でした。
食事の最初から日本酒にして正解でした。
煮浸しは鮎を丸ごと甘辛い味付けで煮たものです。
頭も骨も柔らかく煮てあり全ていただきました。
鮎の刺身は初めて食べましたが、身がしっかりとして歯応えが良く美味しかったです。
鮎の刺身は水質や餌を管理できる養殖物でしかできないそうです。
貴重だとは思いましたが、鮎を美味しく食べる方法とは言えません。
鮎の塩焼きはこれまでにも何度も食べていますが、これまでで最高に美味しかったです。
時期が早い為かまだ若い鮎が二尾出て、香りが良く身は瑞々しく、肝は雑味が無く心地良い苦味が効いていました。
塩がしっかり振られていたので、そのままでも美味しかったのですが、蓼酢に漬けると鮎の香りや苦味が引き立つ気がしました。
骨も柔らかく、二尾とも頭から丸ごと食べてしまいました。
続く南蛮漬け、天ぷらも美味しかったです。
南蛮漬けは稚鮎を揚げてから甘酢に漬けてあり、これも頭から丸ごといただけました。
天ぷらは、天ぷらと言うよりから揚げに近い感じで衣は殆どなくカラッと揚げてあり、皮はカリッとした食感で身はホクホクして美味しかったです。
これも頭から骨ごといただきました。
また、天ぷらには刺身を取った後の中骨を揚げたものと、沢蟹を丸ごと揚げたものが付いていました。
沢蟹はハサミも足も丸ごと食べる事ができ、カリカリとしてお酒のつまみにちょうど良い珍味でした。
この日の1番の衝撃は、お米の上に鮎を3尾載せて鉄釜で炊いた鮎飯でした。
鮎飯の仕上げは女将さんがやって来て、鮎の頭や骨や鰭を外し、分葱と大葉を刻んだ薬味といっしょにご飯に混ぜて作ってくれました。
鮎の出汁が染み込んだ時々お焦げもあるご飯に、ほぐした鮎の身と薬味が合わさって、香りも味も素晴らしいご飯でした。
ご飯の量は二人で1合半くらいはあり、残ったら夜食用にお握りにしてくれるとの事でしたが、美味しくて全て食べてしまいました。
最後のデザートは桜桃と自家製の一口サイズの最中でした。
鮎飯でお腹いっぱいなっていたので、最後に少し甘味をいただいて気持ち良く食事を終えるました。
鮎ずくしの食事は、最初にうるかと煮浸しで期待を持たせ、珍しい刺身から王道の塩焼き、南蛮漬け、天ぷらと変化を楽しみ、最後に鮎飯で度肝を抜くと言う素晴らしい組み立てでした。
また、鮎は刺身以外全て天然物で、琵琶湖産や山梨産等、料理によって産地を使い分けていました。
(今年は目の前の荒川は、まだあまり状態が良くないとの事で使われていませんでした)
なお、うるか、煮浸し、一夜干し、塩焼き、鮎飯はお土産にもできるそうです。
夕食の後は、残った日本酒をゆっくり飲みながら静かな夜を過ごした後、続きの間に敷いていただいた布団で眠りにつきました。
翌朝は起床した後、ゆっくり朝風呂に入ってから庭に出て、清々しい早朝の荒川を眺めながら散歩をしました。
朝食は、女将さんがお一人で用意されるとの事で、厨房から近い1階の洋室でいただきました。
朝食のメニューは以下の通りでした。
・オレンジジュース/牛乳
・鮎の一夜干し
・湯豆腐
・卵焼き
・山菜の煮物
・とろろ
・漬物
・豚汁
・ご飯
朝食でも鮎が出てきました。
自家製の鮎の一夜干しは、席に着いてからさっと炙って出してくれました。
塩焼きとはまた違い、水分が抜けて身が締まり、鮎の旨味が凝縮した感じで美味しかったです。
鮎以外は、良い意味で田舎の旅館の朝食でした。
炊き立てのご飯、熱々の豚汁、焼き立ての卵焼き、地元で取れた山菜の煮物、疲れた胃に優しい一口の湯豆腐、箸でつまめるくらいしっかりしたとろろ等、どれも珍しさはありませんが真っ当な料理で美味しかったです。
朝食をいただいた後は、チェックアウト時間まで部屋でゆっくり寛いでから宿を後にしました。
こちらは上で書いた通り、旅館としては万人向けでは無いかもしれませんが(私は非常に気に入りました)、料理は最高レベルだと思います。
また、料理、素晴らしい建物とロケーションに加えてもうひとつ素晴らしいのが、女将さんを初めとした従業員の接客です。
高級店の洗練されたサービスはありませんが、皆さん非常に感じが良く、親しみやすくあたたかい接客のおかげで寛いで過ごす事ができました。
鮎の季節には必ずまた行きたい一軒です。
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ILEACH
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店名 |
京亭(きょうてい)
|
---|---|
受賞・選出歴 |
日本料理 百名店 2023 選出店
食べログ 日本料理 EAST 百名店 2023 選出店 |
ジャンル | 日本料理、オーベルジュ |
予約・ お問い合わせ |
0485-81-0128 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
JR八高線、東武東上線、秩父鉄道秩父本線「寄居」駅南口より徒歩9分 寄居駅から680m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
¥20,000~¥29,999
¥8,000~¥9,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー不可 |
個室 |
有 (2人可、4人可、6人可、8人可、10~20人可、20~30人可、30人以上可) |
---|---|
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 |
全席喫煙可 2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
駐車場 |
有 |
空間・設備 | 落ち着いた空間、席が広い、座敷あり |
ドリンク | 日本酒あり、ワインあり |
---|---|
料理 | 魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 景色がきれい、一軒家レストラン |
ホームページ | |
備考 | |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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埼玉県大里郡寄居町にある鮎料理で有名な料亭です。
昨年初めて伺ってあまりの美味しさに感動して2年連続の訪問です。
前回は4.5点を付けているのですが、旅館としての機能にはやや難点があるものの料理は最高だと思うので5.0点に上げます。
こちらは食事だけの利用も可能なのですが宿泊する事もできます。
日帰りできない距離ではないのですが、折角の料理をお酒と一緒にいただいてそのまま休みたいのと、万人受けはしないと思うものの個人的には非常に気に入っているこの建物に泊まりたいので宿泊で利用しました。
宿の詳細は前回の口コミに記載したので省略しますが、前回は2階でしたが、今回は1階の中央にある続きの間でした。
15時半頃チェックインして、庭を散策した後風呂に入り、その足で厨房に寄って瓶ビールを一本いただき部屋で飲みました。
この日は非常に天気が良く、荒川の水音を聴きながら庭を眺めたり本を読んだりしながら、夕飯までの時間をゆったりと過ごしました。
夕食のメニューは以下のとおりでした。
・うるか
・鮎の煮浸し
・とうもろこしの擦り流し、つぶ貝、稚鮎の南蛮漬け、白身魚のすり身を焼いたもの
・鮎のお造り
・湯葉、蛤、海老、蕗の炊き合わせ
・鮎の塩焼き
・鮎のから揚げ、中骨のから揚げ、沢蟹の素揚げ
・鮎飯、なめこの味噌汁、漬物
・桜桃、メロン、白玉、粒餡
夕食のメニューは昨年とほぼ同じなので、詳細は昨年の口コミに書いたため省略します。
鮎は昨年と同じく山梨県の桂川のものとの事でした。
想像ですが、塩焼き、鮎飯、南蛮漬けは天然のもので、お造り、煮浸し、から揚げは養殖かなと思いました。
天然だからと言うだけではないでしょうが、やはり塩焼きと鮎飯が最高にでした。
飲み物は、こちらも昨年同様に食前にビールをいただいていたのでオリジナルの日本酒「京亭」の純米酒を四合瓶でいただき、氷水で冷やしながらゆっくり飲みました。
食後は、近郊秩父の銘酒イチローズモルトをストレートでいただき、読書をしながらゆっくり味わいました。
翌朝の朝食のメニューは以下の通りでした。
・鮎の一夜干し
・卵焼き
・湯豆腐
・自然薯
・スナップエンドウの胡麻和え
・もろみ味噌
・豚汁
・漬物
・ご飯
・みかんジュース
こちらもやはり昨年と殆ど違いはありません。
やはり、最高の鮎を贅沢に干物にした鮎の一夜干しをさっと炙ったものが最高でした。
その他、焼きたての卵焼き、箸でつまめる自然薯のとろろ、具沢山の豚汁なども素晴らしかったです。
人によって好き嫌いはあるかもしれませんが、絶品鮎料理、風情ある素晴らしい建物、女将さん始め従業員の方の温かい接客が個人的には最高の宿です。
これからも毎年一度は行きたい一軒です。