国産小麦で打ち上げる屈強なうどんに、セットメニューの工夫が光ります！ : こんこ屋

1850年に熊谷郊外に生まれ、一生を農業の改良に捧げた権田愛三(ごんだあいぞう)氏の功績もあって、熊谷の小麦は栽培方法が大きく進歩し、麵用の優れた品種が多く栽培されるようになりました。
実は、熊谷、深谷、本庄など埼玉県北の小麦作付は、今も日本有数の規模なのです。
そんなご当地ですから、皆さんうどんが大好き。
評判の手打ちうどんのお店だけでも、数え切れないほどあります。

熊谷バイパスの肥塚からすぐ近くにある「こんこ屋」さんという人気店へ。
ご当地産を中心に国産の小麦を使って、美味しいうどんを打つことで、最近特に評判のお店です。
日曜の午後、少し遅めの時間。
駐車場は満車、お店はそんなに広くないけれど、ほぼ満席の繁盛ぶりです。

お願いするのは、「ざるうどん」(大盛り/650円)、「こんこ屋セット」(煮玉子とチャーシュー、きんぴらごぼう/250円)。

ざるうどんの大盛りは、普通盛りに比べて僅かに100円増しなのだけれど、さすがは600gというだけあって、瀬戸物の深皿にたっぷり盛られてきます。
少しくすんだ茶褐色の肌色は、極端なねずみ色の打ち上がりとはまた違うけれども、無漂白小麦を厳選して使っている証。
お店によれば、７割が熊谷産の粉で、残りの３割はコシを強くするために国内の別産地、別品種をブレンドしているのだと。

今回お願いした「こんこやセット」というのが、自慢の煮卵と豚の角煮、野菜など。
これじゃあまるで最近のラーメン屋さんみたいだけれど、これがまたうどんに合うんですね。
天ぷら、特にかき揚げがないのは、埼玉らしいうどんを期待すると肩透かしを食うけれど、補って余りあるラインナップです。
ざるうどんの、鰹節が効いた出汁に、茹でもやし、きんぴらごぼう、それにコシの強いうどんと、交互に箸休め的に食べる。

煮卵は、豚角煮を煮込んだタレにじっくり漬け込んで、この甘辛な加減に。
味の染みた半熟の黄身がとろーり。
角煮の柔らかな甘さは、あえて言うまでもない旨さ。

ここのうどんは、特に固さを指定したわけではないけれど、しっかり芯が残った硬めの茹で上がり。
元々の打ち上がりの密度が高く、固くガッチリ。
埼玉らしい、武骨で食べ応え満点な、好みのうどんです。

いつもお腹いっぱい、大満足！
ごちそうさまでした。

熊谷は、全国でも屈指の小麦の産地。
だから、美味しいうどん屋さんがたくさんあるのですね。
噂を聞いて駆けつけた「こんこ屋」さん。
17号線の熊谷バイパスが高架に上がってすぐの肥塚(こいづか)交差点から折れて、少しだけ生活道路を進みます。

昼ごはんの時間も一段落。
残りのうどんも少なくなったタイミングで、ギリギリセーフの閉店間際。
こんな時間でも、笑顔を絶やさない接客をしてくれるお店の皆さん。
お店の雰囲気もアットホームかつ清潔で、居心地が良いですね。

厨房が、ちらりと見える構造。
如何にも働き盛り！という感じのご主人が、茹で釜を見張ります。

お願いしたのは、めいめいが「ざるうどんセット」(ミニ豚バラ丼付きで670円)、「温かい肉うどん」(630円)、「肉汁うどんセット」(ミニおかかちりめんご飯付きで760円)。

茹で加減を訊かれるので、少し硬めにと。
まともなうどんが出てくるには、少しは時間がかかるもの。
少しの我慢が、食欲を倍増させるのです。

さあ、できた！
褐色を纏った肌色は、栄養豊富な地粉をたっぷり打ち込んだ何よりの証拠！
啜り込むと、たちまち口の中で暴れ、強く跳ね返る。
旨いですね、此処は。

材料小麦粉には、ご当地の「あやひかり」を８割方使用し、残りは種々ブレンドしてコシを出す。
肉汁には、たっぷりの肉や葱。
普通の付け汁は、あっさりと鰹が香るもの。
何れにしても、好きな人なら普通盛りだとおかわりが欲しくなるところ。
ご飯セットなら、かなりの満腹感が得られますけれど、大盛りはご自由に。

豚丼は、脂を程よく抑えた感じの豚バラに、ふっくらご飯。
しらすや梅も、ご飯の炊き加減と実に相性良く、美味しい！

熱々の肉うどんがまた、具だくさんで旨い！
強く打ったうどんだから、熱くしてもしっかりコシと弾力を保っています。
ふうふうと吹きながら啜る、暖かいうどんの、何とも旨い、今の時季。

でも、どんなに寒い今時分であろうが、それでもうどんは冷たい方が美味しいと思うけど、こればかりは好みですから。

次々と、旨いお店が出現してくる、埼玉うどんの世界。
うどんの街おこしなどに頼らず、旨い店なら口コミが口コミを呼ぶ。
そんな自然体が素敵ですね！