骨董品の先には : 萬吉禎

北本市の外れにあるお蕎麦やさん。
毎月とまではいかないが、結構な頻度で訪問をしている。

いい感じに古びている店内には、ガラクタ、もとい、骨董品が雑然と置かれていて、
レトロというか、怪しげな雰囲気が漂っている。
初訪のほとんどの客は、「ほぉ～」、「へぇ～」と店内を見廻すに違いない。

メニューは、
冷たいお蕎麦と温かいお蕎麦が数種類。
天丼などの丼物がいくつか。それらの小さな丼とお蕎麦がセットになったものもある。
うどんはなし。

今回は（も？ｗ）◆鴨汁セイロ　1200円を。
小さく刻まれた鴨肉と、長葱がたっぷり入った鴨汁。熱々。
ちょっぴり濃い目甘口の味付けが、私好み。

細目でのど越しのいい、美しいお蕎麦。
加えて、香り高く、深い味わい。大変美味しい。
（訪問した時期も関係しているのだろうが、）
今までこちらで頂いた中で、今回頂いたお蕎麦が、ダントツ1番だ。
いや、こちらのお店のお蕎麦に限らず、他店のお蕎麦の中でも、秀逸。
ひと口頂いて、「美味しい！」と、同行者とハモってしまった。
お店の方に確認しなかったが、
これが、所謂【秋新】というものなのかなぁ。（←推測です）


どうしても、お店の異様な雰囲気ばかりに、気を取られがちだが、
お蕎麦の美味しさは確かなものと、再確認した。

ホール担当の女性は、相変わらず、大変丁寧で感じがよく、
居心地はとてもいい。

平日にも関わらず、開店と同時に満席状態。
ほとんどの客はリピーターと思われる。
地元民に愛されているお蕎麦やさんなんだな、きっと。

2度目の訪問。
前回訪問（3年前）で記憶に残っているのは、
店内に並べられた大量の骨董品と、
スタッフさんがとてもいい雰囲気の素敵な方だった事。
変わっていない。
レトロな雰囲気の不思議空間の中で、丁寧な接客と笑顔に嬉しくなりながら、
美味しいお蕎麦を頂いた。

◆鴨汁せいろ　1100円
小さく刻まれた鴨肉も長葱もたっぷり入った熱々の鴨汁。
香りが若干弱めではあるが、のど越しのいい細目のお蕎麦。
美味しい。

◆そばがき　1000円
粗挽きのそばがき。
大きな器で、蕎麦湯に浸かって熱々で提供された。
豪快とも言えるビジュアル通り程よい弾力と力強い香り。
かなりの量があるので、蕎麦の他にサイドメニュー的に注文するには、注意が必要ｗ
（私達は3人で分け完食。皆満腹。）

今回、同行した二人は、それぞれお蕎麦の他にかき揚げ丼（小）や、天ぷらを注文した。
それらの量が凄い。
かき揚げ丼は、小となっているが、普通盛りの様。
付いてきたお漬物も、箸休め的ではない量。
スタッフさんの接客同様、サービス精神が、こんなところにも感じられる。

交通の便があまり良くないので、車利用となるため、アルコールが頂けないのが残念。
自宅近くにあったら、通い詰めたいと思える良店。

最寄駅からかなり離れてはいるものの、結構大きな道路に面しています。
2年程前にオープンされたお店ですが、
（居抜き利用）建物自体はかなり古く、ある意味趣きがあります。
そして、その古さ以上に驚くのが、
玄関周辺から、客席までの間に並べられたガラクタ、もとい、骨董品の数々。
壁掛け式の振り子時計や、ブリキの玩具、セルロイドの人形などが、かなり雑然と並べられています。

玄関で靴から室内履きに履き替えるのですが、
このスリッパやクロッグサンダルが、大きさも色も統一されていないため、
初めて訪れた時には、どれがお店のものか先客が履き替えたものかわからないかもしれません。

日曜のお昼時とあって、訪問時は満席。
玄関の狭いベンチで30分程待ち、席に案内されました。
お店の奥に位置する客席は、玄関周辺同様、骨董が並べられている事には違いないのですが、
清掃が行き届き、また、席空間もゆったりと取ってあります。
柱に付けられた呼び鈴に、思わず微笑んでしまいました。

メニューは、
冷たいお蕎麦と温かいお蕎麦がそれぞれ数種類。
それにセットに出来る小丼がいくつか用意されています。
また、自家製のものを含むスイーツの種類が豊富です。

今まで頂いたのは、
◆天せいろ（海老1本と野菜）　1300円
◆鴨汁せいろ　1300円
◆せいろ+かき揚げ丼（小）　750円+350円
◆そば団子　300円

蕎麦は、細かな星が見受けられますが、香りはちょっと弱め。
しかし、適度にコシがあり、喉越しがとてもいい。
美味しいお蕎麦です。

つゆは、濃くもなく薄過ぎることもなく、お蕎麦の風味を邪魔しないもの。

天ぷらは、大きな海老を使ってはいますが、
揚げ方が、ふんわりというか、ぼてっとした感じで、ちょっと残念。
軽い揚がりではないので、小丼で頂くと、油っぽさが気になります。

そば団子は、餡子をそばがきで包みきな粉を塗したもの。
かなり大き目で、デザートで頂く感覚で、ひとりひとつ注文すると、大変かも。
結局、食べましたけど。ｗ

ホール担当の女性おふたりは、とっても雰囲気のいい可愛らしい方で、
地元の常連さん達に愛されているご様子。
テキパキと動き、細やかな心使いをされていて、
初訪の私達にも、常連さんと同じように優しく接して下さいます。
このおふたりがお店の雰囲気をいいものにしているように感じました。

外観や玄関周辺から想像したものとは全く違って、
とても居心地のいい素敵なお店でした。


※駐車場に面した塀に【大仏そば】の看板が貼ってありますが、
　都内の東京大仏の近くにある萬吉禎さんと、
　本店とか支店とかの関係はないようです。
　萬吉禎という店名、現在の土地への移転理由等、詳細は全くわかりません。