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"番紅花(サフラン)"の 風韻(かをり)漂(たゞよ)ふ "西班牙大鍋飯(このめし)"を 殽(さかな)に蜷局(とぐろ) 醉客(たゞゑふひとなり)
此度(こだみ)の"午套餐(ひるのきまりめし)"は、
"西班牙大鍋飯(パエージャ、イスハニアのなべだきめし)"。
"葡萄酒(えびかづらのみのさけ)"と"芒果雪葩(マンゴ・ソルベ)"を加(くは)へ、
對價(あたひ)、二千三百十圓也(にせんさんびやくじふゑんなり)。
"鰕(えび)"、"蛤仔(あさり)"とも、二種(ふたくさ)、
輒(すなは)ち、剥身(むきみ)と殼(から)の附着(つ)きたるもの用(つか)ふは、
武井師傅(たけゐおやかた)が智慧(ちゑ、かしこきところ)。
"番紅花(サフラン)"の風韻(かをり)吉(よき)は勿論(いふもさらなり)。
"雞翅(とりのてばにく)"、"鰕(えび)"、"蛤仔(あさり)"、
どれも高貴(ねのたかき)ものには非(あらざ)れど、"火候(ひいれ)"は巧妙(たくみ)。
"鰕(えび)"の上漿(したあぢ)など、
"中國菜(あ)"の廚藝(わざ)を用(つか)ふでもなくこの食感(はごたへ・したざはり)。
そも、"小鰕仁(ちいさなるむきえび)"なる貨物(しろもの)、
"冷凍物(かたくいてつきたるもの)"と雖(いへど)も、
『あそこ』の"これ"とか、『この肆(いちくら)』の"これ"とか、『こちら』の"これ"など、
「想定外(おもひのほか)の佳味(よきあぢ)」と云ふも稀(まれ)ならず。
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtlaender)Apo-Lanter 2/50 Asph. @F2~F5.6
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03
"三密(さんみつ)"と 無緣(ゆかりな)しとは 申(まう)せども 近來(ちかごろ)賑(にぎ)はふ 粕壁(こゝ)の箪笥店(たんすや)
粕壁(みゝよきまち)で午餔(ひる)となると、
『寶來家』か『Bien』となるが「世界標準(よのならひ)」と云ふもの。 ※←イツモノウソ
暫(しばら)く前(まへ)、『寶來家』にて"韭菜豬肝(あれ)"に"啤酒(これ)"、
、、、と相成(あひな)れど、新規(あらた)に記(しる)すべきことも皆無(なし)。
東口(ひがしぐち)『タパス』も、
書(か)くべきか、將又(はたまた)、書(か)くべきに非(あら)ざる歟(か)?
沈吟(うちあん)ずるばかりで、一向(すこしも)筆(ふで)が進(すゝ)まぬ。
で、當家(こちら)『Bien』:
あれだけ寂(さび)れ、"密(みつ)"と無緣(ゆかりな)き當家(こちら)なれど、
前囘(まへ)も今囘(こだみ)も、畧(ほゞ)滿席(あきなし)。
いやはや、何(なん)とも怪訝(いぶかしきかぎり)。
大地震(おほなゐ)など災禍(わざはひ)の前象(しらせ)歟(か)? ※←コレモウソデス
當日(このひ)は、
"農夫雞(プーレ・ペイザンヌ、にはとりにくゐなかふうにこみ)"。
"葡萄酒(えびかづらのさけ)"と"黃油(バタ)"、"冰酪(あいすくりん)"を併(あは)せ、
對價(あたひ)、二千三百十圓也(にせんさんびやくじふゑんなり)。
二年前(ふたとせまへ)にも"農夫雞(これ)"を噉(くら)ひし例(ためし)あり。
今囘(いま)は無皮(かはなし)、前囘(まへ)は皮附(かはつき)。
愚按(IMHO、やつがれおもふに)、
雞(とり)も豕(ぶた)も、皮附(かはつき)・骨附(ほねつき)が究極理想(なにより)。
無皮(かはのなき)"魚(うを)"を嗜好(この)む民衆(たみ)は稀有(まれ)。
然(しか)るに、"蛇(へび)"・"蛙(かいる)"、
況(ま)して有皮(かはつき)の"蛇蛙(へびかへる)"を好(この)む食通(かた)は、
宛然(あたかも)、「海底撈針(うみのそこにはりをすくふがごとくまれ)」。
皮(かは)の不可食(くへぬ)は、
"鯊(さめ)"に"剝皮魚(かはゝぎ)"、"長命寺(ちやうめいじ)のさくらもち"。
あとは、"春の小川(はるのをがは)"に"アマゾン河(がは)"くらゐのもの。
ま、菟(と)にも角(かく)にも、"冰酪(あいすくりん)"にて〆(しめ)。
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtlaender)Apo-Lanter 2/50 Asph. @F2~F2.8
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03
「偉大(おほい)なる×王八蛋〇定型(ひとつのかた)」
全身(いたるところ)老朽化(ガタがきてを)り、藥漬(くすりづけ)の老骨(このみ)。
だが、僥倖(さいはひ)にも、耳(みゝ)・鼻(はな)・咽喉(のど)の健常(よき)は、
これ偏(ひとへ)に、"粕壁浦舟大明神(あのかた)"の御利益(おかげ)なるべし。
嗚呼(あゝ)!
と云ふ次第(わけ)でまたも粕壁宿(かすかべじゆく)に、、。
當日(このひ)は『Bien』。
"午套餐(ひるのきまりめし)"は"匈牙利燉牛頬(うしのほゝにくハンガリアに)"。
"湯(しる)"、"麪麭(パン)"、"小菜碟兒(こざら)"、"甜品(あまみ)"附屬(つき)。
通例(つね)の若(ごと)く、
"赤葡萄酒(あかきえびかづらのさけ)"、"黃油(バタ)"、"冰酪(あいすくりん)"、
の三品(みしな)を追加(つけ)てもらひ、
對價(あたひ)、二千四百二十圓也(にせんしひやくにじふゑんなり)。
"小菜碟兒(こざら)"は"胡蘿蔔絲(キャロット・ラベ)"。
その内(なか)にはかの"モッツァレッラ"の粒(つぶ)も散見(ちらりほらり)。
"蕈菇湯(きのこじる)"には、
"牛肝菌(やまどりだけ、セップ)"も用(つか)はれ、佳味(なかなかによきあぢ)。
で、"匈牙利燉牛頬(うしほゝにくハンガリアに)":
"牛肉(うしのにく)"、當日(このひ)は"牛頬肉(うしのほゝにく)"を、
"蕃茄(あかなす)"、"燈籠椒(パプリカ)"、"蔥頭(たまねぎ)"、などゝ燉(にこ)む、
"匈牙利風(ハンガリアふう)"の"羹(あつもの)"。
"土芋(じやがたらいも)"に"燻肉(ベイコン)"の姿(すがた)も、、。
"武井師傅(たけゐおやかた)"得手(えて)とする素朴(きどら)ぬ"羹(あつもの)"。
その他(ほか)は、常態(つね)に一無變化(つゆことなるところなし)。
「偉大(おほい)なる×王八蛋〇定型(ひとつのかた)」、と云ふべき歟(か)?
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtlaender)Apo-Lanter 2/50 Asph. @F2~F5.6
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03
いろはに星(ほし)より、涎(よだれ)そ滴(したゝ)る午餔(ひるのめし)
今宵(こよひ)から明日未明(あすのあかとき)まで、
"雙子座流星群(あめのごとくふりそゝぐ、ふたござのながれぼし)"でも觀測(み)ばやと、
「いろはに星(ほし)より、涎(よだれ)そ滴(したゝ)る午餔(ひるのめし)」
と云ふ仔細(わけ)で、久々(ひさびさ)當家(こちら)『Bien』に遠征(あしをはこぶ)。
"菜譜(こんだて)"ゟ(より)"套餐(きまりめし)"、
"紅葡萄酒燉五花肉鹹鯷風味(ぶたばらワインにこみしほづけいはしのかをり)"に、
"赤葡萄酒(あかきえびかづらのさけ)"、"黃油(バタ)"、"冰酪(あいすくりん)"、
對價(あたひ)、二千三百十圓也(にせんさんびやくじふゑんなり)。
"五花肉(ぶたのばらにく)"を紅葡萄酒燉(あかきえびかづらのさけにてにこ)むは、
旣知(すでにしられ)たる烹飪法(やりかた)なれど、
"鯷魚(かたくいはし)"の"醢(うをびしほ)"にて風味(あぢをかをり)を附加(くはふ)。
「武井師傅(たけゐおやかた)が創案(あらたにあみいだせしもの)」とか。
當日(このひ)の"湯(しる)"は、
本格的(まとも)な"鷄湯(フォン・ド・ヴォライユ)"、、と想像(おも)ひきや、
「手輕(てがる)に雞(にはとり)と蔬菜(あをもの)ゟ(より)抽出(ひき)たるもの」
と、「爲遣(してや)つたり!」とばかりに北叟笑(ほくそゑ)む。
"醋醃胡蘿蔔(せりにんじんすづけ、キャロット・ラペ)"には、
林檎(りんご)と蕃茄(あかなす)。
「足(た)すべきところは足(た)し、引(ひ)くべきところは引(ひ)く」
と云ふが、"武井良明師傅(たけゐおやかた)"特有(ならでは)の流儀(やりかた)。
有左程(さるほど)に、
"カルピス黃油(バタ)"は常態(つね)のことながら、
試供品(おためし)として"意大利産黃油(イタリのバタ)"も二缺片(ふたかけら)。
その大名(なのおほきさたるや)、「如雷貫耳(いかづちがみゝをつらぬくがごとし)」
"oさま✨.:*゚:.。:."ゟ(より)再三再四(いくたび)も聞(き)かされ、
妄想(みだらなるおもひ)が膨脹(ふくら)み、
鼻竅(はなのあな)にはその幻香(まぼろしのかをり)が殘存(のこる)ほど。
吟味之(これをあぢはふ)に、"カルピス黃油(バタ)"との差異(さ)は纔(わづ)か。
これ、老骨(それがし)が、
嗅覺異常(はなのあやまり)and/or味覺異常(したのあやまり)歟(か)?
無論如何(どちらにせよ)、
雙方(どちら)も最上質(いとよきもの)なるは「明若觀火(ひをみるよりもあきらか)」
"冰酪(あいすくりん)"として選擇(えら)みし"芒果雪葩(マンゴ・ソルベ)":
こちらは拂郎西察(おふらんす)の逸品(すぐれもの)。
通常(つね)に不變(かはら)ぬ華美(よきあぢ)。
いやはや、「酒足飯飽(ごちさうさまに厶(ござ)つた)!」
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4~F5.6
高千穗光學(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto 2/21 @F5.6 ※雙子座流星群
「兵貴神速(いくさはすばやきをたつとぶ)」©"郭嘉(くわくか)"パイセン
三ヶ月(みつき)ぶりの『Bien』。
當日(このひ)の主菜(おもなるうけ)は、
かのアルザス=ロレーヌ(=エルザス-ロートリンゲン)の鄕土菜(ゐなかめし)、
"Baeckeoffe(ベッコフ、にくじやがのたぐひ)"。
"麪麭(パン)"が拂郎西察(おふらんす)"BRIDOR(ブリドール)"のものに變化(な)り、
"冰酪(あいすくりん)"も待望(まちかねた)る復活(よみがへり)。
食後(めしのあと)は"茶(ちや)"が習俗(つねのならひ)なりしが、
これ拔(ぬ)きとなると、この"冰酪(あいす)"、"甘(あまさ)"が顯著(きはだつ)。
やはり、"焙麥餠(パン)"には"葡萄酒(えびかづらのさけ)"、
"餜子(あまきもの)"には"茶(ちや)"、と云ふが、
"番(つがひ)"・"女夫(めをと)"のごとき難分(わかちがた)き配搭(くみあはせ)。
輒(すなは)ち、「比翼連理(ひよくれんり)」、「偕老同穴(かいらうどうけつ)」。
當日(このひ)は常態(つね)に無(な)く大盛況(おほいにゝぎはひ)、
「門前如市(ひとあふれて、まちびとうまるゝほど)」。
かくて、迅速(そゝくさ)と辭別(いとまをごふ)。
"郭嘉(くわくか)"パイセン曰(いは)く、「兵貴神速(いくさはすばやきをたつとぶ)」
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4~F2.8
商賣再開(ふたゝびのみせびらき)
七月十七日(金)ゟ(より)商賣再開(ふたゝびのみせびらき)。
但(たゞ)し、盆(ぼん)に載(の)る"套餐(きまりめし)"のみと云ふ形式(かたち)。
當日(このひ)は"白葡萄酒煮牛頬肉(うしほゝにくのしろぶだうしゆにこみ)"。
何(なん)でも「ニース風(ふう)」との説明(よし)。
"眞空管増幅器(しんくうくわんアンプ)"が壞(こは)れ、
食器(うつは)も無機質・簡素化(いろけなきものに)、、。
"赤葡萄酒(あかきえびかづらのさけ)"と"黃油(バタ)"を追加(くは)へ、
對價(あたひ)、一九百八十圓也(いつせんはつぴやくはちじふゑんなり)。
いかにも朱明(なつ)に相應(ふさは)しき"豌豆涼湯(ひやしのらまめじる)"。
鮮美(よきあぢ)!
"白葡萄酒煮牛頬肉(うしほゝにくのしろぶだうしゆにこみ)"、亦(また)、然(しかり)。
この"顏色(いろみ)"、蓋(けだ)し"蕃茄(あかなす)"由來(によるもの)歟(か)?
有左程(さるほど)に、
食後(めしのあと)の〆に"冰酪(あいすくりん)"無(な)きは、
眞言(まこと)、口寂(くちさび)しきもの。
落(おち)無(な)き落語(らくご)、續編(つゞき)無(な)き"Doctor-●(あれ)"。
取急(とりいそ)ぎ、告知(おんしらせ)まで。
※當面(しばらくは)、
・金、土、日の晝食のみ
・一種類のランチプレートのみ
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4~F5.6
旭光學 賓得(Pentax)S-M-C 微距琢磨(Macro Takumar)4/50 @F5.6
玻瓈(ビイドロ)の 器(うつは)に一杯(いつぱい) 葡萄(えびかづら) 酒(さけ)に陶然(ゑふ)のも この日(ひ)が限(かぎ)り
掉尾(いやはて)の粕壁(かすかべ)『Bien』。
閉店(みせじまひ)は、三月末(さんがつすゑ)→四月十日(しがつとほか)に、、。
「同(おな)じ屋號(な)で、
神田神保町(かんだじんぼうちやう)へと移轉(うつるべし)」との情報(よし)。
「櫛齒(くしのは)の毀(こぼ)るゝが如(ごと)く」とは正(まさ)にこのこと。
僕(やつがれ)相知(なじみ)の肆(みせ)が、一軒(ひとつ)、また一軒(ひとつ)。
「またにたま」。
"また"に一箇(ひとつ)は爆笑問題田中(このおかた)。
"また"に两箇(ふたつ)の●●滿堂莫之能守(▲んぎ▲▲まんだうよくまもるなし)。
"また"に一杯(いつぱい)、信樂燒(しがらきやき)。
「一杯一杯復一杯(いつぱいゝつぱいまたいつぱい)©李白ぱいせん」
玻瓈(ビイドロ)の 器(うつは)に一杯(いつぱい) "赤葡萄酒(えびかづらのさけ)"。
、、と云ふ次第(わけ)にて、
"香腸(サルシッチャ)"+"赤葡萄酒(えびかづらのさけ)"+"冰酪(あいすくりん)"、
〆に"意太利咖啡(エスプレッソ)"。
對價(あたひ)、三千八十圓也(さんぜんはちじふゑんなり)。
主菜(しゆさい)の一皿(ひとさら)"香腸(サルシッチャ)":
今更(いまさら)言(い)ふも憚(はゞか)るが、
それにしちャ、滿更(まんざら)でもなき味(あぢはひ)。
舌鼓(したつゞみ)からの腹鼓(はらつゞみ)、婆娑羅(ばさら)で辭去(さらば)。
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:旭光學 賓得(Pentax) S-M-C 琢磨(Takumar)1.8/55 @F2.8~F4
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
"臛(あつもの)"に凝(こ)りて×"膾(なます)"〇"冰酪(アイス)"を食(く)ふ
●●町(▲▲▲▲▲▲▲ちやう)移轉(いてん)の如何(いかん)を問(と)はで、
「三月一杯(さんがついつぱい)を以て廢業閉店(あきなひをやめてみせじまひ)」。
此度(こだみ)は"トゥールーズ風カスレ"に"赤葡萄酒(あかきえびかづらのさけ)"、
對價(あたひ)、三千三百円也(さんぜんさんびやくゑんなり)。
通例(つね)のごとき琺瑯鍋(はふらうなべ)。
"カスレ"には種々(さまざま)あれど、「"トゥールーズ風(ふう)"」との由(こと)。
"緬羊肉(らしやめん)"、"油煮鳧(かものコンフィ)"、"五花肉(ぶたばらにく)"、
"香膓(ちやうづめ)"、"白腰豆(しろいんげんまめ)"、からなるξ(ぐざい)。
「"カスレ"專用(せんやう)」と云ふ"赤葡萄酒(あかきえびかづらのさけ)":
『Cooper's』ほどではないにせよ、
高脚盞(ビイドロのうつは)には適度(ほどよ)き大(おほ)きさもあり、
能(よ)く優雅(みやび)なる風味(あぢかをり)を輔(たす)く。
これを一口(ひとくち)飮(や)り、
上記(くだん)の四色(よいろ)の禽獸肉(とりけだものゝしゝ)を齧(かぢ)るに、
各(それぞれ)の個性(もちあぢ)を保持(たもち)つゝ、
"臛(あつもの)"としてこの"南蠻渡來酒(なんばんわたりりのさけ)"に調和(つりあふ)。
武井師傅(たけゐおやかた)の"羹(あつもの)"もさることながら、
心殘(こゝろのこ)りは拂郎西察(おふらんす)舶來(わたり)の"冰酪(あいすくりん)"。
こればかりは、何國(いづく)の如何(いか)なるものより華美(よきあぢ)ゆゑ、
今后(これよりのち)、難儀(こまる)、絡(から)まる、跽(かしこまる)。
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:高千穗光學(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto-微距(Macro)2/50 @F2.8
「配搭須知(すべからく、とりあはせをしるべし)」©袁枚(ゑんばいパイセン)
久方(ひさかた)ぶりの『Bien』。
移轉話(よそにうつるはなし)が二轉三轉(こちらがまろびて、あちらにかはり)、
暫(しばらく)は當地(このち)にての商賣(あきなひ)。
而(しか)して、捲土重來(きたるべきひにまきまへしをねらふ)。
此度(こだみ)は、
"焗烤牡蠣(かきグラタン)"+"桃色葡萄酒(もゝいろのえびかづらのさけ)"、
甜點(あまみ)として、"冰酪(あいすくりん)"、
對價(あたひ)、二千五百三十圓也(にせんごひやくさんじふゑんなり)。
"焗烤牡蠣(かきグラタン)"には二色(ふたいろ)の"乾酪(チーズ、かんらく)"。
その内(うち)の一種(ひとつ)が"靑黴乾酪(あをかびのかんらく)"。
扨(さて)、"鮮蠔(なまがき)"←→"靑黴乾酪(あをかびのかんらく)":
その相性(あひしやう)や如何(いか)に?
およそ、"鮮蠔(なまがき)"なるもの、
上質(よき)ものは、"檸檬(レモン)"・"ぽん醋(す)"で啖(くら)ふに限(かぎ)る。
"鮮蠔(なまがき)"に檸檬(レモン)、
新垣結衣(あらがきゆいチャン)×ピチレモン〇ニコラ。
澀柹(しぶがき)、駕籠舁(かごかき)、靴磨(くつみがき)。
駕籠舁(かごかき)に鞜(くつ)不要(いらず)。
箱根山(はこねやま)の雲助(くもすけ)草鞋履(わらぢばき)。
筑波山(つくばのやま)四六蝦蟇(しろくのがま)は四面鏡張(かゞみばり)。
己(おのれ)の醜姿(みにくきすがた)に垂(た)らす蝦蟇(がま)の膩汗(あぶらあせ)。
さすがに"蝦蟇膏(がまのあぶら)"は斷念(あきら)め、
"鮮蠔(なまがき)"の次點(つぎ)に"油炸鮮蠔(かきのあぶらあげ)"、
"法式焗菜(グラタン)"はその下(した)、と云ふのが卑見(それがしがみかた)。
"法式焗烤(グラタン)"に用(つか)ふ"乾酪(かんらく)"としては、
沒個性(くせのなき)ものが適當(よ)く、
"靑黴乾酪(あをかびのかんらく)"の匂(にほひ)は、
"鮮蠔(なまがき)"の"それ"と衝突(ぶつかりあ)ひて不融合(とけあふことなし)。
宛然(あたかも)、
虎(とら)に草(くさ)、象(ざう)に雞(にはとり)を給餌(あたふる)がごとし。
やはり、虎(とら)には雞(にはとり)、象(ざう)には草(くさ)が適合(よい)。
"鮮蠔(なまがき)"の配搭調劑(とりあはせ・あぢつけ)は"葷(なまぐさ)"なるべからず。
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:旭光學 賓得(Pentax) S-M-C 琢磨(Takumar)1.8/55 @F2.8
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
敗戰(まけいくさ) 怕(おそ)れ力士(せきとり) 雞肉(げんかつぎ) 法國人(ゑびす)啖(くら)ふは "農夫雞(ゐなかとりにく)"
新規事業(あらたなるあきなひ)の状況(いま)を薀(たづ)ねんと『Bien』に、、。
「"K澄S河(けいすみえすかは)"へは來年(きたるとし)。」
「なれど、正式契約(はんをつく)には未到達(いまだいたらず)。」
との説明(はなし)。
此度(こだみ)は、"農夫雞(プーレ・ペイザンヌ、≒にはとりにくのゐなかふう)"。
"甘味(デセール)"として"桃雪葩(もゝのソルベ)"を選擇(えらむ)。
"赤葡萄酒(あかきえびかづらのさけ)"を加(くは)へ、
對價(あたひ)、二千一百六十圓也(にせんいつぴやくろくじふゑんなり)。
"農夫雞(プーレ・ペイザンヌ、≒にはとりにくのゐなかふう)"には、
"烤雞肉(あぶりたるにはとりにく)"に、"瓜哇芋(じやがたらいも)"のほか、
椎蕈(しひたけ)、洋蔥(たまねぎ)、煙肉(ベイコン)、胡蘿蔔(せりにんじん)、
山毛欅濕地茸(ぶなしめぢ)、と、多士濟々(いろとりどり)。
雞(とり)も種々雜多(とりどり)、自由選擇(よりどりみどり)。
似鳥(にとり)、服部(はつとり)、本名(な)は染谷(そめや)。
目脂(めやに)、松脂(まつやに)、三流大學(すべりどめ)。
四脚(よつあし)を、嫌(きら)ふ關取(せきとり)二本脚(にほんあし)。
雞皮(とりかは)は"脆皮燒肉(あれ)"の若(ごと)く、
嫩(やはらか)き雞肉(み)は乙女(をとめ)の耳朶(みゝたぶ)を髣髴(おもは)す。
蔬菜(あをもの)、蕈菇(きのこ)の等類(たぐひ)は、
燉(にこま)れて口味(あぢ)が滲(し)み、實(げ)に優(やさ)しき味(あぢはひ)。
"桃雪葩(もゝのソルベ)"は初(はじめて)。
やはり、"芒果雪葩(まんごソルベ)"か"ヴァニラ冰酪(あいすくりん)"が吉(よい)。
"紅茶(こうちや)"はと吟味(み)るに、
茶葉(は)から推定(し)て、"大吉嶺茶(ダージリン)"とは異(こと)なるもの歟(か)?
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:旭光學 S-M-C 琢磨(Takumar)1.8/55 @F2.8
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
何(なに)を書(か)くかと、沈吟(しあん)しどころ、此處(こゝ)『Bien』。
二度三度(ふたゝびみたび)と臨時休業(ときならぬやすみ)に遭遇(あ)ひ、
この日(ひ)、久方(ひさかた)ぶりの兒(こ)"蒲池(かまち)"に"はまち"。
菜單(しながき)に"わらさ"もあれど、
何(なに)を喰(く)ふかと、沈吟(しあん)しどころ、此處(こゝ)『Bien』。
「茲(こゝ)は車渠(ほたて)の兒(こ)にすべし!」とて、
"小車渠(ちいさなほたてがひ)と蔬菜(あをもの)ゝ蕃茄烹(あかなすじたて)"に、
"白葡萄酒(しろきえびかづらのさけ)"を加(くは)へ、
對價(あたひ)、一千八百九十圓也(いつせんはつぴやくきふじふゑんなり)。
赤色(あかきいろ)の琺瑯鍋(はふらうなべ)には、
"小車渠(ちいさなほたてがひ)"のほか、
"胡蘿蔔(せりにんじん)"、"蘿蔔(おほね)"、"西蘭花(はなめやさい)"、など。
その口味(あぢはひ)、生平(つね)に無所相違(つゆことなるところなし)。
愈々(いよいよ)、翌月(あくるつき)には閉店(みせをしめ)、
花(はな)の東都(おえど)の根津(ねづ)、or、門前仲町(もんなか)に、、。
「おめおめ當地(このち)に囘歸(もどる)まじ!」との決意(はら)。
あと一~二度(ひとたび、ないし、ふたゝび)訪問(あしをはこぶ)ことになる歟(か)?
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:旭光學 S-M-C 琢磨(Takumar)1.8/55 @F2.8
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
慢慢地(ゆるゆる)と 文火(よはび)燉(にこみ)の 牛頬肉(うしのほゝ) "紅酒燉牛肉(ブルギニオン)" と 師傅(ひと)は號(い)ふなり
此度(こだみ)は、
"紅酒燉牛肉(ブッフ・ブルギニオン、うしにくあかきえびかづらのさけにこみ)"。
法國(おふらんす)ブルゴーニュの名菜(なだがきめし)なるは勿論(いふもさらなり)。
肉(にく)の部位(ぶい)は風習(ならひ)の頬(ほゝ)。
"薔薇(むはら)"歟(か)?、"糖酒葡萄乾(さけづけのほしえびかづら)"歟(か)?
冰酪(あいすくりん)として"糖酒葡萄乾(ラム・レザン)"を選擇(えらむ)み、
"赤葡萄酒(あかきえびかづらのさけ)"を加(くは)へ、
對價(あたひ)、三千四百五十六圓也(さんぜんしひやくごじふろくゑんなり)。
"糖酒葡萄乾(ラム・レザン)"とは、
葡萄乾(ほしえびかづら)を廢糖酒(さたうきびしぼりかすざけ)に漬(つ)け、
これを冰酪(あいすくりん)として製(こしら)へたるもの。
珍(めづら)しき白葡萄(しろきえびかづら)。
劈頭(いやさき)に"紅酒燉牛肉(ブッフ・ブルギニオン)":
不硬(かたからず)、
さりとて、徒(いたづら)に嫩(やはらかき)に走(はし)ることなき火候(ひいれ)。
醢醯(しほけとすみ)亦(また)適切(ほどよし)。
金屬洋食器(かとらり)は法蘭西(おふらんす)"Christofle"牌(じるし)。
叉子(にくさし)に抑(おさ)へ、餐刀(めしがたな)以て截(き)り、
赤葡萄酒(あかきえびかづらざけ)の醬汁(たれ)は湯匙(ちりれんげ)に拯(すく)ふ。
佳味(よきあぢ)、佳味(よきあぢ)!
"糖酒葡萄乾(ラム・レザン)"の"冰酪(あいすくりん)"なるもの、
當家(こちら)では初(はじめて)。
襃(ほ)めて、搦手(からめて)、×惡口雜言〇美辭麗句(ことば)責(ぜ)め。
責(せめ)て怡(よろこ)ぶ薩德侯爵(さどこうしやく)。
〽荒海(あらうみ)や、佐渡(さど)に飛翔(とびか)ふ朱鷺(とき)の聲(こゑ)。
〽あら巧(うま)や、薩德(さど)の欣喜雀躍(よろこ)ぶ鞭(むち)の音(おと)。
、、と云ふは眞赤(まつか)な虚文(うそ)・戲(たはふれ) にて、
〽あら旨(うま)や、師傅(おやかた)烹飪(つく)る鍋(なべ)の味(あぢ)。
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:旭光學 S-M-C 琢磨(Takumar)1.8/55 @F2.8
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
盛春令月(はるのさかりのよきつき)、風暖水和(かぜあたゝかにしてみづやはらぐ)
古稀(こき)過(す)ぎて、なほ、煩惱(なやみ)多(おほ)き老骨(わがみ)。
此度(こだみ)は、"咖哩飯(かりィめし)"を選擇(えらむ)ことに、、。
別料金(おひぜに)して、"冰酪(あいすくりん)"を二種(ふたいろ)にして貰(もら)ひ、
對價(あたひ)、一千二百九十六圓也(いつせんにひやくきふじふろくゑんなり)。
最初(いやさき)に、
盌(まり)の咖哩(かりィ)を米飯(こめのいひ)に#BCMKR! ©ドクシマぱいせん
と、忽地(たちまち)、咖哩飯(かりィめし)へと變貌(かはる)ぞめでたし!
徐(おもぶる)に匕(さじ)以(も)て拯之(これをすく)ひ、一口(ひとくち)。
平生(つね)に無處相違(ことなるところなし)!
落膽(きおち)するでもなく、感歎(ためいきもらす)譯(わけ)でもなく、、。
武井師傅(たけゐおやかた)、
やはり"咖哩(かりィ)"より"煮込(にこみ)"が得意(えて)歟(か)?
冰酪(あいすくりん)二種(ふたいろ)は、
"ヴァニラ冰酪(あいすくりん)"に"芒果雪葩(まんごそるべ)"。
これも亦(また)、平生(つね)に無處相違(つゆとたがふところなし)!
善哉(よきかな)、善哉(よきかな)、アローカナ。
假名(かな)の濫觴(はじまり)は眞名(まな)=漢字(もろこしのもじ)。
漢字(もろこしのもじ)にて記(しる)されたる"萬葉假名(まんゑふがな)"。
「"ま"んやふが"な"」→「まな」 ※許譌(うそ) 、虚文(うそ) 、大虚談(おほうそ)、
一匹(いつぴき)欲(ほ)しいな小爪獺(こつめかはうそ)。
葡萄酒玻璃盞(えびかづらのさけをいるゝびいどろのうつは):
その内容(なかみ)は冷水(つめたきみづ)。
玻璃(びいどろ)の表面(おもて)に水滴(しづく)が附着(つ)き、
水温(みずぬる)み、軈(やが)て、大(おほ)きくなりゆく容(さま)、「いとをかし」。
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:旭光學 S-M-C 琢磨(Takumar)1.8/55 @F2.8~F4
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
その獸肉(しゝ)は 橘(みかん)啖(くら)ひし 野豬(くさゐなぎ) 燒(や)かでもしも?の 身(み)を烹(にこみ)つゝ
"野豬(くさゐなぎ)":
當家(こちら)で野禽獸(のにすむとりけだもの)とは稀有(まれ)な事象(こと)。
周知(あまねくしら)るゝごとく、
"ゐのしゝ"とは「"豬(ゐ)"の"肉(しゝ)"」にて、"ゐ"とはその鳴聲(なきごゑ)と云ふ。
大和言葉(やまとことば)には一音(ひとつのおと)多(おほ)し。
例示(ためしにあぐる)なら、"木"、"子"、"小、"粉"、"此、"海鼠"は孰(いづれ)も"こ"。
愚老(やつがれ)が淺學(さるぢゑ)では、その理(ことわり)不詳(つまびらかならず)。
"豬"も"井"も、ともに"ゐ"と發音(くちよりおとにしていだす)。
"表記法(Notation、かきしるしかた)":
天竺(てんじく)發明(あみいだせ)し"位取記數法(くらゐどりきすうはう)"、
"洋式算術記號(やうしきさんじゆつきがう)"、そして、"漢字(もろこしもじ)"。
悉(ことごと)く學問進歩(ちゑとまなびのあゆみ)に不可缺(かくべからざるもの)。
そも、諸學(もろもろのちゑ)、萬(よろづ)食物(くちにするもの)、
夏華(もろこし)の恩惠(めぐみ)に無關係(かゝはらざる)は稀(まれ)。
「無震旦(もろこしなくして)、無東瀛(ひのもとなし)」。
就中(わきても)漢字(かんじ)は「その象徴(しるし)」とでも云ふべき存在(もの)。
"ゐ(Wi)"の儘(まゝ)でも、
その塲(ば)の氣配(けはひ)・前後(うしろとまえ)の脈歴(つながり)から、
能避免混亂(よく”まぎらはしさ”をさけう)るとも、
漢字(もろこしもじ)を活用(つか)ひ"豬"と"井"を辯別(わ)くるに最善(しくはなし)。
一音(おとひとつ)の大和言葉(ひのもとのことば)そのものも、
"野豬(ゐ)"→"くさゐなぎ"、"ゐのしゝ"、"ぼたん"、"やまくぢら"、"くすり"、
"鹿(か)"→"しか"、"もみぢ"、
"蔥(き)"→"ひともじ"、"ねぶか"、"ねぎ"、と變化(かはり)しも納得(うべなるかな)。
ともあれ、野豬肉(ゐのしゝ)なるもの、
本朝(わがくに)では往古(いにしへ)より好(この)まれ、
時(とき)に、"牡丹(ぼたん)"、"山鯨(やまくぢら)"、"藥(くすり)"と稱(とな)へ、
大賞味之(おほいにこれをあぢは)ふが風習(ならひ)。
かくて、菜單(しながき)より、
"燉橘野豬蔬菜("たちばな"はみてそだちし"くさゐなぎ"と"あをもの"ゝにこみ)"に、
"赤葡萄酒(あかきえびかづらのさけ)"を合(あ)はせ、
對價(あたひ)、三千二十四圓也(さんぜんにじふしゑんなり)。
愚按(やつがれおもふに)、
野禽獸(のにすむとりけだもの)啖(くら)ふには肉叢(しゝむら)が最善(よい)。
如何(いかに)せん、この大(おほ)きさでは、
野豬(くさゐなぎ)の特徴(もちあぢ)を存分(こゝろゆくま)で難愉(たのしみがたし)。
此度(こだみ)は"赤葡萄酒(あかきえびかづらのさけ)"が上々(なかなか)。
「法國(おふらんす)Bourgogne(ブルゴーニュ)"Hautes Côtes de Nuits 2012"」
との説明(よし)。
やはり、「あまりの安酒(やすざけ)は忌避(さ)くべき」と云ふこと歟(か)?
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:旭光學 S-M-C 琢磨(Takumar)1.8/55 @F2.8
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
「請(こ)ふ、其處(そこ)にある紅羹(あかきもの)を我(われ)にのませよ!」 【創世記(さうせいき)】
此度(こだみ)は、
"豕五花肉オーベルニュ風(ぶたばらにくおべるにュふう)"。
"薔薇冰酪(むはらのアイスクリン)"を加(くは)へ、
對價(あたひ)、二千二百六十八圓也(にせんいじやくろくじふはちゑんなり)。
そも、奴僕(やつかれ)、
"オーベルニュ菜(めし)"なるもの、無所通(ひとつとしてしるところなし)。
維基百科(あれ)に據(よ)ると、
「蔬菜(あをもの)では、甘藍(はぼたん)に小扁豆(ひらまめ)」との説明(よし)。
"鏡珠(レンズ、たま)"の名(な)の、
"小扁豆(レンズまめ、ひらまめ)"に由來(ちな)むは周知(あまねくしら)る。
莱茨(Leitz)・千代田光學(ちよだくわうがく)提携(ちからあはせ)の砌(みぎり)、
歡迎宴(もてなしのうたげ)に"小扁豆羹(ひらまめのあつもの)"との逸話(はなし)も。
かの【創世記(さうせいき)】二十五章(にじふごしやう)に、
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茲(こゝ)にヤコブ羹(あつもの)を煮(にた)り。
時(とき)にエサウ、野(の)より來(き)たりて憊(つか)れ居(を)り。
エサウ、ヤコブにむかひ、
「我(われ)憊(つか)れたれば、請(こ)ふ:
其(その)紅羹(あかきもの)、
其處(そこ)にある紅羹(あかきもの)を我(われ)にのませよ!」
.........中畧(なかをはぶく).........
彼(かれ、=エサウ)すなはち誓(ちか)ひて、
其(その)家督(かとく)の權(けん)をヤコブに鬻(う)りぬ。
是(こゝ)に於(お)いてヤコブ、
麪麭(パン)と扁豆(あぢまめ)の羹(あつもの)とをエサウに與(あた)へければ、
食(く)ひ、且(か)つ飮(の)みて、起(た)ちて去(さ)れり。
斯(か)くエサウ、家督(かとく)の權(けん)を藐視(かろん)じたり。
========================================
つまり、
耶蘇教(やそのをしへ)に歸依(すがりてふしをが)む南蠻紅毛(あのあたり)では、
「"扁豆(ひらまめ)"は豆(まめ)の一(ひと)つにあらず」、と云ふこと。
唐山(もろこし)に於(お)ける"菽(まめ)"のごとき存在(もの)歟(か)?
この日(ひ)は珍(めづら)しき"安南靑胡椒(あんなんあをこせう)"も、、。
本朝(わがくに)"實山椒(なるのはじかみ)"のごとき外觀(みため)。
漢土(もろこし)にも早(はや)くより傳來(つたは)りしと推測(おぼし)く、
【本草綱目】卅二卷には、(32/69)
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■"胡椒(こせう)":
"恭"曰:"胡椒"生"西戎"、形如"鼠李子(くろうめもどきのみ)"、調食用之味、甚辛辣。
"微"曰:按、●成式西陽雜俎云「"胡椒"出"摩伽陁國"、呼爲"●履支"、、云々」
・實(み):
<氣味>:辛大、温、無毒。
<主治>:下氣温中、去痰、除臟腑中風冷。
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常態(つね)のことながら、火候(ひいれ)は完璧(ひのうちどころなし)。
黑胡椒(くろこせう)に、
上述(くだん)の"安南靑胡椒(あんなんあをこせう)"も加(くは)ゝり、
風韻(かをり)佳(よ)く、適切(ほどよ)き辛辣(から)み。
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【暗箱】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.4
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
腌(しほづけ)を 風乾(かぜにほした)る 豬頬肉(ほゝにく)に 橄欖實(おりいぶ)二色(ふたつ) 玉(たま)と散(ち)りける
臣僕(やつかれ)、
法國菜(おふらんすめし)は愚昧無智(いとくら)く、
意大利菜(いためし)に一竅不通(ひとつとしてあかるきものなき)こと、
宛然(あたかも)、五里霧中(ふかきゝりのなかをさまよひあるく)がごとし。
葡萄酒(えびかづらのさけ)また、冥頑不靈(あまりにうと)く、
只顧(ひたすら)、東道(あるじ)の提供(いだ)す掃愁帚(もの)を頂(いたゞ)くのみ。
かくて、"風乾豕面頰肉(グアンチャーレ)"を摘(つ)まみつゝ、
高脚盞(ぐらす)の白葡萄酒(いろしろきえびかづらのさけ)を呷(あふ)る。
その膩(あぶら)の美味(よきあぢはひ)、
かの、黑熊(つきのわぐま)・貛(あなぐま)に匹敵(ならぶ)ほど。
以西巴爾亞(イスハニヤ)の誇(ほこ)る橡果豕(どんぐりぶた)の火腿(からん)、
"ハモン・デ・ベジョータ・イベリコ"をも髣髴(おもはす)。
"カスレ"とは、
禽獸肉(とりけだものゝにく)と"白腰豆(しろいんげんまめ)"の燉(にこみ)。
"白腰豆(しろいんげんまめ)"は米利堅大陸(メリケンのおほくが)渡來(わたり)にて、
"白藊豆(しろふじまめ)"とは異(こと)なる。 ←※"維基百科(あれ)"の受賣り
禽獸肉(とりけだものゝにく)への火候(ひいれ)は完璧(ひのうちどころなし)。
さりながら、
白腰豆(しろいんげんまめ)は、これこそ正宗(まことのあるべきすがた)ならめど、
やはり、齒觝觸(はあたり)留(のこ)すほどが嗜好(このみ)。
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【暗箱】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.4
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
鰮醢(ひしこのひしほ)、ガリアの醢(ガルム)
紅葡萄酒(さけ)、LEVONI社(レボーニしや)シャルキュトリー二種(ふたくさ)、
葡萄酒燉五花肉(ぶたばらのさかに)、
法國(おふらんす)甜瓜雪葩(めろんそるべ)、煎茶(せんちや)。
對價(あたひ)、三千廿四圓也(さんぜんにじふよゑんなり)。
膩(あぶら)の辛(つら)き愚老(おひぼれ)なれど、
この義大利産(イタリ)シャルキュトリーは絶品(おどろくほどくちにあふ)。
これに駢(なら)ぶは、熊(くま)・貛(あなぐま)の膩(あぶら)くらゐ。
高脚盞掃愁帚(びいどろざけ)にて慢慢地(ゆるり)堪能之(これをあぢはふ)
紅葡萄酒(ぶだうのさけ)以て燉(ゆるりとに)こみたる五花肉(ぶたばら):
鰮醢(ひしこのひしほ)も加(くは)ゝり、
實言(まこと)、複雜玄妙(おくゆきぶか)き味(あぢはひ)。
〆(しめ)は法國産(おふらんすの)甜瓜雪葩(めろんそるべ)。
當地(こちら)での商賣(あきなひ)は今年(ことし)の龝(あき)まで。
東都(えど)に移轉(うつる)との説明(よし)。
寂(さび)しくもあり、愉(たの)しみでもあり、、。
愚按(やつがれおもふに)、やはり、粕壁(かすかべ)が似合(にあ)ふ。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.8
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
しのぶれど 味(あぢ)に出(いで)にけり この廚藝(わざ)は ものすら言へぬ 主人(ひと)の"火上鍋(ポトフ)"は
此度(こだみ)は、
仔羊肉(こひつぢにく)の"火上鍋(ポトフ)"。
西班牙(イスパニア)の"紅葡萄酒(さけ)"と合(あ)はせ、
對價(あたひ)、二千二百六十八圓也(にせんにひやくろくじづはちゑんなり)。
完璧(ひのうちどころな)き火候(ひいれ)。
近會(ちかごろ)の小賢(こざか)しき器械(うちもの)に頼(たよ)らで、
經驗(けいけん)を活(い)かし、智慧(ちゑ)を働(はたら)かす。
適度(ほどよ)き齒觝觸(はごたへ)と馨(かをり)を留(とゞ)む。
"火上鍋(ポトフ)"の醋(す)は、
紅葡萄酒(さけ)に競(きそ)はすがごとき"白葡萄酒醋(しろぶだうのす)"。
高脚杯(グラス)から杯墊(コースタ)に至(いた)るまで、
寸毫(をさをさ)無怠(おこたりなし)。
"ヴァニラ冰淇淋(あいすくりん)"の味(あぢはひ)、
至高・最上(このうへなきもの)なるは勿論(いふもさらなり) 。
尋常(つね)のごとく、四表八表話(よもやまばなし)に花(はな)が笑(さ)き、
辭別(いとまをこふ)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.8
わが口(くち)は 醃肉(しほづけにく)の お氣(き)にいりの 膩(あぶら)に塗(まみ)れ 乾(かは)く間(ま)もなし
"醃豬頚肉(ぶたほゝにくしほづけ)":
「意大利(イタリ)LEVONI社(レボーニしや)"グアンチャーレ"」との説明(よし)。
纔(わづ)か廿日未滿(はつかたらず)と謂(い)ふ熟成期間(ねかし・うらし)ゆゑ、
その顏色(いろ)甚(はなは)だ淡(あは)き櫻色(さくらゐろ)。
徐(おもぶる)に一噛(ひとか)みするや、
膩(あぶら)由來(よりきたる)と推測(おぼし)き鮮(うまみ)、
臼齒(おくば)より湧出(わきい)で、口中(くちになか)へと浮騰(ほとばし)る。
"シャルキュトリ"なれど、香膓(ソーセージ)とも火腿(ハム)とも異質(ことなる)。
その超絶美味(あまりのうまさ)に絶句(ことばをうし)なひ、
霎時(しばし)陶然(ゑひしれ)、膽魂(きもたましひ)を奪(うば)ゝる。
巷(ちまた)の肥肉愛好者(アブラー©Motsu大せんせ、あぶらずき)にして、
能(よ)くこれに耐(た)へ得(う)る者(もの)、一人(ひとり)としてなかるべし。
赤葡萄酒(ぶだうざけ)は、昨年(こぞ)新酒(あらたにしこみたるさけ)。
「釀造家(つくりて)は新井順子(あらゐじゆんこ)女史(ぢよし)」とのこと。
馨(かをり)を聞(き)、光(ひかり)に翳(かざ)して檢(あらた)むるも、
その精麁巧拙(よしあし)、不詳(つまびらかならず)。
香膓(ソーセ-ジ)には馬達加斯加産黑胡椒(マダガスカルのくろこせう)。
芳醇馥郁(かをりゆた)かにして、香膓(これ)に調和(よくあふ)。
Laguiole牌(じるし)肉餐刀(にくナイフ)以て香膓(ソーセ-ジ)を切斷(き)り、
その斷面(きりくち)を眺(なが)めて北叟笑(ほくそゑ)むほかなし。
半點(いさゝか)鹵味(しほけ)强(つよ)く、
前述(くだん)の赤葡萄酒(さけ)にてこれを漱(くちすゝ)ぎつゝ、
宍(しゝむら)のごとき香膓(ソーセ-ジ)を貪(むさぼ)り啖(くら)ふ。
蔬菜(あをもの)への火候(ひいれ)は强(つよ)め。
さて、その次(つぎ)に控(ひか)へしが、
法國(おフランス)鹽焦糖冰酪(しほカラメルのアイスクリン):
鹽焦糖(しほカラメル)は大好物(おほいにこのむもの)なれど、
やはり、香莢蘭冰酪(ヴァニラ)が贏(まさ)る。
掉尾(いやはて)に、
柳櫻園茶舖(りうあうゑんちやほ)"青焙茶(あをはうじちうや)":
茶葉(ちやば)には慥(たしか)に青味(あをみ)を留(と)ゞむ。
「柳櫻園茶舖(こゝ)は京師(みやこ)の老舖(しにせ)」との解説(はなし)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.4~F2.8
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
"アルザス"は "エルザス"と似(に)る この地方(あたり) 三獸肉(にく)と馬鈴薯(いも)とを 燉(に)るは"Baeckeoffe(ベッコフ)"
アルザス=ロレーヌ(=エルザス-ロートリンゲン):
神聖羅馬帝國(ひじりなるロマみかどのくに)以來(よりこのかた)、
時(とき)に德國(ドイツ)、時(とき)に法國(フランス)と、
相互(たがひ)に奪合(うばひあひ)、現今(いま)は法國領(フランスのなはゞり)。
言語(ことば)や菜(めし)も、德國(ドイツ)に近(ちか)きものと云ふ。
かの"キッシュ・ロレーヌ"はロレーヌ(=ロートリンゲン)、
"Baeckeoffe(ベッコフ、にくじやが)"はアルザス(=エルザス)の菜(くひもの)。
この日(ひ)はその"Baeckeoffe(ベッコフ、アルザスにくじやが)"。
武井師傅(たけゐおやかた)、
嘗(かつ)て當地(かのち)の葡萄酒釀造所(さかぐら)にて餐(くら)ひし砌(みぎり)、
あまりの旨(うま)さに感動(こゝろうごかさ)れ、自作(みづからつく)ることに、、。
「アルザス(=エルザス)の白葡萄酒(ぢざけ)以て燉(にこ)むが風習(ならひ)」
元來(もとより)、白葡萄酒(アルザスのぢざけ)ばかり用(つか)ふところ、
酒(さけ)を控(ひか)へ、
蔬菜屑溏油(べジブロス、=あをものくずのだし)を活用(いかす)。
肉(しゝ)は、牛豚羊(うしぶたひつぢ)、三獸(みくさのけだもの)。
天火(てんぴ)に烤(あぶりや)きたる後(のち)、
各々(おのおの)肉(しゝ)の性質(たち)に遵(したが)ひ燉(ゆるりにこ)む。
あるものは長時間(ながく)、またあるものは短時間(みじかく)、、。
豬(ぶた)は墺太利(オーストリ)、他(ほか)は濠太剌利亞(オーストラリア)。
ξ(ぐざい)は、
三獸肉(みくさのけだものにく)に加(くは)へ、
馬鈴薯(じやがたら)、胡蘿蔔(せりにんじん)、洋蔥(たまねぎ)。
肉(しゝ)嫩(やはらか)く、蔬菜(あをもの)も適切(ほどよ)き火候(ひいれ)
この日(ひ)は掃愁帚(さけ)もアルザス(=エルザス)の白葡萄酒(しろ)、
"MARCEL-DEISS(マルセル・ダイス)Pinot d'Alsace(ピノ・ダルサス)2012"。
老生(それがし)、稀有(まれにみ)る不知酒(さけしらず)なれど、
愚按(おもふに)、「端麗辛口(たんれいからくち)」の類(たぐひ)なるべし。
「たつた今(いま)!」
と、息(いき)せき切(き)りたる"奶黃布甸(カスタード・プディング)":
温(あたゝ)かく、「甜(あま)き茶碗蒸(ちやわんむし)」と云ふ風情(おもむき)。
匙(さじ)で掬(すく)ふや、出現(あらはれいで)し焦糖(カラメル・ソース)。
「今(いま)は無(な)き『マキシム・ド・パリ』の廚藝(わざ)」
とのよし。
『ストロバヤ』の"奶黃布甸(カスタード・プディング)"と比較(くら)べ、
半點(いさゝか)嫩(やはらか)。
"薔薇果醬(ばらコンフィチュール)"添(ぞ)へ"薔薇冰淇淋(ばらアイスクリン)":
實言(まこと)、美味也(よきあぢなり)!
この"薔薇果醬(コンフィチュール)"、『ストロバヤ』とは異(こと)なる顏色(いろみ)。
風味(あぢとかをり)は無所大差(おほきくことなるところなし)。
金屬洋食器(カトラリ)は過半(あらかた)"Christofle牌(クリストフルじるし)"。
銀鍍金(しろかねのときん)。
"Baeckeoffe(アルザスのにくじやが)"、"奶黃布甸(カスタード・プディング)"から、
沙糖壺(さたうつぼ)まで、都(すべ)て"LeCreuset牌(ルクルゼじるし)"。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.8~F4
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
相乘效果(あひたす)く 茄子(なす)と茸(きのこ)に 牛(うし)の骨邊肉(あら) 蕃茄醤(あかなすびしほ) 巧(うま)く烹(に)えけり
此度(こだみ)は、
"茄子(なす)と茸(きのこ)の蕃茄醬(サルサ・ポモドーロ)"。
劈頭(いやさき)に西班牙(イスパニア)の紅葡萄酒(さけ)を貰(もら)ひ、
高脚杯(グラス)を呷(あふ)る。
ほどなくして前述(くだん)の品(しな)。
"Christofle"の匙(さじ)にて掬(すく)ひ、一口(ひとくち)。
旨味(うまみ)炸裂(はじけちり)、口中(くちのなか)へと浮騰(ほとばし)る。
「無味精(あれぬき)でこれほどの鮮(うまみ)...........!」
と、絶句(ことばをうしなふ)こと霎時(しばし)。
ξ(ぐざい)は、茄子(なす)、山毛欅占地(ぶなしめぢ)、牛骨邊肉(うしのあら)。
これに、乾酪(ちいず)、蕃茄(とまと)が加(くは)ゝる。
それらが混然一體(ひとつにまじはり)、超絶美味(このうへなきあぢはひ)に、、。
陳腐(ありきたり)ながら、
イノシン酸(さん)+グルタミン酸(さん)+グアニル酸(さん)、
+冨士山(ふじさん)+御釋迦(おにい)さん+御地藏(おぢざう)さん、
相乘效果(あひたすけあひてのすごわざ)!
掉尾(いやはて)は、當家(こちら)のヴァニラ冰酪(あいすくりん):
實(げ)に、前日(まへのひ)の"それ"とは雲泥之差(くもとつちほどのたがひ)。
芝蔴鹽飯(ごましほめし)かと疑(うたが)はれ、
南國(みなみのくに)の仙人掌果(サボテンくわ)と錯覺(みまがふ)ばかり。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.4~F4
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
膓(わた)の色(いろ) 慢火(とろび)にかけて 燉(に)こみぬと 掌柜(あるじ)の前(まへ)に 紅(あか)の鍋(ルクルゼ)
古來(いにしへよりこのかた)、
大倭豐秋津洲(おほやまとゝよあきつしま)では、
魚(うを)は、身(み)のみならず皮(かは)・兜(かぶと)をも珍重(おもん)じ、
尾頭附(をかしらつき)を至高(このうへなきもの)とす。
愚按(やつがれおもふに)、
およそ、魚(うを)・禽獸(とりけだもの)なるもの、
その骨皮(ほねかは)、内臟(はらわた)の旨(うま)さは精肉(み)をも凌駕(しのぐ)。
とは云へ、世(よ)には嫌之者(これをきらふもの)少(すく)なからず。
無豬皮(かはなき)東坡肉(とうばにく)は、
無聲(こゑなき)鈴蟲(すゞむし)に同等(ひとし)く、
内臟(はらわた)なき狹眞魚(さまうを)は、
無薫(かをりなき)伽羅(きやら)・沈香(ぢんかう)に異(こと)ならず。
懐石(くわいせき)、法國菜(ふらんすめし)など、
格式高(かくしきたか)き席(せき)では精肉(み)のみ供(いだ)すが風習(ならひ)。
内實(なかみ)を疎略(おろそ)かにし、
外見(みため)を重視(おもん)ずる傾向(きらひ)なきにしもあらず。
"豕内臟白葡萄酒煮(ぶたモツのしろワインに)":
法國菜(ふらんす)に無(な)く、内臟烹(モツに)の技藝(わざ)を薀(たづ)ね、
己(おの)が技倆(うで)を活(い)かしたるものと演述(い)ふ。
鮮(うまみ)に横溢(あふ)れ、臭(くさ)みなく、彩(いろどり)に雋(すぐ)る。
掃愁帚(さけ)は師傅(おやかた)に一任(まか)せ、
"ヴァニラ冰酪(あいすくりん)"にて〆。
颳目(まなこけづ)るは、
黑芝蔴(くろごま)かと錯覺(みまが)ふほどのヴァニラ・ビンズ。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.4~F4
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
ヒロド、へどろに塗(まみ)れ、しどろもどろ、呷(あふ)るやけ酒(ざけ)"ペドロ・ヒメネス"
颱風(のわけ)が去(さ)るや、頓(にはか)に猛暑(たけりくるふあつさ)。
最寄(もより)の停車塲(ていしやば)より急行(きふかう)に乘車(のりこ)むも、
「はてさて、車站(ステンショ)近傍(ちかく)で佳肆(よきみせ)は?」
と、霎時(しばし)尋思(おもひなやむ)。
「冰酪(あいすくりん)、雪葩(そるべ)の類(たぐひ)も、、」
と意(こゝろ)が動(うご)き、またも『Bien』に、、。
これを「"河馬(●●)^(-1)"の一(ひと)つ憶(おぼ)え」と號(い)ふ。
嗚呼(あヽ)!Oh my "oppih"?!
劈頭(いやさき)に"甜瓜雪葩(めろんそるべ)"と決意(かたくこゝろをき)め、
あとは、掃愁帚(さけ)に主菜(ひとさら)。
主菜(ひとさら)として"煎銀鮏(ぎんざけソテ)"を擇(えら)み、
あとは師傅(おやかた)に投身(みなげ)、一任(まるなげ)、雞天然塊金(チキンナゲ)。
かくて、擇(えら)ばれし玉薤(さけ)、西班牙産(いすぱにあ)"雪利酒(シェリー)"。
「勿驚(おどろくなか)れ、酒精無添加(あるてんなし)の"雪利酒(シェリー)"にて、
葡萄(ぶだう)はかの"ペドロ・ヒメネス"にて厶(ござ)りまする。」
との説明(はなし)。
徐(おもぶる)に高脚杯(びいどろのうつは)を傾(かたむ)け一口(ひとくち)。
確實(たしか)に憶(おぼ)えのある風味(あぢかをり)。
ヘドロ姫(へどろひめ)、ネス湖(こ)にのたうち、
ヒロド姫(ひめ)、寝(ね)ずにOA(ほんばん)しどろもどろ。 ←虚談(うそ)
軈(やが)て"銀鮏(ぎんざけ)"の烹飪(てうり)も竟(をは)り、
"雪利酒(シェリー)"と合(あ)はせて堪能之(これをあぢはふ)。
芹(せり)は七草(なゝくさ)鍋(なべ)に好適(よし)。
競(せり)で賑(にぎ)はふ朝(あさ)の魚河岸(うをがし)。
掉尾(いやはて)に法國産(おフランス)"甜瓜雪葩(めろんそるべ)":
その芳香(かをり)、懐(なつ)かしき"眞桑瓜(まくはうり)"にも似(に)て、
自(おの)づと、小人(それがし)が鼻竅(はな)を穿(うが)つ。
善哉(よき)、善哉(よき)!
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.4~F4
東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
肉塊(しゝむら)を 切裂(きりさ)きみれば 微(かす)かなる 櫻色(さくらのいろ)に 染(そ)まる斷面(きりくち)
此度(こだみ)は、
"Rillauds angenius(アンジュのリヨー)"なる地方菜(ゐなかめし)。
豕(ゐのこ)五花肉(ばらにく)を油煮(コンフィ、あぶらに)とせし菜(ひとしな)。
食後(めしのあと)には薔薇雪葩(ばらのソルベ)と云ふ流(なが)れ。
玻璃盤(がらすざら)涼(すゞ)やかなる"Rillauds angenius(アンジュのリヨー)":
醋(す)は法國(おふらんす)紅葡萄醋(あかワインす)。
師傅(おやかた)、胸(むね)を張(は)りて曰(いへら)く、
「晩餐(よる)は意大利香醋(バルサミコ)にて、、云々(うんぬん)」
その五花肉(ばらにく)を吟味(み)るに、至高(このうへな)き火候(ひかげん)。
平滑濕潤(したざはりのなめらかさとうるほひ)は、
流行(はやり)の低温烹飪(ていおんてうり)に酷似(よくに)る。
されど、焦糖化(カラメリゼ)され、絶妙無比(えもいはれ)ぬ齒觝觸(はあたり)。
流(なが)さるゝを嫌(きら)ひ、傳統技法(ふるきやりかた)を墨守(まもる)るも、
その味(あぢはひ)は最新技法(あらたしきやりかた)に無遜色(ひけをとらぬ)。
實(げ)に、「弘法(こうばふ)筆(ふで)を選(えら)ばず」。
光芒(くわうばう)技倆(うで)を擇(えら)みて廚(くりや)に射(さ)す。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 超琢磨(Super Takumar)(8 ele.) 1.4/50 @F2.4
:東蔡(Carl Zeiss Jena)紅MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
鍋(なべ)仕樣(じたて) 味(あぢ)の決定要素(きめて)は 鯷(しこいはし) 燉牛頬肉(うしのにこみ)の 下(した)は鍋敷(なべしき)
"ニース風(ふう)"、
と喚做(よびな)す"白葡萄酒(しろワイン)による燉牛頬肉(うしのほゝにくにこみ)"。
"紅葡萄酒(さけ)"、"麪麭(ぱん)"、"冰酪(あいすくりん)"、"茶(ちや)"、
あはせて、對價(あたひ)、二千五百九十二圓也(にせんごひやくきふじふにゑんなり)。
燉牛頬肉(うしのほゝにくにこみ)の鹵(しほけ)は、
"アンチョビ鹽漬"、すなはち、腌鯷(しこいはしのしほづけ)。
かの古代羅馬(いにしへのロマ)の醢(ひしほ)魚露(ガルム)にも通底(つらなる)。
この魚露(うをびしほ)はポンペイの食譜(レシピ)より復元(ふくげん)せしもの。
"ナンプラ"、"ヌクマム"、"いしる"、"しよッつる"に似(に)たる風味(あぢかをり)。
これを「當たり前田のクラッカー」と稱(い)ふ。
この複雜玄妙(たへなる)味(あぢ)の深(ふか)みは、
偏(ひとへ)に、アンチョビ鹽漬(しこいはしのしほづけ)に起因(よる)。
網笠茸(あみがさだけ、モリーユ)にも、
吃驚(びつくり)、苦力(クリ)、九里(くり、≒36km)、陰蒂(くり)ッ、操(く)り。
此度(こだみ)は口(くち)にする機會(めぐりあはせ)なしと云へど、
その芳香(かぐはしきかをり)、鼻竅(はな)を穿(うが)ちて已(や)むことなし。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 smc 賓得(Pentax)A Macro 2.8/50 @F2.8
:東蔡(Carl Zeiss Jena)紅MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
箪笥店(たんすや)の 咖哩(かりィ)の飯(めし)を かき餐(くら)ひ わが衣手(ころもで)は 黃(き)に染(そ)まりつゝ
この日(ひ)は、盛夏(なつのさかり)を髣髴(おもは)す暑(あつ)さ。
されば、粕壁停車塲(かすかべステンショ)より至近(いとちか)き『Bien』。
最後(いやはて)の"法國芒果雪葩(おふらんすまんごそるべ)"を主軸(はしら)に、
"德國啤酒(どいつびいる)"、"咖哩飯(からみいりしるかけめし)"なる構成(くみたて)。
『Bien』の"咖哩(かりい)"は二度目(にどめ)。
前囘(まへ)は米飯(うるちまひのひめいひ)がなく、麪麭(ぱん)のみ。
此度(こだみ)は米飯(うるちまひのひめいひ)ゆゑ、
"咖哩飯(からみいりしるかけめし)"と云ふ次第(わけ)。
德國(どいつ)"ケストリッツァ-牌(じるし)黑啤酒(シュバルツ・ビア)"。
高名(なだか)き英國(あんげりあ)"のギネス"よりも味覺(した)に馴染(なじ)む。
咽喉(のみど)を潤(うるほ)し、いざ、"咖哩飯(からみいりしるかけめし)":
所謂(いはゆる)"碎肉咖哩(キーマカリィ)"の類(たぐひ)。
とは云へ、
豐葦原瑞穗國式咖哩飯(とよあしはらみづほのくにのからみいりしるかけめし)。
徒(いたづら)に咖哩粉(かりィこ)ばかりが突出(きはだ)つ、
二昔前(ふたむかしまへ)一世風靡(もたはやされ)し「本塲咖哩(ほんばかりィ)」。
やはり、
洋蔥(たまねぎ)を徹頭徹尾(とことん)炒(いた)めねば、
味(あぢ)に深(ふか)みは生(う)まれず。
香辛料(かうしんれう)も咖哩粉(かりィこ)ばかりでは擴(ひろ)がりに缺(か)く。
往古(いにしへ)の「本塲咖哩(ほんばかりィ)」と見做(みな)すが吉(なにより)。
妄想・夢想(むなしくおもひをはす)は、
東天竺摩訶陀國(ひがしてんじくまがたこく)王舎城(わうしやじやう)に、
拘薩羅國(こうさらこく)舎衞城(しやゑいじやう)祇園精舎(ぎをんしやうじや)。
陋屋(ぼろや)に蠢動(のたうち、うごめ)く下流老人卍(それがし)、
天竺參詣(てんじくまうで)は實現(かな)ふことのなき夢(ゆめ)のまた夢(ゆめ)。
月光(つきのひかり)に日光(ひのひかり)、
野州(しもつけのくに)は日光詣(につくわうまうで)が限度(せきのやま)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4
このたびは 烤雞腿(やきたるとり)を かき咋(くら)ふ 餐臺(つくゑ)に布(ぬの)敷(し)き 恣意(おもふがまゝに)
久方(ひさかた)ぶりの『Bien』。
此度(こだみ)は、
"烤雞腿(とりもゝにくロティ)"に、"ペドロ・ヒメネス冰酪(あいすくりん)"、
掃愁帚(さけ)は"桃紅葡萄酒(ロゼ)"。
皮附(かはつき)の雞腿(にはとりもゝにく)を、
沙羅曼蛇(サラマンダ)に炮(あぶ)ること霎時(しばし)。
適度(ほどよ)く燒目(やきめ)が、つきは朧(おぼろ)に不二山(ふじのやま)。
痛(いた)き、炊飯(めしたき)、那智(なち)の瀧(たき)。
扨(さて)、これに取出(とりいだ)しましたるは、
かの名刀(なだかきかたな)"備前長船兼光(びぜんをさふねかねみつ)"、
と云ふは眞赤(まつか)な嘘(うそ)にて、
南蠻(なんばん)法國(フランス)渡來(わたり)の"ラギオール"。
刀一閃(かたながきらりとひかるや)、
雞腿肉(とりのしゝむら)は堪(たま)らず一刀兩斷(まッぷたつ)。
倩(つらつら)その斷面(きりくち)はと觀察(うかゞ)ふに、
雞油(あぶら)浮騰(ほとばし)りて華嚴(けごん)の瀧(たき)と化(な)る。
〆は、尋常(つね)のごとく、"ペドロ・ヒメネス冰酪(あいすくりん)"。
ヴァニラ荳(まめ)は綺羅(きら)星辰(ほし)のごとく、
その美味(このうへなきあぢはひ)は、
「かの醍醐(だいこ)もかくや?」、と錯覺(おも)はるゝほど。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4~F4
空腹(すきッぱら) この紅葡萄酒(さけ)見れば 微(かす)かなる 獸(けもの)ゝ風韻(かをり) 肉(にく)は豬(ぶた)かも
前日(まへのひ)の紅葱頭醬(エシャロットびしほ)に心奪(こゝろうばゝ)れ、
「紅葱頭(エシャロット)を用(つか)ふ法國菜(ふれんち)では如何(いかに)?」
と興味津々(おほいにこゝろそゝらる)。
加之(くはふるに)、異朝(もろこし)の龍徽赤霞珠葡萄酒(ぶだうざけ)も、、。
この日(ひ)は南亞墨利加(みなみあめりか)智利(チリ)の"紅葡萄酒(さけ)"。
昨日(きのふ)の"芒果布甸(まんご・ぷでいんぐ)"に、
今日(けふ)の"芒果雪葩(まんご・そるべ)"、
と云ふ競(きそひあひ)も、、。
「魚(うを)」が土州(とさ)の"鰹(かつを)"、
「禽獸(とりけだもの)」が"香腸(ちやうづめ)と扁豆(ひらまめ)の羹(あつもの)"。
南蠻・紅毛國(あちら)では、
"扁豆(ひらまめ)"を殊(こと)の外(ほか)重視(おもんず)。
切支丹宗門(きりしたん)の經文(きやうもん)にも、
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茲(こゝ)に、ヤコブ、羹(あつもの)を煮(に)たり。
時(とき)に、エサウ、㙒(の)より來(きた)りて憊(つか)れ居(を)り。
エサウ、ヤコブにむかひ、
「我(われ)憊(つか)れたれば、
請(こ)ふ、其(その)紅羹(あかきあつもの)、
其處(そこ)にある紅羹(あかきあつもの)を我(われ)にのませよ!」
といふ。
是(これ)をもて彼(かれ)の名(な)は"エドム(紅)"と稱(となへ)らる。
ヤコブ言(いひ)けるは、
「今日(けふ)汝(なんじ)の家督(かとく)の權(けん)を我(われ)に鬻(う)れ!」
エサウいふ、
「我(われ)は死(しな)んとして居(を)る。
此(この)家督(かとく)の權(けん)、
我(われ)に何(なん)の益(えき)をなさんや?」
ヤコブまた言(いひ)けるは、
「今日(けふ)我(われ)に誓(ちか)へ!」
と。
彼(かれ)すなはち誓(ちかひ)て、
其(その)家督(かとく)の權(けん)をヤコブに鬻(うり)ぬ。
是(こゝ)に於(おい)て、
ヤコブ、パンと扁豆(ひらまめ)の羹(あつもの)とをエサウに與(あた)へければ、
食(たべ)且(かつ)飮(のみ)て起(おき)て去(され)り。
斯(かく)エサウ、家督(かとく)の權(けん)を藐視(かろん)じたり。
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と、あるがごとく、
"扁豆羹(ひらまめのあつもの)"は家督權(かとくけん)を讓(ゆづ)るほどのもの。
それほどの甘美(うま)さか否(いな)かはさて置(お)き、
滋味(いつくしみ)横溢(あふ)るゝ味(あぢはひ)。
「法國菜(ふれんち)では色附(いろづ)くほどに煎(い)ることなく、
小人(それがし)も、
紅葱頭(エシャロット)を洋蔥(たまねぎ)で代用(かはりにもちゐ)るが常態(つね)」
とは、師傅(おやかた)が辯(はなし)。
葡萄酒(ぶだうざけ)の精麁(よしあし)は不詳(つまびらかなら)ねど、
癖(くせ)の强(つよ)きは"龍徽赤霞珠葡萄酒(こちら)"。
芒果(まんご)は當家(こちら)の"芒果雪葩(まんご・そるべ)"が贏(まさ)る。
生(なま)の完熟(よくうれ)たる芒果(まんご)に異(こと)ならず。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4
粗挽(あらびき)の 寒鰤(かんぶり)の身(み)の 鹵(しほ)强(つよ)き リエットよりは 單獨(ひとり)鴨肉(かもにく)
劈頭(いやさき)に紅葡萄酒(さけ)を貰(もら)ひ、
"鴨ブレザオラ(かもぶれざおら)"、"鰤リエット(ぶりゝえつと)"、
掉尾(いやはて)に、"ペドロ・ヒメネスがけ冰酪(あいすくりん)"、"エスプレッソ"。
對價(あたひ)、大畧(およそ)三千五百圓也(さんぜんごひやくゑんなり)。
西洋土圭(せいやうどけい)にして一時間半(いちじかんはん)。
賓(まらうど)は小人(それがし)一人(ひとり)。
一人(ひとり)、塵取(ちりとり)、借金取(しやくきんとり)。
單獨(ひとり)寛(くつろ)ぐは、ありがたくもあり、勿體(もつたひ)なくもあり、、。
そも"ブレザオラ"なるもの、元來(もとより)牛肉(うしにく)にて製(こしら)ふるもの。
さりながら、合鴨(あひがも)ゝ頗(すこぶ)る美味(よきあぢ)。
熟成(ねかし・うらす)こと、大畧(およそ)廿日(はつか)。
鮮(うまみ)口中(くち)に浮騰(ほとばし)り、鼻竅(はな)をも貫通(つらぬく)。
この鴨肉(かもにく)、
酸塊(すぐり)、干柹(ほしがき)、蘋果(りんご)と調和(よくあふ)。
宛然(あたかも)、爲虎添翼(とらにつばさをそふる)がごとし。
"ペドロ・ヒメネスがけ冰酪(あいすくりん)"の芳味(あぢ)は勿論(いふもさらなり) 。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 賓得(Pentax)S-M-C 琢磨(Takumar)1.8/55 @F2.8~F4
:東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
空腹(すきッぱら) 無駄酒(むだざけ)呑(の)みに 春日部(かすかべ)の 『Bien』の鍋(なべ)に 出(いで)し蜂巢胃(はちのす)
久方(ひさかた)ぶりの『Bien』。
菜譜(こんだて)に"ペドロ・ヒメネスがけ冰酪(あいすくりん)"の名(な)!
"獸肉(けだもの、ヴィヤンド)"には"トリップ・ア・ラ・モード"、
すなはち、燉蜂巢胃(はちのすにこみ)も、、。
當日(このひ)は想定外(おもひのほか)の盛況(にぎはひ)。
桌子(つくゑ)一脚(ひとつ)を殘(のこ)し、無席(あきなし)。
紅葡萄酒(さけ)を貰(もら)ひ、霎時(しばし)、碟(さら)を俟(まつ)ほどに、
琺瑯鐵鍋(はうらうなべ)到達(きたりぬ)。
鐵鍋(くろがねのなべ)には、牛蜂巢胃(はちのす)のほか、
香茹(しいたけ)、白占地(しろしめぢ)、胡蘿蔔(にんじん)、西蘭花(ブロッコリ)。
火候(ひいれ)・淡醎(しほけ)ともに絶妙(ひのうちどころな)く、
臼齒(おくば)に噛締(かみし)むるや鮮(うまみ)口中(くち)に浮騰(ほとばし)る。
"乾酪(フロマージュ)"に四色(よいろ)あり。
就中(わきても)"ブリア・サヴァラン"は、
小人(それがし)が嗜好(このみ)に寸毫(つゆ)異(こと)なるところなし。
これぞ口福(くちのしあはせ)!
"ペドロ・ヒメネスがけ冰酪(あいすくりん)":
胡椒(こせう)と見紛(みまが)ふばかりに、
多量(おほ)くのヴァニラ・ビーンズが悋嗇(をしげ)もなく用(つか)はれ、
その比類(くらぶるもの)なき美味(うまさ)たるや、勿論(いふもさらなり)。
因(ちな)みに、當日(このひ)の菜譜(こんだて)は如下(つぎのとほり):
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【獸肉(けだもの、ヴィヤンド)】:
"トリップ・ア・ラ・モード"
【乾酪(フロマージュ)】:
カステルマーニョ・アルペッジ
ブリア・サヴァラン
マロワール
ブルー・デ・コース
【菓子(くわし、デセール)】:
ペドロ・ヒメネスがけ冰酪(あいすくりん)
【茶(ちや、テ)】:
緑茶(りよくちや)”朝日(あさひ)”
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :高千穗光學 奧林巴斯(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto-Macro 2/50 @F2.8
:東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03撮影分
仔羊(こひつぢ)を 鑄物鍋(いものなべ)にて 喰(く)ひにけり 獸肉(よつあし)ならば 熊(くま)に豬鹿(ゐのしか)
切支丹邪宗門(きりしたんばてれんのよこしまなるをしへ)の安息日(やすみのひ)。
盞(さかづき)を傾(かたむ)け、仔羊(こひつぢ)の羹(あつもの)を銜(ついば)む。
羊(ひつぢ)は死(し)ゝて皮(かは)を殘(のこ)し、
耶蘇(やそ)は斃(し)ゝて釘穴(くぎあな)を殘(のこ)す。
"燉小羊(こひつぢのにこみ)"は通常(つね)のごとく、
眼眶(まなこ)にも胃腑(いぶくろ)にも優(やさ)しき品(しな)。
麪麭(ぱん)は『コンテ・ジャポン』製(のもの)。
燉(にこみ)との相性(あいしやう)たるや絶妙(げに、たへなるものあり)。
法蘭西渡來(ふらんすわたり)のヴァニラ・冰酪(あいすくりん):
その外見(すがた)、
雪上(ゆきのうへ)に炭粉(すみのこ)でも撒布(まきちら)したかと疑(うたが)はれ、
その味(あぢはひ)は、「醍醐(だいご)もかくや」と想像(おもは)すほど。
茶(ちや)は洛(みやこ)"柳櫻園(りうあうゑん)"の"朝日(あさひ)"。
嫩(やはらか)なる澁(しぶみ)があり、鮮(うまみ)豐富(ゆたか)。
その馨(かをり)、初夏(なつのはじめ)の叢(くさむら)を髣髴(おもはす)。
舌(した)を洗(あら)ひ、汚(けが)れを流(なが)して辭別(いとまごひ)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4
肚(はら)によし 今日(けふ)の午餐(ひるめし) 扁豆(あぢまめ)は よく合(あ)ふものよ 五花肉(ぶたばらのみ)に
この日(ひ)、
套餐(コース)の肉主菜(ヴィヤンド)として、
"豬五花肉(ぶたばらにく)と扁豆(あぢまめ)煮込(にこみ)オーベルニュ風(ふう)"、
を選擇(えらむ)。
およそ"扁豆(あぢまめ、=レンズまめ)"なるもの、
その眞價(まことのよさ)・眞味(まことのあぢ)を不知(しらず)。
にもかゝはらず、菜單(しながき)に"扁豆(あぢまめ)"を發見(み)て、
注文(たの)まざる前例(ためし)なし。
その故(ゆゑ)如何(いかん)となれば、
僕(やつかれ)若(わか)かりし砌(みぎり)、
讀齧(よみかぢ)りし書籍(しよじやく)に、
エサウ弟(おと)ヤコブに家督讓(いへゆづ)りし故事(ふるきものがたり)あり。
舊約聖書(ふるきちぎりの、ひじりぶみ)創世記(さうせいき)に、
「ヤコブ、麪麭(ぱん)と扁豆羹(あぢまめのあつもの)とをエサウに與(あた)へければ、
食(くひ)且(かつ)飮(のみ)て起(たち)て去(され)り。
斯(かく)エサウ、家督(かとく)の權(けん)を藐視(かろん)じたり。」 とある。
その後(のち)、小倉敏布(をぐらとしのぶ)が書籍(ほん)に、
"Ernst Leitz(エルンスト・ライツ)"・"千代田光學(ちよだくわうがく)"が、
合從連衡(きづなをむす)ぶ折(をり)の往事(いまはむかしのものがたり)があり、
益々(ますます)心(こゝろ)の隅(すみ)に蟠(わだかま)ることに、、、。
歡迎晩餐會(もてなしのうたげ)にて恭(うやうや)しく出(いだ)されしが、
"扁豆羹(あぢまめのあつもの)"。
"透鏡(レンズ)"の語源(ことばのみなもと)は"扁豆(あぢまめ、レンズまめ)"。
加旃(しかのみならず)、切支丹(きりしたん)には深甚(いとふか)き意(こゝろ)あり。
初(はじ)めて扁豆(あぢまめ)を口(くち)にせしは、それより後(のち)のこと。
この日(ひ)の"扁豆(あぢまめ)"も陳腐(とるにたるものなし)。
愚按(やつがれおもふに)、
およそ豆(まめ)なるもの、齒應(はごた)へを殘(のこ)すが肝要(かなめ)。
近來(ちかごろ)、
獸肉(けだもの)への火候(ひいれ)は日進月歩(ひゞすゝみ)、
法國菜(フレンチ)は勿論(いふまでもなく)、
拉麪店(らあめんや)の類(たぐひ)まで細心留意(こまやかにこゝろをくばる)。
菜蔬(あをもの)ゝ彩(いろどり)や火候(ひいれ)もまた、
配慮(きくばりさる)ゝこと多(おほ)し。
然(しか)るに、燉菜(にこみれうり)に多用(おほくもちゐら)るゝ豆類(まめ)は、
太古以來(いにしへよりこのかた)火候(ひいれ)に無頓着(こゝろくばりされず)。
この日(ひ)、
"新姫(にいひめ)"と喚做(よびな)す柑橘類(たちばなのたぐひ)を知(し)る。
風味(あぢとかをり)は不詳(つまびらかならず)。
"麪麭(ぱん)"はコンテ・ジャポン製(のもの)。
因(ちなみ)に、この日の菜譜(こんだて)は、如下(つぎのとほり):
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・"牛舌(うしのした)白葡萄酒煮(しろぶだうしゆに)"
・"豬五花肉(ぶたばら)と扁豆(あぢまめ)燉(にこみ)"
・"甜瓜(めろん)の雪葩(そるべ)"
・"紅茶(こうちや)"
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 賓得(Pentax)S-M-C 琢磨(Takumar)1.8/55 @F2.4~F4
常日頃(つねひごろ) 三寸(さんずん)用(つか)ふ 舌先(したのさき) 牛(うし)でも豬(ぶた)でも 今(いま)は喰(く)ふのみ
「牛舌(うしゝた)の白葡萄酒煮(しろワインに)」
なる店頭(みせさき)の菜單(しながき)に眼眶(まなこ)釘附(くぎづけ)。
先祖代々(とほつおやより)、
舌(した)を驅使(あやつ)り、衆人(もろびと)欺(あざむ)くを活業(なりはひ)とす。
と云ふは、眞赤(まッか)な許譌(うそいつはり)。
素面(しらふ)では、口籠(くちごも)り、支離滅裂(はなしちゞにみだ)れ、
掃愁帚(さけ)以て冷靜沈着(おちつ)かんとするも、
舌縺(したもつ)れて、呂律(ろれつ)も廻(まは)らぬが通例(つね)。
僕(やつかれ)、
洋食(やうしよく)で、最喜歡(もつともこのむ)は"燉牛舌(タンシチュ)"なれば、
件(くだん)の品(しな)に、"赤葡萄酒(さけ)"、"冰酪(あいす)"、を追加(くはふ)。
對價(あたひ)、二千四百八十四圓也(にせんよんひやくはちじふよゑんなり)。
皿(さら)は適温(ほどよ)く温(あたゝ)められ、
彩(いろどり)も見事(みごと)。
醢醯(あぢつけ)は、
鹽胡椒(しほこせう)に白葡萄酒(しろワイン)のほか粒芥子(つぶからし)。
ゆるり、これを堪能(あぢはふ)。
適度(ほどよ)き酸(さんみ)により、味(あぢ)がキリヽと締(し)まり、
一(ひと)つとして不足(たらざるところ)なし。
實言(まこと)、「天晴(あつぱれ)」と賞賛(い)ふほか術(てだて)なし。
食後(めしのあと)の甘味(かんみ)は尋常(つね)のごとし。
"芒果雪葩(まんごそるべ)"に加(くは)へ、
"薔薇(ばら)の冰酪(あいすくりん)"も頂戴(いたゞく)。
「何(いづ)れ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4
家具(かぐ)武井(たけゐ) また來(き)たからには 餐(くら)ふのみ 蕃茄燉(あかなすにこみ) 蜂巢胃(うしのはちのす)
久々(ひさびさ)の『Bien』。
此度(こだみ)は、"前菜(さきづけ)"を拔(ぬ)き、
主菜・獸肉(ヴィヤンド)として、
"蕃茄燉蜂巢胃(ハチノスあかなすにこみ、まァトリッパ)"を選擇(えらむ)。
"甜點(あまきもの)"は、"西番莲(パッションフルーツ)の雪葩(そるべ)"、
飮料(のみもの)が"冰咖啡(アイス・コーヒー)"。
"茶菓子(ちやぐわし)"は"コンテ・ジャポン製(こしらへ)のラスク"。
對價(あたひ)、二千圓餘(にせんゑんあまり)。
『コンテ・ジャポン』老板(あるじ)とは親(した)しき仲(なか)と云ふ。
想像通(おもひどほ)りの"蕃茄燉蜂巢胃(ハチノスあかなすにこみ)"。
愚按(やつがれおもふに)、
「まァトリッパ!」と賞賛(たゝ)へらるべき水準(たかみ)。
西番莲(パッションフルーツ)の味(あぢ)濃厚(こ)き雪葩(そるべ)には、
霎時(しばし)、辭(ことば)を失(うしな)ふ。
"酸(さんみ)"と"甜(あまみ)"に、仄(ほの)かなる"風韻(かをり)"、
競合(きそひあ)ひ、佐合(たすけあ)ひ、舌上(したのうへ)に躍動(をど)る。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4
空肚(はらすき)て 漸(やうやう)來(き)たりし 爰(こゝ)『Bien』 清湯(しる)を乾(ほ)すには 銀(しろかね)の湯匙(さじ)
久方(ひさかた)ぶりの『Bien』。
「尤(いと)稀有(めづら)しき清湯(こんそめ)がござりまする。」
との辭(ことば)に釣(つ)られ、「晝飧(ひるめし)D(でえ)」、
すなはち、湯(しる)と菓子(くわし)をともに頂(いたゞ)くことに、、。
掃愁帚(さけ)は薔薇色葡萄酒(ろぜ)。
前菜(さきづけ)として"蘇格蘭(すことらんど)燻製鮭(いぶしざけ)"。
泥炭(でいたん)以(も)て燻(いぶ)したるものと云ふ。
上(うへ)には、法國産乾酪(ふらんすちいず)に、大徳寺納豆(だいとくじなつとう)。
"雞湯(コンソメ・ド・ヴォライユ、とりのすまし志゛る)"には、
雞胸肉(とりむねにく)と香味菜蔬(かをりのあをもの)を用(つか)ふ。
外觀(みため)・風味(あぢかをり)、
ともに、清(きよ)らかに澄(す)み、なかなかに佳味(よきあぢ)。
"主菜(しゆさい)"は"肉(ヴィアンド)"。
二種(ふたくさ)あるうちより、
白葡萄酒(しろ)にて燉(にこ)みたる"牛頬肉(うしほゝにく)"を選擇(えらむ)。
「牛頬肉(うしほゝにく)を炮(あぶ)りて燉(にこ)みたるもの」との説明(はなし)。
齒應(はごた)へ、鹵(しほ)、滋味(おくぶかさ)、
何(いづ)れも適切(ほどよ)く、
瞬(またゝ)く中(うち)に鐵鍋(くろがねのなべ)は空(から)となる。
師傅(おやかた)の面目躍如(めんもくやくじよ)。
最後(いやはて)に、
油滴天目茶碗(ゆてきてんもくぢやわん)擬(もど)きに抹茶(ちや)を頂(いたゞ)く。
上質(よ)き茶(ちや)なるは疑(うyが)ふべくもあられど、
それを利(き)ゝ分(わ)くるほどの力量(ちから)なし。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :萊茨(Leitz)徠卡(Leica)Macro Elmarit R 2.8/60 @F2.8~F4.5
晝飧(ひるのめし) 葡萄酒(さけ)もたまには "アルザス"を 好(す)きでたまらぬ ペドロ・ヒメネス
此度(こだみ)は、以前(まへ)に啖(くら)ひしものゝ組合(くみあは)せ。
"コルシカ島(じま)豬肉(ぶたにく)テリーヌ"、
"豬内臟(ぶたもつ)白葡萄酒煮(しろワインに)"、
"法國産(フランスさん)冰酪(アイスクリン)、ペドロ・ヒメネス添(ぞ)へ"。
赤葡萄酒(さけ)は、
"エルザス(アルザス)"Eric Rominger(エリック・ロミンガ(ロマンジェ))。
"豬肉(ぶたにく)テリーヌ"、"冰酪(アイスクリン)"とも、
前例(まへ)に寸毫(つゆ)異(こと)なることなく、頗(すこぶ)る美味(よきあぢ)。
小皿(こざら)は、近傍(ちかく)で入手(てにいれ)たと云ふ古伊万里(こいまり)。
東道(あるじ)武井師傅(たけゐおやかた)、
"Cristofle(クリストフル)"牌(じるし)の金屬洋食器(カトラリ)など、
骨董品(ふるだうぐ)を巧妙(たくみ)に用(つか)ひこなす。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :萊茨(Leitz)徠卡(Leica)Macro Elmarit R 2.8/60 @F2.8
萊茨(Leitz)徠卡(Leica)Super Angulon R 4/21 @F8
萊茨(Leitz)徠卡(Leica)Elmarit R 2.8/35 @F4
桐箪笥(きりだんす) 狹(せま)き廚(くりや)の 眞背後(まうしろ)に そこの抽斗(ひきだし) 何(なに)を弄(まさぐ)る
この日(ひ)の晝飧(ひるめし)は、
前菜(アントレ)として"香腸(ソーセージ)"、
肉(ヴィアンド)が"仔羊(こひつぢ)ナヴァラン"、
菓子(デセール)として"薔薇(ばら)冰酪(あいすくりん)"なる構成(くみたて)。
"仔羊(こひつぢ)ナヴァラン"のみ東道(あるじ)手製(てづからつくりしゝな)。
"香腸(ソーセージ)"には"Laguiole"牌(じるし)、
そのほかは"Cristofle"牌(じるし)の金屬洋食器(カトラリ)。
ともに法國舶來品(おふらんすわたりのもの)。
燉(にこ)む鍋(なべ)は法蘭西(おふらんす)"Le Creuset"、
片手鍋(かたてなべ)はと窺(うかゞ)ふに、
越後(ゑちご)燕(スワロシチ)宮嵜製作所製(みやざき)"Geo"牌(じるし)。
叮嚀(ねんごろ)に磨(みが)かれ、鏡(かゞみ)かと錯覺(みまがふ)。
"仔羊(こひつぢ)ナヴァラン"には、
風習(ならひ)の仔羊肉(こひつぢにく)と蕪(かぶ)に加(くは)へ、
胡蘿蔔(にんじん)、蕃茄(とまと)、西蘭花(ぶろつこり)、 甘藍(きやべつ)、
香茹(しいたけ)、山毛欅占地(ぶなしめぢ)と云ふ陣容(かほぶれ)。
適度(ほどよ)く燉(にこ)まれ、調味(あぢつけ)も適切(よきほど)。
煮汁(にじる)を餐匙(さじ)に掬(すく)ひ、
無作法(はしたなく)も、麪麭(ぱん)に吸(す)はせて堪能之(これをあぢはふ)。
善哉(よいかな)、善哉(よいかな)!
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :高千穗光學 奧林巴斯(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto-Macro 2/50 @F2~F4
東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2016年10月撮影分
胃(い)の中(なか)に 魚(うを)も獸(けもの)も 棲息(す)みにける 吭(のど)の奧(おく)より 鹿(しか)ぞ哭(な)くなる
前囘(まへに)、
「次囘(つぎは)"鹿肉(かのしゝ)のブレザオラ"啖(くら)ぶべし」、
との約束(はなし)があり、久々(ひさびさ)當家(こちら)に、、。
頃(ころ)は、八つ時(やつどき)も間近(まぢか)のこと。
倩(つらつら)金屬洋食器(カトラリ)の類(たぐひ)を觀察(み)るに、
過半(あらかた)"Christofle牌(じるし)"。
周知(あまねくしら)るゝごとく法國(ふらんす)渡來(わたり)の品(しな)。
眞新(まあたら)しきものならで、適度(ほどよ)く枯(か)れたもの。
件(くだん)の"鹿肉(かのしゝ)のブレザオラ"より、
松露(せうろ)の芳香(かをり)漂(たゞよ)ひ來(きた)る。
勿駭(おどろくなかれ)、黑(くろ)き粒(つぶ)は松露(せうろ)ならで、
洛(みやこ)の「"大徳寺納豆(だいとくじなつとう)"」。
『大徳寺一久』にて沽(か)ひ求(もと)めたるものと云ふ。
"大徳寺納豆(だいとくじなつとう)"は唐山(もろこし)"豆豉(ドウチ)"、
"大徳寺麩(だいとくじふ)"は異朝(あちら)の"烤麩(ガオフ)"に同(おな)じ。
松露(せうろ)の馨(かをり)の正體(しやうたい)は"松露油(トリュフオイル)"。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4
東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Flektogon 2.8/20 @F8
わての肚(はら) 脾撓(ひだる)くなれば 春日部(かすかべ)の 三色(みいろ)の旗(はた)に 魅入(みい)られ過(す)ぎかも
【2017-01-09追記】:
この日(ひ)は、前菜(アントレ)が"鴨(かも)ブレザオラ"、
肉(ヴィアンド)として"豬五花肉(ぶたばら)ブレゼ"、
菓子(デセール)に"拔絲草莓(いちごカラメリゼ)"、
飮料(テ)は"冰鎭咖啡(アイスコオフィ)"、と云ふ構成(ながれ)。
"ブレザオラ"とは、端的(はや)い説明(はなし)、"火腿(ハム)"の類(たぐひ)。
鹽(しほ)をして熟成(ねかしうら)すこと十日(とほか)。
その旨味(うまみ)、
臼齒(おくば)より溢(あふ)れて口中(くちのなか)へと浮騰(ほとばし)る。
"豬五花肉(ぶたばら)ブレゼ":
その外見(みため)、打扮(いでたち)たるや、
夏華(もろこし)杭州(かうしう)、"東坡肉(とうばにく)"を髣髴(おもはす)。
硬(かた)からず、柔(やは)らかに過(す)ぎぬ齒應(はごた)へ。
甜(あまみ)は、ペドロ・ヒメネスと赤砂糖(あかざたう)由來(ゆらい)とのよし。
そも、豬肉(ぶたにく)と甜(あまみ)は、「梅(むめ)に鶯(うぐひす)」。
"蜜瓜火腿(なまはむめろん)"、"蜜汁叉燒 (やきぶたみつゞけ)"、
"咕嚕肉(すぶた)"、"糖醋排骨(くろずゝぶた)"などその證左(あかし)。
草莓(いちご)は些(いさゝ)か小振(こぶ)り。
異朝(もろこし)魯國(ろのくに)の"拔絲(あめだき)"を髣髴(おもはす)も、
絲(いと)を引(ひ)くことなし。
さりとて、屋臺(やたい)の"蘋果飴(りんごあめ)"とも異質(ことなる)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :Kern 微距(Macro) Switar 1.8/50 @F2.4
東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4
舐(ねぶ)りつゝ ひとり喰(く)ふ日(ひ)の 東道(あるじ)らは いかに優(やさ)しき ものとかは知(し)る
【2016-12-18追記】:
東道(あるじ)、
"武井箪笥店(たけゐたんすてん)"三代目(さんだいめ)とのよし。
創業以來(あきなひのはじめよりこのかた)、桐材(きりざい)を活業(なりはひ)とし、
桐箪笥(きりだんす)を扱(あつか)ふも、今(いま)はかくのごとき商賣(あきなひ)に。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :高千穗光學 奧林巴斯(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto-Macro 2/50 @F2~F4
【2016-12-03追記】:
此度(こだみ)は、
前菜(オードヴル)に、"セルヴェル・ド・カニュ"、
肉(ヴィアンド)として、"カスレ"と云ふ選擇(えらみかた)。
師傅(おやかた)、自信作(むねをは)りて已(や)むことのなき"カスレ":
幾種(いくゝさ)もの鳥獸肉(とりけだものゝしゝ)と豆(まめ)の燉(にこみ)。
心持(こゝち)よき芳香(かをり)小人(それがし)が鼻竅(はな)を射(い)る。
その儘(まゝ)では強(つよ)めの鹽(しほ)は、
葡萄酒(さけ)と合(あ)はすや、須臾(たちまち)適度(ほどよき)鹹(からさ)に、、。
豬肉(ぶたにく)は上質(よ)き"東坡肉(とうばにく)"を髣髴(おもは)せ、
隱々(かすか)に癖(くせ)のある薫(かをり)は羊肉由來(ひつぢよりきたりし)か?
家鴨(あひる)、もしくは雞(とり)と思(おぼ)しき鳥肉(とりにく)も、、。
白腎豆(しろいんげんまめ)も原形(もとのかたち)を保持(たもつ)。
菓子(デセール)は"芒果雪葩(マンゴ・ソルベ)"。
これまた法國渡來(フランスわたり)のものと云ふ。
雪葩(ソルベ)と云ふより、
鮮芒果(なまのマンゴ)をその儘(まゝ)凝縮(につめ)たるがごとき味(あぢはひ)。
滑(なめ)らかなること、絹(きぬ)のごとく、
甜(あま)きこと、栗甘露煮(マロン・グラッセ)に髣髴(さもにたり)。
世(よ)に阿(おもね)り、民(たみ)に侫媚(へつら)ひ、
漫(みだり)に沙糖(さたう)を控(ひか)ふるは、法國菓子(フランスぐわし)にあらず。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :旭光學 賓得(Pentax)S-M-C Takumar 1.8/55 @2.4~F4
【2016-11-18追記】:
此度(こだみ)は"咖哩(カレー)"。
米飯(こめのいひ)なかりしかば"麪麭(ぱん)"を用(つか)ふ。
なかなかに香辣(スパイシー)なれど、
大量(おほく)の洋葱(たまねぎ)による奧行(おくゆき)が今一(いまひと)つか?
"菓子(デセール)"は法國渡來(フランスわたり)の"草莓(いちご)の雪葩(そるべ)"。
甜(あまみ)、酸(さんみ)、馨(かをり)の調和(てうわ)が取(と)れ、
「實言(まこと)佳味(よきあぢ)!」と云ふべし。
善哉(よいかな)、善哉(よいかな)!
眼前(めのまへ)にて向調合(あはせな)んとするは、"ソース・ヴィネグレット"。
能(よ)く蔬菜(あをもの)に和(あ)へてサラドとなす。
この日(ひ)は"茶(テ)"として、"煎茶(せんちや)"を選擇(えらむ)。
京師(みやこ)、柳櫻園茶舖製(りうあうゑんちやほせい)の上等品(よきしな)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4
【2016-11-07追記】:
赤貧如洗(あらふがごときまづしさ)故(ゆゑ)、
「此度(こだみ)は"咖哩飯(かりいめし)"でも啖(くら)はゞや」と意(おも)ひしに、
「啤酒燉牛肉(うしにくビールに)がござりまする」の誘惑(さそひ)に瞬殺(コロリ)。
その容(さま)、猫(ねこ)に木天蓼(またゝび)、蜜(みつ)に蟻(あり)。
かくて、選擇(えら)みし"D"なる品(しな)。
前菜(オードヴル)、湯(スープ)、肉(ヴィアンド)、菓子(デセール)、茶(テ)。
"テリーヌ・ド・カンパーニュ"を前菜(オードヴル)として擇(えら)み、
肉(ヴィアンド)が"啤酒燉牛肉(うしにくのビールに)"。
湯(スープ)は"胡蘿蔔(にんじん)の濃湯(ポタージュ)"、
菓子(デセール)は"法國冰酪(フランスのアイスクリン)ペドロヒメネス添(そ)へ"。
自家製(てづからこしらへたるもの)にはあらねど、法國渡來(ガリアわたり)の、
"テリーヌ・ド・カンパーニュ"と"冰酪(アイスクリン)"は尤美味(すこぶるうまし)。
手製(そのてになる)"啤酒燉牛肉(うしにくのビールに)"は勿論(いふもさらなり) 。
豪州牛(がうしうゝし)の頬肉(ほゝにく)を用(つか)ひ、
白耳義麥酒(ベルギービール)以(もて)燉込(ゆるりとにこ)む。
纔(わづ)か西洋時辰儀(せいやうとけい)にして一字間半(いちじかんはん)とのよし。
その味(あぢはひ)の複雜玄妙(おくぶかき)こと、深海(ふかきうみ)のごとし。
徹底的(よ)く炒(いた)めたる洋葱(たまねぎ)に、
この白耳義啤酒(ベルギーびいる)固有(ならでは)の酸味(さんみ)と、
白胡椒(しろこせう)の馨(かをり)が加(くは)ゝる。
師傅(おやかた)に據(よ)らば、
「加旃(くはふるに)、"Veg broth(ベジ・ブロス)"の貢獻(てがら)あり」と、、。
蔬菜屑(あをものくづ)より叮嚀(ねんごろ)に引(ひ)きたるものにて、
駭(おどろ)くばかりに、淡麗(あはくきよらか)なる味(あぢはひ)。
"ペドロヒメネス"と云ふは、
西班牙(イスパニア)に産(さん)する葡萄(ぶだう)の種類(ひとつ)にして、
これを葡萄乾(ほしぶだう)とし、
白蘭地(ブランデー)に漬(つ)けたる雪利酒(シェリーしゆ)とのよし。
法國冰酪(フランスのアイスクリン)との相性(とりあはせ)たるや、
正(まさ)に、梅(むめ)に鶯(うぐひす)、唐獅子(からじゝ)に牡丹(ぼたん)。
「獨學(ひとりてならひ)」と謙遜(へりくだ)りながらも、
その技倆(うで)と感覺(センス)は近邊(あたり)で無雙(ならぶものなし)。
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【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡頭】 :東蔡(Carl Zeiss Jena)MC Pancolar 1.8/50 @F2.4~F4.5
【2016-10-21記】:
日光街道(につくわうかいだう)粕壁宿(かすかべじゆく)。
倩(つらつら)當地(このち)の西餐(せいやうれうり)を窺(うかゞ)ふに、
思(おも)ひ浮(う)かぶは、
地中海菜(ちゝゆうかいれうり)『シェ・ウメツ』、野味(けものにく)『アレコ・レーノ』。
當家(こちら)、『Bien』を知(し)れりしは、
今(いま)を遡(さかのぼ)ること、纔(はつ)か一月前(ひとつきまへ)。
この日(ひ)、西洋時辰儀(せいやうどけい)十三字(じふさんじ)、
勇躍(いさみて)扉(とびら)を開(ひら)く。
賈内(なか)に賓(まらうど)は居(を)らで、
御内儀(おかみ)、莞爾(につか)と小人(それがし)を迎(むか)ふ。
菜單(しながき)は黒板(こくばん)にあり。
肚工合(はらぐあひ)を考慮(かんがへ)、"C"を選擇(えらむ)。
湯(スープ)と菓子(デセール)は二者擇一(ふたつよりひとつえらむやりかた)。
躊躇(たゆた)ふことなく菓子(デセール)を擇(えら)み、
前菜(オードヴル)、肉(ヴィアンド)、菓子(デセール)、茶(テ)、
小菓子(プティフール)と相成(あひな)る流(なが)れ。
前菜(オードヴル)六種(むくさ)より"コルシカ島(たう)のテリーヌ"、
主菜(ヴィアンド/ポアソン)四種(よくさ)の中(なか)より、
"仔羊肉(こひつぢ)白葡萄酒煮(しろワインに)橙風味(だいだいのかをり)"、
菓子(デセール)四種(よくさ)より、"法國製(フランスの)冰酪(アイスクリン)"。
櫃臺(カウンタ)には午餐墊子(ランチョンマット)が敷(し)かれ、
その上(うへ)には、餐刀(ナイフ)と餐叉(フォーク)。
因(ちな)みに、設置法(おきかた)は、仰向(あふむ)けの英國式(あんげりあしき)*)。
餐巾(ナプキン)は大(おほ)きめの烹調紙(クッキングペーパー)のごときもの。
最初(いやさき)に、紅葡萄酒(あかワイン)を高脚盞(ぐらす)に貰(もら)ふ。
ほどなくして"コルシカ島(たう)のテリーヌ"が此方(こなた)に、、。
罐詰(かんづめ)のテリーヌを匙(さじ)にて粗(あら)く掬(すく)ひたるもの。
生蔬菜(なまのあをもの)ゝ上(うへ)に載(の)る。
美味(よきあぢ)、
寔(まこと)、美味(よきあぢ)!
テリーヌの壓倒的(ひれふさんばかりの)旨味(うまみ)に辭(ことば)を失(うしな)ふ。
口内(くち)に殘(のこ)る膏(あぶら)は蔬菜(あをもの)にて漱(くちすゝ)ぐ。
次(つ)いで、
"仔羊肉(こひつぢ)白葡萄酒煮(しろワインに)橙風味(オレンヂふうみ)"。
徐(おもぶる)にこれを吟味(あぢはふ)に、
秋毫(つゆ)臭氣(くさみ)なく、爽(さは)やかなる旨味(うまみ)が擴散(ひろがる)。
彩(いろどり)も見事(みごと)。
乾燥蕃茄(ほしとまと)の紅(くれなゐ)、胡蘿蔔(にんじん)の橙(だいだい)、
西葫蘆(ズッキーニ)・西蘭花(ブロッコリ)の緑(みどり)、
黄椒(パプリカ)の黄(き)、香茹(しいたけ)の黑(くろ)、、。
麪麭(パン)は當地(このち)では珍(めづら)しき黑麥麪麭(ライむぎパン)。
福島(ふくしま)の麪麭商(パンや)に依頼(たの)みて誂(あつら)へたるものと云ふ。
塑料袋(ビニルぶくろ)入(い)りのせゐか、外皮(クラスト)が柔(やは)らか。
氣泡(あは)も半點(いさゝか)小(ちい)さめ。
"法國製(フランスせい)冰酪(アイスクリン)":
香草(ヴァニラ)の黒(くろ)き粒(つぶ)が顯著(あらは)。
匙(さじ)にて掬(すく)ひ、これを堪能(あぢは)ふに、
一言(ひとこと)、「美味(びみ)!」と呟(つぶや)くほか、術(てだて)なし。
夫婦(めをと)兩個(ふたり)による零細(ほそぼそ)たる商賣(あきなひ)。
東道(あるじ)、常(つね)に微笑(ほゝゑみ)を絶(た)やさで、
心底(こゝろより)烹調(れうり)を愉(たの)しみ、
賓(まらうど)を悦(よろこ)ばさんとす。
六十歳(むそぢ)ばかりの好々爺(やさしきおきな)と推察(おも)ひしかど、
「滿五十二歳(まんいそぢあまりふたとせ)」とのこと。
「ほゞ獨學(ひとりならひ)」と謙遜(へりくだる)。
とは云へ、『ダロワイヨ』、『マキシム』にて製麪麭(ぱんづくり)せしことありと、、。
この道(みち)を志(こゝろざ)す契機(きつかけ)はポール・ボキューズ。
勿論(いふまでもなく)、新派法國菜(ヌーベルキュイジーヌ)の旗頭(はたがしら)。
近會(ちかごろ)流行(はやり)の烹調法(わざ)を嫌(きら)ひ、
已(すで)に「古典(こてん)」とも呼(よ)ぶべきボキューズを敬(うやま)ふ。
店内(なか)に小洒落(こじやれ)たる景色(けしき)なく、
そこいらの家庭(いへ)のごとき設(しつら)へ・佇(たゞづま)ひ。
とは云へ、鍋(なべ)の類(たぐひ)は悉(ことごと)く磨(みが)かれ、
最上質(いとよ)き鏡(かゞみ)かと疑(うたが)はる。
廚(くりや)より流(なが)るゝ絲竹管弦(しちくゝわんげん)の索(たづ)ぬるに、
紛(まが)ふ方なき眞空管 増幅器(くわんきうアンプ)。
近傍(ちか)くの増幅器廠商(アンプのつくりて)が持込(もちこ)みたるものと云ふ。
その巧拙(よしあし)、審(つまび)らかならず。
小菓子(プティフール)は、洛(みやこ)への逆旅(たび)の土産(みやげ)とか。
それを古伊萬里(いにしへのいまり)の小皿(こざら)に、
咖啡(コーフィ)は徳國(ドイツ)Seltmann Weidenの器(うつは)に盛(も)る。
なかなかに粹(いき)で纖細(こまやか)なる配慮(こゝろくばり)。
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*)MSSBHNS氏 氏に據(よ)る
【照相機】:東京通信工業 索尼(Sony) α7 II 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
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店名 |
Bien(ビアン)
|
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ジャンル | ビストロ、フレンチ |
お問い合わせ |
048-763-9928 |
予約可否 |
予約不可 |
住所 | |
交通手段 |
春日部駅から104m |
営業時間 |
|
予算 |
¥1,000~¥1,999 |
予算(口コミ集計) |
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード可 (JCB、AMEX、VISA、Master) 電子マネー可 (交通系電子マネー(Suicaなど)) QRコード決済可 (PayPay、d払い、楽天ペイ、au PAY) |
席数 |
9席 |
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個室 |
無 |
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間、カウンター席あり、電源あり |
ドリンク | ワインあり、ワインにこだわる |
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利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
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ロケーション | 隠れ家レストラン、一軒家レストラン |
お子様連れ |
子供可(乳児可、未就学児可、小学生可)、ベビーカー入店可 |
オープン日 |
2012年10月6日 このお店はリニューアルしました。※リニューアル前の情報は最新のものとは異なります。 |
備考 |
都内移転のため一旦閉店しましたが、新型コロナの影響により、2020年7月17日、元の地にて再開。 |
初投稿者 | |
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東蔡(Carl Zeiss Jena)紅 MC Pancolar 1.8/50 @F2.4 ※2017-03