貧乏人でも鮨は食べられる。 : 輝鮨

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3.6

¥6,000~¥7,9991人
  • 料理・味3.6
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.6
  • 酒・ドリンク3.5
2018/10訪問1回目

3.6

  • 料理・味3.6
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.6
  • 酒・ドリンク3.5
¥6,000~¥7,9991人

貧乏人でも鮨は食べられる。

回らない鮨屋なんて一生行けない、
なんて思っていたんだ。

私は貧乏だから、食事に1万円もかけられない。
しかしオフ会でレビュアーさんがみんな
「1万円以下で美味しい鮨は食べられないね」
なんて口を揃えて言っていたから、
鮨は一生食べられないんだと、諦めていた。

そのオフ会から数日後、
我が尊敬するレビュアーさんから
鮨屋へのお誘いがあった。
なんと、飲み物含めて6000円で食べられるらしい。

場所は、蕨。
私が志望していた高校がある。
成績、というより立地が良かった。

私の地元はなんにもない田舎だから、
ここを抜け出し、都会へ出ることを強く望んでいた。
当初の私にとって蕨とは、
大宮に次ぐ2番目の「都会」。
カラオケ、ファミレス、なんでもあるじゃん、
寄り道して遊べるじゃん...なんて考えていた。

しかし、倍率が県内で2.3位を争うくらいに人気だったから諦めてしまった。
成績が悪かったからじゃない。
もう一度言う、
成績が悪かったわけじゃない。
あそこは人口が多いのだ...

今は毎日東京に通っていているから、
蕨なんて全く都会に見えないが、
マイレビ様は
「栄えているね」「千住に似てるね」
なんて仰る。

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2018.10.某日 18:00
私は緊張していた。
鮨屋の店主は強面で、客に対しては厳しい、
なんてイメージをもっていたから...

まず、だされたものは順番に、左から右へ、食べられなければいけない。
好きなものから食べたら当然怒られる、
というより「二度と来るな」と怒鳴られる。

また、鮨は一口食べなければいけない。
これは鮨屋における常識であるが、
一口が小さい私は、いつもちびちびと齧り付く故、一口で食べることに慣れていない。
鮨を食べようとすると、口に収まりきらず、ポロポロと溢れるだろうが、
それた店主は怒鳴り散らすに違いない。

店内に入ると、
広くゆったりとした空間、
驚いたことに、店主は20代だ。

その店主が私にここに座るようにと仰る、
なんと店主の目の前だ...

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・お通し 北海道産 いくら
・しめ鯖と炙りしめ鯖
・白子 ポン酢
・愛知産 サヨリ
・大分産 カワハギ
・平目の昆布〆
・北海道産 サンマ
・大間産 赤身
・なめろう巻き
・雲丹
・大間産 中落ち
・穴子
・蟹の味噌汁

まず、マイレビ様がしめ鯖を注文した。
以前、私に鮨屋に行くことを勧めた方は、「カウンターに座ったらまず光り物で鮨屋の腕前を判断する」なんて言ってたかな。

私はマイレビ様の真似をする、
口へ放り込み、よく噛み、酢加減を確かめる...
酸っぱい、という感覚はなく、
噛むうちに広がる旨味、
これを腕の良い証拠というのだろうか。

店主が、その鯖を目の前で炙り出す。
その香ばしい匂いに包まれ、思わず
「ありがとうございます」と言ってしまった。

って、違う。
これ、頼んでないだろうが。

すると店主さん、「炙りますか?」

皿に半分残ったしめ鯖を手渡す。
店主がバーナーで軽く鯖を炙り、
皿はすぐに戻ってきた。

微かな香ばしい匂い。
じゅわりと脂が浮いた感覚。
両方食べてみないとわからない。

白子。
噛むと、ぷちっと膜が破れる、
その途端に濃厚なクリームがとろりと...
ああああ幸せ...

私は、天に舞い上がっていた。

サラダが欲しくなるね。
....って、
当然鮨屋にサラダはない。

しかし、一品料理に添えられた「飾り物」を、醤油にちょっと浸して食べると、これこそサラダだ。

ワカメはぷりっぷり。
生姜は爽やかな辛味と苦味を醸し出す。

こんなこと貧乏人がやることだろうが、
鮨屋じゃ許されぬ行為かもしれないが、
ここだと、何故か、気兼ねなくできるんだ。

握りは、何から選んだら良いんだろう?

そこで店主は、
「イカ、白身魚等さっぱりしたものから始め、徐々に味の濃いものへ。
合間に卵焼きを入れて、最後は巻き寿司で〆る。
しかし、そんな順番は何でもいいから、貴方の好きなように選びなさい。」
なんて仰った。

私の順番って何だろう。
子供の頃行った回転寿司を思い出してみる...

あの頃はほぼ食べ放題だった、
12貫か15貫か...
今じゃ考えられないくらい食べていた。

席に座ったら、ベルコンベアーから流れる鮨を目で追い、自分の好物をマークする...
これは、最後のお楽しみである。

私は昔からチャレンジャーだから、
まずは、食べたことないものを食べたかった。
そんな馴染みのないものから。
赤貝、馬鹿貝、ホッキ貝、とり貝、◯◯貝...
(貝しかない)

次に王道、
マグロ、海老に、軍艦巻き、いくらも入れて。

最後はマークしていた一番好きなやつ。

そうしよう。
それでいこう。
まず自分に馴染みのないものから...

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サヨリ。
ダツ目ダツ科。
透き通った、淡いピンク色。生姜がちょこんと添えられる。
光り物に見えて味は淡白、
薄く、ぺらっとして、すぐ消えてしまう。

カワハギ。
フグ目フグ科。
肝が添えられ、ねっとり濃厚。
フグをぺちゃんこにしたような姿だが、ぺちゃんこにしたとは思えぬ厚み。
フグより強いコリコリ感。

平目。
カレイ目ヒラメ科。
エンガワは私の好物であるが、身そのものに馴染みがないから試してみたいと思った。

そもそも回転寿司に売られているエンガワは主にカラスガレイであり、平目ではない。
つまり、私は本当の平目の味を知らない。

口に含むと、驚いた。
噛んでも噛んでももちもちとして、すごい弾力。
エンガワが取れる魚と同じものとは、到底思えない。

次、王道の。

サンマ
ダツ目サンマ科。

...ってこれ、王道のものじゃないでしょうが。
その通り。これは私の好物。
好きすぎて、目に入った瞬間、無意識にもこの魚の名を声に出てしまったのだ。
もう、順番なんてどーでもいいじゃないか。

刃のような銀色に、桜色の肉身。
生姜がちょこんと添えられる。
コリッとした瞬間、とろりと脂が広がり、
口の中で溶けてしまう。

中落ち、赤身握り。
マグロ。
スズキ目サバ科。

高級魚、大間産のマグロが、
内陸県=魚介類欠乏県さいたまでいただけるという、なんという贅沢。

その紅は、
女性の唇より、恋心に燃えるハートより、
深く、鮮やかで
なんと表現したら良いか分からない。
口に含むとぷるるんとして、
女性の接吻のようだった。

マイレビ様の注文でなめろう巻きもいただく。同じ海苔巻きでも、こちらはコリコリ。

合間にサービスの卵焼きを挟んで、
最後。
自分の一番好きなもの。

雲丹。
幼い頃は親に「新鮮でないものは苦いから回転寿司で食べるのはよしなさい」なんて言われたものだ。

しかしこれは至って新鮮。
魚介類欠乏県さいたまに、
どうしてこれほど新鮮な雲丹が存在するのか、不思議に思えてならない。

ひんやりと冷たい感覚、
濃厚な甘味と旨味。
舌いっぱいに広げ、とろりと溶けてゆく。

穴子。
ウナギ目アナゴ科。
私は異様な「甘党」
単なるスイーツ好きでなく、甘い味付けの料理が大好き。
これは鮨の中で唯一甘い料理であり、
鮨の中で最も好きなネタだった...

穴子の端の部分、中央の部分、
両方差し出されて、
どっちにする?なんて、
マイレビ様は仰る。
私は穴子を愛しているから、
彼のハートに寄り添いたい、
だからハートに近い中央の部分を選んだ...

その身は柔らかく、口の中で溶けてゆく。
うっとりする甘さと脂を広げて、消えてしまう...

蟹の味噌汁。
味噌汁で蟹だなんて、
貧乏人の私としてはとても贅沢。
蟹の旨味が凝縮され、
殻には少々がついている。

その肉を全て食い尽くそうと、
私は殻をバリバリに噛み砕く...
(良い子は真似しないでね)

これも許されぬ行為だろうが、
店主はにこやかに笑ってくださる。

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ドリンクは、
・梅干し 酎ハイ

日本酒は全く呑まないのに、
この日は1合も呑んでいた...

・望(bo:)
栃木県外池酒造の純米吟醸(無濾過瓶燗火入れ)。
栃木県産ひとごこち100%使用、栃木県産酵母、alc.16%。
「遥か遠くを見渡せるような透明感」と「端正かつ芳醇なまわるい甘み」、
また「buono」の意味を込めて「bo:」。
その通り、後から濃厚な甘味が広がる。

・上喜元 からくち ぷらす12
山形県酒田酒造の特別純米。
山形県産美山錦使用、自社酵母、alc.16.1%。
「ぷらす12」とは日本酒度。水との比重を示す数字だが、10を超えるとかなりの辛口になるそう。

金魚鉢のような盃が、
キンキンに冷えた状態で出される。
すっきり爽快な飲み口。

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ここが本格的な鮨屋だということを忘れていたかもしれない。
鮨屋ってこんなに気軽に来ていいんだ...
と思った。

だから、ここで鮨屋デビューすると、
本来もっと厳しいことを忘れてしまいそうで、
今後が怖くなる。

幸せだった。
ご馳走さまでした。

  • 輝鮨 - お通し いくら

    お通し いくら

  • 輝鮨 - しめ鯖

    しめ鯖

  • 輝鮨 - 炙りしめ鯖

    炙りしめ鯖

  • 輝鮨 - 白子ポン酢

    白子ポン酢

  • 輝鮨 - サヨリ

    サヨリ

  • 輝鮨 - カワハギ

    カワハギ

  • 輝鮨 - 雲丹

    雲丹

  • 輝鮨 - サンマ

    サンマ

  • 輝鮨 - 中落ち

    中落ち

  • 輝鮨 - 平目

    平目

  • 輝鮨 - なめろう巻き

    なめろう巻き

  • 輝鮨 - 穴子

    穴子

  • 輝鮨 - 穴子

    穴子

  • 輝鮨 - 卵焼き

    卵焼き

  • 輝鮨 - 赤身

    赤身

  • 輝鮨 - 蟹の味噌汁

    蟹の味噌汁

  • 輝鮨 - 梅干し 酎ハイ

    梅干し 酎ハイ

  • 輝鮨 - ガリハイ

    ガリハイ

  • 輝鮨 - 望(bo:)

    望(bo:)

  • 輝鮨 - 望(bo:)

    望(bo:)

  • 輝鮨 - 上喜元 からくち ぷらす12

    上喜元 からくち ぷらす12

  • 輝鮨 - 上喜元 からくち ぷらす12

    上喜元 からくち ぷらす12

  • 輝鮨 - レモンハイ

    レモンハイ

  • 輝鮨 - メニュー

    メニュー

  • 輝鮨 - メニュー

    メニュー

  • 輝鮨 - メニュー

    メニュー

  • 輝鮨 - 外観
      って店名が見えぬぞ。

    外観 って店名が見えぬぞ。

  • 輝鮨 - 見えた。

    見えた。

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店舗情報(詳細)

店舗基本情報

店名
輝鮨
ジャンル 寿司
予約・
お問い合わせ

050-5595-8413

予約可否

予約可

住所

埼玉県蕨市中央2-2-9 ワコー第2蕨マンション 1F

交通手段

蕨駅より徒歩8分

蕨駅から364m

営業時間
  • 月・火・水・木・金・土

    • 17:00 - 23:00

      L.O. 22:30

    • 定休日
予算

¥8,000~¥9,999

予算(口コミ集計)
¥10,000~¥14,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード不可

電子マネー不可

QRコード決済不可

サービス料・
チャージ

なし

席・設備

席数

10席

(カウンター10席)

個室

貸切

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

近隣のコインパーキングをご利用ください

空間・設備

落ち着いた空間、席が広い、カウンター席あり、車椅子で入店可

メニュー

ドリンク

日本酒あり、焼酎あり、日本酒にこだわる

料理

魚料理にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

一人で入りやすい

こんな時によく使われます。

ロケーション

隠れ家レストラン

公式アカウント
オープン日

2018年6月6日

電話番号

080-5595-4060

備考

インスタ始めました♪

初投稿者

juunjuun(33)

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