祝、リニューアルオープン！　さいたま市に戻ってきた「る～ぱん」 : るーぱん 東大宮店

久しぶりの上尾訪問。
過去に「キセキ食堂」や「玄海寿司」「うどん河野」などの個性派の名店に連れて行ってくれた取引先の社長から今日もランチに誘われた。
言われたとおりに車を運転しているとほどなく見覚えある店に着いた。

閉店したはずの「るーぱん東大宮店」。

「るーぱん」とは埼玉県北部を中心に展開するイタリアンのチェーン店で、ファストフードっぽいライトな商品構成と安価な価格設定で、その昔さいたま市にも店舗が多数あった頃には「山田うどん」と並ぶ「埼玉県民のソウルフード」として多くの学生や若者が一時期必ずお世話になるような店だったそうだ。
（最近では星野源氏が学生時代に通っていたとして「蕨店」が聖地になっているらしい？）

ところが、バブルのころからの賃料の高騰で、さいたま市では店舗が維持できず、最後の砦だったここ「東大宮店」も夏前に閉店してしまっていた。

その「東大宮店」が10月末にリニューアルオープンしたらしい。

中に入ると「どこをリニューアルしたの？」と突っ込みを入れたくなるほど以前と変わらない薄暗い店内だった。

社長は「るーぱんは来たことあるでしょ？」と聞いてきた。
さすがに「初めてです」とは言わないが、ちょっとふざけて「男２人でスーツで来たのは初めてです」と言ってみた。

「オーダーは私に任せてね」
私は生粋の埼玉人ではないので、ここに来るときは埼玉人の妻に教えてもらった「赤」と「白」の「スープスパゲティ」とバターライス・ピザ・いくつかのおかず以外食べたことはなかったので、生まれも育ちも上尾という社長にお任せだ。

社長は「みそボロネーゼ２つね」。
いきなり「何だ、それ？」と思ったが、「昔小学校の給食で出てきたソフト麺にそぼろみそがかかっていたようなものかな」と勝手にイメージを作っていた。

しばらくすると「みそボロネーゼ」がやってきた。

ちなみにここの「ボロネーゼ」は真っ赤なボロネーゼソースで、トマトの味が強くとても酸っぱい。
見た目はこの「ボロネーゼ」と何も変わらない。
相変わらず真っ赤だ。

しかしひと口食べてみると、トマトの酸味に味噌の渋みが交わってとても香ばしく仕上がっている。
まるでデミグラスソースを加えたような味でとても美味しい。
パスタにもよく合っている。
ファーストフードっぽくないなかなか深い味だ。

すると社長が「ライスセット２つね」と追加オーダーをした。
すぐにこの店定番の「バターライス」が運ばれてきた。

パスタを食べ終わった後のソースの残りにそのバターライスを放り込むと、トマト味の強いハヤシライスを食べているようでこれもまたなかなか旨い。

トマトソースに味噌。
なかなかの取り合わせだと思ったと同時に、この社長の食に対する探究心は私なんぞ足元にも及ばないのかなあと思った。


「るーぱん」。
私の中では、函館の「ラッキーピエロ」、名古屋の「スガキヤ」と並んで「日本３大ローカルファストフード」のひとつである。

その唯一のさいたま市の店舗が戻ってきてくれたことはとても喜ばしい。

今日は朝から取引先に挨拶。
昨日までの欧州出張を終えて、久々の日本でのランチは当然ラーメンにするだろうと自分でも思っていたのが、足が向いたのはなんとこの店ピザ＆パスタ「るーぱん」。

この30代以上の埼玉県民にとっての青春の味を、三十路になってから埼玉県民になった私が懐かしがるのも変な話だが、ラーメンは欧州でもかなりのレベルのものを何回か食べたので、出張中にホテルのルームサービスで一度しか食べなかったスパゲティが恋しくなったのだろうか？

オーダーしたのはスパゲティ「ペスカトーレ（白）」のライスセット付き。
埼玉出身の妻に初めて連れてこられた時に「赤」を勧める妻に逆らって注文して以来の大好物だ。
おそらくは冷凍のシーフードミックスの具の入った海鮮ダシに塩とにんにく味のスープスパゲティ。
安っぽい気もするが洋風の塩ラーメン感覚で気軽に食べられるので全く飽きることがない。

そして、大事なことが「ライスセット」の存在。
昔、その存在を知らなかった時は、大盛りを食べて途中で飽きたこともあったけど、「バターライス」が付いてくるこの「ライスセット」は、パスタを食べ終わったスープにこのバターライスを投入して「リゾット」とまでは言えないけど洋風茶漬け感覚で美味しく食べられてお腹もいっぱいになる。

今回同行していた若いスタッフ（埼玉在住５年）はこの店を知らなかったらしく、この組み合わせにとても驚いていた。とともに次回は息子を連れてくると力強く語っていた。

私が初めてこの店に来た頃は、浦和の駅前や大宮駅近くにも何店舗かあったと思う。
でも今では、さいたま市内ではほぼ上尾や蓮田に近いここ一か所しかなくなってしまった。
低価格を維持するために維持コストの高い市街地から撤退したのだろうが、若い利用者を開拓できなければこの店の未来はない。

私にとっては、名古屋の「スガキヤ」や函館の「ラッキーピエロ」と並ぶ、大好きな「ローカルファストフード」の店。
いつまでも続いて欲しいものである。