家の竣工祝いに : パッ・ド・シャー

祝いシリーズです。
今度は改装中だった家の竣工記念ディナーです。

緊急事態宣言開けでしたが、お客は我が家だけ。
お話を伺うとやはり食材の仕入れが大変で、量が見込めないせいか良質な食材が
入手し辛くなっているそうです。

ということで現在も夜のコースは一種類だけ（6500円）です。

・アミューズ
胸燻製+ブラッドオレンジ
アボカド+クリームチーズ+サーモン燻製
稚鮎のマリネ

・オードブル
オマール海老のサラダ

・スープ
栃木産菊芋のスープ

・魚料理
熊本産アサリのジュースのバターソース
三浦産の真鯛のポワレ

・お口直し
甘夏のグラニテ

・メイン
イチゴ肉(牛お尻)のロースト、ドフィノワ、アスパラ、マデラソース

・デセール
グレープフルーツのプリン、フランボワーズと木苺のアイス、苺のワッフル

・プチフール
さくらのフィナンシェ、マンディアン、ポルボロン

あいにくデセールは撮り忘れ。
本来一品一品じっくり味を反芻したいところなのですが、なにせ4月から暫くほったらかし
にしていたので、実は細かい味が忘れかけてます。
ただ前回同様お魚料理は素晴らしかったですね。家族の評価もお魚が一押し。
真鯛のポワレ、ほくほくの身と香ばしい皮のコントラストが絶妙です。
これとアサリのバターソースの合わせ技にはヤラレました・・・。
素材の味を生かしながらもソースで唸らせるこれぞ”ザ・フレンチ”です。
イチゴ肉のメインもマデラソースと良い相性で大変満足しましたが、真鯛のポワレの感動には
一歩及ばず。
デセールも素晴らしかった。最近お手軽にアイスクリームとフルーツの盛り合わせでお茶を濁す
お店が多い中、このお店はデセールまで手を抜かないところが素晴らしい。
”デセールまで味わってこそのフレンチ”がモットーのわが家にとって、このお店は貴重です。

ところで今回ワインはCave de tain の”Crozes-Hermitage 2017”を選びました。
半年前はPouilly-Fuisséを選んだので、もう一度と思ったのですが、リストを見てビックリ、
お値段がかなり上がっている・・・
しかしもっと驚いたのは、ワインの注文の後、シェフがやってきて「前回はPouilly-Fuisséでした
よねお値段が違って驚いたのでは？」と言われた時でした。
「よく憶えてるなぁ・・・」と内心驚きつつも「前回とは購入先が変わりまして・・・
前回のドメーヌからの入手が難しいので」と説明されて納得しました。
しかし”代役”の”Crozes-Hermitage 2017”もさすがピノの力強くも優雅な味は確り出ており、
このお店のワインのチョイスの確かさを感じさせてくれました。
優れたフレンチのお店はワインの品揃えもまた確かですね。
またお邪魔したいと思います。

さいたまに実家を持ってかれこれ40年も経つにもかかわらず、さいたまの知識に極端に乏しいわが家。家族団らんが出来そうなフレンチを探していたところ、まずはここにたどり着きました。

食べログで探してもランチが多く夜の情報がない為少し迷いましたが、18：30～5人でお願いしました。
お客は私達を含めて2組だけ。相変わらずコロナの影響は大きいですね。


さてここでお願いしたディナーはメインの前にお口直しのグラニテが付くフルコース。
アペリティフから前菜、スープ、フォアグラのポワレ、本日のお魚、お口直しとメインの肉料理、そしてデセールに最後のプチフールまでどれも手の込んだ素晴らしいお料理でした。

スープは夏らしくトウモロコシの冷製スープ。私には気持ち塩加減が強く感じましたが、それだけにトウモロコシの甘みが際立つ効果は十分です。
フォワグラのポワレのお味はわざわざ書くまでもなく、火入れも完璧で合わせの焼林檎とも本当に良く合うお味でした。
そして今回家族が一致した”イチ推し”はグリルしたスズキで帆立のすり身を巻いたお魚料理。
ソースは海老ミソベースで茄子とカリッと仕上げたオニオンリングと全てのお味が上手に調和しておりました。
お口直しのグラニテはパイナップルベース。爽やかな酸味が味覚をリフレッシュしてくれます。
メインは宮崎牛。
赤ワインソースがサシの甘さを調和して濃厚ながらもしつこさがなく、最後まで満足して食べられました。
そしてデセール。
これは私の中では本日お魚に並ぶ一品でした。
パンナコッタをベースに桃のコンポートをメインとし、桃のジュレを合わせ、キュウイ、ブドウ、そして自家製バニラアイスを添えた豪華版。これは季節を意識した素晴らしい取り合わせで最高に美味でしたね。私としては本日の”技術賞”を差し上げたいくらいでした。
そして最後のコーヒーにはプチフールが。
何と嬉しいことにボルドーのカヌレとホワイトチョコレート。
カヌレは表面はカラッと中はしっとりというボルドーの味そのもの。ホワイトチョコはジンジャーでアクセントをつけるという凝った趣向です。

今はコロナなので夜は一種類のコースのみらしいのですが、これで6500円のコースです。
各部に手の込んだ仕掛けが感じられ、コストを考えても十分な満足度だと思います。

さて本日は主賓の母（誕生日）が白を所望した為ワインは白を選択。
妻がソーヴィニヨンブランを希望したので「Pouilly-Fume la Moynerie2017」 を選びました。
爽やかで軽やかなグリーンノートを感じるPouilly-Fumeらしい味わい。
市場で買えば3000円前後のはず。これで4800円だったと思うので良心的ですね。
レストランなら市場購入価格の倍ぐらいが相場なんですが・・・。

シェフと少しお話出来たのですが、料理の感想を述べてくれるお客は非常に少ないそうです。
「フレンチに来るお客で料理に感想を持たない客はいないでしょう」という私のコメントに対しても言葉少なでした。
食べログにこうして書き込んでいる私が言うのも何ですが、食べログで後から書くくらいならその場でシェフに伝えた方が効果的なんですね。

最近のフレンチはどちらかと言えば素材重視であまり手を加えず、というスタイルが流行ですが、今回のお魚料理のようなクラシックなスタイルもやはり素晴らしい。
しかしこのクラシックスタイルは非常に時間がかかるそうで、最近はそこまで時間をかけることを避ける傾向があるんだとか。
そんな裏事情はなかなか見えないもんですね。

ともあれ、この近辺でこれだけのクオリティが楽しめるレストランは非常に貴重です。
また再訪させていただきます。