慈味深き佐賀ラーメン : らーめん もとむら

二年ぶりに来ました。佐賀ラーメンの重鎮、もとむらです。アルミのドアをガラッと開ければやはり佐嘉神社前にあった旧・一休軒の雰囲気を一番感じられるお店です。

日曜日の15時半頃。かなり中途半端な時間だったんですがひっきりなしにお客さんがやってきます。そういえば幼い頃に食べていた旧・一休軒で食べたラーメンもこんな夕どき前が多かったなあという気がします。これを勝手にプライム佐賀ラーメンタイムと呼んでます。

そんな一休軒へのノスタルジーを感じてしまったので、いなり【130円】を頼んでしまいした。白飯のご飯の150円より安いのが昔から不思議でした。もう大人になったんだからビビールも頼んじゃえと。いなりをつまみにラーメンを待ちます。

もちろん特製ラーメン【820円】です。生玉子入りのチャーシュー麺、これが特製。東京なら、ビブグルマンに載るくらいのお店なら1200円くらいはする代物です(個人の感想)。佐賀ラーメンの醍醐味はこの特製にあります。基本あっさりの豚骨スープにチャーシューの油分と卵黄のコクが加わり慈味な味わいに華が咲きます。

そしてまた畑瀬食品の麺が少ないんだわー。かなり多めのチャーシューに紛れて麺も一緒に平らげていくと、いつの間にか麺が無くなってます。この儚さときたら。替え玉なんか無いんです。ああ、まだ麺が食べたい、次来るときまでまた食べれない、この儚さ。

翌日はいちげんに行こうと思いました。もとむらで修行されたいちげんに。

佐賀に帰省した際、参らなければいけないラーメン屋さんは「いちげん」「幸陽閣」、そしてこの「もとむら」になります。旧一休軒のDNAが残るお店です。

相も変わらず眼光鋭い親父さんともっと眼光鋭いその息子さん。お母さんは本当に慎ましく朗らか、菩薩様のような接客です。幸陽閣のお母さんと共に佐賀のラーメンを慈悲深く支えてくださいます。

そしてやっぱり特製ラーメン(820円)。もとむらで特製食べたのは久しぶりでしたが、こんなだったっけ？と思うほどチャーシューの盛りが激しいです。卵黄が潰れるんじゃないかと思うほど。塩気は若干控えめですね。だからかはわかりませんが、他のお客さんはご飯より、おにぎりやおいなりさんを頼んでいる人が多かったです。私は頑なに白ご飯です。餃子(320円)を頼んでしまったのもありますが。

ラーメンは全体的に少し甘めの豚骨。脂っぽさはあまりありません。畑瀬食品の細いけどそんな極細ではない少し柔らかな麺。佐賀ラーメンの見本ですね。

佐賀市のらーめんもとむらです。

2016.4
3年ぶりに訪問です。ラーメン類は総じて20円に値上がりしていました。気持ち的な問題なのか久しぶり過ぎて思い出が風化したのか、値上がりしただけすごく美味しさが増した気がします。あと麺の量感も増えたような。あっさりしながら白いご飯に合うのは相変わらず。佐賀のお昼の顔です。

僕ら九州人はラーメンが大好きです。ラーメンを食べたら熊本のことを思ってください。そして寄付しましょう。熊本にラーメンの日常を。

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旧店名・鍋島一休軒として長らく営業なさってましたが、一休軒本店の閉店により店名を２年前くらいに変更されてます。一休軒本店は佐賀ラーメンのフラッグシップと思っていますが、もとむらさんはその味というかたたずまいを一番継承している気はします。私が幼少の時、一休軒本店で初めて食べた時、その美味しさに衝撃を受けその後のラーメン好きへと導かれる事になったのです。

ということで、特製ラーメン(800円)を頂きました。

特製ラーメンとは、チャーシュー多めで生卵がのってるやつです。見た目スープが薄そうですが、やさしい味ながらもそれなりにガツンと豚骨がきます。やさしさに包まれたならきっと目に映る全てものはチャーシューって感じです。ここのラーメンは佐賀の正統派。さらっとしたスープながらも豚骨の髄を充分感じさせ、麺は畑瀬食品の細すぎず固すぎない麺で、卵はもちろん生卵。海苔ものるね。これらが佐賀ラーメンの特徴であると思うし、それらがもとむらさんの出してきたラーメンから連想させていることに他ならない。なぜか白こしょうが卓上にあるのかは気になりますが。

「滋味」を評する佐賀のラーメンとしてど真ん中の味です。一休軒の流れを組む店舗としてもとむらは柔の拳。トキです。