よい子さんのマイ★ベストレストラン 2011

広い日本を楽しもう! 酒好きよい子の、旅するグルメガイド

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

マイ★ベストレストラン

1位

BAR Too (都電雑司ケ谷、東池袋、東池袋四丁目 / バー)

1回

  • 夜の点数: 3.7

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.7
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 -

2016/11訪問 2016/11/03

雑司が谷に佇む隠れ家bar。上品な接客はもちろん、キラリと輝くグラスにも注目あれ。

[東京都豊島区][来訪回数:24回]
2011/7/2(土)初訪、2016/2/16(火)再編集
池袋・雑司ヶ谷にあるオーセンティックバー。

池袋探訪の最後は、ここ「Bar too」で締めることにした。
午前1時少し前、ホテルから徒歩でお店に到着。
看板も何も出ていないので、入るのにちょっと勇気が要る。

カウンターは10席ほど。その背面に 2人掛けのテーブルが1卓。
この時間なのに、店内には常連と思われるお客さんが3名。
対するバーテンダーさんは2名、いずれも女性。

「看板もなければ、メニューもないバーなんです。」
物腰柔らかなマスターの言葉を受け、カウンター上を見れば、
37年もののウイスキーがすとんと置いてある。これは高そうだ。

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1杯目は、ハイボールの気分。
白州とグレンモーレンジを勧められ、後者で作っていただく。
50度以上あるウイスキー。炭酸で割ってもなお、華やかなモルトの主張を感じることができた。

お通しはヤギのチーズと、ドライフルーツ。
チーズの好みは、事前に聞いてもらえる。

2杯目は、バックバーに並ぶ赤十字マークが気になったので、それをマスターに尋ねてみる。
ハンガリーの薬草酒で、ウンダーベルクやイェーガーマイスターと同様、ストレートでいくか、炭酸やトニック割りにするか…
まずは味見ということで、グラスに1杯入れていただいた。
うん、これは強烈、飲めないことはないが、せっかくなので変化を付けようとグレープフルーツ割りに。

3杯目…
蠱惑的なグリーン色のボトルが気になり、何とはなしに触れていると、
「それはアブサンですよ」とバーテンダーさん。
アルコール70度弱を誇る、よもぎのリキュール「アンジェリーク」。

それをオレンジ風味のウォッカと、何かの魔法で割った、ほんのり緑色のカクテル。
まさにグリーンを思わせる、個性的な香りがグラスから広がるが、飲みにくさはない。
…気付いたころにはグラスは空、しっかり酔わせてもらっていた。

1:30にてラストオーダー。最後は、バーボンのロックで締めることにする。
「バッファロー・トレース」 甘い香りがふわりと漂う。
こちらのお店では、シングルを40mlで提供しているという。
シングルで飲んでも、たっぷりとお酒の味を楽しめるのが良い。
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あれから 4年半、
忘れた頃に顔を出すが、マスターには何とか覚えてもらっているのが嬉しい。
以前は女性3名体制だったが、そのうち一人が卒業され、代わりに男性バーテンダーが入った様子。

この店は、私の知る中で、最も美しい器で洋酒が飲めるバーでもある。
バーボンは、鋭いエッジが魅力的なバカラ・グラスで。
薬草酒のショットは、アールヌーボー調の彫り込みが美しい、脚付きのヴェネチアングラスで。
グラス選びのセンスはもちろん、そのグラスやカクテルを美しく魅せる照明も素晴らしい。

上品さを失わず、かつ楽しさのある雰囲気は、以前と変わらない。
それほど固い店ではないが、オーセンティックバーなので、
場の雰囲気を壊さないよう、客としても最低限のマナーをもって臨みたい。

棚の奥にある面白いお酒を探したり、グラスワインにチャレンジしたり、イメージでカクテルを作ってもらったり…
今まで頂いた中では、ホットバタードラム・カウ、柑橘ピールを浮かべた日本酒トニックが
特に印象に残る味である。

扉を開けるたびに新しい発見があり、訪れるのが楽しみな店である。
普段の行動範囲から少し遠いが、今後も末永くお付き合いしたい一軒だ。

  • 福島産の白桃「あかつき」とジンのカクテル。天然の甘みと香り高さ、これは絶品です!
  • モヒート。7年と3年のハバナクラブ(ラム)をブレンドする点が興味深い。タンブラーでなく、ロックグラスに清涼感を添えて
  • ブルームーン。カクテル言葉は "完全な愛" であり、かつ "出来ない相談" である

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2位

バー オープンドア B2 (北新地、西梅田、大阪梅田(阪神) / バー)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 3.2
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 -

2013/02訪問 2013/02/27

驚くべき研究心と向上心。女性マスターが生み出す渾身のカクテルを、ぜひ体験して。

[大阪市] [来訪回数:9回]
2013/2/26(火)
西梅田、大阪駅前第1ビルの地下2階にあるオーセンティックバー。

最初に訪れたのは 2011/6/4のことだった。
変幻自在に繰り出されるカクテルと、キレのある会話。
梅田に近いアクセスの良さもあり、大阪における私的メインバーのひとつになっている。

地下飲食街は非常に迷いやすいが、案内図はあるので、なんとかたどり着いてほしい。
店内はカウンターが10席程度。奥に小さなテーブル席もある。
一人でも二人でも、落ち着いた楽しい時間を過ごせる店だ。

スタッフは 2名とも女性。
店長はさっぱりした感じの京都っ子で、話しやすさが魅力。
バーテンダーたるもの、お酒に詳しいのは当たり前だが、
この方は本当に、自他ともに認めるカクテルマニア!

スタンダードカクテルに対する深い造詣とリスペクトを持ちつつ、
常に新しい可能性に挑戦する、その研究心と向上心には目を見張る。
まあ、単に勉強家というだけでなく、心からお酒が好きなのだろう (^-^)

特に、こだわりの野菜を使ったカクテル。他店では、なかなかお目にかかれない。
「グリーントマトのカクテル」「すだちと大葉のカクテル」…いずれも絶品であった。

フルーツに対する目利きも相当なもので、全国からこれぞという果物を仕入れ、カクテルに仕立てる。
本人が「漬物」と呼ぶ、フルーツ漬のスピリッツにも、まるで妥協はない。
常に最高の味わいを目指す、それが彼女にとって当たり前のスタンスだ。

今までに頂いたカクテル・フードを、いくつか紹介させていただく。
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■アイリッシュコーヒー
特別に選んだコーヒー豆をハンドミルで挽き、アイリッシュウイスキーを注いで火をつける。
青白い炎が立ってフランベ状態。
このとき、コーヒーの香味(オイル分)がアルコールに溶け、深く抽出される。

そのまま金属製フィルターでコーヒー豆を漉し、お湯を注ぎ足す。
グラスに注ぎ入れ、ホイップクリームをトッピング。
最後にマシュマロを串に刺し、コーヒーリキュールとシナモンを散らし、バーナーで炙って出来上がり!

コーヒーはフレンチローストと言おうか、渋みあふれる大人の味。
そこへマシュマロの甘さがぴったりはまる。
鼻先にシナモンが来るので、スパイシーな香りも存分に味わえる。

「甘い飲み物が苦手で、ブラックコーヒーと甘い食べ物の組合せを再現しようと思って。」
最後にマシュマロを持ってきたのは、某保険会社・アフ○ックのCMにマシュマロが出てくるのを見て、思い付いたそうだ(笑)

「自分でも気に入っているんですけど、もうちょっとコーヒーの酸味を出したいですよね…」
いや、十分美味しいですから。 (^-^)

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■テキーラと黒ビールのカクテル 「ジプシークイーン」
テキーラとブラックベリーのリキュール、黒ビールをビルドアップしたオリジナルカクテル。
オレンジとローズマリー、ローズフラワーで見た目にも鮮やかに。

甘さ控えめで、さっぱりいただける一杯。
カサノブレ(テキーラ)本来の甘みを引き出すため、あえてそれ以外の甘い素材を控えたのだという。
ソーダやトニックウォーターで割ったロングカクテルは一般的だが、
ビールを割材に使うところが、店長らしいひとひねり。
命名に隠されたストーリーは… 長くなるので、お店で直接聞いてみて(笑)

※命名はブラック・クイーンだったかもしれない。別途確認します…

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■林檎と柚子のマティーニ
佐渡島の「サンふじりんご」を使った、ある日のオススメカクテル。
林檎のマティーニというだけでなく、旬が重なる柚子を持ってくるところにセンスを感じる。
すりおろしりんごの柔らかな甘さと、軽やかに香る柚子。
冬の恵みを感じる一杯だ。

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■ブルームーン・ラベンダーのアレンジ
ラベンダーシロップを使った何か、というリクエストに応えて。
通常、すみれのリキュールを使うブルームーンを、ラベンダーで作っていただいた。
オリジナルのブルームーンより、さらに儚げな色彩。
意志が強そうな店長の、裏に隠れた(?)繊細さ、優しさを見たような気がした。

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■柿とジャックダニエルのカクテル
紫蘇や桜など、ジャパンリキュールの一種、「柿」。どう使うんだろう? と興味を持った。
店長いわく、ウイスキーに合うのだという。ほおー。
丸みを帯びた甘味、その一方で、ベルモット由来(?)のすっきりした飲み口。
なるほど、まとまりを感じる。これは面白い一杯だった。

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■オムレツのオープンサンド
ちょっと小腹が空いたとき、こんなバーメシはいかが。
目の前で卵を割り、フライパンで手際よく焼き上げてくれる。
味付けは強すぎず、お酒の邪魔をしない味。

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■ふっくらオイルサーディン
店内のオーブンで、香ばしく焼かれたサーディン。
旨みが凝縮されたオイルを、クラッカーに漬けて頂く…
オリーブオイル漬けなので、同じくオリーブを使うマティーニとの相性は抜群だ。

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店長は上述の通りカクテルマニア、どんなマニアックな話でも展開できる一方で、
バー初心者にも気軽に楽しんでもらいたい、という強い気持ちで仕事をしていらっしゃる。
「Barは、お酒の知識を得てから行くものではないのです。」
…まったく同感。

バーという空間に、少しでも興味をお持ちの方がいたら、まずは扉を開けてみてほしい。
思いっきり真摯にお酒に向かいあっている、チャキチャキの店長が待っているから。

  • テキーラと黒ビールのオリジナルカクテル「ジプシークイーン」(たぶん)
  • グリーントマトをジンと合わせたカクテル。野菜をうまくカクテルに取り入れている
  • すだちと大葉のカクテルはウォッカベース。ライムの代わりにすだち2個が入っている。香りも見事で澄んだ味

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3位

ふた夜の月 (福島、曽根田 / おでん、居酒屋、ダイニングバー)

1回

  • 夜の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.2
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 -

2014/11訪問 2014/11/18

濃い出汁の定番おでん vs 澄み出汁の創作おでん。日本酒の品揃えも見事な、女性店主のカウンターおでん。

[福島市] [来訪回数:2回]
2014/11/13(木)
JR福島駅の近く、置賜町にあるカウンターおでんの店。
3年ぶりの訪問。

場所は、福島駅から北東方面へ徒歩7分。
国道13号から、飲食店・夜の店がひしめく中央通りに少しだけ入ったところにある。

「ふた夜の月」とは、十五夜と、その翌月の十三夜のことを指すという。
いかにも女性店主らしい、たおやかな命名だ。

目立たない階段を上り、建物の2階へ。
店内はカウンターのみ10席程度、喫煙アリ。
ほぼ全席が埋まり、平日でも予約必須の超人気店だ。

カウンターの内側には、女性スタッフが3名。
接客はかなりフランクで、お客さんとのお喋りが盛り上がる。

カウンターには出張者のほか、常連さんが多いようだ。
ほとんど何も食べず、ちびちび飲むだけで、話し込んでいるお客さんも見られる。
盛り上がっているところに一人でお邪魔するのは、少々申し訳ないが(^-^;)

おでんは「濃い出汁」と「澄み出汁」に分かれている。
前者は定番の具が多く、カウンター奥の鍋からすぐに出てくる。
後者は創作系の具が多く、奥の厨房で仕上げるためやや時間が掛かる。

日本酒(特に純米酒)、焼酎の品揃えはかなりのもの。
地酒だけにこだわらず、全国各地から美味しい酒を集めた印象。
フルーツを漬けた和酒も、多く取り揃える。

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■福井・黒龍酒造「九頭竜」お燗(¥740)
小さなおちょこに、女性スタッフが一杯だけお酌してくださる。
酸味が強く、芳醇で、味わいの濃さを感じるお燗。

お通しは、鶏出汁を効かせた菜の花のおでん。

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■〔期間限定〕きのことにがり豆腐(¥360)
あっさり澄み出汁。おでんというより、上品な煮物の感覚。
大きなしめじ、えのき、大振りの木綿豆腐が入る。
ゆず風味のポン酢で、さっぱりと。

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■地鶏の月見たまご(¥210)
会津地鶏の卵を、出汁と大根おろしでさっと煮、半熟に仕上げたもの。
半熟玉子のおでんというのは、なかなかに斬新。
お出汁は飲み干してしまいたくなるほど、上品かつ旨味溢れる。

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■鹿児島・塩田酒造「六代目百合」
こちらの店、焼酎の品揃えもなかなかのもの。
見たことのない芋焼酎を、ロックで。

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■里芋(¥190)
濃い出汁のおでん。目の前の鍋からすぐに出てくる。
じゃがいものように見える、立派な里芋。
あったかくて、とろとろ(^-^)

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■手揚げがんも(¥230)
こちらも濃いだしのおでん。
扇田豆腐店による特製。ごま、人参、椎茸が入っている。
たっぷり出汁を染み込ませて食べると、これが美味しい。

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■スパイシー鶏だんご(¥310)☆4.0
澄み出汁、鶏スープおでん。
玉ねぎのみじん切りが効く、黒胡椒。
ラーメンスープのような旨味!

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■福島「奈良萬」ひやおろし(¥620)
格好いい冷酒グラス。
純米らしく口当たりまろやか、香りもまろやか。
これは美味しい酒!

日本酒を呑む際に、何も言わなくてもお冷やを出してくれる心遣いがあれば、
なお良くなると思った。

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■フルーツとまとの冷製おでん(¥360)
オランダ品種「カンパリ」トマト。
プチトマトではなく、中玉トマト。
冷たい出汁は昆布の風味が卓越。
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焼きつぶ貝・焼きはんぺんのおでん、
真鯛の漬け丼も食べてみたかったが、そろそろ満腹タイムのようだ。
お会計 ¥4000。

3年前より店内の雰囲気が「賑やか」になり、
お店の方と適度に会話しながら一人で呑みたい派としては、やや違う方向性になってきた気がする。

しかし…これはこれで、多くのお客さんに愛されている証拠である。
福島駅周辺で、お勧めできる店であることに変わりはないだろう。


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2011/9/7(水)
福島出張の個人的目玉。
コラッセ福島にて、地酒の豊富な品揃えに目を奪われたあと、18時すぎに訪問。

目立たない入口から、まっすぐに伸びた階段をのぼり、入店。
時間がよかったのか、この日最初の客となることができた。

聞けば、2席を除いてすべて予約で埋まっているらしかった。
実際、19時を過ぎる頃には店内は満員に近い状態となり、入店できない3人組のお客さんもいた。
事前に予約を入れてから訪れることを勧めたい。

店内はカウンター10席のみ、棚(というよりバックバー)には日本酒と焼酎の一升瓶がずらりと並ぶ。
まさに和風バーの趣である。
マスターをはじめ、店員さんはみな女性。馴染みやすい雰囲気。
実際に女性の2人組も、ほとんどノンアルコールで食事を楽しんでいた。

やはり福島の地酒をいただきたく、おすすめを伺うと、よく冷えた「天明」が出てきた。
お客さんのほとんどが地元の方なので、むしろ県外のお酒を充実させているという。
特筆すべきは山形「十四代」複数バリエーションの品揃えであろう。
愛知出身としては、「醸し人九平次」が入っていたのが嬉しいポイントだ。

この日のお通しは、玉子の冷製おでん(卵ハーフ)。
煮卵のように味が染みわたり、実に美味しいおでんだ。
お通しでここまで唸らせてくれるとは。この後に大きな期待が持てる。

刺身・おでん・ごはんものを含めたおすすめコース(2000円)や、おでんに絞ったおすすめセットもあったが、
ここは一つ一つ、気になる品を選んでいくことにする。

最初に目に留まったのは「とうもろこしと枝豆の冷製おでん」。
ともに、普通に考えればおでんにならなさそうな素材。どのように料理して、出してくれるのか?

答えは、とうもろこしと枝豆を、それぞれおでんつゆで煮込み、
ジュレでまとめるというアイディア。
これ1つ取っても、お店の方向性というかセンスが分かる気がする。とても気に入った。

2つ目は、大根の冷製おでん。
こちらもゆずのジュレをあしらい、濃すぎないだしが爽やかな一品。
柚子胡椒をつけると、メリハリのある味わいになる。
ダブルで柚子を効かせるあたり、女性マスターらしい感覚だといえる。

素晴らしいおでんに、早速お酒がなくなってしまったので、二杯目をお願いする。
「飛露喜」純米で。このお店、飛露喜の品揃えも相当ある。

創作おでんの探索を続けよう。米沢牛"千本筋"のおでんなんて、いかがだろうか。
こちらがまた、めちゃくちゃ美味なのである。
名前通り、筋がはらはら解ける柔らかな食感に、おでんつゆがしっくり合う。
そして極めつけが、洋ワサビの茎。このアクセントにはやられた!
これが入っているかいないかで、牛肉のおでんの完成度は大きく変わっていたことだろう。

「ケーゼクナッカー」は、いかにもドイツ風のお名前。
とろけるチーズが入ったウインナーをおでんにし、提供前にポテトチップスを散らすという、
実に大胆な試みだ。
これがまた、チーズの溶け具合が絶妙。コンソメめいたおでんつゆと、パリッとしたウインナー。
いけますねぇ。

三杯目のお酒「ロ万」とあわせ、真鯛のわたあえをお願いする。
塩昆布も入り、塩気たっぷりのわたに、新鮮な鯛の刺身が絡み合う濃厚な味わい。
少し塩味が強すぎるようにも思うが、日本酒党には好まれること間違いなしの一品だ。

最後、酔いもまわってきたので、正統派おでんで締めることにする。
大根、里芋、がんもどきの3品を注文。
目の前で鍋をあけ、おでんを取り出してくれる。

肉味噌の乗った大根、もっちりぬっちりの里芋、立派な大きさで張りのあるがんもどき。
創作おでんとは別のつゆ、こちらはあくまで薄味だ。
三者三様の味わいを堪能し、満足のうちに店をあとにした。

  • 福島「奈良萬」ひやおろし(¥620)、スパイシー鶏だんご(¥310)。ラーメンスープのような旨味!
  • 福井・黒龍酒造「九頭竜」お燗(¥740)。お通しは、鶏出汁を効かせた菜の花のおでん
  • 地鶏の月見たまご(¥210)。半熟に仕上げたおでん、上品で旨味たっぷりのお出汁

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4位

みかど (県庁前、美栄橋、旭橋 / 食堂、沖縄料理、沖縄そば)

1回

  • 夜の点数: 3.7

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス 3.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ~¥999 -

2013/06訪問 2013/06/29

〔沖縄〕涙が出るほど美味しいフーチキナー。オリオン片手に箸を進めれば、南国ならではの幸せが降ってくる

[沖縄県那覇市] [来訪回数:3回]
2011/5/19(木)
ANAの最終便で羽田から那覇へ。
いったん松山のビジネスホテルにチェックインしたあと、以前から気になっていた、R58沿いの定食屋さんへ。
なんと24h営業。沖縄到着日には、特に便利なお店です。
実はTVや雑誌でよく紹介される、有名店らしい!

サンプルケースには、野菜たっぷりの沖縄風かつ丼、麺でなくご飯を使う沖縄風ちゃんぽん、ゆし豆腐…
是非とも食べてみたい一品が揃う。

メニューを見て、へちま(ナーべラー)の味噌煮と、ふーちきなーで激しく迷う。
いまや定番の「ポーク玉子」、麺ではなくご飯を使う「沖縄ちゃんぽん」は、この店が発祥らしい。

出てきたふーちきなー。車麩と辛子菜の塩漬けを炒めたもの。
涙が出るほど旨い。オリオンビールを一緒に飲めば、ウチナーならではの幸せが手っ取り早く広がる。

これは、初日から大当たりだ!
また次回の旅行でもここを訪れて、気になるメニューをすべて制覇したい。

沖縄にはいろいろなグルメがありますが、旅行に行ったらそのうち1回は、ぜひとも現地の食堂を体験してほしいです!
ボリューム満点、地域色も満点。間違いなく、おすすめです♪

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2011/12/15(木)
7ヶ月ぶりの沖縄、7ヶ月ぶりのみかど食堂。

24時間営業の利便性と、久茂地~松山間にあるというアクセスの良さは、やはり魅力的である。
(県庁前駅からも近く、付近にはビジネスホテルが多数ある)

前回、私の中で稀少な [☆5つ] を付けたからには、
その内容について、再度検証しなくてはなるまい。そんな気持ちで24時半、お店に入った。

店内はカウンターとテーブル席、席は広々としており、昔ながらの食堂にありがちな狭苦しさを感じさせない。
1人でも入りやすい雰囲気なのが嬉しい。もちろん、2~4人グループでも全く問題ない。

前回は缶ビールだったので、今回は瓶を注文。
もちろん、オリオンビールだ。南国の夜は、オリオンから始めるのが定石だろう。

食べてみたいのは、ちゃんぽん(みかど風)¥550。
ちゃんぽんというと、長崎の麺料理が真っ先に思い浮かぶが、沖縄のちゃんぽんは「丼もの」である。
なぜ同じ名前なのか、興味深いところであるが、
おそらく「いろいろな具を混ぜたもの」という意味合いかと思われる。詳しくは wikipediaをご参照(笑)

待ちに待った、沖縄風ちゃんぽん。
一言でいえば、ポーク野菜炒めの玉子とじを、ご飯の上に乗せたもの。

長崎ちゃんぽんに負けず劣らず、具材は豊富だ。
ランチョンポーク、玉子、ほうれん草、キャベツ、玉ねぎ、人参、じゃがいも、もやし。
あっさりした味付けながら、じんわりと感じられる旨み。
ごはんは大盛りだが、するするっと食べられる美味しさだ。

味噌汁も沖縄風だ。
見た目は本土のものと同じだが、一口いただいてみると、
鰹だしが効き、その分 味噌が弱めなように感じられた。

沖縄そばにしても、鰹がよく獲れる土地柄を反映した、鰹だしスープが主流であることから、
沖縄の食文化の一端に触れられたような気がした。

いずれにせよ、この「ちゃんぽん」が¥550というのは、
非常にコストパフォーマンスに優れたお店だと思う。

ほかにも、ゆし豆腐、へちまの味噌煮、ポーク玉子定食(発祥といわれる)、焼きうどん(ケチャップ味)など
沖縄ならではのメニューに、興味は尽きない。

当面、沖縄到着日の夕食使いには、このお店を定番にしようと思っている。

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2013/6/28(金)[来訪:3回目]
梅雨明けの那覇、飛行機を降りた瞬間に、湿り気を帯びた亜熱帯の空気が出迎えてくれる。

那覇到着日の遅い夕食は、「みかど」と決めている。
まとわりつくような夜の空気から、一転してクーラーが快く効いた店内へ。
金曜の夜、歓楽街・松山に近い立地のせいか、たくさんの男性客でにぎわっている。
一人で入っても、空いていればテーブルを勧めてくれる。

まずは、 オリオンの瓶(¥500)をもらって、ひとり乾杯。
さあ、8泊9日にわたる贅沢バケーションの始まりだ(^-^)

食事の方は、今まで試したことのなかった定番メニューを注文。

■ポークとたまご焼き(¥500)
この店が発祥という説もある、ポーク玉子。
もちろん、ごはん・味噌汁・サラダ付きで、この価格だ。

運ばれてきたポーク玉子。
オムレツに、ポークの焼いたのが添えられている。

沖縄でポークといえば、スパムやホーメルに代表される缶詰の豚肉(ランチョンミート)だ。
アメリカ世(米国占領下)の影響を代表する、沖縄に根付いた食文化である。

食べるまで気が付かなかったのだが、これはハムエッグ・ベーコンエッグのポーク版だ。
いや本当に、どうして今まで気付かなかったのだろう。

印象的なのは、ポークの表面がカリカリに焼かれていること。
もっと生っぽいのかと思っていたが、
このクリスピーな食感がなかなか楽しい。

玉子焼きは、ほのかな甘さの優しい味。
そのものを味わったあと、ケチャップをかけて、変化を付けるのも良いだろう。

味噌汁はしっかり味で、口がほど良く締まる。
キャベツ&胡麻ドレッシング、マカロニサラダが付く。

今度はどんなご当地料理を食べようか?
思わず、次の沖縄旅行まで妄想してしまった(^-^)

  • ふーちきなー。車麩と辛子菜の塩漬けを炒めたもの。涙が出るほど旨い。これは初日から大当たり
  • ちゃんぽん(みかど風)¥550。じんわりやさしい味。味噌汁も鰹だしが効いていて、うちなー風味
  • ポーク野菜炒めの玉子とじが、ご飯の上に乗っている

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5位

つづみ (丸亀 / うどん、揚げ物)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.2
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2011/03訪問 2020/08/22

究極の釜たま。抜群のコシと歯応え、小麦の香り、全てが完璧の理想郷です。

2011/3/25(土)
将八うどんさんで朝食「釜天うどん」を頂いたあと、
腹ごなしに丸亀城へと上り、少し早い桜と、讃岐富士と溜め池が織り成す、瀬戸の風景を楽しむ。

この日は愛媛へと向かう予定だったのだが、予讃線の特急は1時間1本しかなく、逃したら旅の予定が崩れてしまう。
とはいえ、せっかく丸亀まで来て、うどん一杯で立ち去るのも心残りだ。
腕時計とにらめっこしながら、食べログで気になっていた、通町アーケードの「つづみ」さんに駆け込む。

風変わりなメニューが大好きな私、「豚カツぶっかけ」「ピリカラ豚キムチぶっかけ」などのオリジナルメニューにどうしても目がゆくが、
ここは先ほど食べられなかった、正統派の「釜たまうどん」、ど真ん中を攻めることにする。

店内は清潔で、明るい雰囲気。
うどんを待っている間に、11時後半となり、外回りのサラリーマンと思われるお客さんも入ってきた。
そう、今日はまだ金曜、平日なのだ。

出てきたうどん。
感動。
誇張ではなく、ほんとに小麦の香りがする。素晴らしいの一言。

薬味を入れ、醤油を注ぎ込み、かき混ぜ、口に運ぶ。
これもまた素晴らしいの一言。歯応えが、半端ない。

いやいや素晴らしい、素晴らしい。
讃岐こそうどんの本場だと思っていたが、これほどまでのうどんを食べさせてくれるとは、
丸亀で途中下車した甲斐が、十二分にあったというものだ。

今回の四国旅行で、一番のご馳走は、このうどんだったかも。

特急列車の発車時刻に急かされ、ゆっくりすることは出来なかったが、
また丸亀を訪れることがあれば、一度となく二度三度と食べたい、究極の釜たまがここにある。

  • ついに運ばれてきた「釜たま」小麦の香りが立ち上る。美味しそうな湯気を見てください!
  • うどん1杯だけでは悔いが残るので、意を決して「つづみ」にも入ってみた
  • 「釜たま」を注文して待つ。オリジナルメニューも気になる。店内は清潔で明るい雰囲気

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6位

酸ヶ湯温泉旅館 (八甲田山 / 料理旅館、おにぎり)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 2.5 ]
  • 昼の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.0
    • | 雰囲気 3.0
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2011/07訪問 2014/06/01

この値段で部屋食! 滋味あふれる夕食と千人風呂で、満足間違いなしの名湯

2011/7/24(日)
青森旅行の大きな目的であった、酸ヶ湯温泉旅館にたどり着く。
十和田から酸ヶ湯までの間は、まさに森林・高原ドライブ。
久しぶりに車を運転したのだが、免許を持っていて良かった!と思わせる快適なドライブだった。
東京とは空気の心地よさが全く違う!

酸ヶ湯温泉には湯治棟もあり、食事がつかない前提で安価に宿泊することもできるが、
1泊だけだし、せっかくならゆっくりのんびりしたいと、旅館棟を選択。
1人1室、朝夕2食付きで \11,700というのは、温泉の価値も含めて考えれば、随分リーズナブルだと言えるだろう。

中に入れば、さすがに歴史のありそうな建物。廊下や階段の造りは趣深い。
トイレは共同ながらウォシュレット完備と、宿泊者の利便を図っている点も評価できる。

部屋に通され、こけももゼリーを頂きながら、お茶で一服。
はぁ、いいところへ来たなあ、と感慨もひとしお。

浴衣に着替え、名物の千人風呂へ。
もとは混浴で有名だったが、今では実質別浴になっているといって良いだろう。
女性専用の時間帯が設けられ、ほとんどの女性はその時間に入浴するからである。
昔の風情が失われたと嘆く声も多いが、車の普及と道路整備で、これだけ一般的な観光地になってしまっては、
やむを得ない点もあるのかな、と思う。

お湯の酸性度は相当なものだそうで、いかにも温泉らしい温泉、と五感で感じられる。
私は食前に1度、食後に2度、朝に1度。合計4度も湯に浸かってしまった。
そういう意味で、温泉の質と風情には非常に満足。

さて、夕食というわけだが、
一人で旅館に泊まるとなると、やはり気になるのが「部屋食かどうか」ということ。
おひとり様には慣れているので、大広間での会食でも臆することはないが、
やはり一人客は少なく、周囲の視線も気になるところ。
できれば、ゆっくりのんびり、自分のペースで食べられる部屋食であるに越したことはない。

正直、\11,700という値段では、大広間での夕食が当たり前だと思っていたが、
ここ酸ヶ湯温泉では、夕食が部屋食となっている。これは驚きだった。

食事は一膳で、最初に全て運ばれてくる。
これも、従業員の方の労力を最小限にし、コストダウンを図る工夫のひとつだろう。
利用者からしても、完全に自分のペースで料理を味わうことができるので、かえって良いように思う。
味噌汁は温かく食べられるように、とカセットコンロ付きで出てくるのも、嬉しい配慮だ。

御膳は山菜を主体としており、派手さはないが、しみじみと旨さを感じるものばかりである。
中でも、筍の大きさには目を見張る。
色とりどりの肴をあてに、一人でキリンビールを飲み干す、このじんわりとした幸せ感は
今までに味わったことのない風味だった。

特筆すべきは味噌汁。黒い茸がとにかくたっぷり入っており、これだけで美味しくご飯がいただける。
あぁ幸せ。
そして、あとはお風呂に入って、寝るだけで良い。
なるほど、極楽とはこのことか… と30代にして開眼してしまいそうになる(笑)

1点注文を付けるとすれば、酒類の高さ。
ここで利益を上げたい気持ちも分かるが、これだと自販機でビールや酒を買ってきた方が随分安い計算になる。
もう少し抑え目にした方が、顧客の心象も良くなり、かえって売上増につながるかもしれない。

歴史ある木造建築であり、上の階で走り回るお子様の足音がうるさい… というのも
またご愛嬌。夏休みだもの、子供は元気で良いではないか。

* * *

晩遅くまで、六花酒造「じょっぱり」片手にふらふらしていたので、朝はお寝坊。
従業員の方に起こして頂き、あわてて朝食会場へ(笑)

朝食は、和食を中心としたビュッフェスタイル。
雑穀米におばあちゃんの粕漬、いかにもロハスな感じが温泉に合ってる!
短い時間だったが、温泉パワーをさらに増幅してくれるような、大地の力が身体にみなぎるような、
満足のゆく朝食だった。

百年の昔から愛される温泉は、なるほどその価値があるものだ、と感心すると同時に、
名湯の評価におごらず、温故知新の精神で頑張っていらっしゃる従業員さんの努力にも頭が下がる。

家族連れやカップルにはもちろん、ふらっと一人旅を楽しまれる方にも、お勧めしたい宿だ。

  • 国民温泉・酸ヶ湯に到着! 旅館だけでなく、自炊で暮らす湯治棟もあるのが特徴。強酸性硫黄泉で、千人風呂が有名
  • 酸ヶ湯温泉旅館
  • 大変に歴史のありそうな建物。廊下や階段の造りは趣深い。トイレは共同ながらウォシュレット完備

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7位

旬菜処 びいどろ (美栄橋、県庁前、牧志 / 居酒屋、沖縄料理、創作料理)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2011/05訪問 2011/06/14

〔沖縄〕リピート必至の名店。県産品を中心とした、優しい味わいの料理が楽しめる。会話もご馳走♪

2011/5/21(土)
沖縄、最後の夜。
以前からどこへ行こうかと探していて、食べログの記事で気になっていた「旬菜処 びいどろ」さんへ向かう。

ひとりバーは慣れてきたが、居酒屋となると、ひとりで入っていいものか、いつも悩む。
そこで食べログなどの情報に頼ることになるが、このお店は一人客でも楽しめる雰囲気だと判断し、電話をかけた。
電話の雰囲気もよく、一安心。
ゆいレール・美栄橋から歩くこと数分、それほど迷うこともなくお店に到着。

「がんばって階段上がってね」
沖縄らしくゆるい言葉に、緊張がほどけるのを感じます。

4人グループに、カップルが1組。カウンターを1席、空けておいて下さいました。
テーブルの上には、丁寧なメッセージカード。電話を入れてから用意して下さったのだと思うと、気遣いがありがたく思えます。
オーナーと、奥様の二人で営業中。

1杯目は、マンゴー酵母の「忠孝」水割り。
お通しは、てびちマース煮(豚足の塩煮)。口の中でくずれる美味しさ!

このあたりで、このお店は当たりだなと感じました。

観光客であることを伝えると、沖縄料理が書かれた別メニューを紹介していただきました。
食べたいものがいろいろある! 泡盛の品揃えも豊富!
(飲み屋さんはコミュニケーションが命、自分からスタッフに好みを伝えることが大切です。
 食べたいものがある場合、自分から尋ねることが大事です。だからやっぱりカウンターに座りたい!)

次に注文したのは、島らっきょうの天ぷら。シャキシャキした歯応えに、泡盛も進む。
1人で訪れてもいろいろ食べられるよう、一皿の量を調整してくれるのも嬉しいポイント。
かなり心遣いの行き届いたお店だ、と感じました。

セーイカの石垣島ラー油ユッケ。
「まったり」した食感がいかにも南国のイカらしい。ラー油も石垣島産を使っているのがいい。

店主と会話する中で、おすすめの泡盛をいただく。
このあたりからロックにチェンジ。うちなんちゅは水割りで飲むのがベーシックだが、自分はやっぱりロックがいいと思う…

島豆腐と県産トマトの揚げ出し。地産地消が根付いてる。
沖縄野菜の旬は本土より2~3ヶ月早く来るという。だから冬に来るのもオススメなんだとか。
やさしい味わい♪

飲み物はちょっと変化をつけて、さくらんぼの泡盛(八重泉)漬け。
酸味が泡盛の香りとうまくマッチ、爽やかな飲み口だ。

シメは、アーサのボロボロジューシー。
ジューシーというと、沖縄そば屋で定番の炊き込みご飯をイメージするが、
もとは雑炊という意味なんだとか。(それを明示したのが「ボロボロ」ジューシー)

青海苔のほのかな食感と、薄いマース味が胃にもやさしい。

遅い時間の入店だったが、リラックスでき、琉球の味を十分堪能することができた。
リピート必至の名店である。

  • 店主のおすすめ泡盛
  • 電話でおひとりさまを予約、美栄橋から戻って5分の「旬菜処びいどろ」へ
  • 初めてのお店となると多少緊張するものですが、かわいい演出で心が和みます

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8位

家のごはん (新逗子、逗子 / 日本料理、居酒屋)

1回

  • 夜の点数: 3.5

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2011/10訪問 2011/10/18

強からず、弱からずの塩梅。静かで落ち着いた店内で、山海の幸と向き合うひととき

2011/10/16(日)
前から気になっていた、神奈川・逗子の住宅街にある「家のごはん」を初訪問。
いえのごはんではなく、"うちのごはん"である。

19時すぎ、店内には2組のカップル/ご夫婦。
私はカウンターの端に腰掛ける。
決して広くはない店内、これなら常にご主人の目が届くというものだろう。
店内には音量を絞って、ジャズが流されている。大変静かな雰囲気で、落ち着ける。

酒は、復興支援の気持ちも少し込めて、一の蔵を注文。
お通しは切干大根。
口に入れ、その温かさにはっとする。
温かい切干大根を頂く機会は、意外とないように思われたからだ。

毎日変わる献立は、丁寧に手書きで書かれており、仕事に対する真摯な姿勢を伺わせる。
食べたいものはいろいろあったが、まずは酒のアテに、わさび山海漬けを注文。
自家製ではないようだが、サザエ・数の子などの海鮮と、山菜・野菜・キノコがわさび入りの酒粕に漬けられており、日本酒によく合う。

次はだし巻き玉子。
ふんわりと優しい味わい。だしの濃さがほど良く、次から次へと手が出る。
6切れ出して頂いたが、あっという間に平らげてしまった。

小アジの南蛮漬け。
こちらもまた、酢の加減が絶妙。たっぷり乗せられた、玉ねぎの食感が花を添える。

三浦の畑から、おろぬき椎茸ごはん。
間引きされた椎茸を使う、この時期だけの味覚だとか。
間引き物とは言っても、味は見劣りせず、サイズの面でも製品に劣らないことがあるらしい。
三つ葉がシャキッと香り、醤油の加減が良い。
強からず、弱からずの塩梅が、このお店の最大の武器といえそうだ。

もう一つ、三浦の畑の収穫物、日野菜かぶの粕漬け。
白い陶器に引き立てられる鮮やかな紅色が、なんとも京野菜らしい。
茎はシャキシャキ新鮮な食感。味わいは、これまでの粕漬けのイメージを覆す、酸味爽やか。

シメは、釜炊きごはんのおこげばかりを集めた、醤油味の焼おにぎり。
おこげだけを、思う存分いただける、夢のようなメニューだ。
ごはんは硬め、しっかりと噛み締めて、その旨さ・甘さを確かめる。
ゆっくり、じっくりと味わいたいおにぎりだ。
豚汁も温かく、おにぎりを一層味わい深いものにしてくれる。

しめて 3,850円。

ひとり飲みをするにしても、本当に静かで、ひとりで部屋飲みしているような錯覚にとらわれた。
お店の方も、あまり客に干渉するのではなく、あくまで静かで落ち着ける空気を提供しようという
スタンスのように感じた。

家のごはんと言いつつ、一品一品の絶妙な味付けは、そう簡単に家庭で出せる味ではない。
なかなかの佳店だという印象を受けた。

※次回訪問時も印象が良ければ、総合評価は 4.0に上げようかと考えています。

  • 逗子の住宅街に佇む、「家のごはん」さん
  • 丁寧に手書きされたメニュー。真摯さが伝わってくる
  • 酒は一の蔵、お通しは温かい切干大根

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9位

千代田鮨 (武蔵中原 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.0
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2011/10訪問 2011/10/13

天然物へのこだわりと、3代続く自慢のシャリ。そして車海老の存在感!

2011/10/11(火)
近所の千代田鮨さんを初訪問。
基本、予約が必要な店だと考えた方がいい。

★お願い ------------------------------------------------------------------------------
「最近インターネットで紹介されたせいか、予約が増えたのはいいけど、30分前にキャンセルしてくるような人もいる。
 その予約のために、せっかく来てくれたお客さんをお断りすることもある。残念なことですね…」と大将。
食べログは、地元の美食情報を知る上で、またとない有力な手段。
インターネットユーザの評判を悪くしないためにも、皆さん、軽い気持ちで空予約はしないようにしましょうね。
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19時過ぎに訪れたところ、まだ店内にはお客さんの姿なし。
席をカウンターに定め、日本酒を見繕う。

頂いたお酒は、佐賀「鍋島」 秋限定のハーベストムーン。
つまみには、厚岸の牡蠣を、ポン酢と紅葉おろしで。
特上のミルキー感!

今年は震災の影響で、北海道の牡蠣(厚岸・サロマ湖)も不漁。
例年比2~3倍の高値が付いているそうです。
(サロマ湖は北海道の北東部・オホーツク海に面しており、津波の影響ではないと思うのですが)

さらにシメサバを頂く。綺麗な断面。
わさびがツンと来ないのは、たぶん、その場ですり下ろしているからだと思う。

箸休めには、茄子漬。
酸味ほど良く、口の中がさっぱり締まる。

ガリは急に足りなくなって、今日甘酢に漬けたばかりという話だったが、
それほど きつい感じはせず、美味しく頂けた。
「何日漬けたものがベストですか?」と聞いたら、3日だという。なるほど。

ここから握りに入る。
アオリイカに、粗塩とすだちを一振り。こういうシンプルな味付けは好き。
しっかり硬く締まった身を、ぎゅっと噛み締める。

イカといえば、寿司屋では代表的なネタであるが、
「うちは天然物しか入れないし、満足の行くレベルじゃないと嫌だから、
 なかなか並べられない。3ヶ月ぶりに仕入れたイカだよ」とのこと。

従って、今日いただいたネタも、明日あるかどうかは分からないとのこと。
それもまた巡り合わせというか、出会いの妙と考えれば、乙なものではないか。

松輪アジ。神奈川・三浦半島で獲れる近海もの。
青魚にして、この鮮やかな赤身に目が行く。しっかり肉厚で、食べ応えがある。

大分で獲れたカワハギを、肝とともに。
カワハギの(肝の)旬は、まさにこの季節。
肝のクリーミーさと、白身のさっくり・もちもちした食感がマッチして美味。

ここからお任せで 5貫お願いする。

最初に出して頂いたのは車海老。
今回食べた中で、一番印象に残ったのはこの一貫。
お任せ・トップバッターというのも頷ける。

江戸前(東京湾)の品で、銀座でもこのレベルは珍しいよ、と大将自信の一品。
尾びれの黄色、青の鮮やかなこと。直前まで活きていた、抜群の鮮度だ。

好景気の時代、一級品の車海老は、銀座価格で2貫 6,000~7,000円はしていたらしい。
それが、バブルの崩壊で価格が急降下。
ぎりぎりの価格で、取引されるようになった。

そうなると、業者としては、数を売らなければ商売にならない。
昔は鮮度を保つため、宝石のように大切に扱われた車海老だったが、
「質より量」と、少々乱雑な扱いを受けるようになったという。

結果、築地の魚の質が下がったのは寂しいね、と大将は言う。
何事にも、適正価格があるんだよなぁ、としみじみ。

2杯目の酒として、岐阜・多治見の「三千盛」を注文。

赤身ヅケと中トロ。写真がブレてしまいました…
もちろんトロの芳醇さは、言うに及ばず。

お任せ 4貫目は、プチプチしたいくら。
落とさないよう、すっと口に運びます。久しぶりに食べる味。
ちなみに「いくら」って、ロシア語らしいですよ?

ふんわり柔らかな玉子焼。
寿司屋には欠かせない、一種のデザート的存在ですね。

本来はここで終わりなのですが、
ケースに並んでいた穴子が気になったので、追加注文。

左は塩すだち、右は煮切りと味わいを変えて。
穴子はさっと炙ってある。ふっくらほっこり柔らかな食感、これが穴子の醍醐味。
店内でも人気の一品。

最後は何か汁物を、とお願いしたら
「これで造りましょうか?」と、ケースのマグロを取り出してくれた。

私のために作ってくれた、出来立ての一杯。
マグロの脂がしっかり乗っているので、吸い物にしても旨み十分。

しめて \10,000 丁度。

カウンターに座れたので、大将といろんな話が出来て、楽しめた。
このお店、昭和20年代からあるそうだ。
大将は、銀座・赤坂で10数年修行し、
3代目として、実家を継ぐことにしたらしい。

「このシャリだけはね、銀座や赤坂のお店より、
 ウチのが一番だって思うんですよね。
 江戸前としては、こう甘いのは邪道かもしれないんだけど、
 やっぱりこれが一番だと思ってね。だから 3代ずっと変えてない」

一流のものに触れながらも、最後は自分の感覚を信じ、
これだと思ったものを貫き通す、そこに職人の誇りを見た。

ごちそうさまでした!

  • カウンターは満席必至の「千代田鮨」さん
  • つまみには、厚岸の牡蠣を、ポン酢と紅葉おろしで。
  • 綺麗な断面のシメサバ。

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10位

みなと食堂 (陸奥湊 / 食堂、海鮮丼、郷土料理)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 3.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2011/07訪問 2011/08/05

絶品・平目漬け丼。ごはんより平目の方が多い、贅沢な悩み(笑)

2011/7/23(土)
いよいよ始まった青森旅行!
最初のお店は、以前から一度行こうと決めていた「みなと食堂」さん。

まずは散歩がてら陸奥湊まで歩き、漁船が並ぶ勇壮な景色を見、みちのくの海の幸に思いを馳せる。
年季の入ったイカ釣り船は圧巻。
一隻の船には「がんばろう日本、がんばろう漁業」の旗がはためく。
美味しい魚を届けてくれる東北の漁師の皆さんに、敬意と、心からのエールを送りたい気持ちで一杯になった。

陸奥湊駅からほど近い場所にある「みなと食堂」さんは、木造の建物も味わい深い。
昼過ぎにガラガラと扉を開けたところ、カウンター席もテーブル席も満員。
別に急ぐ旅でもない、冷たいお茶をいただきながら、のんびりと席が空くのを待つことにする。
(なお長いカウンターがあるので、一人での入店でも臆することはない)

料理は、主人がひとりで作っているらしい。
その点、時間がかかるのは覚悟して訪れた方がよい。

この日限定の「ほたていくら丼」にも心奪われそうになったが、やはりお店の看板商品「平目漬け丼」¥1,000は外せない。
あと、ちょっと値は張るが、郷土料理「いちご煮」¥800もつけてみた。
旅行最初のランチだもの、景気よく行かなくては。

しばらく待ってカウンターが空いたが、料理が出るまでにはなかなか時間がかかる。
その間に緊急地震速報が鳴ったり…

40分くらい待っただろうか、お待ちかねの平目漬け丼が登場!
これは素晴らしい!
ごはんの上に乗せられた、たっぷりの刺身が輝いている。
おもむろに黄身を崩し、平目の漬けを頂く。
想像以上に、しっかり味付けされている。どちらかといえば濃い味が好きな私には、ど真ん中ストライクだ。
たれの旨みも抜群で、刺身がおかずになり、ごはんが進む。
それでも、刺身が足りなくなるということがない。割合からいえば、平目の方が余るほど。
この旨い海鮮丼が、1000円でいただける。これは間違いなく、行くべき店だろう。

いちご煮の方は、コストパフォーマンスを考えれば微妙なものがあるが、
ウニとアワビがふんだんに入った、上品な澄まし汁。青紫蘇のアクセントも、ほど良く効いている。
贅沢な気分に浸るには、良い一品だろう。

ほかに、八戸名物のせんべい汁もいただける。

店主とは、会計のときに少しお話をしただけだったが、話し好きで、親しみやすい人柄のように感じた。
カウンターでゆっくりお話しながら、旨い魚に舌鼓を打つむのも良いだろう。

時間がかかる点だけ、念頭に置く必要があるが、
もし再び八戸を訪れる機会があれば、必ず再訪したい名店のひとつである。

  • 陸奥湊「みなと食堂」。お目当ての漬け丼を求めて…お店の人もいい人だった。店内で地震に遭遇
  • みなと食堂の中から。長い時間だったが、ゆったりと待つ。地震には少し驚いたが…
  • みなと食堂の平目漬け丼1000円。たっぷりの刺身が嬉しい!しっかりしたタレの味付けで、ごはんが進む1杯

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