2回
2017/09 訪問
最高の季節に最高の店に訪れることができた喜びを噛みしめたい
銀座にある懐石料理店。
2016年10月オープンの新店。
平日のディナーで訪問。
滋賀から銀座に移転して1年足らずで、予約が半年待ちの店になった。
入店するとお香が香る。
席はL字型カウンターのみ11席になっており、大将・篠原氏と弟子たちが料理を仕上げるパフォーマンスが間近で楽しめる。
【おまかせコース】(27,324円)
■汲み出し
「香煎茶」
■菊の器
「鮑、スッポンのゼリー寄せ、エゾバフンウニ、胡麻豆腐、満願寺とうがらし、山葵」
■椀物
「銀杏のすりだし、赤甘鯛、柚子、梅肉」
赤甘鯛は皮目を軽く炙って香ばしく、存在感がある。
■造里
・イシガキガイ
・クロマグロ赤身(大間)
・鯛
噛むたびに甘みがどんどん溢れ出てくるようだ。
・カマスの炙り(竹岡)
■つと蒸し
「藁焼きの穴子」
ふんわりとした穴子と、栗と銀杏のおこわの米の硬さのバランスがちょうどいい。
ほのかに藁が香る。
■八寸
すすきの穂、リンドウ、芋の葉、鈴虫の籠、民家など、田舎の秋をイメージさせる装い。
・ほうれん草
・菊の花
・戻りガツオのたたき
・鰻の唐揚げ
木の芽を叩いてまぶす。
・玉子真丈
・枝豆
・きぬかつぎ
・大徳寺納豆
・さつまいも丸十煮
・蛸
それから、皿に乗り切らない料理が次々と出てくる。
■口直し
「フォアグラとマンゴー」
カボスをくり抜いた器にフォアグラとマンゴーが入っている。
仕上がりは和風。
レモンピールが爽やか。
■寿司
「鮪とべったら漬けの手巻き寿司」
海苔の上に具材を乗せてくれるので、自分で巻いて食べる。
■揚物
「岩鱒のフライ」
薄い衣をまとって揚げられた皮のパリパリ感が絶妙。
ソースは毛蟹の味噌によるタルタル仕上げ。
キャビア乗せ。
■魚
「鮎(琵琶湖)」
火入れが素晴らしい!
完璧だ。
超レア〜でふっくら。
頭から丸ごと食べると、肝の苦味がアクセントになる。
この辺から幸せのボルテージが上がってくる。
幸せ〜。
■スッポンの木の芽焼き
甘ダレ。
■無花果の胡麻味噌和え
月餅のようなビジュアル。
茹でた無花果は口の中で儚くとろけるような食感。
これも火入れが完璧で唸らされた。
胡麻味噌乗せ。
幸せ〜。
■鱧鍋
鱧(淡路・沼島)。
ちり酢と昆布・鰹の出汁が織り成す汁が絶妙に美味い!
幸せ〜。
■鱧鍋+
鱧鍋に毛蟹(北海道・噴火湾)の真丈と団子と菊菜がプラスされる。
真丈はほぼすり潰しておらず、素材感をそのまま残している。
幸せ〜。
■香物
ここからラストスパート。
飯が登場する。
まずは弟子の土井氏によって、松茸が入った土鍋がお披露目される。
目が細いのがチャームポイント^^
松茸が不作の年にもかかわらず、たっぷりと使われていて嬉しい。
米は滋賀・近江米を使用している。
次に土井氏によって飛騨牛がお披露目される。
まるでシルクのような肉肌だ。
■飯(1杯目)
松茸ご飯。
炊飯の余熱で生松茸を蒸してから提供される。
混ぜる前に塩をふりかけ、米の甘みが増幅される。
松茸の香りのパワーがものすごい。
この瞬間だけでいいので犬の嗅覚が欲しい。
一気に掻き込み、速攻で食べ抜けた。
■飯(2杯目)
飛騨牛の刺しと溶き玉子で、すき焼き風にする。
トリュフ添え。
■飯(3杯目)
雑炊。
■飯(4杯目)
松茸ご飯をおかわり!
■菓子
「麦粉菓子」
超濃厚な味わい。
■抹茶
ほっと一息、落ち着く。
【日本酒】
■江戸開城 純米吟醸 原酒(東京)
東京の日本酒!?
飲んだことがない。
その自然なすっきり感とフルーティーさは料理の邪魔をしない。
お猪口と徳利は精巧な作り。
■大典白菊 吟醸の会の大吟醸 山田錦40%精米(岡山)
非売品?
吟味された素材を最も活かす方法が計算し尽くされ、料理が昇華されている。
毎回口に運ぶ度に自然と、
「うん、これが正解。」
とつぶやいていた。
素直に心からそう感じたんだと思う。
最高の季節に最高の店に訪れることができた喜びを噛みしめたい。
2017/11/02 更新
銀座のビル地下1階にある懐石料理店。
平日のディナーで訪問。
ミシュラン二つ星。
春の醍醐味である花山椒祭り!
【おまかせコース】(23,000円、税・サ別)
■香煎茶
■タラの芽とこごみ
鮑と蒸したもの。
■鮑
■お椀
蛤と花山椒。
出汁の塩気は蛤の素材だけで作り出されている。
花山椒を一回くぐらせて馴染ませる。
■造里
・平目
2段に重なる上段は朝に潰したもの、下段は寝かしたもの。
・アオリイカ
・鮪
昆布醤油の煮こごり。
・アカムツ
ちり酢。
■八寸
春の終わりを告げる葉桜と夜露を表現している。
田舎を彷彿とさせて懐かしみがある。
海の幸と山の幸のコラボレーション。
・シラエビ(富山)
割醤油の煮こごり。
・赤貝のヒモ
サザエの器。
・手まり寿司
赤貝、桜の葉添え。
・玉子真薯
・車海老
キャビア乗せ。
・鯛の子
・サヨリ
・キュウリ
もろみ乗せ。
・ホタルイカ
・ホワイトアスパラガス(ロワール)
・蛸
・スナップエンドウ
黄味酢乗せ。
・山芋
・蓮根
■鮟肝最中
弟子の曇りのない満面の笑顔が素敵^^
■鮪とべったら漬の手巻き寿司
■白川甘鯛
このこ乗せ、スダチ絞り。
■雲丹(唐津)と赤茎山葵
■スッポンの唐揚げ
一度炊いた後に揚げている。
焼きスッポンのタレ、ネギ、粉山椒。
■猪と花山椒
スープ仕立て。
時に牛をも凌駕するほど好きな猪肉!
適度な噛み応えと、噛むたびに溢れる旨み。
肉には花山椒の痺れが合う。
■サンドウィッチ
和紙に包まれている。
デニッシュは京都祇園ボローニャ製。
フィリングは、穴子とキュウリ。
■お新香
・沢庵
・昆布
・野沢菜
■玉子雑炊
■炊き込みご飯
花山椒をふんだんに使った贅沢な炊き込みご飯!
・筍
・花山椒
・海苔
・山椒
・桜海老
■ヨモギ金団
爽やかな草の香り。
■苺
■抹茶
【日本酒】
料理に合わせておまかせでお願いした。
■江戸開城 純米吟醸 原酒(東京)
■白菊 大吟醸 銀座しのはらラベル(茨城)
限定150本。
火入れ。
■十四代 中取り 純米吟醸(山形)
■スペシャル褒紋正宗(兵庫)
■高砂 純米大吟醸(三重)
爽快な花山椒祭りだった!
日本酒の組み合わせも素晴らしい。