『高級レストランでナメられないためのマナー集 vol.2』タケマシュランさんの日記

タケマシュラン

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日記詳細

(vol.1はコチラ↓)
https://tabelog.com/rvwr/takemachelin/diarydtl/154324/


【中座】
■トイレはせめてメインが終わるまでガマンしろ
数十席もあるレストランにおいて、テーブルごとの食べるペースを勘案しながら臨機応変に食事を提供していくのは至難の業。食事中に中座するのは厨房の作業工程を台無しにする行為です。

貴方が最悪のタイミングでトイレに立てば、給仕から厨房へ速攻で報告が入り、「6番テーブル、遠方(トイレの隠語)だぞー!ストーップ!!ストォオオオオップ!」「今さら止めれるかよ!ぐわあああーーーー!」などのように、耳をすませば厨房から悲鳴が聞こえてくることでしょう。

デザートは温度管理が比較的容易であり、料理ほど作業が不可逆的では無いので、せめてメインを食べ切るまではトイレはガマンして下さい。


■トイレは行きたくなくても男が先に行け
先にも述べた通り、原則として食事中に席を立つのは好ましくありませんが、3~4時間にもおよぶコース料理においてはやはり中座せざるを得ません。そこで女子の膀胱具合を見計らい、まずは男性が先にお手洗いに行くようにしましょう。「お手洗いはどちらですか?」と、女性に恥ずかしい質問をさせないための配慮です。もちろん入店時にお手洗いを利用しており、既に場所を把握しているのであればこのような気遣いは不要です。


■中座の時のナプキンは椅子の上に置け
お手洗いなどで中座する際、ナプキンは軽くたたんで椅子の上に置きましょう。口を拭ったり手を拭いたりした使用済みのナプキンを机の上に置くのはNG。汚い部分が同伴者に見えてしまいエレガントではありません。


【食事の終盤】
■「小さいポーションで全種類下さい」とか言うな
「おなかに余裕があれば、デザートの前にチーズはいかがでしょうか」と、チーズワゴンがやって来る場合があります。チーズがコース代金に組み込まれている場合は実質的には食べ放題。別料金の場合は1切れいくらの場合と1人いくらで食べ放題の2通りの店があります。本心では「有料なら要らない」であっても、「もうお腹がいっぱいなので~」など、そこは大人の言葉でお願いします。

ここで、食べ放題だからだと言って「小さいポーションで全種類下さい」などとは絶対に言わないように。チーズワゴンは店内で1台しかなく、全種類だと1皿を作るためだけに10分近くの時間を要してしまうため、周りの客からヒンシュクを買ってしまいます。常識的には3~4種のチョイスが妥当でしょう。デザートワゴンについても同様です。


■フランスでは食後のコーヒーは有料だ
日本のレストランでコース料理を注文すると、自動的に食後のコーヒー等がついてくることが多いですが、フランスでは殆どの店が有料です。別に飲まなくても恥でも何でもないので、「コーヒーごときに1,000円も払えるか」という方は自信を持ってお断り下さい。ちなみにカプチーノはヨーロッパ圏では午前中に飲むものなのでご注意を。

余談ですが、フランスはチーズがコース料金に組み込まれていることが多く、コーヒーは別料金。日本はチーズは別料金だけれども、コーヒーはコース料金に組み込まれていることが多いです。文化の違いって面白い。


【お会計から退店】
■女はトイレは行きたくなくても必ず行け
高級レストランにおいてお会計はテーブルで行うのが普通です。その際、明細をじっくり読み込む姿や「この代金は何?」などと問い質す様はなるべく女性に見られたくないものです。したがって女性はお手洗いに行きたくなくても必ず行くようにして下さい。できれば5分以上帰って来ないで頂けると助かります。インスタでも見て時間をつぶして来てください。

同伴者が気のきかない女性で中々お手洗いに立たなかったり、3人以上の会食でホストが全額払う場合などは、ホストがトイレに立つフリをしてレジでお会計を済ませてしまいましょう。「今からお手洗いに行くので明細を用意しておいて下さい」のようにレジに声をかけてからトイレに行くと、用を済ませた時にはレジがスタンバってくれているので処理がスムーズです。


■退店時にナプキンは畳むな
几帳面な日本人は退店時にナプキンをキレイに畳みがちですが、これはNG。グシャっと適当に丸めてテーブルの上に放り出しておくのがマナーです。これは「料理があまりに美味しすぎて、感動でナプキンを畳むことすら忘れてしまいました」の意味となります。逆にピッタリと綺麗に折り畳んでしまうと「ぜんぜん美味しくなかったぽよ」というクレームを意味するサインとなってしまいます。


■女は店に感謝するんじゃなくてホストに感謝しろ
ゲストが給仕や料理人に対して「ごちそうさまでした」「ありがとうございました」と言うのも良いのですが、まずはこのような場を設けてくれたホストに対して最大限の感謝の意を伝えるようにしましょう。ゲストがホストに感謝し、ホストがお店に感謝するという構図が本来的です。お店にばっかり良い顔をする割にホストへの感謝が適当だと凄く寂しいし、お店側としても気まずいです。食後・退店時・別れ際・帰宅後のLINEで、最低4回はホストに感謝しましょう。


■女のコートは男が着せろ
「女のコートは男が脱がせろ」とコンセプトは同じです。男性がお店から女性のコートを受け取り、男性が女性に着せて差し上げて下さい。


【まとめ】
何だかんだで50を超えるマナーを列挙することとなってしまいましたが、全くのド素人が全てを丸暗記して実践できるかというと、難しいと言わざるを得ません。テーブルマナーとは一種スポーツのようなものであり、思い出しながら取り組むものではなく自然と板につくものです。

したがって後は練習あるのみ。常にこのマナー集を頭の片隅に置きながら外食を続けていけば、いずれ「なんだか店に値踏みされているようで居心地が悪い」と感じることは無くなるはずです。

最重要ポイントは、
■レディ・ファースト
■雰囲気に溶け込む
■周りの人々に不快な思いをさせない
の3点です。これさえ守ることができれば、椅子は左からだのナプキンの畳み方だのと瑣末な論点は大目に見てもらえます。

逆に、この3点が守れていないと、いくら高級品を身につけていたとしても、いくら金払いが良かったとしても、「あの客は成金だからボってやっていいんだよ」と軽んじられるだけで、心のこもった対応を受けることは困難と考えたほうが良いでしょう。

テーブルマナーとは同一の空間に閉じ込められた他人同士が、お互いに不快な思いをさせないために自然に出来上がったルールです。どうか面倒臭がることなく、お店とお客、または客同士が一体となって、素敵な思い出を一緒に作ることができればと思います。
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