ryo3408さんが投稿したTakumi(東京/六本木)の口コミ詳細

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Takumi六本木、乃木坂、広尾/フレンチ、イノベーティブ

1

  • 昼の点数:4.3

    • ¥8,000~¥9,999 / 1人
      • 料理・味 4.3
      • |サービス 4.3
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2017/11 訪問

  • 昼の点数:4.3

    • [ 料理・味4.3
    • | サービス4.3
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

理解のその先

西麻布にできたTakumi。店名はシェフの名を冠しています。
経歴は異色。若くして自身の店をもち、市井の評判に上がるのもうなづける。

西麻布の首都高沿い近くに佇む当店。
外観と内観は、白色系を基調としたシャープさが際立つ印象。モダンフレンチ,イノベーティブに見られる、無機質にクリアな空間は、外界との断絶を図り、非日常へと誘う効果があります。スタイリッシュ具合が、カルバン・クラインにみえる。

◆オーダー
過日は、ランチに個室を3人で予約。個室料がかからないのは重畳。
飲食サイトを通じたコースは、7,722円(税/サ込)。前菜3種,魚料理,肉料理,デザート,食後ドリンクと、ディナー並の構成。

連れ合いはジンジャーの辛口を、筆者は泡と赤白ペアリングをオーダー。

◎カボチャのポタージュ
ブーダンノワールと、フォアグラ,クレープシュゼット,ナツメグと牛乳の泡が添えられる。カボチャの穏やかな風味に、それぞれベクトルを異にした、アクセントの張る添え物がピシッとセッション。
ブーダンノワールの血肉臭さが、特にいい。獣臭を包み込むポタージュ。クレープシュゼットの柑橘系の酸味も、ポタージュに適度なストレスを与え、味覚の変化を味わえる。

◎ホタテのポワレ
ノワイー酒風味のホタテのソースに、クレソンのサラダ,黒オリーブにトマトのパイが共演。ホタテのクリームソースに、ポワレしたホタテがねっとり絡む。これだけで一皿を構成できますが、色彩の多様さも美味しさの要素。ホタテもう一個欲しかったな。

パイは、斬新であり前衛的なルックス。唐辛子を振りかけたタコせんがモチーフだろうか。ちょっと美的琴線がわからない。

◎リゾットとイノシシの煮込み
秋らしく、栗とゴボウを取り入れた一皿。
イノシシの獣香をたしかに残しながらも、野趣溢れるそれとは違い、口当たりは優しさを纏っている。野性味溢れるジビエがソースに絡み、穏やかな様に変容するのは、煮込みの妙である。

チーズリゾットとの相性がよい。ゴボウ自体は、繊維質の噛み応えある素材が好きなのだが、この一皿には適解の西洋ゴボウ。

◎スズキのチーズ焼き
肉料理に合わせるイメージが強いセージですが、甲殻類とチーズにも合うんですね。
ビスクソースは、確かにエビ特有のコクを湛え、スズキに絡む。スープドポワソンとして、バゲットを浸してもよいとおもうが、ココナッツを加えてエスニック風に構成した。
添え物の甘エビとセロリのサラダも、エスニック仕立て。

スズキは、身の淡白さに秘める旨味が強いため、エスニックに構成されても性来の豊かさは損なわれません。

◎仔羊のハンバーグ
こちらも意趣卓逸な一皿。ナイフを入れると肉汁が溢れ、ココナッツ風味のソースと融和。仔羊特有の、ムワッと鼻腔に拡がる獣臭は強烈なため、どうしても好みが分かれるところだが、ソースと絡めて口に運べば、甘辛いソースが香り高く、beastの尖がった個性を残しながら多層的な味わいが拡がります。

◎デザート8種
スペシャリテ。デザートワゴンで運ばれて、どれにしようかウダウダ悩むことなく全部食べて!と、一挙にズバンと供された顔ぶれ。シェフはケーキの大人買いと称しましたが、なるほどたしかに大人の贅沢。これだけ並ぶと痛快だ。

それぞれポーションは小さいが、ちょっとの贅沢を8回繰り返せば、満足に結実するのだな。アイデアと創作力が素晴らしく、満ち足りました。

写真にもあるように、料理の提供に際しては、終始一貫して説明書きが置かれ、シェフ自ら解説しながら配膳する。これは、秀逸。サローネグループの、終幕時に食したコースを描いて渡してくれるのも、想い出を刻むにはいいですが、訪れたその場で、理解しながら食事をしたい欲求を満たす趣向が嬉しい。

玄人でなくたって、無知蒙昧なトーシロだってフレンチは食べたい。ソースや素材に造詣なくとも、美味いと言いたい。でも、美味いと言うには理解が必要。食当てクイズに来たんじゃないんだから。シェフの趣向は天啓にも近い。

作り手と神舌の持ち主と、高貴な輩の手にあったフレンチが、万人に浸透する様を見る。食材やコンセプトを、文字媒体でプレゼンすることで、理解の土台,感動の発射台を構築し、来客の感動を誘う。

感動は、訳もわからず訪れることもありますが、理解のその先の感動こそ、人間の叡智の結晶であり連続。

モダンフレンチ,イノベーティブフュージョン。カテゴリーはなんであれ、シェフの巧みなコンセプトに圧倒されて舌を巻く。

理解,その先の感動。
西麻布 Takumi である。

2018/01/26 更新

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