冬場は地吹雪に見舞われる可能性が高い危険地帯にかの店あり。 東区の名産品玉葱を使った洋菓子を長年挑戦し続け、昨年、漸く納得の味が出来たと云うことで、陳列台に初めてお目見えした。西洋芹、南瓜、芋他、野菜を使った洋菓子は数知れず、勿論、定番ものの洋菓子の出来は素晴らしい。 冬場はやっていないのだが、langue de chat生地のコーンを使用したソフトクリームは子供達には並居る強豪たちを蹴散らしてトップランクの評価。洋菓子は大変丁寧に作られており、季節の果物を使用したタルト系が特に好み。勿論、クリーム系の蕩け方、濃厚な度合いも捨て難い。 店内で洋菓子を食べることは可能。洋菓子は持ち帰りが出来るのだから、店内で食べるのなら、蜂蜜とチョコソース、果物との相性が良い、見た目も麗しいワッフルが良いのではないだろうか。 昼餉品書きもレベルが高いと思う。オムライスはふわふわ系、シンプルで飽きがこないタイプ。パスタは日替わり、本来的には洋菓子屋なのでクリーム系に一目を置くが、先日の春キャベツとツナを合わせたものは満足感が高いものであった。国産牛肉を使って作ったデミグラスソースを絡めたピラフも捨て難い。
実を云うと、ぴぃ的には平成21年3月現在サッポロ洋菓子四天王の一店。 名前から想像されるような燦燦と輝くと云う感じではなく、昼下がりの日向ぼっこ的な雰囲気で、そのほのぼの感の漂う感じを含め、大好きな店である。洋菓子を買って、焼き菓子を買って、ソフトを舐めて、車を転がして帰る。一寸したドライブとなる距離だが、それが苦にならない。多分、相性なんだと思う。うん、相性の一言で片付けて貰って全然構わない。 此方の店、本年弥生15日をもって閉店する。篠路の mon petit lapin と組んで卯月に新しい店を開店する予定で、最初で最後、感謝の意味を込め案内することした。でも、玉葱畑内にあるあの店は捨て難いんだよなぁ… 最後の洋菓子はアプリコットのタルト。あ、総領娘のモンブランを一寸貰ったっけ(笑)
もしも君が、ほんとにぴぃの話を聞きたいんならだな、まず、ぴぃが何処の何者(どいつ)だとか、チャチな私生活はどんなものなのかとか、 ぴぃを名乗る前にフザけたオッサンは何の仕事やっているとか、そういった《陸の上にあがった河童がどうした》式のくだんないことから聞きたがるかもしれないけどさ、実をいうとぴぃは、そんなことはしゃべりたくないんだな。第一、そういったことはぴぃには卑屈だし、第二に、ぴぃの遣り方てのは、自分の身辺のことを明らかにしようものなら、明白に二回ぐらいは癇癪を起こしかねない人間なんだ。それぐらいのことで、直ぐ頭に来るぐらい、ちっぽけな男なのさ。いい人間ではあるんだぜ。だから、そう云うことを云ってんじゃないんだ。けど、すごく頭に来るほうなんだな。それに、ぴぃは何も、美食紀行とかなんとか、そんなことをやらかすつもりはないんだからな。ただ、今年のバレンタインの頃にへばちゃってさ、そのために形成の医者なんかに行って静養しなきゃならなくなったんだけど、そのときにいろんなイカレタことを経験したからね、その辺ぐらいまでの話をしようと思うだけなんだ。
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どこから話を始めたらいいか―東区が札幌村をやめた日のことから話すことにしよう。東区ってのは、北海道札幌市の北東部を占める行政区なんだ。たぶん、聞いたことがあるだろう。少なくても、明治に建設された札幌市より古くて、札幌村の開拓は幕末に遡ることは知っているんじゃないかな。最初の入植地は札幌元村と呼ばれたんだから。それから羽前国、越後国から入植があり、札幌村の近くに居住した柏崎県(新潟県)からの入植者の区域を新村とか呼んじゃってさ。まるで、この辺りじゃ、しょっちゅう入植みたいなことが行われているみたいな感じなんだな。苗穂村、丘珠村なんて、酒田県(山形県)から入植したんだもの。これらの村が合併したのが札幌村なのさ。昭和30年に札幌市に合併、昭和47年に札幌市が政令指定都市なんかになったらさ、かつての札幌村を引き継ぐ形で東区になったって。それで、こういうことを記念して作られた札幌村郷土記念館にある札幌玉葱記念碑には、こう書いてあるんだ――「わが国の玉葱栽培この地に始まる」。《政令指定都市》がきいてあきれるよ。収穫の季節には畑の一面に玉葱が置いてるんだから、さっぽろブランド札玉がだよ。
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冬場は地吹雪に見舞われる可能性が高い危険地帯にかの店あり。
東区の名産品玉葱を使った洋菓子を長年挑戦し続け、昨年、漸く納得の味が出来たと云うことで、陳列台に初めてお目見えした。西洋芹、南瓜、芋他、野菜を使った洋菓子は数知れず、勿論、定番ものの洋菓子の出来は素晴らしい。
冬場はやっていないのだが、langue de chat生地のコーンを使用したソフトクリームは子供達には並居る強豪たちを蹴散らしてトップランクの評価。洋菓子は大変丁寧に作られており、季節の果物を使用したタルト系が特に好み。勿論、クリーム系の蕩け方、濃厚な度合いも捨て難い。
店内で洋菓子を食べることは可能。洋菓子は持ち帰りが出来るのだから、店内で食べるのなら、蜂蜜とチョコソース、果物との相性が良い、見た目も麗しいワッフルが良いのではないだろうか。
昼餉品書きもレベルが高いと思う。オムライスはふわふわ系、シンプルで飽きがこないタイプ。パスタは日替わり、本来的には洋菓子屋なのでクリーム系に一目を置くが、先日の春キャベツとツナを合わせたものは満足感が高いものであった。国産牛肉を使って作ったデミグラスソースを絡めたピラフも捨て難い。
実を云うと、ぴぃ的には平成21年3月現在サッポロ洋菓子四天王の一店。
名前から想像されるような燦燦と輝くと云う感じではなく、昼下がりの日向ぼっこ的な雰囲気で、そのほのぼの感の漂う感じを含め、大好きな店である。洋菓子を買って、焼き菓子を買って、ソフトを舐めて、車を転がして帰る。一寸したドライブとなる距離だが、それが苦にならない。多分、相性なんだと思う。うん、相性の一言で片付けて貰って全然構わない。
此方の店、本年弥生15日をもって閉店する。篠路の mon petit lapin と組んで卯月に新しい店を開店する予定で、最初で最後、感謝の意味を込め案内することした。でも、玉葱畑内にあるあの店は捨て難いんだよなぁ…
最後の洋菓子はアプリコットのタルト。あ、総領娘のモンブランを一寸貰ったっけ(笑)
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ぴぃにわかっていることといえば、話に出てきた店がもう少しでなくなることが寂しいということだけさ。たとえば、渋皮を使ったモンブランやシュークリームでさえ、そうなんだ。あの猫の下の生地のソフトでさえ、なつかしいような気がする。おかしなもんさ。誰にもなんにも話さないほうがいいぜ。話せば、話に出てきた店が現に身近にいないのが、物足りなくなって来るんだから。
langue de chat:猫の舌