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1回
夜の点数:4.6
2014/06 訪問
夜の点数:4.6
北海道栗山町、そう日ハムの監督が住んでる町の、正統懐石料理を楽しめるお料理やさんです。 JR栗山駅
2015/01/01 更新
北海道栗山町、そう日ハムの監督が住んでる町の、正統懐石料理を楽しめるお料理やさんです。
JR栗山駅から歩いて約15分。
山の麓でこんもりした緑に囲まれており、自然と一体になったお店作りです。
お店の外観は質素な山小屋の風貌で、田舎の茶室か庵か、地でいく寂の佇まい。
中の扉をがらりと開けると、女将さんが手をついていらっしゃいと迎えてくれた。
季節を先取り夏の白い着物で爽やかな笑顔で個室にご案内をいただく。
今回は1万円のお任せでお願いをしておりました。
10畳ほどの茶室の様な造りの個室で、中央に大きな木目の鮮やかなテーブルが堀炬燵にいい具合。
6名は入るテーブルで2名がゆったり接待いただき、まずは瓶ビールでぐび。
ちょっと歩いた喉の渇きをビールで麗し、おしぼりで汗をさっぱり流す。
扉を開けて女将さんがお入りになる時は、しっかり和の礼儀を守り丁寧に御膳を運んできて下さる。
予想に反しお若い女将さんで、爽やかな着物が似合ってるなぁ。
最初の一品は、にしんの酢漬けとなす煮びたしでした。
小皿に色よく交互に並べられた一品は爽やかな初夏をいざなうよう。
あれ、煮びたしのお茄子がなぜ、ここまで緑鮮やかなわけ?
御主人の仕事が生きているんだ。
鰊の脂を上手に残して、さわやかなお出汁の旨味で最初から楽しいわ。
もう、こりゃお酒でしょ。
地元栗山のお酒がならんでるんだ。
相方は大吟醸。
オヤジは、ビールでさっぱりしたので、ぬる燗でしっぽりやりたい気分。
お酒と一緒にお持ちいただいた次の品は、凍り豆腐とうにのお椀。
凍り豆腐は高野に似てると思って後で調べてみると、その一種なのですね。
しっぽりとお出汁をすったお豆腐のまあ、あなた!
雲丹はオヤジ火を通すのが好きじゃないが、その理由を覆してくれる雲丹のフレッシュな旨さ。
しかも、昆布の旨味を十分に、しかも上品に引き出したお出汁に雲丹が効いている。
そう、これこれ!!
このお出汁をいただくために、この栗山まで来たんですから!!
もう、楽しったら。
酒もすすむんだ。
普段は純米しか飲まないオヤジも、本醸造のこのお酒を熱燗、しかもぬる燗でこうまで旨くつけてくれると幸せ至極。
燗酒のつけ方で、お酒が旨くなるって最近良く教えてもらう方程式。
もう、完璧です、御主人。
胃が落ち着いて部屋を見回すと、、窓際に大振りな羽振りの花をあしらい、床の間には一輪ざしが静かに書を引き立ててる。
お隣の部屋で鳴らしているギターの音がスピーカーから良い音で響いてくる。
どれも、御主人の御経験と奥様のセンスなのかな。
もう、当家の二人は家にいるかといったくつろぎ方で、ちょっとほっとかれたらウトウトするかと心配になるが、お料理の旨さがそうはさせないね。
その次は、お造り。
ねっとりなチップ、爽やかな赤身、噴火湾の鰆はどれも旨い。
出汁醤油でまいう。
面白いのは、マグロを辛しでも試してくださいって、、、、オヤジはわさびの方が好みだが面白い提案。
フレッシュな緑のわさびが旨いんだな。
お酒のお代わりをして、栗山の大吟醸でちびり。
次に来たのは、はまぐりの真薯。
蛤の原型を一部残し、厭らしい内臓の部分を真薯にすることで、途中で噛みきっても内臓がお出汁に散ることが無い。
ところで、立派なはまぐりさん!
今まで、道産食材で攻めてきたので、これは?と聞けば千葉のハマグリと言うことで、めちゃくちゃ立派なのさ。
旨いんだなぁ。
上品なお出汁の昆布に蛤の出汁がガツンと掛け合い、うまうまさぁ~♪
八寸は、色よくちょっと遊んで見せてくれたようです。
目貫きを香ばしくしっとりと旨うまに焼いて酒を進ませる。
ブロッコリーをミジンコと言う米粉でサクッと揚げてほっくりブロッコリーの旨さを閉じ込めてた。
甘エビとカリフラワーを和えて白和えもどきなのだが、カリフラワーのしゃきしゃき感を残して楽しい裏切り。
あれ?
ジュース?
疑問に思っていると、酢のもの2品ですってこと。
トマトすりながしはトマトの旨味を最大限に引き出して、これ酢のもの?
いや、そもそも、トマトだって酸味が有るのをお酢の酸味で旨味を表に引き出した楽しい逸品。
グラスからジュースの様にぐびぐび!
もう一品の酢のものは烏賊とメロンだそう。
いや、メロンがしゃりっと楽しく、烏賊の旨味と良い掛け合い。
次のお椀は鯉の絵柄の上品な漆のお椀で、れんこん餅と蓴菜の炊き合わせ。
レンコンそのものもシャリっと旨いが、レンコンのお餅が天かまみたいで旨い。
そこに、とろみのあるお出汁に蓴菜があしらわれているんだが、ジュンサイにも火を入れているのが珍しい。
一貫して楽しい要素は、お出汁の旨さに凝縮されている。
ちょっとしたところに、その仕事がのぞき見ることが出来るんだ。
オヤジ大好きだぜ!
最後の食事は、穴子飯でした(^^)v
白焼きの穴子を海苔といっしょにご飯に載せてさらっと旨そう。
いや、旨いのよ。
これね、穴子も旨いが飯が旨いんだ。
付け合わせの漬けものには、ルバーブって聞いたことが無い野菜を小さなピンクのアクセントに、しどけとうどの葉の山菜をあっさりと楽しませてくれる。
いや、穴子飯あっさりやっつけちゃいましたわ。
水ものには、梅の蜜煮をかき氷でさらりと食わせ、もう一品の〆はよもぎと白花豆の羊羹。
最後に御主人が自ら抹茶をお持ちいただき、ぐびっといただく。
最後御主人と楽しくお料理のお話をして頂き、オヤジども満足。
北海道で食べる和食のベストになりそうな楽しいお食事でした。
どれも、繊細なひと手間をかけているのが見える。
かといって、邪魔な創作ってやつでも無い。
高級じゃなくたって厳選された素材に、この御主人の手をかけることで最高な一品にするって凄いこと。
今日は1組だけの予約と言うことで、それを相方と二名で独占させてもらいました。
札幌までのタクシー代は痛かったが、それ以上にCPが良いので悔いなし。
ここまで書いたら、御主人にバレバレだろうが、きっとまたお邪魔させていただきますので、よろしくお願いしますm(-.-)m