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1回
夜の点数:5.0
2008/09 訪問
夜の点数:5.0
立川随一のイタリアン(都下に置いておくのはもったいない!)
2008/09/04 更新
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イタリアワイン初心者向け講座もかねてレビューします!
すっごくお気に入りのイタリアンが立川にあります。あまりにも遠いのでめったにいけないのですが、本日は珍しく仕事が早く終わり、どうしても行きたい気持ちが高まったので、えい!とばかりに行ってきました。
「インカメラ・コン・テラッツァ」。
とても変わった名前で覚えにくいのですが、立川駅から3分くらいでいけるのでぜひ立川にいった折にはたずねてみてください。
このお店のすばらしいところは、60ml単位のグラスワインで、イタリアでも名うてのワインが飲めること。ぼくみたいなお酒に弱い人間がいろいろ飲み比べられるのがすばらしい。
・・・で初心者向けにやさしく解説します。
イタリアで今一番おいしい白を作っているのは、イタリア半島北端にある「アルトアディジェ」です。覚えてくださいね。イタリアンにいって、「まずはアルトアディジェの白を!」なんていうと、「通」って思われますよ。
今回は、前菜に、この白とぴったり合いそうな「水ナスと水タコ、アスパラガスのカルパッチョ」がありました。これはあわせるしかない!
生のナスがまるでりんごのような風味がしてうまい! タコとアスパラガスも非常にあう!・・・で、アルトアディジェの白で、選んだのは、「ソーヴィニヨン・ブラン」。若草と柑橘系のすばらしい香りが立ち上ります。ここまで香りがたつのは、サンセールのソーヴィニヨン・ブランくらいでしょうね。本当に、フランスを下手をするとこえるような、白が、アルトアディジェでは生まれています(もうひとつ、アルザスで有名なライチの香りがするゲベルツトラミネールも、アルトアディジェでは生粋のワインを生み出しています)。
少し涼しくなってきたので、グラタンにいってみよう!ということで、「15種の野菜とグルニエールチーズのグラタン」をたのみました。
グルニエールチーズには、濃厚な赤がいいな・・・ということで、最近もっとも注目されているシチリアの赤をたのみました。シチリアにはネロダボラというシチリア原産のすばらしいぶどうがあるのですが、今回はメルロをたのみました(ネロダボラは、ボルドーの一流シャトーが、現地でぶどうのできが悪いときに、とりよせてブレンドするほど、すばらしい品種なのです。よかったら覚えておいてくださいね。「シチリアのネロダボラを!」なんていうと、「通」になれますよ)。
グラタンは、本当に野菜てんこもりですばらしい旬を味あわせていただいた感じです。とくにほくほくのにんじんとしゃきっとしたオクラが、グルニエールチーズとほどよくからんですばらしかった。・・・そして、これがシチリアのメルロと抜群にあいます!
しめに入っていこう・・・ということで、パスタにいきました。シェフのおすすめが、白桃の冷製カッペリーニでしたが、温かいパスタを赤と一緒に楽しみたいなあと思って、あえて「サルシッチャときのこのペペロンチーノ」をたのみました。
サルシッチャからしみだしてくる、シナモンや素敵な香りの香辛料が非常にいい具合にパスタにからみ、たとえが悪いのですが、昔食べた最高においしい焼きそばのようなニュアンスが出ていて(これはシェフにもいったら、「そうかも」といってくれました)、本当においしかった。
あわせたのは、パスタと一緒に・・・ということで、ライトな赤を・・・と思っていたら、すごい! ずっとあこがれている醸造家のワインがあるではないですか!
「マルコ・モンキエロ」。この人の名前もぜひ覚えてください!
「イタリアの将来を担う12人の醸造家」にも選ばれたすばしい醸造家です。ぼくのイタリアンの師匠である、ある人から、「この人のワインを飲まずしてイタリアワインを語るなかれ」とまでいわれた人です。
イタリアを代表する銘醸地、ピエモンテ州のワインです。ここはバローロやバルバレスコ(ピエモンテといえばこの二つです。覚えておいてくださいね)が有名ですが、最近大注目は、ロエロです(これも知っておくと「通」になれます)。
「バルベーラ・ダルバ」という品種で作るワインがとてもおいしいのですが、今回は今まで飲んだことがなかった「ネッビオーロ」種(バローロやバルバレスコの原料になっている世界に名高いイタリア品種です)を飲んでみました。
60ml単位で飲むといいのは、この段階になるとぐでんぐでんになってきて、「もう飲めりゃなんでもいいや」的な感じになるのですが、きちんと味わえるのですね。ワインを造っている人への感謝を忘れないためには、こんな味わい方もたまにはいいのかもしれません。
いやあ、これもうまいです。さすがモンキエロです。ぼくが偉大だと思う醸造家はもう一人いるのですが(エウジェニオ・カンポルミという人で40代にして亡くなった方です。また項をあらためて書きたいと思います)、まさにぼくにとっては二大巨匠です。
さきほどのシチリアのメルロがボルドーらしい濃いワイン(三手ミリオンやポムロールあたりの)だとすれば、こちらの繊細さは、まさにブルゴーニュです。チャーミングな酸味がすばらしい。ピエモンテは、イタリアのブルゴーニュといわれているのですが、まさにそのとおりだと思います。
いやあ、もう本日は、完璧なまでのイタリアンを堪能させていただきました。「インカメラ」本当にありがとうと叫びたいです(笑)。
シェフの方ともいろんなイタリア話(ワインや料理など)で盛り上がりました。快く思ってくださったのか、帰り際には、スタッフ一同で姿がみえなくなるまで見送ってくださいました。最高の夜でした!