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高知はとんかつ過疎地である。食べログで調べると、県内にはチェーン店も含めてわずか13軒しかない。とんかつラーメン屋カツ丼の人気店はあるのが、とんかつを単体として食べる食文化がないようである。 この完全アウェー状態にあえて立ち上がる男がいた。人気パティスリー「マンジェササ」のオーナーである笹垣さんである。 おいしいとんかつ店を作ろう。そう思い立った彼は、全国100軒ほどのとんかつ屋を食べ歩いたという。そして理想のとんかつ屋を目指すべく、自らのパティスリーの隣に店を作った。鍋前に立ち、揚げるのは、彼自身である。 豚は四万十豚を使う。分厚く切られたそれを、何もつけずに噛もうとすると、甘い香りがふわりと漂った。揚げ油ラードの香りである。噛めば肉はきめ細やかで、肉自体の旨味にあふれている。背脂もすうっと溶けて、甘い香りを残しながら消えていく。和らいが、柔らかすぎることなく、噛む喜びがあるとんかつと言えよう。 中心も、右端の脂が多く濃い味のする部分も、申し分なく堪能できる。肉にピタリと密着する衣は中粗で、サクサクと脂切れがいい。都内有名店がこぞって使う中屋パン粉工場製だという。この軽やかな衣とたくましい肉との対比がいい。 脇役陣も素晴らしい。ご飯は甘く香り、キャベツは細くみずみずしく、お新香は自家製ぬか漬け、ソースはくどくなくほど甘辛くと抜かりがない。 ロースやヒレの他にも、一度煮たバラ肉を揚げた「バラカツ」。笹垣さん自ら仕込んだカレーと合わせた「カツカレー」、「肩ロースカツ」、「ソースカツ丼」など、今回は食べていないが、そそられる料理が数多くある。 しかも安い。東京との比較では、公平ではないかもしれないが、銘柄豚を使い、200gの定食で1600円は、お値打ちである。 とんかつ後進県にもかかわらず、都内有名とんかつと肩を並べるとんかつ屋が高知にはある。このことを高知の人は誇っていいと思う。
2021/11訪問
2回
1回
20年ぶりぶりだろうか。 久々に「服よし」を訪れた。会社員人生の大半を、原宿のビアザビルですごした。 新入社員から約30数年である。 おの頃盛んに通った、「福禄寿」も「五十番」も、焼魚の「久保田」も天ぷら「つる岡」も「金寿司」も、「とんちゃん」もフィリピン料理屋も「レオン」も皆なくなって、ブティックになってしまった。 唯一変わらないのは,「龍の子」と「福よし」である。 「福よし」は、クラブドンが常連であることで知られるとんかつの店で、いつも成田から車で駆けつけてチキンカツを食べていたという。 僕もここではトンカツはあまり食べなかった。 いつも夜に訪れ、上新香とビール中瓶,チキンカツを頼む。 新香で中瓶一本をやり,チキンカツが登場してから2切れでもう1本飲み、ご飯と味噌紙をもらって、残りのチキンカツを食べた。 チキンカツを頼むのは理由がある。 ここの味噌汁とチキンカツは、高校の学食の味と似ていたからである。 学食と似ているとは,不名誉かもしれないが,うまみ調味料が入った味噌汁と,肉より衣が威張ったカツは、学食の味と酷似して,郷愁を誘って、浮気ができなかった。 20年ぶりに訪れたら,店主はすっかり白髪になっていたが,僕を見るなり「毎度」と言って,笑ってくれた、 場所も一階の平家からビルになり,三階となっている。 味噌汁もチキンカツもかわりない。 衣はキャベツに接している下側もガリガリで、ここにソースをたっぷりかけて食べると、ご飯が途端に恋しくなる。 以前は残ったチキンカツで丼飯を食べたが,今はご飯半分にしてもらっても,持て余してしまう。 いつのまにか、ご飯換気察知能力が弱まったようである。 帰り側に「クラプトンは来てますか?」と尋ねてみた。すると、 「最近マネージメントが厳しいらしくて,すっかりご無沙汰です」と、一瞬寂しい顔をされた。
2024/03訪問
2回
日本人は騙されている。