2回
2016/04 訪問
(再訪)揺るぎなきその着地点 season2
1年半ぶりに昼に6名で訪れました(写真は最初の8枚)。3種コース(5400円・8640円・12960円)の他アラカルトが多数。迷いに迷って選んだのはコース「プランタン」(8640円 税込)と追加で一品。内容は以下の通りです。
「おつまみ:オリーブ」 ◎・・・前回同様
「アミューズ:たんぽぽの温かいサラダ」 ○・・・少しのエグミが食欲を掻き立てる。酸味の効いたドレッシングも相性抜群。
「パン3種」 ◎・・・四角いデニッシュ的パンが甘くて嵌る。奥沢の”クピド”製、そのアピシウスバージョン。
「春の白い野菜のヴルーテ」 ○・・・下に忍んだ野菜のコンソメジュレがコースの中の”引き”の役割。上にミモレットが散らされコクを付与する、爽やかとは言えないがシットリ落ち着いた一品である。
(追加)「ロワール産ホワイトアスパラガス オランデーズソース」(1360円)◎・・・アスパラが素晴らしく甘い。オランデーズソースの濃厚なクリームをも凌駕するアスパラの存在感が見事である。
「エマンセにした真鯛のミキュイ ハイビスカス風味」 ◎・・・穏やかな酸味と仄かなハイビスカスの香りのソースは、薄切り真鯛の上品な身の味をふくよかに持ち上げる。塩気を担当するキャビアと下味のきっちりした蕪と空豆もよく合う。下に敷かれたラビオリ的な生地で、見た目より食べ応えある一皿である。
「仔牛ロース肉のグリエと仔牛脚肉のベニエ」 ○・・・非常に柔らかい仕上がりだが肉肉しさも味わえキレの良い脂で、肉汁のどっしりしながらも軽やかなソースが印象的。
「ワゴンデザートから:八朔のロールケーキ/プリン/イチゴのタルト/トマトソルベ/マンゴーソルベ/胡椒のアイス」 ○・・・トマトがトマト(笑)、胡椒が胡椒(爆)
「コーヒー」 ○
これに「シャンパーニュ」2杯、「ロゼ」「'09 ピノN」「'10 ローヌのシラー」を嗜みサービス料10%込みで2.5万位。グラスワインはどれもふくよかな美味ですが価格もふくよか(笑)。気をつけましょう。
今回はメインダイニングでの会食でありましたが天井が低いながらも落ち着いた雰囲気と客層が作り出す華やいだひと時を満喫しました。飾られている絵画は本物が持つ重厚感があり、接客もまた重厚で、少しの軽やかさとそつなき気配りを併せ持っています。やはり好きです、ここ。
ごちそうさまでした♪
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(2014年11月)
アピシウス、古代ローマの美食家。莫大な財産を食に注ぎ込み最後は自ら命を絶ったとされるが、料理のレシピを残す・・・
アカヤギウス、バブル日本が産んだ暴食家。給料とアブク銭を食に注ぎ込み最後はドクターストップかかるが、食べログに雑食日記を残す・・・
という事でw満を持して有楽町蚕糸会館地下に悠然と広がるアピシウスに行って参りました。重厚で落ち着きのあるメインダイニング約10卓の他に個室が数部屋、アカヤギウス一行は4人用個室(6480円)で3種ディナーコースの真ん中、前菜と肉料理を各二品からずつから選べる「SAVEUR」(18360円)を前日予約の際に発注し、アピシウスの生き様を垣間見る事に。
「おつまみ:オリーブ」 ◎・・・スペイン産オリーブはありがちな油ギッシュなものではなくオリーブの風味が程よい酸味により嫌味なき逸品に昇華。お代わりした上にお土産として購入しました。
「アミューズ:オマールのビスク、鮪のカルパッチョ」 〇
「パン3種」 〇・・・とんがりバゲットは素朴な風味が非常に強く美味。温かいと尚良し。
「伝統的なガチョウのフォアグラのテリーヌ、プラリネ風味の紅茶のロワイヤル キャラメルソース」 ◎・・・フォアグラテリーヌはしつこさのない脂分で、紅茶のロワイヤルが合わさるとその仄かな渋みと香りがフォアグラと見事に調和する。キャラメルソースも重厚で品のある甘み。
「海の幸を盛り込んだサラダ風ゼリー寄せ ヒースの香り(同行者選択品)」 〇
「カナダ産オマール海老のポシェ、トリュフのクゥーリとアメリケーヌソース」 〇・・・甲殻類と大地の香り、火入れの半生感、間違いありません。海老自体の質には最高とは言えない部分がありますがソースの勝利です。
「シャラン産鴨胸肉のロティと腿肉のコンフィ、アンディーブのムニエル サルミソース」 ◎・・・それほど歳を重ねてない鴨なのでしょう、肉質の柔らかさと仄かに鴨の香りを纏いつつソースの持つコクに沈殿してゆく如し。コンフィによるホロホロジューシーな脂分の旨さがこれまた秀逸。ただし若干塩気が弱いかも。
「熟成されたフランス産ナチュラルチーズをワゴンから」 〇・・・葡萄の皮を纏ったチーズが絶品
「デセールのセレクション 季節のガトー、アイスクリームとシャーベットをワゴンから」 ◎・・・6種類のタルトとプリンの他10種程のアイスとソルベ。選んだタルトタタンは甘さを極力控えつつ林檎の香りを損なわない加減が絶句もの。胡椒のアイスも面白い風味。
「食後のフィナーレ、ミニャルディーズとコーヒー」 〇・・・写真の通り選ぶのが楽しい。見せ方も派手過ぎないのが老舗の風格。無論フレッシュハーブティーも各種選択が可能です(上掲写真)。
これにシャンパーニュ「ローランペリエ グランシーグル」(25920円)「'06 ブルゴーニュのピノN(名前失念)」(17280円)、食後に「カルヴァドス等」3杯を三名で頂き、一人4万ちょい。先に言いますが決して高くは感じませんでした。
全体的にはクラシックど真ん中、そういう意味では驚きとも無縁の料理群。ですが極めてバターが控えめだし塩気も必要最小限、とても好きな奥ゆかしき伝統の味、という印象です。う~む、もっと早くに訪れておけば良かった。
サービスは一見スノッブに見える方でしたが、時間経過と共にお茶目な面が滲み出る奥のある接客振り。ソムリエ氏のワイン選びも、特にブルゴーニュは当方の要望の上を行く華やかでキュートだけど芳醇な一本で大満足。しかしながらいつもワインは覚えられません、美食家への道のりは険し過ぎます(笑)目指してないけど(爆)
そして料理に関しての価格は十分以上に納得なレベル。強いて難点はワインの逃げ道(低価格)が少ない事かな。雰囲気は冒頭にもチラッと書きましたが重厚、落ち着き、華やかさ、の絶妙な着地点。そこは味同様お見事としか言い様がありません。帰りはタクシーを手配して頂いたのですが、地上に出てこられて車が消え行くまでお見送り。グランメゾンはこうでなくっちゃ!
「イイよ~、イイ、イイ」と感じたので、アカヤギウス1111件目のピンゾロ節目wレビューとさせて頂きます。最後まで御覧頂き、ありがとうございました。
ごちそうさまでした♪
2019/03/02 更新
久しぶりにフレンチらしいフレンチを食べたくなり当日予約して訪問しました。さすがに個室も壁際も満席でメインダイニングの中央に陣取り、周りの視線を一手に集めてのお食事であります。3種コース(12000円/18000円/25000円)からリーズナブルな「SAISON」(12000円 外税)を選択しました。これは前菜とメインを各2品から選ぶコースであります。内容は以下の通り。
「おつまみ:スペイン産オリーブ」 ◎・・・相変わらず絶品。スペイン産のオリーブは仄かにアンチョビ風味を纏いつつ全く油を感じず、妙な癖もなくすんなり頂ける。泡との相性は抜群。
「パン3種」 ◎・・・奥沢”クピド”製。しっとりクリーミーなミニ角食パンが好物。
「アミューズ:ほうれん草のスープ/ひらめのマリネ」 ◎/○・・・アミューズと呼ぶには完成度の高い二品。青々しい香りを残しながらまろやかクリーミーなスープで優しいスタート。
「前菜:鮎と手長海老のポウピエット仕立て 生海苔の軽いバターソース」 ○・・・手長海老のソーセージの上に鮎のソテーがのっているビジュアル。素材同氏の香りが決して喧嘩せず海苔のバターソースが上手にまとめ上げる。
「スープ:鱧、胡瓜、生姜のスープ」 ◎・・・鱧はベニエでふっくら仕上がる。魚のアラでとった様な透明感あるスープのコクと生姜の風味と胡瓜の爽やかさが全て共存するありそうでなかった一品である。凄く気に入った。
「メイン:小鯛のヴァプール ピペラード風 エスカルゴ添え」 ○・・・淡白で独特の風味がある小鯛をふっくらとした火入れで上手に料理として持ち上げる。前菜と若干被る味わいではあった。
「霧島豚三枚肉のコンフィ エピスと蜂蜜のラケ(同行者選択品)」 ○・・・表面をキャラメリゼしてあるかのようなカリッとした食感で甘く仕上げた作品。豚の角煮に味わいとしては近いのかも。
〜デザートをワゴンサービスにてお好きなだけ〜
「季節のガトーと自家製アイス:タルトタタン/イチジクタルト/プリン/胡椒のアイス」 ○・・・看板商品”タルトタタン”は外せません。結構甘く仕上がってはいますが林檎の香りが十分の伝わる。胡椒のアイスは極めて胡椒だがフレンチの後には結構嵌る。
「小菓子:クレームブリュレ/チョコとピスタチオのムース/竹炭入り抹茶ロールケーキ/アーモンドフィナンシェ」 ○・・・小菓子とは思えない完成度でこれも別腹行き。クレームブリュレはクラシカルな店にぴったり嵌る濃密な味わいである。
「エスプレッソ」 ○・・・最後のドリンクはなくなるとサッと注いでくれる。この辺もグランメゾンの素晴らしい目配りである。
これに「シャンパーニュ(アンリオ)」(11000円)「グラス赤(ピノNとメルロー)」(3000円×2)「デザートワイン」(2000円×2)「エビアン」(1000円)を二名で嗜み、サービス料10%含め、ひとり2.7万円なり。ワイン選びに注意すれば、甘いもの好きには(笑)高くは感じません。
お客さんは常連さんが多い様ですが、我々みたいなほぼ一見さんにも適度な親近感を持って接してくれます。そういえば予約電話の際にこちらが名乗ってないのに「くろぶた様ですね、いつもありがとうございます♪」との対応に感心しました。自分で予約した4年前の電話番号が登録されているんですね。ノーショーとかできませんな(笑)
設え面では若干テーブルの間隔が狭い事、メニュー面ではワインの逃げ道(廉価な物)が少ない事が難点でしょうか。あとは全く問題なしです。1万ちょいのコースでも、それ以上の満足度を与えてくれる先代”アカヤギウス”(詳しくは以前のレビューを御覧下さい)もお気に入りだったフレンチレストランからクロブタウスがお送りしました。
ごちそうさまでした♪