3回
2017/04 訪問
全てに理あり、人に知あり。求道的な和を愉しんで。
いやはや、驚きと幸福感の連続でした。
天ぷらのお店と伺っておりましたが、
「やっと得意な料理が天ぷら、と言えるようになりました」
と仰る位に幅広い和食の知識と豊富な経験を背景に持つ大将が織りなす
天ぷらを主体とした和のコースを頂くことに。
塩の旨味、甘味を楽しむ「塩あり/塩なしでわかる按梅」を口切りに
衣の変化、温度の強弱、風味の濃淡、同じ素材を生と天ぷらで、といった食の楽しみを
しばし楽しみました。
「素材を、より素材らしく」
その為に、様々な調理手法の中から「天ぷら」の道を選んだとのこと。
その為、天ぷらよりも美味しくできる手法があるなら
天ぷら以外の手法でも供するその姿勢、感銘を受けました。
手段が是ではなく、目的が是であり、方法論として「天ぷら」を自在に操る。
そんな技と美味しい料理を、素敵なご同席の方々と共に体感しました。
ご紹介頂いた方、ご同席の皆様、そして大将他お店の皆様、有難う御座いました。
また伺います。近いうちに。
2017/04/10 更新
名古屋では最後となる、御訪問。
この日も素材・香り・そして味、格別であった。
今日のメインの一つは、蟹。
問答無用の大きさと身の詰まり具合。
これが天ぷらのみならず、また品を変えて供される。
まずはフグの一品からスタートし、てっさに。
トラフグを寝かせてから供されるこの品、歯応えは新鮮なそれよりも奥深さがあり
またフグ独特の淡泊ながらも淡い潮と甘味を含んだ香りが楽しめる逸品。
続く白魚、こちらも生と天ぷらとで供される。
生は適度な苦みがよい。
そして定番、出汁で味わう「塩梅」。
これは是非、お店でお話を伺いつつ楽しんでみてほしい。
その後は海老の「食べ比べ」。
何を比べるかも、行ってみてのお楽しみ。
先程の白魚が、今度は天ぷらで供される。
フワッと立ち上る独特のよい香り、そしてやはりふわっとした歯応え。
「素材を最大限うまくする為に、天ぷらを選んだ」との楠さんの言葉は、本物である。
生、焼き、炙り、煮、そして天ぷら。
同じ素材を、部位を変え厚みを変えて複数の調理法で楽しむ。
そして天ぷらの妙を知る。
技と理があり、初めて素材が活きる。
抜群の素材なら、抜群の腕で仕上げてなんぼ。
そんな料理と心意気を、今回も味わう事が出来た。
楠さん、ご馳走様でした!
また伺いますね、新天地でも。。