やっぱりモツが好きさんが投稿した柳家(岐阜/瑞浪市その他)の口コミ詳細

春は山菜・夏は川魚・秋は茸・冬は獣肉・モツは一年中

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柳家瑞浪市その他/郷土料理、日本料理、海鮮

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 4.0
  • 昼の点数:5.0

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2012/12 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人
  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

【0100】四季折々の自然の恵みに感謝

10,285文字★

冬の山は寒く気温は1℃、入口横では猫が2匹丸くなっていました。
この時期は柳家の繁忙期となるようです。
日曜12時半頃の訪問でしたが、既に駐車している車多数。
この日は昼から6組の来客があったとのことでした。

お店の焼き師は三代目と弟さんの2人で、基本的に付き切りで接客するスタイル。
そのため流石に今回は食事が始まるまで待たされました。
また隣の宴会の大声が聞こえてくるなど事実上貸切状態だった前回に比べると、
サービスや雰囲気といった点では残念な面もありました。
そのかわりお会計時に値引きサービスがありましたが。

ジビエ好きの聖地とも言われる柳家ですが、やはりこの時期のジビエは格別です。
ジビエしか出てこないのでジビエ好きでないとわざわざ行く価値は無いかも知れません。
夏はジビエより川魚が中心なのでジビエに興味が無い人でも楽しめると思います。

前日に名古屋ののむくらうGazzatで仔鴨にスズメと楽しんできたジビエ好きの自分は、
熊、猪、鹿などを楽しめるジビエメインの冬の柳家も最高です。
鴨は年明け1月からとなるようで、残念ながら今回は味わえませんでした。
とはいえ11月、12月は柳家の真髄を味わえる時期のようです。

今回も相変わらず4人集まらず3人での訪問になりましたが、おかげでメインが2つ出てきました。
基本は4人以上での予約、例外的に3人、2人は受け付けないとのことでした。
実際に2人で予約しようとする人はいないそうですが。

慌しかったおかげで発見もありました。
若女将が囲炉裏に置いたジビエと、弟さんが責任を持って最初から焼いたジビエを食べ比べ、
柳家は素材だけでなく焼きの技術も素晴らしく高いことが分かりました。
焼くべきところはしっかり焼き、一部はレアな焼き加減で提供されるジビエ。
メインの味はもう至高の美味と表現するしかありません。

前回同様へぼ(蜂の甘辛煮)を最初に味わったのですが、
クロスズメバチではなく今回はオオスズメバチでした。
一部サナギも入っていますがこれも良い味でビールの肴にバッチリです。

ジビエの口直しにと出された大根は生のままのものをスライスして塩を振っただけ。
それでも美味しい大根、柳家は野菜も美味しいです。

仔熊のカルビで熊のお肉を初体験。
前述の通り今回は三代目ではなく三代目の弟さんが焼き担当となりました。
見ると素晴らしい脂の乗り具合の仔熊。
本日は全部タレ焼きとのことで囲炉裏の炭火で焼いた後、壷に入った秘伝のタレで味付け。

仔熊カルビは肉に独特の弾力があって気に入りました。
同行者の1人はこの歯応えがダメでなかなか飲み込めなかったそうですが、
自分は他の動物の肉では味わえないこの弾力と食感の虜になりました。
脂はバターのようで濃厚な旨味、野生の肉とは思えません。
家畜の霜降り肉では味わえない野趣ある味に恍惚となります。
霜降り牛より脂がしつこくないです、家畜と野生の脂の違いでしょうか。

うりぼうロースは弟さんの気が変わって塩焼きとなりました。
初夏に頂いた害獣駆除の猪より美味しいです。
前回は三代目に焼いて貰いましたが、焼き師の腕が互角とすれば、
夏より冬のほうがジビエは美味しいということでしょうか。

仔鹿ロースはタレ焼き。
鹿肉と相性が良いとのことで山葵の漬物も出されます。
この山葵がビックリするほど美味しくて、焼いている間に食べ進めてしまいます。
そして仔鹿も夏の害獣駆除の仔鹿より美味しかったです。

ジビエはここまでで、後は猪鍋と自然薯となります。
猪鍋は囲炉裏にぶら下げられ、最初の1杯だけよそって貰い後は自分たちで食べていきます。
赤味噌の鍋の中には猪肉、ネギ、カブ、春菊、ゴボウ、コンニャク、サツマイモ、豆腐など。
一味や七味も出されますが結局かけずに完食しました。

自然薯は女将さんによそって貰いました。
麦飯にかけた自然薯、ネギ、青海苔。
素朴ながら自然を感じる味で〆ることになります。
きゅうりの漬物、デザートのみかんも味わい柳家を後にします。

自分は牛、豚、鶏といった家畜の肉ももちろん大好きです。
しかし野生動物の肉はそれとはまた違った野趣に富んだ素晴らしい味。
ジビエの価値が分かる人にはたまらないと思います。
ここでしか食べられないであろう味を求め、是非また訪問したいものです。
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岐阜県には囲炉裏で焼く天然の食材を楽しむ桃源郷のようなお店があるらしい。
山奥の趣ある建物で山や川の恵みを堪能できるとのこと。

食べログで知ったこのお店は愛知県に君臨する美食家レビュアーPLEYEL先生が長年ご常連のお店。
自分もPLEYEL先生のレビューを拝読してお店の存在を知り感動、はるばる岐阜まで行ってきました。
柳家について参考になるレビューをご覧になりたい方は、
PLEYEL先生のレビューをご覧になってください。

自然の恵みを味わうお店なだけに季節によって出てくる食材は変わります。
何が出てくるかは訪問者の食運次第といったところでしょうか。
夏は川魚、冬は野生動物がメインとなるようです。
2012年6月訪問時は天然の鮎が主役という印象でした。

そしてこのお店は訪問までの難易度が非常に高いお店です。
会員制というわけではなく、お店の敷居自体が高いわけではないのですが、
最低予約人数4人という縛りとお店の立地が訪問への障壁となります。

ご主人が囲炉裏に付き切りで焼いてくれるスタイルのため、
訪問の際は4人以上集めなければならないのです。

お店は岐阜県瑞浪市の山の中にあります。
名古屋駅から電車で1時間の瑞浪駅からさらにタクシーで20分。
そのような遠隔地に自分以外3人も連れ込まなければならないのです。
食道楽のため1万円以上払い、さらに岐阜の山奥まで付き合ってくれる人を。

東京在住の自分にとってこれは非常にハードルが高いです。
結論から言えば4人も集まりませんでした。
実は3人でも1卓42,000円払えば予約は受け付けてくれるのです。
とはいえ4人分の食事を3人で食べなければならないのでお勧めできません。
基本的には4人以上集めて行くべきお店です。

今回は愛知県在住の友人と三重県在住の友人を誘って行きました。
東海地方に住む彼らなら比較的容易な立地となります。
とはいえ日程調整は困難で、やっとのことで当日を迎えました。

集合場所は名古屋駅。
自分は東京から新幹線で柳家のためだけに名駅までやってきました。
三重県の友人の車で名駅から直接柳家に向かいます。
名駅から柳家までは車で1時間20分ほどかかりました。

瑞浪市の山道を登り、カーナビに従い住宅街を走ります。
岐阜県の山奥とはいっても住宅街の中にお店はあります。

住宅街で発見した柳家の案内看板に従い道路を少し登ると、
古民家風の建物の前に白い秋田犬が寝そべっています。
おかみ犬のサクラです。
吠えたりせず大人しい利口な犬でした。

しかしこの建物は旧館のようで、本日の食事は少し登った場所にある本館。
柳家には本館、別館、かつて使っていた旧館と建物が3つあるようです。
民家と区別がつかないので初めてだと戸惑います。
車を別館の先に駐車、駐車場からは住宅街を見下ろせます。

予約したのは昼の12時ですが11時半前に到着してしまいました。
本館に入ると、準備は整っていないがもう入っても良いとのこと。
われわれ3名で貸切状態ということです。

予約の際リクエストしていた通り、掘り囲炉裏席に案内されます。
あぐらで食べるより足を伸ばして座ったほうが楽だと思います。
古民家を移築したという本館の内部は素晴らしい雰囲気です。

席には虫の佃煮のような小鉢が用意されていました。
囲炉裏にはまだ黒い炭が置かれているだけです。

若女将に撮影許可を求めると快諾してくださいました。
このあと三代目のご主人にも許可を頂いたのですが、
基本的に食べログには好意的対応のお店のようです。

飲み物はとりあえずビールをお願いします。
運転手の友人は水道水で…。
山奥のここでは水道水のほうが美味しいのではないかとフォローを入れます。

ビールはアサヒスーパードライの大瓶。
若女将にビールを注いで貰い、乾杯します。
早速ビールの肴に小鉢の虫を食べます。

これはクロスズメバチの蜂の子でした。
この地方では“へぼ”と呼ばれる滋養強壮食品。
栄養価が高いだけでなく味も美味しいです。

見た目どおり佃煮のような甘辛い味ですが、
幼虫のプニュっとした食感、サナギのカリっとした食感。
珍味だけでなく美味でもある驚きの食材です。
ビールの肴にもバッチリ合います。

囲炉裏に燃えた炭がくべられ、まずはアマゴが焼かれます。
ダム湖でとれたアマゴとのことです。
串に刺されたアマゴが3匹。
4人分の食事の注文ですが、1品の量は3人前で種類を増やしてくれたようです。
10,500円のコースを4人分予約しましたが、実質14,000円のコースとなったようです。

このお店の料理はおまかせのコース料理のみで最低価格1人前10,500円。
ちなみに人気なのは11,500円のコースとのこと。
1,000円加算するたびに焼き物が1品増えていくようです。

アマゴを焼いている間にサツキマスのお造りが出てきました。
ちなみにアマゴもサツキマスも元は同じ魚で、
サツキマスのほうは海老などを食べて身が赤くなるそうです。

サツキマスの味は脂臭くないサーモンの刺身という印象です。
チェーン居酒屋や回転寿司で人気、庶民の味方サーモン刺身。
脂が乗りすぎて脂臭いのが弱点だったりしますが、
このサツキマスはそのような弱点がなくトロっとした食感と濃厚な旨味があります。
薬味の大葉と海草もさりげなく美味しいです。

三代目がザルに乗せられた天然鮎を紹介してくれます。
どうぞ撮影してくださいと、わざわざ目の前に置いてくれます。
鮎は一般的な塩焼き用が6匹、小型の丸干しが3匹、開きの陰干しも3匹。
本日は1人あたり4匹も天然鮎が振舞われます。
この時期の柳家の主役は天然鮎なのでしょう。

鮎は三代目の釣り仲間が友釣りで釣ってきたようで、
鮎の表面についている傷は友釣りによるものとの説明を受けます。
三代目ご自身も釣りに行くことがあるそうです。

続いて塩焼きにされたビワマスが紹介されます。
滋賀県の琵琶湖からやってきてくれたそうです。
こちらは囲炉裏で焼くのではなく、既に焼かれた姿で登場。
アマゴや鮎などより大型で、これを3人分に分けて食べることになります。

川魚たちの紹介が続きましたが、唐揚もやってきました。
川海老の唐揚とアマゴの稚魚の唐揚。
この川海老の唐揚は個人的には本日一番の感動でした。

殻まで美味しく食べられる海老。
三代目は殻をゆかりのえびせんみたいでしょうとおっしゃっていましたが、
坂角総本舗には悪いですが次元が違います。
サクサクの川海老は殻が凄い美味しいです。
身より殻が美味しい海老は初体験でした。

アマゴの稚魚も丸ごと食べるホッコリとした白身の身が極上。
どちらの唐揚もビールと相性最高です。
なんという贅沢なビールなのでしょう。

囲炉裏ではいよいよアマゴが焼き上がったようです。
成魚の塩焼きは稚魚の唐揚とはまた違った趣があります。
頭部も骨も柔らかいのでそのまま頭からムシャムシャいけます。
頭から尻尾まで余すことなく全てが美味しいです。
丸ごと食らう、これこそ魚の一番美味しい食べ方でしょう。

こういう食べ方のできる魚って普段はなかなか出会えません。
骨が硬かったり、内臓が苦かったりして身ばかりを食べてしまいます。
柳家の出す川魚おそるべしです。

さらに天然鮎の丸干しが焼き上がります。
小型の鮎なだけに焼き時間も早いようです。
こちらも丸ごとガブリ。
塩水につけて干したという干物ならではの熟成の味が良いです。
小さいとはいえ天然鮎の美味しさは格別です。

皿に取り分けられたビワマスも登場。
矢継ぎ早に川魚料理がやってきて食べるのに忙しくなってきます。
とはいえ3人とも凄いペースで食べまくっています。
どの料理も非常にレベルが高いことの証明でしょう。

ビワマスはそのままの塩焼きでも二杯酢で食べても美味しいです。
火が通っていながら身はパサつかずしっとりしています。
絶妙の焼き加減で焼かれているのでしょう。

系統は鮭の焼き物に近いのでしょうが、
これだけ絶妙に焼かれた鮭を普段口にすることがありません。
ピンクの身だけでなく皮も非常に美味しいです。
二杯酢で味に変化をつけてもまた良し

食べるのは止まりません。
天然鮎の陰干しが焼けてきました。
こちらは開いて内臓が取り除かれているので身だけの美味しさを味わえます。
日陰で干して熟成された身の味は塩焼きとは違った旨味が出ています。
梅雨の時期は室内で干されるので質が落ちるそうです。
梅雨前の今の時期に味わえたことは幸運でした。

そして本日の主役とも言える天然鮎の塩焼き登場。
干物のような変化球も美味しいのですが、王道はやはり塩焼きでしょう。
鮎のヒレにはかなりの塩がついてしまっているので、
ヒレは外して塩分調整したほうが良いかも知れません。

とりあえず1匹目は頭から丸かじり。
頭の次に口の中に入る、鮮烈な鮎の肝がとても美味しいです。
肝ゆえのホロ苦さは少しだけありますが臭みなく純な天然鮎の肝。
この肝の美味しさは塩焼きならではないでしょうか。
もちろん淡白ながら旨味も兼ね備えた身も抜群に美味しいです。
香魚と言われるだけあって天然鮎特有の香りも素晴らしいです。

本日モツを味わえたのはこの鮎ぐらいなのですが、
天然鮎ならではの鮎モツの鮮烈な美味しさは貴重な体験でした。

2匹目は蓼(たで)酢と一緒に出されます。
蓼食う虫も好き好きの諺で有名な蓼。
鮎との相性が良いことでも知られる食材です。
緑色の酢につけて少しサッパリと2匹目の鮎を頂きます。

ここで愛知県の友人が鮎を1匹プレゼントしてきました。
これから出てくる天然鰻や肉類を前に余力を残しておきたいそうです。
さすがに3匹目の鮎のヒレは残してしまいました。
ヒレといってもほとんど塩の固まりなのです。

ヒレを残した皿は片付けられてしまったのですが、
最後の雑炊を食べるときに残しておけば良かったと思いました。
塩の固まりなだけに塩分調整ができます。
ヒレだけでも十分酒の肴になるという点でも残しておいたほうが良かったです。

川の恵みの連続攻撃により満腹感も得てきたのですが、
柳家のおもてなしはまだ続きます。

若女将がザルの上に乗せられた獣肉を紹介します。
害獣駆除により仕留められた仔鹿のロースと猪のロースとのことです。
冷凍物ではなく最近駆除された獲物だそうです。
川に続いて山の恵みも楽しめることになりました。

猪はウリボウより少し大きな40キロぐらいのサイズで、
長野県境あたりで仕留められたものだそうです。
猪も大きいものは120キロぐらいになるそうですが、
そのサイズだと味はダメになるとのことです。

まずは猪から焼かれます。
三代目が囲炉裏の炭火でじっくり焼いていきます。
その間に天然鰻(うなぎ)の蒲焼きが紹介されました。

最近は稚魚の不漁で価格が高騰している鰻ですが、
天然鰻といえばまさに鰻好き垂涎の高級品。
先日近所の鰻屋で天然鰻の鰻重はいくらするか聞いたのですが、
時価で6,000円~1万円はすると言われました。
こちらは関西風に焼き上げられた天然鰻の蒲焼きです。

囲炉裏の猪からは脂が流れ出しますが、炭の上にはかかりません。
この焼き方は囲炉裏ならでは。
串焼きとしては最高の焼き方かも知れません。
塩胡椒で味付けされ、仕上げにだけ炭の上で焼かれます。

ハサミでカットされて皿に取り分けられた猪ロース。
三代目曰くサーロインの部分で最高の部位とのこと。
粒マスタードが添えられてお好みでつけて頂きます。

猪ロースは脂身の部分が非常に美味しいです。
脂身に比べると肉の部分はオマケという印象です。
肉も少しパサつきながら美味しい肉なのですが、
良質な脂が口の中に流れ出す脂身こそ至高です。

自分が赤身より霜降りを好む人間だからかも知れませんが、
猪は脂身だけ焼いて出してくれと言いたいぐらいです。
普段は東京のモツ焼き屋でアブラ(豚の頭や腸の脂)だけを美味しく食べています。

三代目に猪のモツはないのか尋ねてみますが、
内臓を食べられるのは猟師の特権のようです。
一番美味しい部分を食べられるのは猟師と猟犬だけ。

猪のレバーもレバ刺しにして食べてしまうそうです。
牛などの家畜に比べると野生動物のレバ刺しはリスクが高いようですが、
その美味しさの前にはリスク承知で食べてしまうのだとか。
味わうには猟師と仲良くなるか自分で山に狩りに行くしかないのでしょう。

この囲炉裏の炭火で猪のモツ焼きなんて出来たら最高なのでしょうが、
モツの入荷はなかなか難しいようです。
鮮度が命の部分もありますし、豚のようにはいかないのでしょう。

冬になり鴨の狩猟が解禁される時期は鴨のレバー、ハツ、砂肝は出るそうです。
この囲炉裏で焼かれる鴨のモツ焼きはどんな味なのでしょうか。
熊などの野生動物も味わえますし、冬にもまた訪れたいものです。

そして天然鰻の蒲焼きが皿に取り分けられてやってきました。
身厚の天然鰻が4カット皿に乗っています。
山椒が添えられているのでお好みでつけて。

関西風の蒸さない蒲焼きでタレは濃い目です。
パリっとした皮と身厚でふっくらした身。
既に満腹に近いですが美味しいのは間違いありません。

タレが濃い目ですがせっかくの天然鰻なので、
そのポテンシャルが分かるように白焼きでも良かったように思います。
山葵を薬味に塩や醤油でサッパリと食べても美味しそうな鰻でした。
何しろ食べまくった後なのでタレが少し重かったです。
そう感じたのは関東風の鰻を食べ慣れているせいかも知れませんが。

食べるのに夢中になっていましたが三代目は仔鹿を焼いています。
これが本日最後の焼き物となります。
こちらはタレにつけて焼かれています。

猪同様ハサミでカットされて皿に取り分けられた仔鹿ロース。
柚子胡椒が添えられてお好みでつけて頂きます。

左端の脂でグジュっとした部分から食べます。
三代目はそこが一番美味しい部分とおっしゃいます。

うはっ何じゃこりゃ。
仔鹿ロースの中でもこの部分は恍惚する美味しさ。
先ほどの猪ロース脂身よりもさらに柔らかい食感で口の中でとろけます。
こんなに美味しい肉がこの世にあったんだなあと感激。

ここを食べてしまうと残りの仔鹿ロースが蛇足になってしまいます。
血の滴るロースの赤身部分ももちろん美味しいのですが、
最上の部位を先に食べたらもう残りカスでしかありません。
食べる順番を逆にすれば良かったです。

この仔鹿ロースはお造りでも食べられるぐらい鮮度も質も良いそうです。
脂の部分は焼いて、赤身は刺身で頂けたら最高だったかも知れません。
ただ鹿刺しと自然薯は食べ合わせが悪いらしく、
自然薯も出す柳家では鹿刺しは出していないそうです。

三重県の友人は本日一番は仔鹿だったと言っていました。
川魚たちを食べまくったあとでも感じるこの美味しさ。
バンビちゃんに感謝です。

口直しに大葉とキュウリの浅漬けが出されます。
これが信じられないぐらい美味しいキュウリ。
愛知県の友人は本日一番はキュウリだったと言っていました。

川魚や野生動物目当てでやってきた柳家ですが、
野菜も凄まじく美味しいです。
こんなに美味しいキュウリは人生で初めてでした。
瑞々しく鮮烈なキュウリに大葉も素材が最高なのでしょう。

口直しのキュウリのあとはしばらく料理は出てきません。
調理場では何かを煮ているようでした。
怒涛の絶品料理の余韻を楽しみながらしばし休憩。

鍋で煮ていたのは鮎雑炊だったようです。
囲炉裏でも塩焼きと干物で4匹出されましたが、〆まで鮎の鮎尽くし。
初夏の柳家では天然鮎が主役となるようです。

天然鮎は煮ても美味しいです。
鮎のダシの効いた雑炊は上品ながら良い味しています。
今までの料理に比べると塩は薄め。
どうせならここに3匹目の塩焼きで残した鮎のヒレを入れたかったです。
このままでも十分美味しい鮎雑炊ではあるのですが。

キュウリの漬物と、デザートにスイカとアメリカンチェリー。
これで本日のコース料理は終了となるようです。
キュウリ漬とアメリカンチェリーは普通に美味しいぐらいですが、
スイカは甘くてとても美味しかったです。

先代の女将さんとも話す機会があり、お店の歴史なども伺いました。
お店が現在のような囲炉裏スタイルになったのは先代の発案で、
それまでは普通の料理屋だったそうです。
一時は転職も考えたそうですが、囲炉裏を導入したところこれがヒットしたそう。
お店の発展に尽力した先代は残念ながら昨年お亡くなりになり、
先代とともに柳家で11年学んだ三代目が今はお店を取り仕切っています。

最初のヘボから最後のスイカまでどの料理も非常にハイレベル。
骨すら残らないほど美味しい川魚に獣肉まで堪能。
珍しい食材を楽しめた貴重な体験であり、味もまた格別なものでした。

珍しい食材を扱うお店なだけに同業者(料理人)の来店も多いそうです。
写真を撮影し色々と質問する我々も料理人ですかと聞かれましたが、
3人ともただの食道楽で趣味として純粋に楽しんでいただけなのです。

コース料理(42,000円)とビール大瓶3本でお会計44,200円。
200円はサービスで値引きして頂けて3人で44,000円の支払いでした。
ビール大瓶は1本700円といったところでしょうか。
1人1万5千円弱の支払いですが、高いとは感じません。
三代目付き切り、店内貸切で最高の料理を楽しめてこの値段は安いぐらいです。

三代目がおっしゃるにはワインもリーズナブルに取り揃えているそうです。
普通に買っても1万円ぐらいのワインを1万2千円程度で出しているとか。
今回は川魚ばかりでビールが最高に合いましたが、
冬は鴨や熊にワインを合わせるのも素晴らしいでしょう。
冬の再訪を誓い柳家を後にします。

東京に住んでいて飯田橋駅前で神田川の悪臭を嗅いだりすると、
日本の川には汚染と絶望しか感じないのですが、
日本の川にもこれだけ素晴らしい恵みがあるんだと驚かされます。

川と山からとれた自然の食材、どれも素晴らしい逸品ばかりでした。
日本の自然の恵みに感謝したくなる、そんなお店でした。

囲炉裏で美味しい料理を提供してくださった、
三代目のご主人をはじめ柳家の皆様に感謝。
食べログでお店のレビューをしてくださったPLEYEL先生にも感謝。
柳家まで無理して付き合ってくれた友人たちにも感謝です。

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2012年6月20日時点での食べログ全国ランキングTOP5
未在4.79②柳家4.69③鮨さえ喜4.66④カハラ4.66⑤みなとや旅館4.64
食べログ登録店舗701,205軒のうち全国第2位に輝くお店です(2012年6月20日現在)。

2012年12月15日時点での食べログ全国ランキングTOP5
①未在4.67②柳家4.64③さえ喜4.63④トゥ・ラ・ジョア4.61⑤横浜うかい亭4.60
食べログ登録店舗726,730軒のうち全国第2位に輝くお店です(2012年12月15日現在)。
___________________________________

2012年6月訪問時3人42,000円のコース(実質14,000円のコース)で出た料理
・へぼ(クロスズメバチの蜂の子)
・サツキマスのお造り
・川海老の唐揚とアマゴの稚魚の唐揚
・アマゴの塩焼き
・天然鮎の丸干し
・ビワマスの塩焼き
・天然鮎の陰干し
・天然鮎の塩焼き2匹
・猪ロースの塩胡椒焼き
・天然鰻の関西風蒲焼き
・仔鹿ロースのタレ焼き
・キュウリと大葉の浅漬け(口直し)
・天然鮎の雑炊
・キュウリの漬物
・デザート(スイカ、アメリカンチェリー)
※その日によって料理の内容は変わるので、同じものが出てくるとは限りません
___________________________________
2012年6月初投稿、2012年12月更新

  • 2012.12 仔熊カルビを囲炉裏で焼きます

  • 2012.12 仔熊カルビのタレ焼き

  • 2012.12 うりぼうロースを囲炉裏で焼きます

  • 2012.12 うりぼうロースの塩焼き

  • 2012.12 仔鹿ロースを囲炉裏で焼きます

  • 2012.12 わさび漬け、鹿肉との相性が最高

  • 2012.12 仔鹿ロースのタレ焼き

  • 2012.12 口直しの大根(生の大根に塩をかけただけ)

  • 2012.12 オオスズメバチ

  • 2012.12 猪鍋

  • 2012.12 猪鍋を器によそって貰いました、お好みで一味や七味を

  • 2012.12 自然薯

  • 2012.12 麦飯の上に自然薯、青海苔、ネギ

  • 2012.12 きゅうりの漬物とデザートのみかん

  • 2012.12 掘り囲炉裏席、奥には秘伝のタレと猪鍋

  • 2012.12 本館の入口横に猫を2匹発見!

  • 2012.6 柳家本館外観、古民家を移築したとのことです

  • 2012.6 柳家別館駐車場より瑞浪市の住宅街を見下ろす

  • 2012.6 掘り囲炉裏席の囲炉裏、予定より早く到着したので囲炉裏の炭は着火前

  • 2012.6 囲炉裏に炭火が足されていきます

  • 2012.6 最初の1品はクロスズメバチの蜂の子、この地方では“へぼ”と言うそうです

  • 2012.6 まず最初にアマゴが囲炉裏で焼かれます

  • 2012.6 2品目はサツキマスのお造り

  • 2012.6 天然鮎が6匹(3人なので1人あたり2匹)、表面の傷は友釣りによるもの

  • 2012.6 同じく天然鮎、こちらは干物になっていて丸干し(左)と陰干し(右)

  • 2012.6 既に焼かれた状態で紹介されたビワマス、琵琶湖からやってきました

  • 2012.6 3品目は川海老の唐揚とアマゴの稚魚の唐揚(撮影前に一部食べてしまっています)

  • 2012.6 4品目、アマゴが焼けてきました

  • 2012.6 5品目、天然鮎の丸干しが焼けてきました

  • 2012.6 6品目に出てきたのは皿に取り分けられたビワマス、お好みで二杯酢につけて

  • 2012.6 7品目、天然鮎の陰干しが焼けてきました

  • 2012.6 8品目と9品目は王道とも言える天然鮎の塩焼き、2匹目は蓼酢と一緒に出されました

  • 2012.6 仔鹿ロース(左)と猪ロース(右)、ザルを持つのは美人若女将

  • 2012.6 三代目が囲炉裏で猪ロースを焼きます、サーロインの部分とのことです

  • 2012.6 関西風に焼き上げられた天然鰻の蒲焼き3人分が紹介されます

  • 2012.6 10品目、塩胡椒で焼かれた猪ロースは脂の部分が最高です、お好みで粒マスタードをつけて

  • 2012.6 11品目、1人前に取り分けられた天然鰻の蒲焼き、お好みで山椒をつけて

  • 2012.6 12品目は本日最後の焼き物タレ焼きの仔鹿ロース、左端の脂の部分がとろけます、お好みで柚子胡椒をつけて

  • 2012.6 13品目、箸休めにキュウリと大葉の浅漬け、このキュウリが驚くほど美味しいです

  • 2012.6 役目を終えた囲炉裏の炭火、美味しい料理に感謝です

  • 2012.6 14品目〆の鮎雑炊、キュウリの漬物とデザート(すいか、アメリカンチェリー)も

2017/05/22 更新

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