fiveroyalesさんのマイ★ベストレストラン 2017

fiveroyalesのレストラン遠足ガイド

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fiveroyales (男性・神奈川県) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

コメント

2017年の食の遠足の多くは、居酒屋巡りを楽しみました。その多くはそれぞれに個性的で、単に料理とお酒を提供する場としてだけでなく、その地域の雰囲気の断片を少しでも感じ取ることが出来たと思っています。
あらためて自分の中でこの一年を振り返り順位を付けてみると、不思議と大衆的な居酒屋は入りませんでした。それは心に残る店が居酒屋がなかったからではなく、個性的で印象に残る店がたまたまそれ以外のジャンルにあったからにすぎません。

今回「牛すじカレー 小さなカレー家」は、食べログを開始した当初から使っています。今回ポイントを上げトップになった理由は”美味しい料理を、美味しく食べさせてくれる雰囲気”が充分にあったからにです。今回掲げたお店は、そうした"空気"に満ちていました。

「ビスポーク」は記念すべき切り番、1000レビューに使わせていただきました。ブリティッシュパブをイメージしているようですが、ボクにはイニシエ感溢れるスナックのようで、とても居心地よく楽しめました。

美味しい料理を、楽しい雰囲気で食べさせてくれないお店が稀にあります。これは、全く残念でなりません。

ところで、よく「料理をひとつだけ試しただけで、その店を評価出来ない。」と言う意見を聞きます。これはボクはNoだと思います。何故なら飲食店と客とは常に一期一会の関わりしかないからです。すべてにおいて全力投球でもてなすことが、飲食店のプロと信じているからです。

特に変わった一店を上げるとすれば、「たぬきや 稲田堤」でしょう。自分の中での総合ポイントでは、これ以上のお店はありました。レビューに記述しましたが、まさに”川の家”。そのロケーションもあって、そこにいた一時はキモチを和ませてくれました。

2018年もボクの食の遠足は続きます。その遠足はまさに健康であればこそです。

マイ★ベストレストラン

1位

牛すじカレー 小さなカレー家 (大久保、新大久保、西武新宿 / カレー、カレーうどん)

21回

  • 昼の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2022/10訪問 2022/10/07

値上げしても、満足度の高さは変わらない♪

新型コロナウイルスでの緊急事態宣言下でも、他の飲食店が運営に苦しむ中、安定した人気で常に客で賑わっていた。むしろ外での並びが長く、昼どきはほぼ利用出来ない状況が続いた。どうやら最近、テレビメディアに露出したようだった。

小ぶりになったとは言え、今日は雨が降っていた。おとといまでは、夏日のような暑さだったにも関わらず、ひんやりとしていた。
行ってみる価値は、充分にありそうだ。

小滝橋通り沿いに北新宿百人町交差点まで向かって歩き、途中外科病院のある路地に入った。スパイシーカレーの名店では、記帳予約した午前の部は終了したようで、札が掛けられていた。

店舗脇には予想に反し、外並びが3人いる。最前列の高齢の男女は夫婦のようで、3番目は中年のサラリーマン男性だった。
最初のふたりは、別々に入ってくれたので助かった。と言うのも、ふたり組で並んで座りたい客の場合、席がひとつ空いても、次のひとり客に席を回さないルールがあった。
店内に入るまでに、10分ほど外で待った。小ぶりだったが、雨の外待ちは、寒かったこともあり辛かった。

開け放たれたドアには、貼り紙がある。全文は分からないが、どうやら値上げについてのようだった。
一時期より、コロナの影響は落ち着いてきたが、円安、世界的な不景気の影響もあって“ここ”小さなカレー家も、値上げに踏み切ったようだ。

入口で料理を盛り付けているご主人に挨拶をして、空いている席へと座った。聞こえなかったようで、ご主人はモクモクと仕事をしていた。
奥にいる奥さんに挨拶をして、注文を告げた。

夏場は“うどんを冷し”で通したが、今日は久しぶりに王道の牛すじカレーに、トッピングをフルで注文してみよう。

注文が通っても、ご主人に覇気がない。カウンターから様子を見ていたが、どうやら体調が優れないようだった。自分の前に立ったとき、そう確信した。話掛けると、嬉しそうに返す元気は全くなかった。

料理の提供までに、いつもより時間が掛かった。それでも10分ほど掛かったのは、料理が提供されていない先客があったことと、テークアウト客がいたからだった。

“コールスローダブル”がまず提供され、無くなった頃に料理は提供された。注文は牛すじカレー並盛、トッピングに味噌チキン、さらに茹で卵、生卵を付けた。
ご主人の体調にも関わらず、料理はブレることなく安心して楽しめた。
カウンターの奥では、ポータブルラジオからパーソナリティの声がテンポよい話に耳を傾けた。

会計の際、奥さんから値上げについての詫びがあった。値上げをしても、並盛りならほぼワンコインで楽しめた。今日の会計は、950円と贅沢してしまった。

店を出る際、ご主人にお大事にと告げた。ご主人は、秋だからきのこ狩りに行きたいと、笑顔で話を返した。
今年74のご主人は、いつまでも元気そうだ。



コロナ禍の時期でも、元気に営業していた。制限の縛りがなくなり、今は平日は普通に並んだら午後の執務には間に合わない。土砂降りになる今日にシフトして、利用することにした。

昼前の11時はまるでストームといった状況で、普通なら外食などらしたくない天候だろう。これはボクには、うってつけの天候だった。12時になると、風は弱くなり、普通に言えば少しばかり雨が強い…そんな中途半端な天候となってしまった。

小滝橋通りから駅南口に向かう路地に入り、そのまま歩いた。
途中にあるSPICY CURRY 魯珈では、午前中受付た客の入店の終了を告げる看板が立っていた。

外壁から出た看板に灯りが点いているので、臨時休業はしていないようだ。雨が強く降っているにも関わらず、店舗脇に傘をさした外待ちの客がふたり並んでいた。残念なことに、すぐ3人目の客がその並びに付いてしまった。
悪天候にも関わらず、相変わらずの人気には嬉しくもあり、この天候で外に並ぶことを考えると悲しくもあった。

今日はよりによって回転は良いほうではなく、結局並んでから店内に入るまでに10分掛かった。

入口そばで料理の盛付けをするご主人にまず挨拶し、片付けられたばかりの中央の席へと座った。
ご主人にうどんは出来るかを確認し、“うどん冷”、トッピングで“味噌チキン”、“コールスローW”で注文した。うどんの注文は、ご主人の調理の流れが変わるので断わりを入れることにしている。

調理場奥の奥さんがコールスローの提供に合わせ、“久ぶりですね”と言った。先週来たことを告げると、加齢の話題で話は膨(ふく)らんだ。
奥の客が会計を済ませ席を立つと、奥さんは空いたばかりの席へと促してくれた。ボクがカウンター一番奥の席に好んで座るのを、よく知っているからだった。 

紙カップとコールスローを移動して貰い、ふと見るとラジカセが新しくなったことに気づいた。ラジカセの調子が悪いのを以前聞いていて知っていたが、奥さんに確認すると成仏したと返してきた。

料理の提供は意外と早く、10分ほどでカウンターへと運ばれた。デフォで入るハーフカットの煮玉子が、見た目に良いアクセントになっている。

うどんをカレールーに潜らせて、先ずはひと口に…
熱々のカレールーと、氷水で〆られ冷たくなった麺との温冷が楽しめる。カレーは牛すじカレーに使うルーの転用で、うどん用に特に手を加えたものではない。
氷水で〆られたうどんは、モッチリした食感に強い腰を楽しむことが出来た。

ゴールデンウイーク開け直ぐ、店を〆ていたことを聞いてみた。どうやら、ご主人の運転でご夫婦の好きな東北へと旅行したようだ。

味噌チキンはカレーに合わせなくても、そのままで楽しめる。柔らかく、白ご飯に合う、いつもながらの料理を、今回はカレーの海に沈め楽しんでみた。

ルーは追加で用意されているが、うどんを食べ終えても常に大量に残る。その際役に立つのが、コールスローWだ。余ったカレールーの丼に移し、カレールーに馴染ませて楽しんだ。なのでカレーうどんを注文するときは、決まってドレッシング少なめで注文した。

楽しい時間は、アッと言う間だ。会計を済ませ、ご主人に“旨かったです”と告げ店を後にした。その際いつも、“恐れ入ります”と、背中に返してくれた。
年明けすぐに利用しようと思っていたが、タイミングを逃していた。
自分の都合で、あるいは都合の良い日に店舗前まで行ってみると長蛇の列でと、なかなか利用する機会がない。

月曜、金曜、さらに祝祭日は、最近は利用を控えている。行っても、ほぼ利用が出来ないからだ。飲食店はコロナ禍で、かなりの打撃を受けていた。中には、閉店を余儀なくされた飲食店も多いのは周知の通りだ。そんな中にあって、麺屋 悠と“ここ”は少なくとも当てはまらなかった。

天気の良い、金曜のある日、ダメ元で店舗のある路地に入った。遠目で見ても、それ程には並びがないのは分かった。店舗の看板には営業していることを知らせるように、灯りが点いている。列に並びが増えてはいけないので、店舗まで一気に走った。

列の3番目を確保すると、店内の先客が次々と出て来た。幸い金曜でも、それ程待つことなく店内に入ることが出来た。
入口そばで料理の盛付けをするご主人に新年の挨拶をし、空いたばかりのカウンター一番奥の席へと向かった。

調理場奥の奥さんに、挨拶をして腰を下ろした。
注文は“いつもの”に、“味噌ブタ”トッピングにした。ライスは普通盛りだが、心持ち少なめと伝えた。最近は400gの普通盛が、かなり胃に負担が掛かるので無理をしないようにしている。

奥さんから、年末に来て以来、しばらく来なかったので心配したと言われた。気に掛けていてくれて、嬉しかった。
職場の隣の席の子が、流行の感染症に罹り用心して外食を控えたと言葉を返した。
半分事実で、半分は作り話だった。
感染症の子が来た始業の5日は職場を休み、翌日出勤したその日はその子は休みに入っていた。濃厚接触者には、該当していなかったのだ。
今年に入って、既にランチで外食利用はしていた。

先客の料理が提供されると、フライパンがジュウジュウと音が聞こえた。どうやら、ご主人はボクの料理に取り掛かったようだ。
カレーが提供されるまでの間、先に提供されたWのコールスローを楽しんで待つことにしょう。

生卵が入る皿が提供され、すぐに味噌豚と煮玉子が乗ったカレーが提供された。
先ずは生卵を溶いてライスに穴を開けて、“その中”に注いだ。さらに卓上の福神漬け、らっきょうを4粒をカレー皿の空いた箇所に乗せよう。仕上げに辛味調味料のチリペッパーを、ルーに振って完了だ。
味は口にする前から分かってはいるが、安心して食べれる料理だった。

奥さんに件(くだん)の、罹患した職場の子の話を続けた。歌舞伎町のゴジラビル上のホテル療養は、窓からの夜景は綺麗だったと…

コロナによる飲食店への制限(圧力)にほぼ影響を受けず、今日も元気に営業をしていた。どうやら、緊急事態宣言やまん延防止措置の間でも、安定して集客出来ていたように思う。

いつも混んでいるので、最近は休日前後を避け、並びの少ない天候の良くない日に利用することにしている。
今日は雨天なので、並びは少ないだろう。そう思っての利用だった。

幸いにも並びはなく、すぐに店内に入ることが出来た。
珍しいことに、カウンター一番奥の席がふたつ空いている。調理場の入口付近、定番の位置にいるご主人に挨拶をして、店主の奥さんのいる一番奥の席へと座った。

隅にはいつも活躍している筈のラジカセからの、番組放送は流れていない。油と埃でコーティングされた“この”ラジカセは、この店のもうひとつの名物だった。
奥さんに聞くと、いよいよ故障したようだ。主人には早く買ってきて…!と言っているようだった。

今日の注文は“いつもの”、それに味噌チキンを追加した。
“いつもの”とは、牛すじカレー並、生玉子、煮玉子、さらにコールスローWのことだ。

今日は奥さんとはラジカセの話から、共通の話題であろうアナログレコードの話となった。転じて、由紀さおりや奥村チヨ、さらにはグループサウンズからタイガースに至る話へと続いた。

話しをしながら壁のメニューを見ると、一部新しくなっていることに気づいた。“カレーライスの値段だけが、50円”ほど上がっていた。どうやら奥さんは、見ている先に気づいたようだ。値上げしなくてはならなかったことを、率直に侘びた。ボクは物価の高騰だし、安く楽しませて貰っているから、と返した。

まずは、コールスローWが提供された。カレーが提供するまでのひとときを繋ぐには、上等な一品だろう。

しばらくして、生玉子の入った皿が提供された。
いつもこの順に提供され、生玉子が出されるとすぐにカレーが運ばれてくる。
ご主人が味噌チキンを焼く傍ら、カレーの盛付けに入った。奥さんを呼んで、ボクの料理は提供された。

チリペッパーをカレーに振り、生玉子をよくかき混ぜ、ライスの中央に窪みを入れて流しこんだ。

粘度の高いルーとライスをひと口…
途中、味噌チキンに寄り道しよう。半分にカットされた煮玉子の黄身を潰しカレールーに馴染ませ、そのままライスを掬(すく)ってひと口…
まさに至福のひとときだった。

“美味しかったです!”、そうご主人に言って店を後にした。
奥さんは、“当時、タイガースに夢中になった。”そう言ったのを思い出した。

結局、緊急事態宣言中でも並びがあり、なかなか利用出来なかった。最近では利用したいときは大抵、休み前の金曜、休み開けの月曜、そして祝日の前後は並びがあって利用出来ない。なので、店へと、足を向けることすらしなかった。

宣言が開け、週中だから並びはなさそうだ。駅南口につながる路地に入り遠目で見ると、予想通り並びは少なそうだ。列の最後尾、4番目として並んだ。
しかし10分近く経っても、店内から一向に客が出る気配がない。どうやら先客は同時に、一度に入ったようだ。
しばらくすると、店内から一気に4人の先客が出てきた。

入口でアルコールスプレーで手指消毒して、入口近くの調理場に 店立つご主人に挨拶を交わした。
中程のカウンター席に座り、奥さんに挨拶をして料理を注文した。今日は、“いつもの”と“味噌チキン”にした。

外を見ると、さらに並びは増えていた。
奥さんは週一回利用しないと、お世辞にも心配してくれた。並びが5人以上だと、午後の仕事に差障りがあるので諦めると伝えていた。
他のお客さんも、似たようなことを言っていた、そう話し奥さんは笑った。

味噌チキンはフライパンを使うので、調理には手間が掛かる。それでもご主人の手際が良いから、料理を客へ次々提供する合間に調理した。いつものように、注文から5分で料理はカウンターへと並んだ。

“いつもの”牛すじカレー並、コールスローW、茹で卵、生たまご、それにトッピングで追加の味噌チキンがカレーに乗った。

奥さんに旅行はしたか、聞いてみた。ご主人ともども旅行が好きだが、ふたりはコロナの影響でここ2年は自粛していた。ご主人はワクチン接種したら、まず旅行をしたいと言っていたのを思い出したからだった。
答えは“ノー”だった。旅行カバンを引いて歩くのが、まだ憚(はばか)れるようだ。

カレーには、卓上のチリペッパーを適量振った。さらにらっきょう、つけものを皿の空いたスペースに乗せた。
料理は牛すじカレー一択、あとはその日の気分でトッピングを追加するのみ。いつも変わらぬ味だが、間が開くと妙に恋しくなる。そんなひと皿だった。

最近は加齢のせいもあって、400gある並サイズでもキツくなった。次回は欲張らずに、“少なめ”コールしてみよう。

精算を済ませ、“美味しかった”ですとご主人に告げ、店を後にした。背中にはご主人の、“恐れ入ります”、そう返ってきたのが聞こえた。



春先くらいから並びが増え、昼時の利用頻度が少なくなっていた。今年になって緊急事態宣言が2度ほど発令されていたが、むしろ宣言下で営業していたこともあってか、客足はさらに増えた気がする。

月曜、金曜、それから祝日を挟(はさ)む前後の営業日は、極力利用を避けた。普段でも多い客の並びが、さらに増えるからだった。

梅雨に入った雨の水曜日、今日なら狙い目かも知れない。春山外科病院を駅南口に向かう路地に入ると、遠目に店舗看板の灯りが点いているのが分かった。外の並びがふたりしかないことを確認すると、店舗まで小走りに向かった。

列の後ろに付くと、店内に入る瞬間が待ち遠しかった。
外からは窓ガラスを通して、店主が料理の仕上げの盛付けに余念がないのが見て取れた。

食事を終えた先客が出ると、店内に入ってご主人に挨拶をした。その際“うどん”を注文して良いか、確認した。笑顔で了解してくれた。もちろんご主人が、注文を断るはずはない。うどんを注文すると、調理の流れが変ってしまうのが憚(はばか)れたからだった。

ハンガーに上着を掛け、席に座り、“うどんを冷、味噌チキン、生玉子、コールスローW”と注文した。茹玉子は半分だが、最初から付いてくる。

先客の料理の提供が終わると、ボクの料理の番だ。
冷蔵庫からタッパを取り出し、中からチキンを取り出すとフライパンに乗せた。合わせて、うどんを茹で始めた。
その間、奥さんはメニューにはないダブルのコールスローを、大きな皿に入れドレッシングを回した。ドレッシングは、いつものように少なめなのが暗黙の了解だった。


コールスローが提供すると、一番奥のカウンター席の男性が会計を済ませ席を立った。奥さんがボクに視線を合わせると、頷(うなず)いてみせた。ボクが奥の席を好むのを、奥さんは知っていた。

茹で上がったうどんをご主人が水道のあるシンクの流しに置くと、また自分の立ち位置であるカレーの鍋の前へと戻った。笊(ざる)に氷をいれたうどんを、水で締めるのは奥さんの役目だ。流水で充分に冷し、ヌメリが取れたところでご主人は引き返し、笊に入ったうどんの水を落とし、コールスローWと同じ、大きめの皿に移した。カレー、うどん、生玉子、そしてコールスローWが並んだところで…“頂きます!”

カレーうどんは限定ではないから、いつの時季でも楽しめた。それでも、これからの蒸し暑い時季には、冷たい水で締めたカレーうどんが食欲をそそる。

奥の席だから、今日はご主人とは世間話は出来なかった。もっとも、飲食店では“黙食”がルールだから、これで良いのかも知れない。変な時代だ!

ご主人に“旨かったです。”そう言って、店を後にした。背中でご主人は、“恐れ入ります。”そう返してくれたのが聞こえた。
このところ並びが多く、昼時は常に10人の列は当たり前だった。月曜、金曜、それから祝日の前後は、外の並びは特に顕著だった。ランチでは東中野遠征をしたこともあり、半月ほどご無沙汰していた。
久しぶりに牛すじの“あの味”を楽しみたいと思い、昼どきに行ってみた。案の定行列が10人ほどあったのでその日は諦めて麺屋 悠を利用した。

翌日、再度行ってみると、外の待ち客はふたりだ。慌てて3人目として、最後尾に付いた。気がつくと、5分と経たずに並びは10人以上となった。どうやら、タイミングが良かったようだ。

店内から客が出ると、店内に入った。入口そばで料理の提供に奮闘しているご主人に挨拶をして、上着をハンガーに掛け、空いたばかりの席に腰を下ろした。奥さんに挨拶をすると、久しぶりの利用を告げられた。外の並びが多くて利用出来ないでいたことを話すと、外の状況は分からないようだった。ここの人気は、宣言下でも関係ないようだ。

ボクは今まで通り、“いつも”の、それに“味噌豚”を追加した。“いつも”のとは、牛すじカレー並盛り、煮玉子、生玉子、そしてコールスロー大だった。

ブレのないいつもの料理は、安心して楽しめる。通っているからこそ、味にブレがあればすぐに分かる。
いつもながらに、ブレなく美味しいひと皿を楽しめた。

料理のブレは、たまにはある。通っている店であれば、一口食べればすぐにでも分かるはずだ。しかし、“ここ”ではほぼ“それ”はなかった。

ご主人から、相模川のドライブの話がされた。相模川はボクの自宅そばにあることを、ご主人は知っていての話題だ。
そんな話から、緊急事態宣言の話になった。宣言下でも協力金だけでは、営業を維持できない。なので近くの居酒屋は営業をつづけている。そんなシリアスな話題を、お互いに笑いを交えながら話した。

今日も美味しい料理をご馳走さま…
支払いを済ませ、ご主人にそう伝え店を出た。
良く考えたら、”いつも”の料理に、茹で卵が抜けていた。損したキモチにならないのは、いつもボクが得をさせて貰っているからだ。

週を変えて行ってみたら、並びはさらに増えていた。人気の理由は、値段ばかりではなさそうだ。
緊急事態宣言のときも、元気に営業していた。ご主人は朝8時前には店に店に入り、料理の仕込みには余念はない。カレーの仕込みは体力がいるから、いくら元気でも高齢の身にはさぞかし大変な作業だろう。

緊急事態宣言中の時期には、結局1回しか利用しなかった。行かない理由が、特にあったわけではない。実は人が少ないこの時期に、ある地域を中心に飲食店を開拓していたのだった。

久しぶりに店に行くと、相変わらず店舗外には並びがある。3人目として、列の最後尾についた。今日は宣言解除後だから、まだ客が戻って来ていないのかも知れない。
そう思ったのも束の間で、すぐに自分の後ろに6人ほど列が増えた。

前のふたりが同時に入ると、それ程待たずに店内へ入れた。カウンターのみの店内は7人ほどしか利用出来ないが、相変わらず客の回転効率は良い。

入口カウンターにある“きたなシュラン”受賞の証、ダーイシ人形脇にあるアルコールスプレーで、手指消毒をした。その際、調理中のご主人に挨拶を忘れなかった。奥から2つ目の席に座ったが、一番奥の客が会計を済ませ離席すると、調理場の奥様が奥の席を促してくれた。奥の席に好んで座ることを、知っているからに他ならない。

料理は“いつもの”と告げ、トッピングには“味噌チキン”を追加した。ライスを心持ち、“少な目”にして貰った。

味噌チキンはフライパンで焼くので、カレーのみの注文より多少時間が掛かる。もちろんいつものことなので、それで構わない。

まずはダブルサイズのコールスローが提供され、いつものようにカレーがカウンターに乗るまでのツナぎとした。
奥様が“今日は、ドレッシングが多くなりました。”と言った。実は、ドレッシング少な目が好きだったのを知っているからだ。

しばらくして、料理がカウンターに置かれた。生玉子をしっかりとかき混ぜ、ライスの中央に窪みを作って流し込んだ。
テーブルの唐辛子パウダーを、ルーに掛け馴染ませてスプーンでひと口運んだ。
円やかであり、スパイスが適度に効いた変わらない“いつも”のカレーだ。味噌チキンは柔らかく、カレーのトッピングとして楽しめた。

久しぶりに来店だったと、奥様に言われた。他の店に行っていたとは、言えなかった。

会計を済ませ入口まで来ると、ご主人に話し掛けられた。
“なかなか話せなくなりましたね”と…。
今話してますと言って、お互いマスク越しに笑った。
他の客は黙食を守って、静かに食事をしている。
新年初めての利用となる。
休み明けはいつもだが、かなりの利用があり列がある。なので正月明けを外して、木曜に行くことにした。

路地に入ると、珍しく遠目にも並びがないのが分かる。こういう日に限って、臨時休業の日がよくあった。近づくに従い、店の看板に灯りが着いているので一安心だ。

店内に入り、入口そばで調理をするご主人に、小声で新年の挨拶を交わした。奥の調理場にいる奥さんには、会釈をして新年の挨拶に替えた。

並びこそないが満席なので、寒いこともあり入口そばの狭い通路で待った。カウンターに用意されたスプレーで、手指へのアルコール消毒は忘れなかった。

すぐに入口の客が支払いを済ませたので、入れ替わりで座った。今日は皆ひとり客のようで、会話をすることもなく黙々と食事を楽しんでいる。実は暮れに同僚と来たとき、嗜(たしな)められた。ひとり客が多い店内で、その同僚やご主人にベラベラと話し掛けたからだった。

新春だからといって、特に正月メニューがある訳ではない。
“いつも”のに、味噌チキン追加と言って注文した。

“いつも”とは、カレー並に煮玉子、生玉子、コールスロー大、それに口頭で伝えた味噌チキンだった。

今日はご主人のすぐそばだから、少しばかり話した。
しかし、暮れに言われた同僚の言葉から、会話にはティッシュで口を塞ぎ話した。
“変な時代”、そう話して店主と笑った。

せっかくの正月なので、気分をあげるため生玉子をライスの中央に添えた。日の丸みたいで、いいではないか。

注文すると、ご主人は順に調理する。繁盛する店では、順番は無視して手際よく効率良い提供をするが、ここでは無縁だ。

“いつも”の料理は、ブレることはなく美味しく楽しめた。
野菜は最初は野菜からのが良いみたいだから、ムシャムシャ口にした。
味噌チキンは、ちょっとばかりジューシーで、柔らかい食感だ。
カレーは牛すじが一体となり、申し分ない。
途中、黄身を潰し、ライスに合わせた。合わせて、煮玉子を潰し、ルーに馴染ませた。

味は分かってはいるが、稀にあるブレも承知している。
新年早々、良い仕上がりのひと皿だった。

今日は結局、店主とはコロナの話で終始した。
店主の好きなバッティングセンターの楽しみを聞くと、興味はなくなったそうだ。
ボクも高齢だが、さらに高齢の店主は11も上だった。いつも元気なのは、常に心身を鍛えた賜物に違いない。
最近は特に外に並びが増えて、週一回の利用すらままならなくなった。つい2週間ほど前だったが、その週まるまる臨時休業となった。貼り紙を見ると、どうやら急な水廻りのトラブルがあったようだ。
その週は諦め翌週行くと、外の並びは今まで見たことない程に列をなしていた。開店を待ちわびた客が、集中したようだった。その週は長蛇の並びが続き、結局は利用することはできなかった。

週を改め、月曜に行ってみた。月曜は普段から列は長いが、この日はそれほどには並んでいない。ボクは列の最後尾、5人目に並んで待った。
今日は客の回転は思ったほどにはスムーズではなく、思いの外待ってしまった。

先客が出て店内に入ると、入口脇のカウンターに置いてあるエタノールで手指を消毒し、それからご主人に挨拶をした。ジャケットをハンガーに掛け、空いている入口からふたつ目の席へと腰を下ろした。

ご主人は何か話し掛けたようだが、聞き取れなかった。すぐに話題を、臨時休業の話へと話題を持っていった。水廻りの他、調理場の床が沈んでしまい、修繕せざるを得なかったようだ。
年末に手痛い出費だったことを返すと、ご主人は笑った。

今日もご主人に“いつもの”に“味噌豚”と告げ、注文した。
“いつもの”とは、コールスローダブル、牛すじカレー並、これにゆで卵、生たまごとなる。残念ながらゆで卵はキレたようだったので、生たまごをWにした。

味のブレは料理には、ほとんどない。それでも週一回、10年以上通っていると、味、ルーの状態に気づくこともあった。今日は、完璧な仕上がりだった。

宮ケ瀬のクリスマスツリーの話題になった。
自生のモミの木に、クリスマスツリーとしてデコレートする。高さ30mを超えるツリーのイルミネーションで、宮ケ瀬湖畔は幻想的な光に包まれた。毎年この時季に、20万人ほどの人がこのイルミネーションを楽しんだ。

ボクは自生のモミの木では、日本一だとご主人に話した。
ご主人は“日本一が多いですね”。そう言って、手を休めることなく笑顔で笑った。


“きたなシュラン”は、フジテレビ系“とんねるずのみなさんおかげでした”のコーナーで放送されたお店でその趣旨は“見た目が汚い外観に反し、料理がおいしいレストラン”を取り上げる人気コーナーだった。
“ねるとん紅鯨団”、“とんねるずの生でダラダラいかせて!!”と並び、とんねるずの代表番組の一つで長寿番組だったが、番組のマンネリ化、パワハラまがいの不快なギャグが時代にそぐわず、人気は低迷、終了した。

2010年“とんねるずのみなさんのおかげでした”の人気コーナー“きたなシュラン”でふたつ星を獲得し、一躍有名店となった小さなカレー家は、創業は2003年なのであと少しで営業は20年に届く。

店主の萩原健次郎氏は、サラリーマン生活を途中で辞め、スナックの店舗を再利用し牛すじカレー店をオープンした。そのカレーは試行錯誤で独学で辿り着いた味だそうだ。
オリジナルのカレールーにはクミン、コリアンダー、シナモン、グローブなど11種類をブレンドさせている。
大久保界わいで今人気のスパイシーカレーとは違い、ドロっとしたルーが特徴の、従来の日式欧風カレーを楽しませてくれた。

料理は基本2種類で、“牛すじカレー”と“カレーつけうどん(温、冷)”で、これに味噌ぶた、チキン、イカや玉子(生、茹で)あるいは牛すじを追加して楽しむスタイルだ。

今年72歳のはずの荻原さんは、窓越しから中を眺めると、朝8時には既に仕込みをしていた。
カレーの仕込みはかなり体力がいる仕事で、高齢が理由で店を廃業する個人店も多いと聞く。
事実、番組で放送された、“きたなシュラン”獲得店の多くは、現在廃業していた。

いつもは店主から、ボクに話し掛けてくる。今日はボクから店主に話し掛けてみよう。



週一回は利用しているが、今週は並びが結構あって利用できないまま金曜日になってしまった。
このまま土日を迎え利用出来ないのは、どうにも忍びない。

店舗前に行くと、並びはそれほどではない。ボクは列の最後尾について、店内に入る順番を窺った。
店内に入りご主人に挨拶をし、同時にうどんを注文して良いかを確認した。うどんだと料理の流れが変わり、どうしても注文は憚(はばか)られた。

一番奥の席が空いたので、一旦座った席を移動した。奥で洗いものとコールスローの提供を受け持つ奥さんが、ボクを特等席へと促してくれた。奥さんの気遣いは、いつも感謝だ。

直ぐにWにしたコールスローが、奥さんから提供された。
客の注文の合間にうどんを茹で、並行してフライパンを温めて冷蔵庫から出した味噌ぶたを乗せた。
茹でたうどんをシンクに置くと、水を流した。最後は氷水で一気にうどんを締めた。
うどんとカレーの器が提供されるまでには、それほどには時間は掛からなかった。

奥の席に座ると、奥さんとはいつも世間話をする。このところ次節コロナ絡みの話題ばかりだったが、今日は近くの飲食店の話だった。
実は冷たいうどんにしたのは蒸し暑かったこともあるが、夜に職場の若い仲間と食事を楽しむ予定になっていた。
その店の話をすると、奥さんは行ってみたいと興味を示した。

氷水で締めたうどんは腰があり、ひんやりした。一方カレールーは熱々で、料理の温度差を楽しめた。途中生たまごを潰すと、途端カレールーは円やかな味へと印象を変えた。ゆで玉子は、潰してルーに馴染ませると良いだろう。

うどんにすると、カレールーはかなり余る。余ったルーに、半分ほど残しておいたコールスローを入れて楽しむのが、自分流だった。もっとも、他人には見せられる食べ方ではなかった。

お腹は充分に、満たされた。
入口そばの調理場に立つご主人に、お礼を伝え店を出た。ご主人はいつも、物腰は柔らかい。
雨は相変わらず降っていたが、それでも並びはまだあった。
牛すじカレーライスで知られているが、実はカレーうどんも楽しめる。うどんは限定ではなく、レギュラーメニューとして季節に関わりなく注文出来る。
ただうどんを注文すると、店主の仕事の流れが変わるので普段は注文を遠慮している。うどんには、温かいうどん、冷たいうどんが楽しめるが、うどんを注文する時は決まって冷たい方を頼んだ。

急に暑くなった5月の昼時、今日はカレーうどんの気分だった。店内に入るとカウンターのみの席は、非常事態宣言下、間引きされている。今日の客入りは、前回よりも心なし少ない気がした。客の暗黙のルールのもと、ひとつづつ席を空けて座っていた。
たまたま一番好きな奥の席が空いているので、今日は云ったりとしたキモチで食事が出来そうだ。

店に入ると、すぐのところにご主人がいた。今日はうどんでも大丈夫確認した。もちろん、ご主人は注文を嫌がることはない。
今日は冷うどん、生たまご、味噌チキン、それにコールスローWにした。ゆで玉子は、ルーの中に半分デフォで付いてくる。

カレールーはうどんだからと言って、特に変えているわけではない。
うどんを取り、ルーに潜らせて、跳ねるのを気にしながら一気に啜った。
水で締めたうどんは、腰があって喉越しを楽しめる。
途中、うどんに入った味噌チキンを取り、同様にルーに潜らせてひと口楽しむ。柔らかい肉の弾力は、口の中で至福ハーモニーを奏でる。
味変に黄身を潰し、うどんをカレールーの海に通すと、円やかなコクが楽しめた。

カレーうどんにすると、うどんが無くなっても、カレールーが残ることがよくある。
そんなときは、残ったルーの中にコールスローを入れて楽しむのが自分流だ。

暑い日は、冷たいカレーうどんも、なかなか良いと思う。
4月の国の緊急事態宣言を受け、うちの職場も他の事業所同様在宅勤務を採用した。出勤時間は始業就業時間を3つのシフトで、さらに在宅勤務は週2、3日のシフト制となった。テレワークには馴染みのない(馴染まない…ではない!)旧態然とした職場なので、宿題を課しての在宅勤務だった。
ゴールデンウイーク開けの久しぶりの出勤日に、開いているのを確認しての利用だった。

いつもは閉めている扉、窓は開け放たれ、入口には“きたなシュラン”のダーイシ人形に並んで、エタノール消毒液が用意されていた。
いつもはカウンターにびっしり並んだ椅子は数席抜かれ、間引きされているのが分かる。

マスクをしたご主人に挨拶をし、消毒液を手に吹き付けて店内に入った。奥の席が空いているのを確認し、仕事着にしている自前のウインドブレーカーをハンガーに掛けて移動した。移動しながら、ボクはご主人に、“いつもの”に、味噌豚”と告げた。

4月のアタマに来て以来久しぶりだったので、奥さんが心配してくれた。在宅勤務をしていると話すと、そこから会話のキャッチボールが始まった。実は体調を崩して来れなかったのだが、この時期余計な心配を掛けたくないので、特に話さなかった。

改めて間引きされたカウンターを見ると、客は席をひとつづつ空けて座っている。今日は特に店の外に並びはないから、客同士での暗黙のルールを守っているのだろう。
結局料理が提供されるころには、並びこそなかったが全ての席が埋まった。

今日は“いつもの”牛すじカレー並、コールスローWにゆで玉子、生たまごを付け、さらに味噌豚を追加していた。

卓上の香の物は福神漬けが、今日は甘辛い沢庵に代わっている。それと一緒にらっきょう漬けを取り、カレー皿の隅に乗せ楽しんだ。
いつものように安心して口にすることが出来る、安定した味わいの一皿だった。ただ今日は、塩分が多少弱い気がした。日常楽しんでいると、味の変化が分かるようになった。

会計を済ませ、ご主人に“体調は大丈夫か…”と話し掛けてみた。ご主人はにこにこして、返事を返した。
萩原店主は今年で、72歳になる。



フジテレビ系の“とんねるずのみなさんのおかげでした”のコーナー、“きたなシュラン(のちに“きたなトラン”と名称変更)”で紹介された。番組の趣旨は、見た目は汚い店舗だが、料理は美味しい飲食店をバラエティとして紹介した。

数多く紹介された店舗の中で、映えある2星に輝いたのが新宿区大久保で牛すじカレーを提供する“小さなカレー家”だった。店主の萩原さんは脱サラの後、ボロボロで崩れ落ちそうなスナックを居抜きで借り現在に至る。

70歳の店主の趣味はドライブ、旅行、バッティングと、行動的で多彩だった。朝の仕込みから、営業に至るまで、カレー店を回すのはかなりハードだ。若々しく見える容姿だが、その年齢を考えると、いつ店を畳んでも不思議ではないと思う。

質実ともに食べログでは、“TOP 5000”になった。長年の地道か努力が認められたことは、いちファンとしては嬉しかった。

金曜日に楽しんだばかりだったが、土日を挟んでまた来てしまった。休み明けの月曜日は、いつも外の並びは多いが、この日は4人だったので列の最後に付くことが出来た。
外並びの先頭に立ったとき、そばに来たご主人に窓越しに挨拶をした。

店内に入り、ウインドブレーカーを壁際のハンガーに掛け、空いたばかりの席へと腰を下ろした。すぐに奥さまが、紙コップに水を入れてくれた。

“いつものに、味噌豚トッピング…”
そう言って、“いつものように”注文した。
ボクの“いつもの”とは、牛すじカレー並に、生たまご、ゆで卵、そしてコールスローWにすることだった。これにトッピングとして、味噌はか、味噌チキンを付けていた。

食べログで“TOP 5000”になったお祝いを、ご主人に伝えようと思ったがヤメた。ご主人には、そうしたことには興味はなさそうだからだ。
ご主人には今日も時事ニュース、新型コロナウイルスについて話しをした。

自然の猛威には、人間はなんと非力なのだろうか…
そんなことを思いながら、今日も美味しいひと皿を楽しんだ。今までマスクなどしなかったご主人が、ここ1か月マスクをする姿が、何故か印象的に思える。


正月が開けて新年の挨拶方々窺うも、いつも行列で利用できずにいた。
今日は遅番、しかも雨の日だったので行ってみることにした。案の定行列はなく、すぐに店内に入り手前の席に座ることが出来た。他の席は埋まっているのは、さすが人気店だろう。

ここは週一回、余程のことがない限り昼どきに利用している。いつしかご主人、奥さまとは世間話をするようになった。
注文の際は"いつものに○○を付けてください。"そんな会話で成り立っていた。

調理の合間を見計らって、"正月はどちらか旅行したか"、をご主人に話した。
"孫が遠方から来るから、面倒みてました。"そう、笑いながら話した。

まずはいつものように"コールスロー(大)"が、奥さまから提供された。その間、ご主人がボクの料理、"味噌豚"をフライパンで調理を開始した。
コールスロースローは大は100円だが、ボリュームはたっぷりで食べごたえがある。

牛すじカレーは並でも400gだから、食べ盛りの成人男性でも充分だろう。たまに"特盛"にする客がいるが、"1kg"と言われて"大盛600g"で注文を変えていた。これにいつもの味噌豚、生たまご、ゆで玉子、そしてコールスローで〆て850円なりだ。
安いしボリュームはあるし、何より美味しいから週一回のヘビーユースをしていた。

調理する合間をみて、世間話をさらに2、3した。お会計を済ませ、あらためて新年新年の挨拶を交わした。
ご主人はご高齢だから、いつまで営業出きるか心配だ。休みの日は、バッティング、ドライブと充実した余暇を送っているそうだ。
いつまでも、お元気でいて貰いたい。
週に一度は、昼どきに利用している。
今日は外の並びは4人、その列の最後についた。
強烈な日差しが頬に当たるが、空気はすでに秋を感じさせた。
客の回転が早いから、5分ほどで店内に入ることが出来た。

今日は一番好きなカウンター奥の席が空いたので、狭い店内をぶつからないように移動した。迷ったが、いつもは注文しない、"うどん"を"冷"でお願いした。
"うどん"にすると、料理の提供が遅れ、流れを乱してしまうからあまり注文はしない。それでも暑いこの時季に、一度は口にしたかった。

注文が通ると先ずはコールスロー(キャベツの千切)Wが提供された。丼のような大きな器で100円とは、いつもながら頭が下がる。

コールスローを楽しんでいるうちに、ご主人はいつの間にかボクの料理に取り掛かっていた。
フライパンで"味噌豚"を焼き、さらにうどんを茹でて水で締めた。

今年で71のご主人は、その年齢に反し動きは機敏で無駄がない。休みにはバッティング、ドライブと余暇を楽しんでいると聞く。

料理が提供され、久しぶりのカレーつけうどんを味わった。別皿の生たまごをカレーの入った器に移し、まずはそのまま"うどん"を潜(くぐ)らせ啜(すす)った。しばらく食べ進めてから生たまごを崩し、うどんに絡めた。

久しぶりのうどんは、美味しく楽しめた。
奥さまに会計をお願いし、出口でご主人に挨拶をして店を出た。
来たときよりも並びがあるのが、単なる客であるにも関わらず嬉しかった。

帰る時必ず眺める人気のカレーの人気店は、既に記帳客の並びはなかった。とんねるずの番組で表彰されたキタナシュランとは、また違った"カレー"が特徴だった。
日頃、一週間に一度は利用している。
いつものように小滝橋通りに沿って新宿方面へと少しばかり歩き、北新宿百人町交差点手前の路地を大久保駅方面へと入った。

途中人気のカレー店に目を向けると並びは10人ほどで、それほどではない。近隣からの苦情からか、記帳方式になって利用方法はさらに合理的になったようだ。

今日の並びは5人で、休憩時間内でも充分利用出来そうだった。
最近は中国、韓国系の利用が多く団体できているから、諦めて引き返すことがあった。
今日は大丈夫そうだ。

客が出てきたので店内に入ると、一番好きな奥の席が空いていた。入口で調理場の店主に挨拶をし、ハンガーにジャケットを掛けて奥の定位置へと座った。

注文はメニューは見ずに、"いつもの"とトッピングの"味噌豚"をお願いする。
今朝の台風の被害が全くなかったことを話し、紙コップに水を入れてくれた奥さんへの挨拶に代えた。

味噌豚をフライパンで焼くから、提供までに時間は掛かる。それは了解済みだ。それでも店主の手際の良い調理で、5分程度での提供だった。

"いつもの"コールスローW、生たまご、茹で玉子、そして追加した味噌豚と贅沢なランチを楽しんだ。贅沢をしても、850円と懐(ふところ)に優しい。普通盛りでもかなりのボリュームで、分からずに頼んだ女性は残すこともあった。会計を済ますときに、しきりに皆謝っている。
客にも関わらず謝れる…店の優しさを、肌で感じるからだろう。

今日も満足の"ひと皿"だった。
店主はすでに70になるはずだ。臨時休業も多くなった。そのことを店主に尋ねると、"墓参り"だそうだ。

いつまでも、頑張って欲しい。そんなボクの秘密にならない"秘密基地"だった。


週に最低でも一回、多いときには1日おきに使わせていただいている。
ここを使い始めたのは職場が大久保に移転してからだから、かれこれ8年にはなるだろうか。

今では「いつもの!」と言うだけで、了解してくれるほどになっていた。
今日はご主人と神奈川の宮ヶ瀬のクリスマスツリーについて話した。
そんな昼どき、ひとときの団らんを楽しむことができた。

今日は「いつもの!」牛スジカレー並盛り、生たまご、ゆで玉子、そしてコールスローWに、みそ豚を付けた。

いつも変わらず安定した味で、料理を提供してくれた。

居心地が良く、いつも安心して楽しんでいるので、全ての評価を見直してみた。
外観、料理、店の雰囲気に少しでも興味が湧いたら、是非使っていただきたい。
きっと、満足いくひとときを過ごせると思うから…

(2017年8月再訪)
レビューしてはいないが、ボクのヘビーローテーションの一店だ。

暑い日だからというわけではないだろうが、今日は外に並びはない。店内に入ると奥さんの姿はなく、店主ひとりで調理をこなしている。
こんな日は料理の提供はかなり遅くなるのだが、客がうまいぐあいに入ったようで料理はスムーズに提供されている。

店主に『"いつもの"に、味噌ブタ』と注文した。
「いつもの」とは、"牛すじカレー並盛り、生玉子、ゆで玉子をトッピングし、コールスローをW"というものだった。
いつの間にか常連に近い感じになって、嬉しくもあった。

先ずはコールスローWが提供され、生玉子が別皿でカウンターに乗った。コールスローはキャベツの千切りにドレッシングが掛けられただけのものだが、これが大好きだった。
フライパンで味噌ブタが焼かれ、皿に乗ったライスにカレーを回し、味噌ブタとゆで玉子をトッピングして完了。

料理がカウンターに乗ると、いつものように卓上のらっきょう、福神漬けをルーとライスの境目に乗せた。
生たまごを解いて、ライスに窪みを付けて流し入れるのが自分流!
最後にやはり卓上にある一味をルーにかけ、ひと口…
濃厚なルーとふっくら炊き上がったライスは、いつもながら安心して楽しめた。

奥さんがいるときは話しかけてくれるが、今日はその余裕がなさそうだった。
ボクは会計を済ませた、いつものように美味しかったことのお礼を告げて店を出た。
ご主人は手を休めることなく、ボクを見送ってくれた。
(2016年11月再訪)
最近は週一、多い時は一日おきに来ていたこともある。
極上のカレーを提供する…
と言うより、ボクには居心地が良かった。

外の並びは5人ほどなので、その最後尾に付いた。
ガラス越しに狭い店内を覗くと、ご主人と奥さんとの2人体制で調理をこなしていた。

10分も経たずに店内に入り、空いたばかりの入口寄りカウンターに腰を下ろした。
いつものように、キャベツの千切りにドレッシングを掛けただけのコールスローをダブルで、そして牛すじカレーの並みに、生玉子とゆで玉子を付け注文を通した。

カウンターにコールスロー、生玉子、カレーが、次々と乗った。
卓上の一味唐辛子をカレーにかけ、福神漬、らっきょうをカレー皿の脇に添えた。

コールスローは、奥さんの担当だ。
いつも、にこやかに声掛けしてくれた。
甘めだが濃厚なカレーで、いつものようにライスが進んだ。

たまに寡黙なご主人が、ボクに話し掛けてくれた。
今日は地震の流れからの会話になった。
『そのうち、富士山は爆発しますよ。』
ご主人は、火山噴火があちこちあるのに、富士山だけがないのを不思議がった。

今日も美味しいカレーを、楽しめた。
勘定を済ませると、いつもにこやかに送る2人の顔が印象的だった。
『食べる前から、味が分かる。』
でもまた来たくなるマジックが、ここにはあった。

(2015年12月再訪)
使い始めてから、10日に一度ほど来ている。
職場から近いこともあるが、自分にとっては寛いで食事を楽しむことができた。

広くは、テレビ番組の企画で、「汚くても、美味しいレストラン」をキーワードに紹介され認知されている。
いつも並びは、10人ほどあった。

年末の土曜日、昼時に寄ってみた。
店内に入ると、今日はご主人ひとりで仕事をこなしていた。
必然、料理の提供は遅い。

店に入ると、古びたカセットテープレコーダーから、いつものようにAMラジオが流れている。
いつものように、400gの並盛りの牛すじカレーに、さらにいつものようにトッピングした。
味噌チキン、茹で玉、生玉、コールスローサラダをダブル…

今年最後に、大好きなお店を使えたことを、嬉しく感じる。
健康だからこそ、美味しいものを、美味しく食べられる。

昼時とは言え、土曜日で10人の並びがあった。
さすが、大久保の人気店だ。

(2015年10月再訪)
実は週一の割合で使っている、ボクのヘビーユースのお気に入りだ。
昼時は常に、10人の並びは当たり前だ。
今日は並びがないので、10分待ちで店内に入ることができた♪
入店すると、いつものように奥さんに挨拶し、いつもの通り注文した。
今日はつけうどんを冷やにし、コールスロー、そしてトッピングを数品つけた。
今日はボクなりに、料理をカスタマイズしてみた。
サラダうどんの完成だ♪

今日も満足いく料理にご馳走さまでした。

(2015年7月再訪)
10日に一回は使っている、ボクのヘビーローテーションのうちの一店だった。
味がぶれず、常に安定した味わいだ。
この辺りで、この店と対になるような店咖哩なる一族が出来ていることは、嬉しかった。

常に並びがあるが、接客の質が落ちないのは素晴らしい。
今日も、ありがとうです♪

(2015年1月再訪)
今日は遅くなりそうなので、トッピングをかなり欲張った。
それでも、〆て800円とは素晴らしいコストパフォーマンスだろう。

最近は特に並びが多くて、入れないこともある。
キタナシュランに選ばれたからではなく、かなりの実力店なのだ。
素直に、美味しいから!

奥のカウンターに座り、今日も奥さまと会話を交わした。
コールスロー、洗い物担当の奥さまは、笑顔が素敵だった♪


(2014年10月再訪)
結構、週一ペースで、使っている。
今日は、牛すじカレーに、味噌チキン、煮玉子
そして、コールスローをダブルでつけた。

最近は奥さまは店に出て、必ず手伝っている。

雨だと言うのに、入り切らないお客さんは並んでいる。
相変わらずの、人気店だ!

今日も安定した味わいだ。
750円を奥さまに、払って…、ごちそうさまぁ〜♪


(2014年5月再訪)

今日はうどん気分、カレーも食べたかったから迷わず入店。
カレーうどんを冷にしてみた。
これに茹で玉子、味噌チキンを追加した。
ちなみに、うどんには替え玉が、ルーには追加があった。
いつものように、コールスローをダブルにした。

自家製ではないが、もっちりとしたうどんに、カレールーがよく馴染んだ。
ルーは牛筋カレーのものを、そのまま転用していたが…
全く問題なかった。
むしろ、このカレーには、このルーがぴったりのようだ。

800円を店主に払って、ご馳走さま♪


(2014年3月再訪)

久しぶりに窺った。
大久保のカレー店では、決してはずせない一店だ。

店が汚いということで、メディアにも露出したことがある。
しかし、開店の日から思うと…
汚いのを、店の特徴にしている…
オレは勝手に、そう思っている。

このところ、外の並びが多い。
いつも、14,5人位はいるだろう。
そんなこともあって、足を運ぶのを控えていた。

今日は並びがなかったので、入店した。
カウンター10人ほどの席は…
今、退店した客がいた、奥の席だけが空いていた。

牛すじカレー大盛り、味噌ぶた、煮玉子、そしてコールスローをダブルでお願いした。
相変わらず、値段以上にグレードの高い料理をいただいた。
カレーは深みがあって、旨い。
味噌ぶたが、カレーの良いアクセントになった。
来れば必ず頼むコールスローも、相変わらず旨い♪

会計を済ませて、ご馳走さまぁ~

おっと、いつものように、並びがいつのまにかできていた。
今日は、ラッキー♪

(2011年2月再訪)

2月に伺いました。
今回も9割方のお客さんの入りです。
相変わらずの人気店ですねぇ。。。


今回は、初となる「みそ焼きチキンカレー(大盛り)」700円と「煮玉子」50円およびビッグな「コール・スロー」50円をいただきました。

カレーは変わらず、深みのある味わいです。

今回、初となるチキンは、特製の味噌を絡めてフライパンで炒めた一品です。
なかなか個性的な味わいで、自分的にはこのカレーとは全くあわない感じの味付けです。
そうしてみると、みそ焼きカレー(イカ、豚ばら、チキン)を食べている方は誰ひとりいないじゃあないですかぁ~~~!

しかし、この味が不思議と・・・何故か当店にはぴったし合っているような。。。

不思議なお店ですねぇ。

今回、当店の入口そばのカウンターにある「豚さん」と「きたなシュラン」のオブジェを追加いたしました。

今回もおいしいカレーを堪能いたしました。

ごちそうさまでした。また、うかがいますよっ!


(2011年1月再訪)

今回の主役は、大久保駅南口にあるカレー屋さんです。見るからに薄汚れていて(失礼!)、ちょっと入って食事でも!…だなんて、決して思えない外観ですねぇ…。実は、常に"待ち"がでるほどの人気店で、いつも近くの専門学校生やサラリーマンで賑わっているます。こうした外観(さらに失礼!)にもかかわらず、ひとり入店のOLさん、女子学生さんも結構いらっしゃいますねぇ〜!


当店は、牛すじカレー専門のお店で、この界わいワンコインで食べられる良店が多い中、ひときわ際立ってコスト・パフオーマンスが高く、味の方もなかなか…なら人気もでるでしょう…、ねっ!


結論から申しますと…いただいてみて、美味いと思いましたよぉ!だって、ルーは濃厚、味はしっかりとしていて、コクがあります…ならば、昼時はずせない当店ですよねぇ…。


本日は、牛すじカレー大盛500円、トッピングとしてゆで卵50円、コールスロー50円×2をいただきました。

カレーはルーが、どろぉ〜っとしたタイプのものです。一口、食べてみると濃厚な味わいで、かなり手間ひまをかけて煮込まれているのがわかります。コクと味に深みがあっておいしいですよぉ〜!ただ、量的には、大盛でも成人男子には少ないかも…ですかねぇ〜。
辛さ的には、円やかなカレーです。ルーは、グツグツ煮込まれ、素材から滲み出た旨味を、味わい楽しむカレー!とでも申しましょうか…このルーなら、ご飯との相性がとても良いのは当然で、しっかりとご飯に馴染んでくれています。

辛さ加減が足りない向きには、テーブルにカレー・パウダーが用意されています。こちらで、辛さ加減を調整して、味の変化を楽しめますねぇ〜!


トッピングされたゆで卵はハーフ・カットされ、カレーに美しく盛り付けられています。固めの湯で加減です。カレーには、ちよっとした良いアクセントになります。

コールスローは、思った以上にヴォリュームがあります。底が深い中皿に、太めに千切りされたキャベツがドッサリ入っています。コールスローというと、普通、マヨネーズで和えた酢漬けのキャベツを連想しますよね。こちらは、キャベツにあっさり目のドレッシングを一回りかけた…いたって簡単なものです。食べてみると、キャベツはシャキシャキしていて食感はいいです。ドレッシング酸味は少なく円やかです。
これが、自分的になかなかのヒットなんですねぇ〜!うまかぁ〜…。腹が、まだ充分に満たされてなかったんで、こちらをダブルにしちゃいましたぁ〜。さすがに、このサイズのコールスローをふた皿いただくと、結構満たされますねぇ。

本日は、味はもちろん、コスト・パフォーマンス的にも充分に満足のいくランチだったと思います。

ところで、ご主人!これで、もうけってあるんですかぁ〜?

本日は、ごちそうさまでした。また、ぜひうかがいます。

  • 値上げ後のメニュー表示
  • 卓上の福神漬けとらっきょう
  • コールスローダブル(100円)に福神漬け、らっきょうを入れた。

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2位

ビスポーク (東中野、落合 / ヨーロッパ料理、ダイニングバー)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.7
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.8 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2017/08訪問 2017/08/27

東中野にある家庭的なロンドンパブで、この日を祝おう♪

電話に出た女性の声から、家庭的な温もりを感じた。その声が決して優しい、と言うわけではない。それは田舎の伯母に久し振りに、安否確認のために掛けた電話の雰囲気に近いものだった。
ボクは電話での予約を終えると、駅から店までの、簡単な道順を確認することも忘れなかった。

西口改札を出て、回り込むようにエスカレーター脇の階段を下りた。左手の柵向こうを見ると、ホームで電車待ちの客が、一瞬ボクと目が合った。

路地に入り表通りへと出ると、ビストロ然とした凛々しいレストランがあった。ガラス越しに見える店内は、それほどに広いものではない。

キッチンに向き合う形のカウンター奥には、4人組の女性グループが既に料理と歓談とを楽しんでいる。
店内に入るとキッチンに一人、女性が調理をしていた。

店内に入ると、キッチンの女性はボクの顔を見るなり…
「予約した方?」
感情を伴わない声で、そう話しかけ迎え入れた。

ボクはあの電話の声の持ち主が、瞬時にこの女性であることを悟った。店主であろうその女性は、年齢の離れた姉のような雰囲気で貫禄を感じた。その貫禄は体型から感じたものではなく、彼女のもつオーラに近い雰囲気からの印象だった。

先の女性グループの、ひとつおいた席に腰を下ろした。バッグは奥に置くスペースがあったが、女性グループがすでに占有していたから、椅子の背もたれ部分に置いた。

メニューはキッチンの壁中央に、飲みもの、料理とに分かれた黒板があった。先ずは飲みものは同伴者はサングリアを白で、ボクはボードにグラスワインがあったので、それにしよう。ワインは女性店主のオススメに任せた。

料理はボードを350円から1200円までと、信じられないほどにリーズナブル。そして料理の品数は…少なかった。そしてグレートブリテンの国旗が店内にあるように、どうやらイギリス料理にこだわっているようだった。
Fish & Chipsがメニューにあったから、定番料理でそれにしよう。
店主はいきなり…
「私が一番オススメしない料理!」と言い切った。冗談とも本当とも取れないその言葉に、ちょっと驚いた。
オススメ料理を店主に聞くと、「ソーセージが美味しい」と即座に答えが返ってきた。

先ずは特別の今日に…「乾杯♪」

店主の勧めたワインの品種を、実は聞き漏らしていた。ただカリフォルニア産かフランス産かと聞かれてフランス産とだけ告げていたのは覚えている。
赤ワインは渋みはそこそこだったが、その味わいには深みと奥行きがあった。

ボクは店主がのんびりと、料理を作る後ろ姿を眺めるでなしに眺めた。そしてキッチンをあらためて見た。その雑然としながら調理器具は使い易いように並ぶキッチンの雰囲気に、今は無い名店『メッシタ』と重なった。

カウンターに乗った「ソーセージ & マッシュ」はソーセージは大振りで、マッシュドポテトは見るからに絹のように滑らかだった。
ソーセージは噛むとパリっとして、ジューシー。ワインが進む味わいだ。マッシュポテトは口に入れると、す~っと消えていく。
料理は美味しいから、必然グラスに入ったワインは無くなった。

お客さんが、またひとり入った。
どうやら店主との会話のやり取りから、日頃からきているお馴染みさんのようだ。
白髪でしっかりとした女性は、店主との会話を聞くと、今まさにコンサートの帰りのようだ。
女性は"Fish & Chips"を頼み、注文はそのまま通った。

お客の女性は、店主と楽しげに話をした。ボクは彼女の行ったコンサートの主人公の話をし、ふたりの話しに割り込んだ。
昭和の歌に、ボクらの会話は華やいだ。

Fish & Chipsを頼もう。
注文はすんなり通った。
Fishは、タラだろうか…
衣は美味しく、身がキレイにほぐれるタラは旨い。
さらにボクは、グラスワインを注文した。

ボクは今日が、「ボクの記念日」として来たと店主に話した。
にこやかに笑みを浮かべたが、すぐに真顔になった。

記念日になる、1000切り番レビューだった。
あくまでも自己満足として、ボクの記憶に残る一店を選んでみた。


  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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3位

ピッツェリアGG 鎌倉 (和田塚、鎌倉、由比ケ浜 / ピザ、イタリアン)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.7
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.7 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 -

2017/11訪問 2017/12/03

東中野発信…古都鎌倉にとけ込んだナポリピッツェリアは、その日ボクらを包んでくれた♪

京急久里浜からJRへと乗り換え、ボクらは鎌倉を目指した。約1時間電車に揺られ、ボクらふたりは桃源郷の世界をさまよった。

紅葉には、ちょっと早いかも知れない。それでも古都鎌倉の週末は、観光客で賑わっているはずだった。

他の観光客同様、小町通りで店舗を眺め楽しんだ。そして鶴岡八幡宮へと足を伸ばし、参拝した。境内から眺める鎌倉は、なんと情緒ある景色だったことだろうか。

…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…

その日は三浦海岸でみかん狩りを、そして立花では鮪の全てを楽しんだ。久し振りに食事でもと言うことで、ふたりが選んだ店は吉祥寺の人気店の支店だった。
本店の吉祥寺は、元々東中野で開店した。実力を伸ばした結果、評判が評判を呼び次第に人気店へと成長していった。
その頃、南新宿から大久保へと事務所が移転した。いずれ東中野で、評判のピッツェリアの味を楽しんでみたいと思っていた矢先、ggは吉祥寺へと移転してしまった。

…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…


鶴岡八幡宮から若宮大路へと入り、江ノ電和田塚方面へと歩いた。途中お店に入っては、試食を楽しんだ。15分ばかり歩いただろうか…夜の目的地は仄かに漏れた店内の灯りが、印象的だった。

店内に入り、まず予約名と、時間よりかなり早く来たことを若い女性店員に伝えた。
早く来たことで、待つように言われるかと思ったが問題はなかった。

指定されたテーブルに座り、メニューを食い入るように見た。
まずは生ビールを注文し、さらにメニューを見て悩んだ。
ボクらが頼んだ料理は思い出に残る、全てが至福の料理となった。

~今日頼んだ料理と飲物~
○生ビール
乾燥して渇いた喉をしっかりと潤してくれた。スッキリとしたのど越しだった。
○赤ワイン(ボトル)
柔らかで、上質なタンニンの旨味を楽しめた。料理の内容を問わず、どの料理にもシックリと合った、

○生ハムと水牛モッツェレラ
水牛モッツェレラの独特の旨味を、生ハムの旨味が包み込まれている。マシュマロのような不思議な食感と、水牛モッツェレラの旨味とワインが良く合う。

○gg
トマトベースのピッツァ。店名を冠した自信の一枚には、リコッタとナス、サラミが良い仕事をしていた。モッツェレラのクリーミーな旨味、コクがストレートに口いっぱいに伝わった。

○サンタアナスターシャ
モッツェレラのクリーミーさに加え、バジリコ、ナポリサラミがアクセントを付けている。ミニトマトの酸味が美味しい一枚に仕上げていた。ワインがほどよくすすんだ。

オーナーは、この鎌倉店に常駐しているという話だった。しかし残念ながら、今日は休みで話すことは出来なかった。 最初に店内へと迎えいれてくれた、若い女性スタッフがそう話してくれた。

心に残る素敵な〆の思い出を作ってくれたことに、ボクらメンズは感謝したい。
誰にでもオススメできる、古都鎌倉の素敵なピッツェリアだった。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • まだ客は半分程度の入り…徐々に客が来店した。

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4位

ネパール民族料理 アーガン (新大久保、大久保、東新宿 / ネパール料理、カレー、居酒屋)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.6
    • | 雰囲気 3.6
    • | CP 3.6
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2017/06訪問 2017/06/27

キミに贈る言葉❢

この日はボクにとっても、特別な日になった。

18年前ボクがまだ役職に就いていたころ、カレはボクの元にやって来た。優しそうな物腰で、どこか頼りない感じがした。しかしカレの目から受ける理知的な輝きは、忘れられないほどに鋭く印象的だった。

新大久保駅前、吉野家脇で、待ち合わせの7時にはまだ時間があった。喫茶店で時間を潰すには中途半端だから、そのまま待ち合せ場所で待つことにしようか。
驚いたことに、カレはジッと待っていた。休みを取っていたにも関わらず、スーツにネクタイまでしていた。

駅から明治通り方面へと3、4分歩き、エレベーターのボタンを押して乗り込んだ。ネパール出身だと言う青年が2人乗ってきた。降りるフロアを聞いてみると、どうやらカレらも一緒の店に行くようだ。4階で降り自動ドアが開いて店内へと入る。最初に目を合わせた店員に予約名を告げると、即座にテーブルへと案内された。

店内は日本人、ネパール系の客で半々を占め、ほぼ満卓だった。店内はそれぞれの会話が重なり、賑わいのある空間を醸し出している。

メニューを開き、まずは料理に合わせる飲物を決めていこう。ホッピーを見つけたのでボクは黒で、キミはアルコールは飲まないからマンゴーラッシーだ。

注文を伝えようと店員を捕まえようとしたが、忙しいようでなかなか注文が通らないでいた。その間にメニューからあれこれと、料理を決めていった。
ようやく飲物を注文し、合わせて何品か料理を通した。

ボクはメニューから、羊料理を探した。キミはインド・ネパール系料理は口にしたことがないからと、ワンプレートで色んな料理を楽しめるミールス絡みにしよう。

最初に注文していないひと皿が、テーブルに乗った。店員が料理の説明をするが、ボクは頷(うなず)くだけでチンプンカンだ。料理の内容は分からなかった…が、今日が開店一周年記念ということで、店が料理を振る舞ってくれたのが分かった。

◯前菜(一周年記念品サービス)
春巻き・アチャール
サックリとした春巻きで食感が楽しい。アチャールはカレー風味の漬物のごった煮で、スパイシーだ。

◯Mutton choila
カレー風味のモサっとした羊肉。噛み締めるごとに、旨味が口いっぱいに広がり幸せなキモチになる。次第に辛さが口に広がっていった。

◯Aangan special set
インド・ネパールの定番ミールス。その名の通り、豪華で色々と楽しめるネパール番の定食となった。ミールスを食べるとその店の実力が分かると思う。ここのミールスは格別に美味しく、楽しめた。
全ての料理が豊かな味わいで、どれもが主役クラスの料理なのだがそれぞれの味をジャマしない。それどころか、味を引き立てた。

◯Steam momo
ネパール流、蒸した焼売。
柔らかくモチモチとした食感と、肉中心のタップリの具を楽しめる。自家製のタレに漬けると、激辛に変貌した。

◯Pani puri
(パニプリ)
中が空洞になった揚げ菓子のようで、中にスパイシーでちょっと酸味を感じるスープが入る。サクサクとしてまるでスナック菓子を食べているような感じだった。

◯Chicken chilli
食べるのに夢中になり、うっかり写真を撮りそびれてしまった。柔らかい鶏肉、噛みしめる度にスパイシーな辛さが鶏肉の旨味を引き立てた。


ボクはホッピー用に中(焼酎)を追加し、キミはオレンジジュースで口をリセットした。
18年の職場人生を〆くくるに相応しい、オレンジジュースだったと思う。
キミとの連絡先は遂に聞かずじまいだった。聞いてお互い、連絡を取り合うことはないだろうから…

良い人生を…❢
ボクはそう言って、二人だけの送別会の幕を引いた。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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5位

アンティーカ・ピッツェリア・ダ・ミケーレ 恵比寿 (恵比寿、代官山 / ピザ、イタリアン、ダイニングバー)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.8
    • | 雰囲気 3.9
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.7 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2017/11訪問 2017/11/29

賑やかな空間は、さながら恵比寿の小ナポリ♪

今日はキミのバースデー…
プレゼントを選んだが納得出来るものがなく、手ぶらになったことを許して欲しい。


急にめっきり寒くなった。予約の際、雰囲気あるに違いないテラス席…とも思ったがヤメた。

店に近づくにつれ、テラスで楽しそうに話す客が遠目に分かる。カレらを横目に扉を開け、迎え入れてくれた店員に予約名を告げた。

案内された店の奥のテーブルに座り、先ず店内を眺め雰囲気を感じ取った。各テーブルの間隔は、意図的だろうか…狭い。だから耳をそばだてると客同士、何を話しているかがよく分かった。店内隅に窯があり、その前で店員がピザ生地を捏(こ)ねているのがガラス越しに見える。

店員がメニューを差出し、見るとピッツァの種類が少ないのに気づく。ピッツァが少ないのが中目黒の聖林館に似ているが、聖林館が"静"のイメージなのに対し、ここは"動"の陽気な雰囲気を感じる。

メニューを見て、一気に注文した。飲み物は手頃な、渋みの良い"赤"にしよう。

○カステル ベッキオ ロッソ
甘酸っぱく、そしてフルーティーな香りを感じる。酸味があって、タンニンとのキリっとしたバランスの良さを楽しめる。

○タコのサラダ
マリネ風されたタコと、葉ものサラダのシャキシャキしたサッパリ感がプリっとしたタコの対象的食感とを楽しめる。

○イカのフリット
フリットされたイカの食感を楽しめる。サクッとした食感とイカの弾力がよい。品の良いイカフライで、酸味あり赤ワインとの相性はすこぶる良い。

○ピッツァ ポルチーニ
ポルチーニ茸と合挽き肉のラグー。これに粘りつくチーズの旨味が絡み、マルゲリータとは違ったもうひとつのイタリアを楽しめる。生地は比較的厚く、食べごたえがあった。

普段は軽くワインボトルを空けられる。今日はナゼか酔いが回ったようだった。おそらく店の賑やかで陽気な、店の雰囲気ばかりではなかったかもしれない。

賑やかな雰囲気の店内で、美味しいピッツァに、美味しいワインを楽しむのに最適なピッツェリアだと思う。


陽気な雰囲気の店内で、むしろキモチは穏やかになった。おそらく、その時そんな雰囲気を求めていたのだと思う。
キミに、「おめでとう 」は言えなかった。クリスマスを兼ねてでもいいかな…

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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6位

日本料理 いふう (中目黒、代官山、祐天寺 / 日本料理、焼き鳥、串焼き)

2回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.9
    • | 雰囲気 3.9
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.8 ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2017/01訪問 2017/02/07

食に癒やされ、雰囲気に和む♪

もつ焼きばん 中目黒本店を出て、中目黒駅へと向った。待合せた仲間は直接店へ行くと連絡が入ったが、敢えて駅まで迎えに行った。
『今、お店に着いたから…』
どうやら、もつ焼きばんから駅までの間、どこかですれ違ってしまったようだった。
ボクは踵(きびす)を返し、今日の約束の場所へと向った。

扉を開けると、カウンターの中央では久し振りに会うその顔からは、笑顔が溢れているのが分かった。ボクは右手にひとつだけ開いている椅子に腰を下ろし、ホールの女性にコートとトートバッグを渡し、ふたりで食い入るようにメニューに見入った。まずは飲み物を頼み、グラスを重ねた。これが、2人だけの新年会の始まりだった。

残念なことに、友人は酒は全くダメだった。
一方ボクは一品料理が提供されるごとに酒が進み、帰る頃には、酔いは心地良く全身に回っていた。

まずは久し振りの再会とお互いの健康に…「乾杯!」

お腹が空いたというキミは、楽しそうにメニューを捲(めく)った。手始めにトマトのオリーブサラダから頼もうか。あと牛すじ煮込み、串もの、それから角煮もいいかな…

カウンター目の前では板前さん方が、入った注文を手際よく熟(こな)す。流れるような調理に、ボクらは芝居を見ているような錯覚にとらわれた。

トマトのオリーブオイルは酸味は控えめなドレッシングで、オリーブオイルの香り、そしてトマトそのものの酸味が楽しめる。何よりトマトが、瑞々しい。

牛すじ煮込みがカウンターに乗ったから、熱々のうちに楽しもう。すじ肉、小腸、ハチノスが濃い目の味わいの八丁味噌に馴染み、噛むたびに食感と味わいを楽しめる。

串ものは5種類皿の上に、一気に並んだ。
身はしっかりとしていて、それぞれの部位の、特徴ある食感、味が楽しめるのは活きが良い証拠だろう。

白子のフリットがあるから、頼もうか。
煮ものも美味しそうだ。

白子のフリットは口に含むと、ふんわり、もっちりとしている。歯をたてると、海の恵みからのエキスが口いっぱいに広がった。
煮物は季節の炊き込みで、その時々の食材を提供しているようだった。
家庭的な味だったが、プロが作る料理は味に深みを感じる。


久し振りに会うキミは、一回り小さくなった気がする。永年、役を貰いガンバってきていた。遠距離の出張も上手にこなした。思うところがあっての転職のようだった。
その笑顔から、疲れた様子はなく、むしろスッキリした印象でボクは安心した。

さて、ご飯にしよう。
3種類ある炊き込みご飯から、穴子にしてみよう。
ふっくら炊き上がったご飯に、
山椒炊きにした穴子の風味に、牛蒡、人参の味覚を楽しめた。口休めの香物が、良いアクセントになった。汁ものはシッカリと出汁が効いていて楽しめる。
日本人に生まれた幸せを感じる、そんなひと時だった。

デザートを頼んで、そろそろ〆にしよう。
和スィーツといったものだった。
ボクは自家製のわらび餅にした。
ほんのりと甘く、もっちりとした食感で今日の大団円を迎えた。

最後に今日のボクらの宴に、会話に入って気持ちを盛り上げてくれた副料理長に、この場を借りてお礼の気持ちを伝え、レビューを〆よう。


  • 目黒銀座入口の路地を入った、まさに隠れ家だった。
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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7位

かつれつ四谷たけだ (四ツ谷、麹町、四谷三丁目 / 食堂、コロッケ、洋食)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.7
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 3.7
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2017/10訪問 2017/10/06

エリーゼのために♪

四谷の人気店「洋食エリーゼ」は何度となくメディアに露出し、常に行列を絶やさぬ人気店だった。人気メニューにはオムライス、そしてもうひとつの看板メニューがヒレカツだった。その店は今はない。2011年9月25日"洋食エリーゼ"は閉店し、その16年の歴史に幕を閉じた。翌日揚げ物メニューを中心とした"かつれつ四谷たけだ"へと再生した。

レビューに手を染める以前から気になっていたエリーゼへは、遂に行くことは叶わなかった。

…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…

千駄ヶ谷での用事を済ませた、昼どき前のある日だった。
時計を見ると、あと少しで11時になる。
今なら行列は、出来てはいないだろう。
2駅先の四谷へ、足を伸ばしてみることにした。

四谷口の改札を出て、構内左手に回り込む。外に出たら、直ぐの交差点を渡る。コンビニ前の横断歩道を渡ればいいはずだ。

ボクは慣れない地図ソフトを見ながら、目的地へと距離を縮めていった。
横断歩道を渡り左に歩くと、直ぐに"しんみち通り"がある。その入口直ぐが、今日の目的地だった。

料理の写真が載ったメニューが、入口直ぐ前に賑やかに並んだ。何にしようか料理を絞れずに店内に入ると、カウンター一席しか空いていない。ホールの女性店員に促され、その席へと腰を下ろした。

店内にメニューがあって、色々な種類の"かつれつ"が並んだ。迷ったが、外のメニューの"おすすめ"トップにあった"カキフライ"を思い出し注文していた。

店内は分割された形の6人、3人のカウンター、そして2人用のテーブルがふたつの、小ぢんまりとした店内だった。カウンターからは、男性3人が調理する姿が見える。

入口直ぐの調理場にはマスクをした、端正(であろう)男性がホール女性の注文を受けると、調理場奥の、比較的年嵩(かさ)のいった男性2人に注文を促す。ホールの女性の会計の言葉では、瞬時に調理場を離れ直ぐにレジ打ちへと回った。
そんな芝居を観るような、手際の良いしなやかな動きを眺めた。

調理の様子を見ているうちに、牡蠣の乗った皿、ライス、味噌汁がカウンターの上に乗り、女性店員は料理を次々に目の前へと配膳した。

メインの皿には、大きめの牡蠣が6つ重なり、脇にタルタルソース、キャベツの千切り、そしてちょっとしたポテトサラダが乗っている。

まずはカキフライを何も付けずに、ひと口で食べてみた。衣はサクサクし、噛みしめるたびに牡蠣のエキスが口いっぱいに広がる。
海の恵みとはよく言う表現だが、まさに今日だけの"海からのボクへの贈り物"のようだった。

次にタルタルソースを付けてみよう。
酸味が強くなく、主役を上手に引き立てる名脇役となっている。
サンドイッチの具として口にしてみたい、そんなタルタルソースだった。

口休めのキャベツは瑞々しく、シャキシャキとしている。ちょっとばかりのポテトサラダは原形を残し、食感が楽しめる。もう少し、量を楽しんでみたかった。

ライスはふんわりというより、多少硬めに炊かれていて、カキフライとの組合せにはピッタリだった。もちろん、皿に張り付くようなベタつきはない。

味噌汁はワカメとちょっとした長ねぎが入った、いたってシンプルなものだった。
ひと口啜(すす)ってみると、出汁の加減が絶妙で慈味深い味だった。メインの味を損ねない程度の余韻が、口の中を漂った。

食べ終えると、なんとも言えない満足感を覚えた。
それは何も、料理の味ばかりではない。店の醸し出す雰囲気、食事をする客、今ここにいることができた自分…

会計時、マスクをした男性に話かけた。言葉は少なめだったが、優しそうな目の奥には店を守り続ける逞(たくま)しさが伝わった。

店を出ると"しんみち通り"入口まで、列が延びていた。

  • "しんみち通り"直ぐに、店舗はあった。
  • (説明なし)
  • 入口直ぐの写真入りメニューが賑やかだった!

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8位

厚木本丸亭 (本厚木、厚木 / ラーメン、つけ麺)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 2.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2017/06訪問 2017/06/23

一球入魂の塩の一杯を楽しもう♪

仕事を休み、用を済ませるべく、ボクは朝早くから本厚木へと向かった。海老名で乗り換えるが、この街の発展はつくづく目を見張るものを感じた。
本厚木へは小田急線に乗り換え、急行でひとつ目だった。朝からの豪雨と風の影響で、秦野行きの電車が遅延したおかげで、車内はごった返していた。

午前中の用は早く終わったが、午後の予定までかなりの時間がある。本厚木では以前からの宿題店があった。しかし、この悪天候で片道20分歩くと、雨にあたり体は冷えてしまうだろう。だが滅多に来ない場所だったので、意を決して目的の場所へと向かった。

土砂降りの中、駅の南口を出て道路を暫く直進した。5、6分歩くと突き当たりになるので、広い道路は横断せず左折し、さらに2、3分歩いていた思う。

開店5分前だったので、仕度中の札が掛かっていた。店内からは灯りが漏れていたので、そろそろ店を開ける頃合いだろう。
雨が強いだけでなく、風もかなりあるので、案の定衣服はびしょ濡れだった。
この悪天候にも関わらず、ボクのあとに2名ほど並んだ。
…そして開店した。

店内はL字型カウンターのみの席で、券売機はない。
腰を下ろし、メニューをジックリと眺め、目を合わせた厨房の店員に希望する料理を頼んだ。調理場には店主と思われる男性を含め、筋肉質の中年男性が3人並んだ。その顔には帰るまで、残念ながら笑顔を見ることはなかった。

カウンターから料理が提供されるかと思ったが、先の店員がわざわざ料理を運んでくれた。
先ずは丼、間髪なく餃子がカウンターへと提供される。このタイミングで、ボクは瓶ビールを注文した。

いつものようにレンゲから、スープを一口、そしてふた口と啜(すす)った。そしてさらに一口啜ることで、味の方向性を確認した。
決してあっさりとした優しさはなく、磨き込まれた滋味深い奥行きを感じた。スープそれ自体は、サラッとしていて口に纏(まと)わりつくことはない。

このスープに平打ちのやや不揃いの麺が、さらっとしたスープに馴染む。
平打ちで、多少縮れていることもあり、スープとの相性はすこぶる良い。

トッピングは、ワンタン、蒸し鶏、鶏そぼろ、そして春菊、白髭ねぎだった。どの具材も、麺、スープを上手に引き立て、完成された一杯へと昇華した。特に蒸し鶏は、噛み締めるごとに旨みが口いっぱいに広がる。

この悪天候なら客はそれ程には来ないだろう。そう思っていた。食べ終えた11時半を回った時間でも、6割ほどの客が店内にいる。駅からの立地は、決して良いとは言えないだろう。それにも関わらず人気の理由の片鱗が、ちょっとでも分かった気がした。

時間が早くなりそうだ、そうボクの携帯電話に留守録されていた。慌てて会計を済ませ、ボクは傘をさして足早に歩いた。せっかく温まった身体だったが、また20分歩くとしようか…


  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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9位

千里香 (大久保、新大久保、西武新宿 / 中華料理、居酒屋、焼肉)

12回

  • 夜の点数: 3.6

    • [ 料理・味 3.6
    • | サービス 3.3
    • | 雰囲気 3.3
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 昼の点数: 3.6

    • [ 料理・味 3.6
    • | サービス 3.4
    • | 雰囲気 3.4
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ~¥999 ~¥999

2024/03訪問 2024/03/09

羊の内臓スープで、大満足のランチを楽しんでみた♪

延辺料理は、中国東北部へと移住した朝鮮系民族の料理を言った。代表的な料理として羊の串焼があり、寒い地域めあり、香辛料をたっぷりと使っている。これはモンゴルの食文化の影響が窺えた。
旨味があり、香辛料たっぷりのしっかりとした味は、日本の食文化に馴染む味付けだろう。

中国では特定の地域で、犬肉を食す習慣がある。伝統的な犬食文化だが、海外から批判されることが多くなっている。中国国内でも犬肉を食べることへの批判が高まる中、依然、延辺朝鮮族自治州は、盛んに犬肉が食べられている地域のひとつだった。

特徴ある延辺料理、羊肉串料理、狗肉鍋料理を体験できる、都内の延辺中華料理店が、ここ千里香だった。

今日は職場の若い同僚と“そんな”話をすると、同僚は狗(いぬ)料理に興味を持ったようだった。
普段職場で昼を摂る同僚だったが、来週お互い都合の良い日をみつけランチを共にしよう。

北新宿1丁目横断歩道を渡り、大久保駅を横目にそのまま新大久保方面へと歩いた。
小雨の降る中傘をさすと、狭い舗道は人の往来の多い駅前だとどうにも歩きづらい。

教会脇のビルの2階には、黄色い、趣味が良いとは思えない店舗看板は健在だった。
ちなみにその上階には、ネパールの名店ナングロガル 新大久保店がある。

舗道から建物の階段を2階に上がり、扉を開けた。
久しぶりの利用だったが、変わっていないのは良かった。
大久保通り側の、窓側のテーブルに座りメニューを探すと、注文用にタブレットが一台あった。
時代の波を、ここでも感じた。

タブレットの扱い方に不慣れなので、スタッフを呼び希望の料理を決めて操作して貰った。
実は同僚は狗料理に決めていたが、女性スタッフに聞くと片言の日本語で答えた。どうやら、狗料理は止めたようだ。
結局、同僚は迷った挙げ句に、ふたりとも“ラムの内臓スープ”とした。

客は以前ほど入ってはおらず、おそらくは同郷出身客だろうことが窺えた。
大久保の中国レストランは、大陸系の客で賑わう店もあるのとは対照的だった。

同僚と話していると、料理はすぐに提供された。
先ずはピーナッツと辛味根菜の和物、玉子スープがテーブルに乗った。そしていよいよ、ラムの内臓スープが、テーブルに乗った。

先ずはメインのスープを、レンゲで掬(すく)ってひと口…
レンゲに鼻を近づけても、生臭さは全くない。
サラっとした舌触りのスープだが、柔らかさがあって旨味がたっぷり染み込んでいる。
塩分は少ないが、ギリギリライスが楽しめるラインだった。むしろ肉からの旨味で、ライスを楽しませる印象だった。
延辺料理ではあるが、全く辛くはないスープ料理だった。

レンゲでさらにしっかりと丼の底まで掬うと、内臓肉がたっぷりとレンゲに乗った。確認しただけで、肝、胃袋、腸があるが、他にも部位が分からないが、たくさんの内臓があった。
これだけ種類の多い内臓肉を、たっぷり楽しませてくれるから食べごたえはかなりある。

ピーナッツは、ちょうど良い箸休めだ、辛味根菜は大根だろうか、これはオイリーで塩分は強くライスは進んだ。

玉子スープにレンゲを移し、口直しをした。スープは被るが、玉子の円やかで優しい味わいが口に広がった。

痩せぎすの同僚は満足しているようで、結局、ライスは2回お替りしていた。
ふたりともにお腹は満たされ、会計して店を後にした。
ところで狗料理がメニューからハズされた理由を聞きたかったが、片言の日本語なら聞いても分からないかなと諦めた。
延辺料理は、中国東北部へと移住した朝鮮系民族の料理を言った。代表的な料理として羊の串焼があり、寒い地域めあり、香辛料をたっぷりと使っている。これはモンゴルの食文化の影響が窺えた。
旨味があり、香辛料たっぷりのしっかりとした味は、日本の食文化に馴染む味付けだろう。

中国では特定の地域で、犬肉を食す習慣がある。伝統的な犬食文化だが、海外から批判されることが多くなっている。中国国内でも犬肉を食べることへの批判が高まる中、依然、延辺朝鮮族自治州は、盛んに犬肉が食べられている地域のひとつだった。

特徴ある延辺料理、羊肉串料理、狗肉鍋料理を体験できる、都内の延辺中華料理店が、ここ千里香だった。

少しばかり間が空いたが、久しぶりに千里香でランチを楽しんでみよう。ここの麻辣湯が好きだったが、メニュー落ちして久しい。行きあたりばったりで、その日の日替わり料理から選んでみよう。

大久保駅から大久保通りを、新大久保方面へ少しばかり歩く。途中教会があるから、前を通るときには決まって眺めながら歩いている。

2階へと階段が伸びる入口で、日替わり料理を確認した。写真入りなので、分かりやすい。日替わり料理は4種の値段が違う料理が月曜から金曜まで替わり、結構重宝する。階段を2階へと上がると、すぐに入口扉があった。
ちなみに階段をさらに上がると、大久保のネパールレストランの人気店、ナングロガルがあった。

店内に入り、スタッフには大久保通りが見える席を指さし席を確保した。
メニューから4種ある日替りから決めようと思ったが、グランドメニューを見ると、羊肉を楽しめる料理に目が点になった。即決で“ラム内臓スープ”を、女性スタッフに注文した。

提供までの間、店内の客、時には後ろを振返り、大久保通りの様子を眺めては楽しんだ。
女性スタッフとの注文のやり取りを聞いていると、今日も日本人客はいないようだ。ここは少なくとも、利用する日はたまたまだろうが、日本人客に遭遇したことはなかった。


先ずは前菜は定番の“茹でピーナッツ”と“茎昆布の辛味和え”から提供だ。
ライスはお替りは自由だが、面倒なので大盛にして貰う。今日は大盛と言い漏らしたが、盛りは悪くはない。

すぐに大きめの丼にタップリと入って、主役が提供された。
まずはスープを、ズズっと楽しんでみよう…
実は羊肉のホルモンは、初めての体験だった。豚、鶏、牛とは違ったさまざまな内臓肉の食感、旨味を感じた。

中国スープは種類、地域によるのか、塩味を全く感じないりがある。このラム内臓スープは、まさにそうだった。そのため、全くライスは進まなかった。そもそもがそう言う料理なのだから、仕方がない。
醤油など、卓上に調味料があれば良いのだが、残念なが、辛味調味料があるだけだ。

羊肉の、珍しいホルモン料理をランチで楽しめたので、良しとしよう。

結局入店して、店を出るまでの間…いつもだが…見る限り、日本人客の利用はなかった。
千里香は牛すじカレー 小さなカレー家麺屋 悠同様、昼どきにはかなりの頻度で利用していた。
理由は特にないが、コロナが蔓延し始めた一昨年(おととし)の2月を境に、パッタリと利用しなくなっていた。

昨日の雪で、路面は凍結していた。遠征には不向きなので、近場で“昼”を済ますことにしよう。思いついたのは、職場からもすぐの、個性派中華店だった。実は未訪問の店でランチと思っていた。結局、その店は見つけられず、抑えの店としての利用だった。

大久保では人気のネパールレストランの入る建物2階に店舗はある。黄色い看板に千里香の店名が入り、見逃すことはなかった。
建物入口のランチメニューを眺めて、すぐの階段で2階へと上がった。

以前のランチは、毎日3種類の料理が、日替わりで代わっていく。その3種類のランチは、850円、800円、750円と値段が固定されていた。
現在はそれを4種類に増やし、880円、850円、800円、750円となった。

香りが千里のかなたまで届くというヂンチョウゲの別名、千里香は、“延辺料理”を提供する。
朝鮮近くの立地にある中国東北地方、"廷辺"は土地柄、非常に辛く、痺れの強い味の料理が多い。食材にも特徴があり、羊肉、食用犬肉を口にする習慣があるのが、廷辺料理の特徴だった。

2階に上がり扉を開けると、店内は7割の入りだ。以前は同郷の客で占め、満席で断られたこともあった。

馴染みだった、端正な女性店員がボクの顔を見て、“あっ”と言った。しかし、後は帰るまで、以前のような親しみある会話をすることはなかった。 
2年の歳月で、人の距離は広がると感じた。

窓際で1卓ある席へ促され、腰を下ろした。
壁際の左手のテーブルには、明らかに中国と思われる男性がふたり対面している。右手のテーブルには、スーツを着たスリムな日本人男性がスマートフォンを見ている。ひとり客は、その男性以外にはいなかった。
会話の内容からして、他には日本人客はいないようだ。

料理は、日替りで“豚スペアリブの甘酢炒め”にした。

隣のサラリーマン男性に、日替りの“豚挽き肉の甘酢辛味炒め”が提供されると、すぐに前菜の揚げピーナッツ、キュウリとソーセージの和え物が乗った皿、さらにスープ、コンモリと盛付けられたライスが自分へと提供された。そして間髪を入れず、メインの料理がテーブルへと乗った。

皿はスペアリブがトロんとした餡をまとい、たっぷりと盛付けられている。良くみると、他に玉ねぎ、人参も入っていた。

まずはスープをひと口含んで、早速料理を楽しもう。
ワカメと溶き玉子のスープで、トロみがあるタイプだ。中華スープに特有の、塩分を殆ど感じないスープだ。

スペアリブを口にすると、身は容易に骨から離れた。柔らかく、絡んだ餡と美味しく楽しめる。餡は味が濃く、非常に甘い。甘くても味が濃いので、ライスが進んだ。さながら、スペアリブの酢豚と言った印象だ。

ライスは硬くなく、かと言って柔らかくもない。炊き加減は、料理にはちょうど良かった。ライスはお替り出来たが、今日はヤメた。
最後にキュウリとソーセージの和え物、揚げピーナッツで食事を〆た。

隣のサラリーマン男性が、女性店員に何やら話し掛けた。どうやら日本人と思った男性は、同郷の中国人だったようだ。



普段は麻辣湯(マーラータン)を楽しんでいたが、どうやらランチメニューを一新したようだ。
外メニューからは無くなっていたので、イヤな予感がしていた。

ここはレビュー件数以上に、頻繁にランチを楽しんでいる。この店の特徴はほぼ自国民の客ばかりで、日本人は迷い込んだ、ごく一部の客くらいだった。

千里香は、中国、延辺料理に特化した郷土料理を提供する。延辺料理とは中国北東部の料理で、旨味ある料理だが、辛さが極めて強いのが特徴だ。場所柄寒い地域なのが、少なからず影響しているのかも知れない。料理は日本人に馴染みが薄い、北朝鮮と中国の食文化の融合した料理を楽しめる。スパイシーな羊串、そして狗(いぬ)鍋も、多分にこの地域の特徴だろう。

楽しみにしていた"麻辣湯"は残念ながらないので、メニューから"豚角煮と干し豆腐煮込み"にした。
聞くとこの店にしては珍しく、辛くはないと言うことだった。それでも豚角煮は大好きだし、干し豆腐の食感は楽しめるから、今日の昼は"これ"に決めた。

客の特徴を"自国民"と言ったが、それも学生グループが多い。注文は定食メニューではなく、単品で鍋や羊串、それから皿料理を人数以上に注文した。そして完食はせず、大量に残して会計を済ませるのが"彼ら流"だった。

豚角煮は甘辛い味で、ホロホロして柔らかい。"ひもかわうどん"にも似た干し豆腐は、しこしこした独特な食感を楽しめた。
これなら、ご飯が進まないわけはないだろう。

会計を済ませる頃には、店内は客で満席となった。日本人に馴染むサービスは、期待してはいけない。反面、味については、充分に期待して間違いはないだろう。それが"彼ら流"なのだから…
朝鮮近くの立地にある中国東北地方、"廷辺"は土地柄、非常に辛く、痺れの強い味の料理が多い。食材にも特徴があり、羊肉、食用犬肉を口にする習慣があるのが、廷辺料理の特徴だった。

千里香のランチは、毎日3種類の料理が、日替わりで代わっていく。その3種類のランチは、850円、800円、750円と値段が固定されていた。

千里香は小さなカレー家麺屋 悠同様、昼どきにはかなりの頻度で利用している。

今日は特に寒いので、"マーラータン"の気分だった。マーラータンは、千里香では唯一毎日提供しているランチ料理だった。ただし料理名は外にある看板にしかなく、店内では料理名は見当たらない。

昼どきの店内は、いつものように日本人はいない。ボクは奥の壁側、窓際テーブルにひとり座った。メニューを見ず、すぐにマーラータンを注文した。

炒めものが多いランチメニューは、それほど時間は掛からない。マーラータンは煮込むから、提供までに時間を要した。

ところで、昼どきに来ると、ランチを頼む客はすくない。ほとんどがランチメニューでなく、レギュラーメニューからの料理や羊串を炭火で楽しんでいた。

注文から10分ほどで、注文した料理がトレーに乗ってテーブルへと乗った。メインのマーラータン、お代わり無料のライス、前菜2品、そして玉子スープが、トレーのラインナップだ。

先ずはレンゲで、スープをひと口…
次にレンゲでライスを掬(すく)い、スープに潜(くぐら)らせ口にした。
かなりの辛さでら舌が痛いほどだ。辛さが納まると、次に舌の痺れが始まる。
何よりもスープ自体の旨味に、食材からの旨味がスープに滲み出て楽しめた。

具材の種類は、たっぷりだ。練り物、春雨、キクラゲ、もやし、海老、アサリ、青菜、パクチーなどなどで、ボリュームがあった。

前菜2種は、その日で変わるのも楽しみのひとつだ。
玉子スープの味は、その日によって味のバラつきがあった。今日は味が整って、好みの味わいだ。

お腹は充分に満たされたから、ライスのお代わりはやめておこう。

気がつくと、待ち客で溢れていた。相変わらず、日本人はボクだけだった。
中国北部、山東省発祥の炸醤麺(ジャージアンミエン)は主に北京、天津などの華北、四川省ね家庭で楽しまれる麺料理の1つだった。
香港・台湾・韓国でも、外食料理として楽しまれている。
日本では"ジャージャー麺"として知られ、甘めの立った肉味噌を敢えて楽しむ。

豚のひき肉を細かく切ったものに、豆味噌の一種、"黄醤"や小麦粉と麹の一種を加え醸造した甘味噌、"甜面醤(テンメンジャン)"とで炒めて作った味噌が「炸醤(ジャージアン)」。

その肉味噌を、茹でた麺の上に乗せた料理が炸醤麺(ジャージアンミエン)だった。

中国の炸醤は本来は、甘くてピリ辛な味わいではなく、塩気の立つ味わいだった。次第に現在の甘くてピリ辛の炸醤麺へと変わったようだ。

麺は鹹水(かんすい)を用いない、太くて平たい麺が使用されている。口にしてみると、ラーメンに近い"うどん"と云った食感を楽しめた。


暑い日だったから、今日の昼は近場で済ませることにした。教会を右手に眺め直ぐの建物の階段を、2階へと上がった。扉を開けると客は数人しかいない。どうやらいつものように、日本人客はいないようだ。
この店はいつも、1時過ぎからテーブル席が埋まる。

ランチメニューを貰い眺めると、日替りに"北京炸醤麺"という文字が目が留まった。若い男性店員を呼び、どういう料理か確認すると"ジャージャー麺"と片言の日本語で説明した。
今日はスルっと口に出来る、ジャージャー麺にしてみよう。

客入りはそれほどではなかったが、どんなに混んでいても料理を待たされることはなかった。

トレーにはいつものように、前菜2種、玉子スープ、サービスで付けて貰った大盛りライス、そして本日の主役が乗った。
ちなみに今日の前菜は、激辛の搾菜、イカフライだった。

別皿に入った肉味噌を、キュウリと香草がたっぷりの麺に乗せ、味噌が麺に馴染むよう一気にかき混ぜた。

肉味噌が跳び跳ねないよう気をつけながら、一気に麺を啜(すす)った。
甘さは控えめで、ちょっとばかりの辛さを感じる。甘さが際立つ料理は苦手だが、これは麺が進む味わいだった。濃い味わいで、深みある肉味噌なので、麺がスルスルっと楽しめた。

麺は平打ちで、厚みがある。モッチリとした食感だが、麺にはダレはない。むしろコシすら感じた。
そして、箸をライスに移し、大盛りにしたライスを楽しんだ。
途中前菜で箸休めして、再び麺を食べ進めた。

暑い夏でも、楽しめる麺料理だった。

いつも話をする女性店員がいないので、先の男性店員に聞いてみた。どうやら池袋の系列店へと、応援に駆り出されたようだった。



廷辺は中国東北地方、朝鮮近くの立地にある。羊肉、食用犬肉を口にする習慣があるのが、廷辺料理の特徴だ。
千里香のランチの特徴は、3種類の料理が、日替わりで代わっていくことだろうか。その3種類のランチは、850円、800円、750円と値段が固定されていて
分かりやすい。800円のランチだけは、多少入れ替えがある。
他にもその日だけの「日替わり」料理が用意されている。
今日は久しぶりに『牛ハチノス炒め』がその日の「日替わり」メニューに載った。

野菜はピーマン、玉ねぎ、青唐辛子、それにメインのハチノスが皿に彩りを添えている。とろみが多少あって、美味しく楽しめた。

千里香は、ランチではヘビーユースの一店だった。
どの料理を食べても、ハズレはなかった。
ボクの大切なランチタイムを楽しませてくれる店として、評点を上げたい。

ランチタイムしか使ったことはないが、利用すれば間違いなく、ランチを楽しませてくれる店には違いない。
先ずはお決まりの窓側の席が空いていることを確認し、席を決める。腰を下ろし、すかさずメニューを眺め、今日のランチを決めよう。
本来の週単位の日替わりメニュー3品の他、"日替わりメニューがある。ランチとしてはこの店にしては高めな、日替わり料理の血腸余白肉"なる料理に目が留まった。

女性店員に料理について聞いてみたが、日本語がそれほど堪能ではないのでその内容はよく分からない。日本語がわかるいつもの女性店員がいればよいねだが、今日はどうやらいないようだ。
それでも料理が気になり、名称から料理の大体のイメージを想像して注文した。

10分前後でトレーに乗って、料理が提供された。
想像したイメージの予想に反し、汁物の料理だった。
小皿はいつものようにふた品あるが、今日は味付きの煮玉子があるのが嬉しかった。

先ずはスプーンで、スープをひと口啜ってみた。
かなり酸味が強くて、今日のランチの気分に合わない。さらにひと口、またひと口と啜った。
不思議なことに口にするたびに、病みつきの味へと変貌していくのが分かる。

箸で具を摘まむと、白菜が細かくカットされ、春雨が脇役として食感を楽しませてくれる。
そして脂が乗った豚バラ肉、そしてレバ肉が入った。

白菜、春雨、豚肉とスープとの相性が、とても楽しめる。レバ肉料理は見た目通りにモソっとした触感で多少の苦味があった。また、それが酸味の効いたスープに馴染む。
腹はいっぱいで、味、量ともにかなりの満足だった。

会計をしようとレジに行くと、いつもの日本語が堪能な女性店員がいた。レバのような肉は何か聞いてみると、豚の腸で血合いみたいな部位のようだ。旨かったから、最後に聞かなければ良かった。
狗肉料理は北朝鮮を中心に、その近隣の韓国、中国の北朝鮮に接する一部地域で今でも食用として飼育されている。古くは日本でも戦後の食糧難のころ、食用として口にされた時期があったという。

しかし今は犬、猫は家畜としてではなく、愛玩動物として、人間のパートナーとして生活に入り込んでいる。
欧米各国からの食肉としての飼育を禁ずる抗議から、食肉としての犬を法律的に禁じたようだ。しかし現実としては、相変わらず家畜用に犬は飼育され、販売されていた。


階段を上がり店内に入ると、いつものように日本人客はいない。窓際の真ん中のテーブルが空いていたので、窓を背に座った。隣のテーブルに座る中国系カップルはテーブルいっぱいに乗った料理とビールを楽しんでいる。テーブルに備え付けの炭焼きコンロで、女性店員がカレらのために羊肉串を6本焼いているところだった。

ちょっとばかり太めだが、なかなか美人の女性店員は、唯一日本語での会話のやり取りが出来た。串ものを焼くカノジョに壁に貼られた料理メニューを指差し、狗肉料理は美味しいのかを聞いてみた。
「とても美味しい…」

まず前菜の3品がテーブルに、15分ほど待って本日の料理が提供された。いつもより、時間がかかった気がする。

前菜には高菜炒め、炒ったピーナッツ、モヤシのナ厶ルが横長で仕切られた皿に乗った。メインの料理の箸休めの色合いがあった。

熱々の土鍋で提供された料理は、白濁してはいたが具材が沢山入っているのが見て取れた。まるで参鶏湯のような見た目だ。レンゲで掬(すく)って持ちあげると、ブラウンがかった鶏のササミ肉といったような感じだった。
まずはスープをひと口啜ってみると、アッサリとした蛋白な味わいが広がった。中華料理ではあったが、滋味深い味わいで、見た目どおり参鶏湯のスープに近い印象だった。パクチーが使われ、スープにアクセントが付いた。
次にレンゲで具材を掬って、ひと口…
褐色になったササミ肉のようで、あくまでも蛋白な味わいを楽しめた。
味がアッサリしていたので、途中から辛味噌を入れた。スープはキリっと引き締まり、味は濃くなって味が変わった。
ご飯は大盛りだったが、美味しく食べ進めることが出来た。

食べ終えたあと、キモチはスッキリしないでいた。食習慣の違いとは言え、愛玩動物を食肉として楽しむほどの度量は、どうやらボクには備わっていないようだ。
同様に鯨肉料理を食べる日本の習慣が、世界でどの様に捉えられているのかを、多少なりとも考えることが出来た。

美味しく料理を口に出来たが、ジビエ料理同様には楽しめなかった。

千里香のランチの特徴は、3種類の料理が、日替わりで代わっていくことだろうか。その3種類のランチは、850円、800円、750円と値段が固定されていて分かりやすい。あとで確認したところ、800円のランチだけは、多少入れ替えるようだった。

以前から食べたかった『牛ハチノス炒め』がランチにある日だったので、メニューを見ず注文を通した。ご飯はお代わりができるが、店員を呼んで注文するのは面倒だから大盛りにした。

ところで千里香はカウンターはなく、4人用テーブルのみの席だった。前回まで窓際のテーブルに座ったが、今回は大人数の先客が窓際の席を全て埋めているので、窓際に近いテーブルにしよう。

大久保の中華レストランの多くは、中国系の学生が多い。千里香はそうした学生がいるにはいたが、中国系で大久保在住と思われる大陸系の客もいた。
今日はそんな客で店内は埋め尽くされている。

10分と待たずに、料理は提供された。
まずはハチノスを箸で摘み、ひと口…
柔らかくて、プルプルとした食感を楽しめる。濃い目の味付けなので、必然ご飯は進んだ。香草の香りが良いアクセントになっていて、味にメリハリがある。ハチノスは惜しげなく、料理に使われていて嬉しい。
主役のハチノスと、同じぐらいに使われている食材がセロリだった。この匂いの強い野菜がハチノスの臭みを消し、料理の味わいにアクセントを付けている。

昼の定食には小皿料理がふた品、日替わりで付いた。
ひとつは「小エビの唐揚げ」、もうひと皿は「葱と豆腐の麺?料理の和もの」だった。特筆すべき味ではないが、よい箸休めにはなると思う。

スープはこの手の中華レストランでは、旨味を感じるほうだ。

値段はお手頃で、料理のボリュームはタップリ、しかも美味しい…
つまり、コストパフォーマンスが良い店の条件の2つはクリアしている、そんな千里香だ。

実は千里香でしか食べられない「料理」が、最近解禁となった。次回は人生初となるその料理を、試してみたいと思う。
廷辺は中国東北地方、朝鮮近くの立地にある。羊肉、食用犬肉を口にする習慣があるのが、廷辺料理の特徴だった。

千里香は羊串に人気が特に集中していたが、夜は未訪問なのでまだ口にはしていない。
久し振りのランチ使いだったが、相変わらずの人気だ。大久保界わいの中華レストランの客の多くは、中国系の客がほとんだった。だがここ千里香は、日本人客と半々なのが特徴的だ。

ボクは運良く窓際のテーブルが空いているのを確認し、中国系の店員にそのテーブルに座る意思表示をした。店員は日本語は堪能で、会話には不自由はしない。

料理は毎日の日替わりで、3種類のランチが用意される。価格は850円、800円、750円とリーズナブルだ。他にも本来の日替わりが用意されている。

水曜にきたボクは、前日火曜提供のハチノスを使ったホルモン料理を口にしたかった。メニューから、牛肉と豆腐との激辛料理を注文し、ライスはお代りもできるが最初から大盛りとした。

入口そばには若いサラリーマン男子の集団が料理がいた。この集団がなかなか騒いでくれる。まるで宴会で酒でも入っているように大声を張り上げていた。
ボクはこの雰囲気の中、料理を楽しまなければならないのかと思うと、ちょっとばかり残念な気がした。
裏を返した表現で言うと、それだけ寛いで食事ができるのであろう。

魅力的なランチメニューを眺めている頃あいで、料理はトレーに乗って提供された。
メインの豆花牛肉(牛肉と豆腐の激辛土鍋)他、大盛りにしたライス、スープ、味付きの茹で玉子、茎ワカメが定食となった。

土鍋とあったが、料理は瀬戸物の器に入る。汁物系にも関わらずスープが付くのは、中華系定食ではよくあるので、最近は驚かなくなった。中華系で提供される杏仁豆腐がないのは、地域柄かもしれない。

まずはスープをスプーンでひと口…
非常に熱々で、舌がヤケドするほどだった。
さらにスープを啜ってみた。
まるで純豆腐のような辛さがある。違うのはかなりオイリーで花山椒だろうか、かなりの痺れ感がある。例えれば、歯医者で口内に麻酔の注射を打ったときの、あの痺れ感だった。

スプーンでちょっと中を掻(か)き分けると、牛肉の量が多いのが分かる。そして器の底には大振りの豆腐が入った。

箸で肉を口にすると、やはりかなりの熱々で、耐えられずコップの水を含んでしまった。
肉はカタクリでコーティングして、一度油を通した食感、味わいを感じる。これが辛くて痺れるスープが絡んで、非常に味わい深い。思わず箸が大盛りご飯に向いてしまう。スープを纒(まと)った豆腐は柔らかく、やはりご飯が進む味わいだった。

スープは中華では良くある玉子スープ。深みのない味わいで、これはなくてもよい。

茎ワカメだろうか。オイリーで、食感を楽しめるから、ちょっとした箸休めにはよい。

見た目がグロテスクな茹で玉子は、殻を剥(む)いて食べる。醤油ベースの味が付いて、黄身は硬くホクホクで楽しめる。

大久保ランチで中華が食べたいときは、満足することは間違いないだろう。


(2015年7月再訪)
ランチは日替りで、四品を提供する。
メニューを見たら、どうやら前回と同じ曜日に来てしまったようだ。
同僚は牛バラチャーハンを、ボクは鶏肉の黒胡椒炒めを頼んだ。
12時をちょっとばかり廻った頃は、客は疎らだった。
注文を伝えたあたりから、あれよあれよと席が塞がってしまった。
その全員が会話から、中国の若者たち…

前回同様にストレスなく料理が、提供された。
鶏肉の黒胡椒炒めを、スプーンで頬ばる
ゴロゴロした肉に旨味成分が加わって、とても美味しい。
化学の力を感じたが、この価格なら大満足だ。

チャーハンを口にが、期待以上だった。
牛バラを謳っている通り、そこかしこに感じる。
ボクの悪い期待を、見事に裏切った。

大久保にいたら、使って損はない一店だろうな♪

(2015年2月初訪)
小滝橋通りの北新宿1丁目交差点から、明治通りまでの大久保通り、そして歌舞伎町に面する職安通りに抜けるのでまでの地域…
ここはコリアンタウンと呼ばれる、都内優数の歓楽街となっている。
なんでも80年代に、今の街として落ち着いていて、以前は日雇い労働者が多かったようだ。その名残と言っていいのか、連れ込みホテルや簡易旅館が、今でも残っていた。

JR大久保駅北口を、新大久保駅方面に向かう。
途中、教会が、そしてファミレスのジョナサンを右手に見て、さらに歩いた。
目的の店には大きな看板が掲げられているから、見逃すことはない。
階段を2階に上がり、ドアを開けた。
雨が強く降っていたからか、客席は4割程しか埋まっていなかった。
辿々(たどたど)しい日本語で、窓側の席を促される。
窓側の席には3組の先客が、思い思いに料理を楽しんでいた。
コンロで串焼きを楽しんでいる客をチラッと眺め、ボクは席に腰を沈めた。

メニューを貰うと、ランチは日替わりとなっていた。
3種類の料理から選べたので、「白身魚の醤油煮込み」にした。
料理は日替わりの他にも、ランチバイキングもあるようだった。

10分程で届いた料理に、まず目を見張った。
メインの料理が、かなりボリュームがある。
写真では全く分からないから、内心嬉しくなった。

驚いたのは、サイド料理としての2品だ。
メインより皿は小さいのは当たり前として、このボリュームだ。

味に関しては、どうだろう?
結論を先に云うと、大満足だ♪

メインの「白身魚の醤油煮込み」は、ボクが好きなメリハリのある味わい。
そして、何より理屈抜きで…旨い!

ピリ辛だった麻婆豆腐は、ボクの舌には合格だろう。
先ずは辛さの前に、旨みを感じた。

ホルモンを焼いたひと品は、ピリっとしていた。
実は、しこしこ、コリコリの食感は、旨いには違いない。

  • 各テーブルは仕切りされている
  • テーブルに置かれたタブレットで注文する
  • ラムの内臓スープ定食(980円)

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10位

たぬきや 稲田堤 (稲田堤、京王稲田堤、京王多摩川 / 居酒屋、レストラン)

1回

  • 昼の点数: 3.5

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.6
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2017/11訪問 2017/11/25

穏やかな日に、そして暖かいキモチで…♪

辺りには飲食店はもちろん、店舗すらない。
多摩川縁(べ)りの、まさに孤高の『川の家』と言う表現が相応しい。


京王稲田堤駅を降り、改札口で駅員に多摩川へ出る路を聞いた。駅を出ると住宅街に良くある、行き止まりの路地がありそうだったからだ。

駅員の言った通りに歩くが、迷うことはない。京王相模原線の高架を確認しながら、路を探せばいいだけだ。

川沿いの路には大型車が行き交う。ボクは狭い道路を渡るために、横断歩道脇のボタンを押し渡った。階段を見下ろすと、バラック造りの建物があった。建物の脇には「営業中」の幟(のぼり)がたなびいている。心の中で休業でなくて良かったと思った。なにせ駅からの道のりを、10分は歩いていた。

店の前ではテーブルがあり、ひとり男性が料理と飲み物を楽しんでいる。店内に入ると30代ほどの男性ふたり、ビールと料理を楽しんでいた。テーブルには既に楽しんだであろうビール、皿が乗っていた。

右手には調理場らしきものがあり、歳かさのいった女性がひとりいる。
ボクは女性に「お願いします。」と声をかけ、ストーブそばの空いているテーブルへと座った。
椅子は長椅子で、重いトートバッグを脇に置いた。

女性は調理場で作業をしていて、一向に注文を取りに来ない。女性に声を掛けると、どうやら注文は調理場前でするようだった。
ボクは立て掛けられたメニューから、"トマトハイ"と"焼きそば"を注文した。
支払いは、注文の都度だった。

トマトハイを受け取り、テーブルへと戻った。しばらく窓ガラス越しに見える風景、そして外で楽しむ客を眺め時間を潰した。
そうこうしているうちに、客が一気に入った。団体かと思ったが、違うようだった。

女性ひとりだから、仕方がない。焼きそばの提供までに、15分は掛かった。テーブルに乗った料理は、山盛りで嬉しくなった。これなら他に料理を注文しなくても良さそうだ。

焼きそばが提供されるまでに、トマトハイは無くなっていた。次もトマトハイにしたが、ひと口飲むと最初のものより、かなり濃い目なのが嬉しくなった。

大盛りの"焼きそば"は、家庭的…と言うより、祭りにある出店(でみせ)のようで楽しめた。そのボリューム、味わいで、食べごたえは充分だった。

高齢の男性、女性とが扉を開け入った。そして件の女性に、「久し振り」と会話をし始めた。
会話の内容から、どうやら男性は最近まで入院していたようだ。

ボクは会計を済ませ、さっき来た道を歩いた。行く時より時間がかからなかった…そう思ったのは、気のせいだったのかも知れない。

  • 京王稲田堤駅から、10分ほど歩いた!
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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