2回
2017/12 訪問
いわきで燦然と輝く希望のお店
青首鴨、福島牛、川俣シャモ、野菜のコンソメ
会津産栗ぽろたん、フォアグラ、白トリュフ
フォアグラ、白トリュフ
会津産栗ぽろたん
いわき大豆、せいこがに、雲丹、いわき人参、いわき白菜
郡山産ひらたけ、常磐沖天然車えび
相馬原釜鰆、伊達市ゼネラルレクラーク
相馬原釜鰆、伊達市ゼネラルレクラーク
自家製パン(ゆきちから)
白子、いわきサツマイモ、いわきレモン、完熟みかん
奇跡のいちじく
フォアグラ、奇跡のいちじく
原木しいたけ
いわき赤むつ、北塩原じゅんさい、原木しいたけ、いわきいぶり大根
いわき赤むつ、北塩原じゅんさい、原木しいたけ、いわきいぶり大根
いわき赤むつ、北塩原じゅんさい、原木しいたけ、いわきいぶり大根
鮫川村産羊
鮫川村産羊、ジロール茸、いわき人参、いわき長兵衛
ジロール茸
日光天然かき氷、鮫川村産ジャージー牛練乳、福島苺
2018/01/12 更新
2017/07 訪問
いわきで燦然と輝く希望のお店
以前、農林水産省料理マスターズの受賞料理店を調べた時に、
全国の名だたるお店の中でも特に気になったコチラ。
かつてはカジュアルな洋食寄りのお店だったようですが、
震災を機に業態ならびに方向性を一変。
萩春朋シェフは福島の生産者と繋がり、福島食材の魅力を発信し、
独自性の高いモダンな料理を構築しておられます。
こちらの魅力はコンパクトに集約すると2点。
即ち、知られざる美味しい福島食材に出会える点。
モダンガストロノミー的なエッセンスを加えつつ、
食材の魅力を最大化する事に成功している点。
食材の魅力、調理の魅力、プレゼンテーション、
全ての点において強い独自性を有しており、
あえて足を運ぶ価値のある地産地消レストランだと思います。
1日1組に限定されて提供されるスタイルも、
お客としては特別感並びにおもてなしの心意気を感じさせてくれます。
そして、非日常的な穏やかな空間に、癒やしを覚えます。
ところで、食材、調理の魅力は後ほど詳述するとして、
県外から訪問する方が否応無しに気になるのは、
福島食材の「安全性」でしょう。
結論から言うと、福島県で厳正に調査された食材は、
むしろ安全性が高いのは事実。
チェックが厳しいが故に安全性が保証されている状況です。
東電ならびに政府への不信感から福島食材を買い控えていた方は多いと思いますが、
真面目な生産者さんの手による福島食材は、まず安心出来る次第です。
未だに不安を覚えるのは消費者として自然な心理かと思いますが、
事実を知り、安心して頂く事が今後の福島への在るべき姿ではないでしょうか。
やや堅苦しくなってしまいましたが、福島食材の魅力を知ろうとするならば、
こちらのお店は最適だと思います!
お店には1万円、1.5万円、2万円のコースがあり、
この度は1万円のコースを頂きました。
下記の通り、圧倒的な満足感です(笑)
尚、料理名は素材から適当に付しました。
・生木葉ファームの空豆、車海老と赤海胆、福島牛コンソメ泡ホイップ
・会津産ホワイトアスパラガス、ふぁ〜むつばさのジャージー牛モッツァレラ、剣先イカ
・北塩原町佐藤さんのじゅんさい、鱧と黒トリュフのスープ
・ゆきちからの自家製パン
・甘鯛、白茄子、桑名産蛤と喜多方産サフランのソース
・フォアグラ、キヌア、樅山果樹園の佐藤錦ソース
・遠野鰻、いわきワインとスパイスの照り焼き
・草野純一和牛、花ニラ、アスパラガス
・有精卵液体窒素アイス、黒トリュフ
・四代目徳次郎の天然氷のかき氷、古山果樹園の桃
・ミニャルディーズ
・紅茶
そして、こちらにペアリング3種4,500円を。
【ふくしま逢瀬ワイナリー シードル2016】
林檎の香りがしっかりしており、味わいとしては媚びないキレがある。
甘くが非常に低くスッキリしているので、最初の一杯として実に良い。
【生木葉ファームの空豆、車海老と赤海胆、福島牛コンソメホイップ】
無農薬・有機農法で育てられた空豆。
旬以外のために畑1レーン分を購入し、瞬間冷凍しているそう。
そこに、千葉県産の天然車海老と赤海胆を合わせる。
初手から意表を突く味わいで、華やかな見た目以上に質実剛健な一品。
海胆の甘みにまろやかな牛のコクが寄り添い、
空豆の青々しい風味が引き締める。
車海老は風味が強く、香りがアクセントとなり、
やや強めに塩味を付けている点が全体のバランサーとなっている。
味覚の制御が取れたスターターである。
【会津産ホワイトアスパラガス、ふぁ〜むつばさのジャージー牛モッツァレラ、剣先イカ】
御料理が届いた瞬間に、アスパラガスの香りが立ち上がる…
頂いてみるとホワイトアスパラガスの甘みに烏賊の甘みが二重奏を奏で、
紫蘇やバジル麸、微塵切りの赤タマネギの風味、
ヴィネガーとグレープフルーツの液体窒素の酸味などが名脇役を演じる。
自家製モッツァレラは十分なコクがある。
【飛露喜・純米大吟醸】
次の御料理に合わせて日本酒と言う選択。
【北塩原町佐藤さんのじゅんさい、鱧と黒トリュフのスープ】
希少性の高いじゅんさいを用いた、日本料理の椀の様なスープ。
鱧の出汁がしっかり出ており、鱧の旨味に黒トリュフの香りが彩りを加える。
こちらのじゅんさいはヌル(周囲の寒天質の粘液)がタフ。
本体の食感は旬をやや過ぎているのでやや弱かったが、
スープとして使うと言う選択は最適だと感じた。
そして、日本料理の椀では攻めきれない領域の強めの塩が食欲をそそる。
とろとろなフランも椀の味覚構成と食感のバランス的に良好な存在。
そして、木製のカトラリーは口当たりが優しく、
スープの具材の食感に合った選択であると感じる。
【ゆきちからの自家製パン】
クラストはとことんカリカリで、クラムはふわんふわん軽くモチッ。
非常に香ばしく旨味も強いので美味しいパンだが、焼き上げから少しだけ置くと、
更に美味しくなるかもしれないなと感じた。
ただ、美味しいのでお替わりをたっぷり頂きましたが(笑)
【甘鯛、白茄子、桑名産蛤と喜多方産サフランのソース】
神経〆の甘鯛を松笠焼き(ポワレ)で。
ソースがチューブで供されるのは、モダンガストロノミー的面白さ。
ソースはサフランの香りが強く、蛤のコハク酸がグイグイと攻め込む。
鯛は皮下にねっちりした脂が潜み、美味。
白茄子は焼き茄子仕立てなので焦げの香りがアクセントとなっており、
タイムで洋風にアレンジされている。
ソースは温度帯的にチューブでなくても良いように感じたが、
ちょっとしたサプライズとしては奏功している。
【Bor Forrás Hajós Baja Blaufränkisch 2015】
マニアックなハンガリーワイン!
次の御料理の佐藤錦ソースとの相性は抜群であった。
【フォアグラ、キヌア、樅山果樹園の佐藤錦ソース】
佐藤錦のソースが秀逸。
レアでトロトロに仕上げたフォアグラにサクサクの香ばしいキヌア。
さくらんぼの良き酸味と穏やかな甘みが滲むソースが、
フォアグラをフォアグラ以上に飾り立ててくれる。
【遠野鰻、いわきワインとスパイスの照り焼き】
備長炭で焼き上げており、ふっくらトロトロな火入れ。
鰻は香りを楽しめる。
そして、ソースは鰻を活かすフレイバーで、
備長炭の香り付けの塩梅も良い。
【草野純一和牛、花ニラ、アスパラガス】
仔牛は1頭100万円超えで取引されていると言う、草野さんの和牛。
特別に飼育された処女牛を使用しており、格別なる贅沢。
強い旨味に加え、香りが極めて素晴らしく、酸味もあって実に美味しい牛肉。
オーヴンで火入れした後、炭火で炙っているようでカリカリした食感と香ばしさが付加されている。
レアに寄せず、赤身寄りの肉を活かす火入れで好印象。
タマネギの甘みを利かせ、旨味の強いソースは肉以上に付け合せの野菜に精彩を与えた。
【有精卵液体窒素アイス、黒トリュフ】
ふわっと溶ける中に濃厚な卵の甘み!
黒トリュフが差し障り無い。
【四代目徳次郎の天然氷のかき氷、古山果樹園の桃】
レストラン離れした完成度の高いかき氷!
デセールがかき氷とは、琴線に触れました。
しかも、フルポーション(笑)
古山果樹園の桃は格別であり、生産者さんは何と、
糖度32度の桃を作れる方だとか…。
驚嘆に値する。
この度頂いた桃も大変甘い上に香りも抜群で、
ソースも含めて印象深かった。
素晴らしい生産者と素晴らしい料理人の幸福な出会い。
またお伺いしたいと心から感じました。
生木葉ファームの空豆、車海老と赤海胆、福島牛コンソメホイップ
生木葉ファームの空豆、車海老と赤海胆、福島牛コンソメホイップ
会津産ホワイトアスパラガス、ふぁ〜むつばさのジャージー牛モッツァレラ、剣先イカ
北塩原町佐藤さんのじゅんさい、鱧と黒トリュフのスープ
カルピスバター
ゆきちからの自家製パン
甘鯛、白茄子、桑名産蛤と喜多方産サフランのソース
フォアグラ、キヌア、樅山果樹園の佐藤錦ソース
遠野鰻、いわきワインとスパイスの照り焼き
草野純一和牛、花ニラ、アスパラガス
有精卵液体窒素アイス、黒トリュフ
有精卵液体窒素アイス、黒トリュフ
四代目徳次郎の天然氷のかき氷、古山果樹園の桃
ミニャルディーズ
マイティリーフ
内観
外観
外観
2017/08/20 更新
7月に訪問して感動したフランス料理店。
半年と経たない12月に友人と再訪しました。
今回も10,000円のコースを選び、福島フルペアリング6,500円を付けます。
メニューリストを眺めると、食材名に期待が高まります!
・青首鴨、福島牛、川俣シャモ、野菜のコンソメ
・会津産栗ぽろたん、フォアグラ、白トリュフ
・いわき大豆、せいこがに、雲丹、いわき人参、いわき白菜
・郡山産ひらたけ、常磐沖天然車えび
・相馬原釜鰆、伊達市ゼネラルレクラーク
・ゆきちからの自家製パン
・白子、いわきサツマイモ、いわきレモン、完熟みかん
・フォアグラ、奇跡のいちじく
・いわき赤むつ、北塩原じゅんさい、原木しいたけ、いわきいぶり大根
・鮫川村産羊、ジロール茸、いわき人参、いわき長兵衛
・日光天然かき氷、鮫川村産ジャージー牛練乳、福島苺
ペアリング
・ふくしま逢瀬ワイナリー、シードル2016
・会津中将、純米大吟醸特醸酒
・いわきワイナリー、シャルドネ2015
・豊国酒造、純米大吟醸「超」
・いわきワイナリー、デラウェア2016
・いわきワイナリー、マスカットベリーA & メルロー2015
・国権酒造、純米大吟醸
結論として、再訪しても感動は色褪せず。
新たな福島の食材との出会いに歓喜しました。
1万円のコースとしては極めて秀逸であり、
東京から車で行っても元を取れる内容です。
【青首鴨、福島牛、川俣シャモ、野菜のコンソメ】
先ず、香りが良い。
食欲を刺激するのは香りだけに非ず。
牛肉の力強い旨味に野菜の甘みが均一的に接続され、
強いゼラチン質が舌を撫でる。
これはシャモ由来だろうか。
雑味が無く胃袋をダイレクトに刺激するコンソメ。
【会津産栗「ぽろたん」、フォアグラ、白トリュフ】
これまた香りが良い!
栗は温度と湿度をコントロールした冷蔵庫で糖度26℃まで上げている。
「ぽろたん」とは品種名で、加熱により鬼皮と渋皮が一緒に剥ける栗。
濃厚なフォアグラムースの味わいもさる事ながら、
ホクホクで香り良く甘~い栗が印象深かった。
【いわき大豆、勢子蟹、雲丹、いわき人参、いわき白菜】
ワタリガニのジュと大豆の豆乳で。
人参と白菜は数時間前に収穫したとの事で、野菜の香り強い!
…と思いきや、濃厚な風味の大豆が追いかけてくる。
しかし、味わいは決して重くない。
勢子蟹はジュレで固めているよう。
正直なところ勢子蟹単体は弱いものの、ソースが抜群に纏め上げる。
大豆が活きており、ワタリガニの旨味も奏功。
【郡山産ひらたけ、常磐沖天然車えび】
使用されるひらたけはある程度菌床栽培した後に
畑で栽培すると言う、変わった方法を採っている。
これにより、放射性セシウムの問題をクリアしているそう。
ひらたけは旨味を補強するようにバターと塩が巧みに用いられたソテー。
そして、海老との味の繋ぎにフランス産モン・ドール。
ウォッシュタイプの香りと濃厚な味わいが精彩を加える。
海老は強めの火入れで、噛み締めると香りが高まる。
【相馬原釜鰆、伊達市ゼネラル・レクラーク】
相馬の鰆は今が旬。塩で脱水した後、桜チップで燻している。
それをゼネラル・レクラーク(西洋梨)と一体化。
この梨は粒子が非常に細かく、みっちりしつつ滑らかな口当たり。
そして、フィンガーライムをアクセントに。
燻蒸香強めの鰆に梨の甘みとライムの酸味が加わり、個性的な味わいに昇華。
「攻め」のバランスの料理ながら、一体感が高かった。
日本酒甘み強くにがみはしり酸味なので料理と合う
【ゆきちからの自家製パン】
サクサク、もっちり。
【白子、いわきサツマイモ、いわきレモン、完熟みかん】
いわきレモンは生産量が少なく、2個くらいしかもらえないそう。
それをソースに使用している。
そして、寝かせたサツマイモのピュレに、白トリュフ。
白子の旨味に濃厚な甘みのサツマイモピュレが相性抜群。
レモンのソースは軽やかな酸味が上品に活き、香りもまた爽快。
【フォアグラ、奇跡のいちじく】
「奇跡のいちじく」は本当に奇跡的な味わい!
とろんとろんで、甘みしっかり!
香りは独特で、酸味もあるため後味を引き締める。
フォアグラは雑味や臭みが皆無で、比較的サッパリながらに旨みある。
レアな火入れも秀逸。
フォアグラと合わせるいちじくにはバルサミコの酸味を付加している。
【いわき赤むつ、北塩原じゅんさい、原木しいたけ、いわきいぶり大根】
赤むつは備長炭でレア寄りに仕上げており、炭の香りも気持ち良い。
出汁を詰めた缶には意表を突かれる(魚に掛ける)。
椎茸は霧吹きを使用せず、夜露だけで育てた「ド根性椎茸」との事。
グアニル酸と風味が強く、この缶詰ソースは塩気が穏やか。
魚部分に塩を強めに当てている。
【鮫川村産羊、ジロール茸、いわき人参、いわき長兵衛】
羊は9ヶ月。歯切れは良く、旨みが強く、臭み皆無。
燻蒸香が上品で、良い塩梅。
里芋(長兵衛)は粒子が細かく、トロトロで甘みが重たくない。
人参はトロッと焼き上げ、甘みに野趣が程良く混ざる。
【日光天然かき氷、鮫川村産ジャージー牛練乳、福島苺】
相変わらず専門店を超えるかき氷!
ジャージー牛の練乳もクドくなく、氷を盛り上げてくれる。
【マイティリーフ】
また伺います。