辣油は飲み物さんが投稿した御料理 はやし(京都/出町柳)の口コミ詳細

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御料理 はやし出町柳、今出川/日本料理

1

  • 夜の点数:4.6

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.6
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.2
      • |酒・ドリンク 4.0
  • 昼の点数:4.3

    • ¥8,000~¥9,999 / 1人
      • 料理・味 4.3
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.2
      • |酒・ドリンク -
1回目

2016/10 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人
  • 昼の点数:4.3

    • [ 料理・味4.3
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.2
    • | 酒・ドリンク-
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

印象に残る端正な出汁

9月初頭に伺い、繊細な仕事に感銘を覚えたはやしさん。
約2ヶ月後の10月下旬に早くも再訪しました。
前回8,000円のコースを頼んで大満足でしたので、
今回は奮発して一番上の20,000円のコースを。
税サが掛かるので勇気の要る価格帯ですが、
秋の京都なので清水の舞台からダイブ。
また、お昼で技術を確信したお店ならば、間違い無いだろうと…

開店直後にお伺いしたところ、カウンターには先客がおりませんでしたが、
程無くして女性のお一人客がいらっしゃいました。
前回も同様ですが、女性お一人のお客さんがいらっしゃるのは、
こちらのお店の特徴かもしれません。
しかも、かなりの食通と思われ、隣で頂いていて、
「食の教養」を感じさせるところが凄い。
林さんに伺ったところ、常連さんには女性のファンも多いそうです。

また、再訪して感嘆を覚えた点は、林さんの包丁捌き。
大ぶりの包丁を用いつつ、極めて繊細且つ迅速に刻まれる。
料理人の方が訪問されると面白いのではないかと思います。
写真を撮る事は出来ませんが、
グルメな方は絶っ対にカウンターがオススメです!

先ずは淡い風味の香煎にてホッと一息つきます。
そして、次は食前酒にビターな味わいの柚子酒。
その後、待望の料理に移ります。
(こちらは料理の説明が無いので、
料理名、調理法ともに想像に基づく事をご了承ください)

・先付:白和え
・八寸
・椀代わりに松茸の土瓶蒸し
・お造り:雲丹、イカ、小鮪のスナズリ、真鯛
・煮もの:蕪蒸し
・強肴:握り3種
・焼きもの:グジ
・揚げもの:2種
・鼈の茶碗蒸し
・止め肴:揚げた鮑の酢のもの
・お食事:ご飯、吸いもの、香の物、浜名湖産天然鰻の焼きもの
・水菓子:イチジクのコンポート、即興の金団

白和え
麩、ずいき、椎茸、柿、小芋、蒟蒻を用いた具沢山な白和え。
滑らかな口当たりだが、味わいとしては強い印象を与える。
深い奥行きを感じさせる白和え。

八寸
前回は漆塗りの器であったが、この度は瓦を使用し、
ダイナミックな盛り付け。
銀杏、揚げ海老、子持ちニシン炊いたん、甘酢大根の昆布巻き、
白身魚(〆)の錦糸巻、鱚の黄身焼き、栗の甘露煮。
瓦に盛られつつ、華美ではなく、凛とした盛り付け。
赤、黄、緑色のおかきが散りばめられていたり、
揚げた素麺で松葉を表現していたりと、秋めいた演出が素敵。
栗の甘露煮が、ほっこり、ふっくらした食感で印象的。

松茸の土瓶蒸し
出汁はグジだが、あくまでも出汁のみに用いており、椀種は松茸のみ。
あしらいはほうれん草。
あくまでも主役は松茸と言う事。
味わいとしては、吸い地が強いものの、決して松茸を殺していない。
出汁に対して塩気は非常に穏やか。
松茸の石突きは殊に香りが良く、旨味も強く、
とろけるように滑らかな食感。
尚、ご主人・林さんが理想とする松茸は「金閣寺の裏山」との事だが、
激減しているそうで、この度は丹波のものだった。

お造り
雲丹とイカ。
雲丹は超濃密な粒子と旨味だったので、産地を伺ったところ、大分県姫島産。
イカは昆布を軽く当てているが、旨味を付加すると言うよりも
軽く脱水する役割かと思われる。
調味料は醤油ではなく煎り酒。
梅香がキリッとすっきり抜ける上質な味わい。
また、こちらの生湯葉は食感、旨味ともに秀逸。

お造り
小鮪(こしび)のスナズリ。
甘みが横溢し、非常に美味。
脂はさっぱり。

お造り
赤貝と真鯛、鯛皮。
林さんが「松前酢」と呼ぶオリジナルの調味料で頂く。
酢なのだが、赤貝のみならず鯛をも活かし、唸る。
甘みと香りを引き立て、素材の輪郭をハッキリと際立たせる。

蕪蒸し
菊花をあしらい、和芥子を添えた蕪は飾り包丁が施されており、一輪の華のよう…
強めの葛でとろみを付け、滋味に溢れている。

松茸の握り
意表を突く一品が登場したが、これが美味い。
松茸は炊いたもの、三ツ葉をくるりと巻いている。
松茸を酢飯と合わせる上で、味覚上よりも食感上の親和性が気になったが、
申し分無く調和している。
柚子を軽く絞り、醤油を塗っての提供。

穴子の握り
明石産。柔らかく炊いており、山椒の実がほのかに香る。

鯖の握り
瀬戸内産。強めに〆て、鯖の旨味の芯を感じさせる。
酢飯の甘みと合っている。

グジの焼きもの
身だけでなく、鱗も供され、鱗は松笠焼きでカリッと仕上げており、
薔薇のような形状で目を惹き付ける。
味覚に正面から訴えかける力強い味わいだ。
付け合せの柚餅子も相変わらず美味い。

揚げもの
つくね芋とコノコ、貝柱の練りもの。
こちらの揚げものはサイズが小さいのに、
手が込んで、技があり、強く味覚を刺激する。
貝柱の練りものは形状が丸く、衣に雲丹を混ぜ、赤い色あい。
つくね芋とコノコの揚げものは、実に滋味溢れる甘み。
尚、器は約120年前の永樂(十二代善五郎の永樂和全か?)との事。
暗色の器と明るい色の料理でお月見をイメージしたとの事で、遊び心がある。

鼈の茶碗蒸し
上品な味わいの茶碗蒸しであるが、鼈の活かし方が巧く、極めて力強い!
塩気は穏やかで、少量の生姜を使用。

揚げた鮑の酢のもの
油にさらしているため、鮑の香りがグワッと漂う。
香りの引き出し方、食感が良いので、どれくらいの温度なのか気になる。
味付けは、二杯酢に生姜、大根おろし。
微塵切りにした山芋をあしらっている。

お食事
ご飯、浜名湖産天然鰻の焼きもの、
吸いもの、香の物(蕪、大根、昆布)。
申し分無く美味しいです(笑)
前回頂いた【梅出汁茶漬け】とは対極的なご飯だった。

水もの
イチジクのコンポート、即興の金団。
イチジクは皮ごと用いており、煮切った赤ワインと共に提供。
洒脱な水もので艶がある。
黄身餡と餅を用い、その場で作る出来立ての金団も美味。

日本酒を2合頂き、お会計は26,880円。
普段使い出来る金額ではありませんが、
今回頂いた内容は非常に満足度が高く感じました。
時期を見て通いたいお店なので、
その都度価格帯を変えてお願いしようと思います。
自身の好みにとても合う日本料理です。


【2016年9月】
河原町今出川の交差点からほど近い場所にある日本料理店。
お店の外観は落ち着いた雰囲気の町屋で、
店内に入ると静謐な雰囲気とお香の香りが漂い、
店内の棚やふすまは年季を感じさせる風情を帯びております。
頭上の額縁には奥の細道の書。

ご主人の林亘氏は幅広い趣味を持っておられるようで、
漆器のデザインもされていると言う芸術家肌。
それでいて作られる料理は質実剛健な日本料理に、
ほんの少しの遊び心を加えている印象です。
出汁は極めて澄んでおり、端正。
塩気も控えめで、京都の中でも「薄味の京料理」と言われる理由に納得です。
少なくとも、東京の一般的な日本料理の塩加減とは大きく異なります。
しかし、それでいて脳裏に焼き付く滋味に溢れる出汁で、
東京では中々頂けないタイプの出汁だと感じました。
この度はお昼の8,000円のコースを頂きましたが、
日本料理としては限られたコストの中で、多様な表現を行っておられ、
満足度がとても高いコースだと感じました。
派手さは無いけれど、じんわりと舌と心に染み渡る洗練された料理で、
個人的にはかなり好きなタイプでした。
今度は夜にお伺いして、コースのグレードを上げ、
じっくりと楽しんでみたいと感じた次第です。

頂いた料理
お酒:梅酒
先付:玉子豆腐
八寸
椀:海老真薯
お造り:鮃、アオリイカ、鱧の湯引き、鮪
煮もの:冬瓜と海老の炊き合わせ
強肴:新子の握り、烏賊の握り
焼きもの:マナガツオ
揚げもの:天麩羅三種
止め肴:葛そうめん
お食事:梅出汁茶漬け
水菓子:青梅シロップ漬け、黒糖わらび餅
抹茶

甘み控え目な梅酒が供されてスタート。
なお、こちらのお店のカウンターは写真撮影禁止です。
個室ならば撮影出来るようですが、料理の味としては当然カウンターが上を行くので、
カウンターを予約してお伺いしました。
他のお客さんが来られるまでは撮って良いとの事でしたので、八寸の器は撮影出来ました。

先付:玉子豆腐
軽やかな口当たりの玉子豆腐。
玉子の風味がしっかり。

八寸
蒟蒻、鱧の子の寄せもの、小鮎、ピーマンの炊いたん、
八幡巻き、カボチャ、鼈甲生姜、鱚の焼きもの。
全体的に出汁や味付けのメリハリが利いており、
魚を使った料理に関しては、「魚味」と「香り」のコントラストが印象深く、
効果的に小さな世界を盛り上げている印象を抱く。

椀:海老真薯
吸い地は軽やか且つ端正な印象。
昆布キリリと利かせ、塩加減はギリギリまで削ぎ落としている。
サッと去るが確実な印象を残す出汁。
これは秀逸な椀。

お造り:鮃、アオリイカ、鱧の湯引き、鮪
鮃は白板昆布で〆ている模様。
鮪は金沢沖のトロで、一切れながらに上質な味わい。
京都の日本料理店で出てくるレヴェルとしては上々なので伺ったところ、
ご主人は日本海産の鮪のみを使用されており、
理由としては「昔の人が食べていたから」との事。
哲学があるようで、成る程な…と腑に落ちる。
鱧の湯引きは流石の味わい。
鮃は縁側も供されたが、〆加減が絶妙で強い旨味を楽しませてくれる。
このあたりの仕事が確かだと、夜にお伺いしてみたくなる。

煮もの:冬瓜と海老の炊き合わせ
生姜の利かせ方が上品。
豪勢ではなくとも、滋味に溢れる味わい。

鱈の骨煎餅

強肴:新子の握り、烏賊の握り
酢飯は甘みがあり、柔らかな仕上げ。
いかにも京都の酢飯と言った味わいで、これはこれで良い。
烏賊は煮ツメ風のタレで頂く。
途中一息つけるタイミングでの鮨であった。

焼きもの:マナガツオ
しっかり目の味付けで、後半戦にガラリと印象が変わる。
自家製のゆべしが添えられており、非常に濃厚な味わいで美味しかった。

揚げもの:天麩羅三種
枝豆と玉蜀黍、鱧と雲丹、白板昆布。
揚げ加減は軽妙で申し分無し。
味わいとしても抑制が利いており、極めて爽快な天麩羅。
白板昆布の天麩羅が特に印象深く、グルタミン酸以外の旨味を感じたため、
ご主人に伺ったところ、鮃を〆る際に用いたものとの事であった。
白板昆布に魚の旨味、風味が加わり、地味ながらに味わい深かった。

止め肴:葛そうめん、うずらの卵と椎茸
葛で作られているため、極めて澄んだ味わいの素麺。
味わい、食感ともに清涼感を与えてくれる。

お食事:梅出汁茶漬け
これは美味。
冷たい出汁の旨味と梅の酸味が絶妙なバランスで、
大葉とミョウガの使用量も良い塩梅。
ごく細かく切ったエノキを加え食感を与えている点も見逃せない。

水菓子:青梅シロップ漬け、黒糖わらび餅
抹茶
黒糖わらび餅はとろりとした柔らかな食感で、最後まで満足させて頂いた。

ご主人の趣味の話(城の話)も面白く、是非とも再訪したいと思います。
なんとなく、足を運ぶ毎に愛着が増すような料理だと直感しました。

本記事は下記のブログをベースに投稿しております。
すしログ:https://sushi-blog.com/

  • 外観

  • 八寸

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2021/05/05 更新

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