恵比寿ライダーさんのマイ★ベストレストラン 2013

体脂肪率6%~8%を維持するダイエッダー

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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遠くても行きたい店と、日ごろ行きたい店。
どちらもバランスよく選んでみました。

マイ★ベストレストラン

1位

小料理きょうわ (宮古島市 / 日本料理)

1回

  • 夜の点数: 4.9

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 3.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 3.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2013/04訪問 2013/04/14

あらゆるものを削ぎ落とした先にある究極境地

宮古島に来ています。

目的は2つ「八重干潮」への参加と「小料理きょうわ」さんへ訪問するためです。


昨年の秋くらいだったかなぁ、久しくしている飲食業界の方から「宮古島にとんでもない店がある」という話を聞いていました。
調べてみるとその店は「1日2組限定」の完全予約制。
にもかかわらずランチは1000円~、夜も2000円~と言う、びっくりするような低価格設定。

そんな店大丈夫なんだろうか?!と、やや半信半疑でしたので、八重干潮と被せて行ってみようと思ったのです。

平良中心街からタクシーで3~4メーターほど、時間にすると10分程度でお店に到着します。
するとご主人が店頭でお出迎えしてくださいました。

4月10日の夜、もちろん私1人の貸切でコーススタートです。


あまりにも料金が安いので申し訳ないと思い「アラカルトで何か注文できますか?」とお尋ねしたところ、「いえコースのみでアラカルトはやっておりません」と。
聞けば、予約された人数と時間に合わせて食材の調達を行っているので、そういった別皿注文分の食材を用意していないそうです。
それではと、オリオンビール&さんぴん茶をオーダーしました。


その拘り具合に違わず、こちら小料理きょうわさん、まず使っている食材が素晴らしいです。

なにせ沖縄の3大高級魚として入手困難なアカジンをお造りと〆のお茶漬けに用いたり。
※ちなみに他2種は「マクブとアカマチ」です。アカジンは特に貴重で築地にも出回りません。

さらに「天然のもずく」
通常の料理店で提供されているのは「養殖もずく」です。
この養殖物は太くて色もやや黒いのですが、天然物は細くてやや緑色なのが特徴。
4月の第1週~第3週限定で提供しているという事で、これを黒糖酢で頂きました。


極めつけは入手困難で有名な石嶺豆腐をたっぷり使ったイソフエフキと車麸の汁物。
直径50センチはあろうか?!という巨大なお皿で登場したので「大きいですね」と漏らすと、たとえお客様が1人でも「魚に包丁を入れずに調理する必要がある」ので、これだけ大きな器になってしまうのだとか。

食材へのこだわりだけでなく、調理へのこだわりも並々ならぬものを感じます。


そして今、肉業界で注目の「宮古牛」。
松坂牛は有名ですが、そこへ出荷しているのが幼牛の宮古牛とのこと。
ご主人が使う部位は脚の付け根の部分のみ、なぜかというと、そこだけサシの入り方が違うのだそうです。
表面を軽くあぶって海ぶどうと一緒に頂きました。


普段はあまり飲まない私も、今日ばかりはオリオンビールが進んじゃって・・・。
ぐいぐい飲んでしまいました。


約90分に及ぶ美食の祭典。
どの料理も完成度が高く、宮古島の食材を使った京都の老舗料亭でお食事をしている感覚。

しかし、それら料亭との最大の違いは、1皿1皿に俗人的な「欲」を全く感じない事でしょうか。

通常1日のお客数を限定するこうしたお店の場合、客単価を上げなければ利益になりません。
しかし、ランチで1000円~2000円、夜が2000円~3000円という超低価格。
人間界でいうところの無欲とかのレベルではなくて、本当に料理が好きな仙人しかできない事でしょう。
今回のコースも飲み物入れて3600円です・・・。

魂と愛情を注ぎこんだ各皿は神憑り、これまでに味わったことがないほど感動的で、言葉にすることさえ憚れるものでした。


東京の3つ星レストランを遥か眼下に見下ろす雲上で、天上界の料理を頂いた。
そんな感想です。

  • 天上界の料理。もう死んでもいいと思えるほど美味で、最期の晩餐にふさわしいお店
  • パパイヤのサラダ。ほんのり甘くてゴマの風味が食欲をそそりますな
  • 先付5品。料亭で経験していたご主人らしく、盛りつけはまさに京都。

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2位

徳山鮓 (余呉 / 郷土料理、オーベルジュ)

1回

  • 夜の点数: 4.9

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 3.8
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 3.8 ]
  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 3.8
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 4.7
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2013/01訪問 2019/01/16

後世に残したい技と味、これぞ熟鮓の最高峰

小泉武夫氏が執筆した1冊の書籍。
「発酵レストラン」がきっかけで、ここ徳山鮓へ伺いました。

書籍を読んでいたら、発酵の第一人者である小泉氏が「弟子」と認める方が、余呉町で発酵の専門店を開いたという内容があり、ならばと調べたらこちらの徳山鮓さんでした。

そんな思いつきで訪問したいなと思ったのが12月、たいていこうした願望は時と共に忘れるのが常なのですが、忘却よりも早く関西行きの機会があり、少し遠回りにはなるけれど”米原・余呉経由”で翌日に関西へ行くというルートで、翌月に”実現”です。


まずは恵比寿から東京駅へ。
旅支度とばかりに大丸やらグランスタをめぐり、駅弁と菓子を求めてから「のぞみ」ではなく「ひかり」のチケットを購入。
今回初めて知ったのですが「ひかり号」の中には米原を停車しないものもあるので注意が必要です。

さて、ゆられること2時間程度。
米原に着くとぱらぱらと雪が降ってきました。

1月中旬、真冬のど真ん中ですから不思議でないものの、このにくい演出が旅路を盛り上げてくれるわけです。

米原からは北へ向かう急行列車に乗換え、一路「余呉」へ。


米原を出発して数駅過ぎた頃から雪が激しさを増し、あたりは一面の銀世界。
ちょうど30分程度で目的地の余呉に到着。


ホームへ降りると、小さい”うさぎの雪だるま”があったので、そのまま目線を左に向けると子供たちが雪で遊んでいました。
そしてかなり大きな”カマクラ”を制作中・・・・やるな、子供達。


しんみりとした駅のホーム、この寂れた景観が「遠くへ来た」という感慨になり、雪景色以上に旅情を盛り上げてくれます。
駅員というよりはパートのお姉さんが17時まで駅にいるようですが、それ以後はどうやら無人駅に。
トラブル時対応の札書きには「IC改札機、IC入金機等が故障した場合、インターホンを押してください」長浜駅長より・・・。
つまり何かあったら「どこかの駅から駅員が駆けつける駅」という感じでしょうか、忍びなくて故障しても呼びにくいですが。


さてここで困ったことが発生。
実は事前に連絡しておくと、お店の方が迎えに来てくれるのですが、当初伝えた時間より1時間前に到着しました。
余呉に到着したら賤ヶ岳を見たり、余呉湖を見たり少し観光でもできるかな?!という甘い考えがあったので。

ところがこの想定外の雪。

パートのお姉さんに「すみません、この辺にカフェありますか?」と質問すると「歩いて15分くらい行けばありますが・・・」と。
さらに道順を説明し始めて頂いたのですが丁重にお礼を言ってこれをお断りし、さみしい駅舎で1時間待つことにしました。


この駅舎、広さでいうと畳8枚分くらいの小部屋でトイレは外にあり、ストーブも焚かれていないんです。
猛烈に寒く、暖を取るために自販機で温かいお茶を買っても5分ほどすると冷たくなるのであまり意味がない。

さらに困った事に「イーモバイルが繋がらない」です余呉駅は。
ネットをしていれば多少は寒さの事も頭から離れるし、何より少しは時間つぶしもできるだろうと思っていたのですが、甘かったですよ本当に。

60分経過してお店の方が見えた時には完全に芯まで冷えました。


お店へ到着すると想像していたよりはるかに小さい作りで、旅館というよりは民家。
その中の数部屋を宿泊客に提供している感じで、お風呂もトイレも共同です。

駅の周辺にはコンビニも銀行も、ホテルなども無かったので、おそらく夕食を希望するお客が食後に帰宅する手段がなくなってしまうという場合と、鏡湖と呼ばれるほどの美しい余呉湖を眺めながら朝食も楽しみたいというお客の要望を兼ねてのお部屋解放だと思います。

それゆえ宿泊としてのホスピタリティーはほとんどありませんから注意したほうがいいでしょう。
過去に90歳のおばあちゃんが運営する波照間島の民宿や、お寺の宿坊などで想定外の借宿にはなれているのですが、ここもかなりの想定外です。

お部屋はシンプルでテレビもラジオもなく、小さいテーブルと敷かれた布団だけ。
逆にこうなると「食べること」と「寝ること」「本を読むこと」この3つくらいしかやることがなくなりますので、食・寝・読に集中するには最高の環境かもしれません。


夕食は18時半からスタート。
それまでにお風呂を済ませ準備万端で食堂へ向かいました。


今回のお目当てはもちろん熟鮓と鮒鮓。
発酵のマエストロが推薦する一番弟子の料理をいよいよ食せるわけです。


■1品目は「にしんの麹漬け」
やや塩気があるので、写真のように少しだけ頂くもの。
これから始まる発酵懐石の軍太鼓が鳴らされました!美味しいです。


■2品目は鯖の熟鮓なんですが、一緒に添えられているのはカチョカヴァッロのチーズとトマトベースの酸味あるソース。
一見「発酵+発酵」さらに酸っぱいソース?!合わないような・・・と思いますが、これが最高に旨い!
いきなり2品目で徳山鮓のスペシャリテ登場です。

あまりの美味しさに笑ってしまいましたよ。
熟鮓とチーズがこれほど相性よいとは。

オーナーの徳山氏からお話があり、この1皿を作るのに3年かかったそうです。
いやはや「余呉まで遠いとか、1時間雪の中待ったとか」そんな軽口を閉口せざるを得ないこの1皿にこめられた魂の料理、感無量です。


■3品目は鯉の洗い。
こりっこりで歯ごたえのあるお刺身で、徳山氏曰く「本当に良質の鯉が手に入った時にしか出せない」とおっしゃっております。
たしかに、私が今まで食した鯉の料理は”鯉こく”など煮込み系の料理が多く、こうしたお造り系は初めてです。
見た目は鯛のお造りにやや赤みが差し込んだ印象なのですが、食感や味はまったく別物。
鯉は通年利用している料亭などがあるそうですが、その中でも特に美味しい時期というものを把握していらっしゃるようですね。
徳山氏の食材に対するこだわりが、こんなシンプルな1皿にも浸透しているのです。


■4品目はご当地名産ワカサギの天ぷら。
車で送迎して頂く時、吹雪の中、余呉湖でワカサギ釣をする方が大勢いました。
3センチ~4センチくらいのワカサギをさっと油を通しただけです。
油で揚げすぎていない為に”中のほどよいやわらかさ”が残り、かといって魚の臭みや癖なども油で一切飛んでいるこれまた素晴らしい匠の料理です。


非常に繊細で、独創的。
どの料理にもシンプルながら考え抜かれた技が見え隠れし、後半さらに期待が膨らみます。

外を眺めれば先程まで吹雪いていた雪がぴたりとやみ、余呉湖はその名のとおり鏡のような美しい「鏡湖」に変化。
風速0メートルの静寂と、ストーブの音だけが響くテーブルで、和の伝統とも言える熟鮓の最高峰を頂くという大変贅沢な夕食になっております。


■5品目は猪。
脂の多い部位から脂の全くない部位まで4種類のお肉が皿の中に盛られており、これに林檎と裏山で採れたという山椒の実が添えられています。
”塩度”が足りない場合には、皿の手前に添えられている塩か味噌を付けるようです。
特に山椒の風味が脂の”こってり感”を全部もって行ってくれますし、りんごの酸味は淡味すぎる脂身無しの肉と実に合います。
うちは海だけじゃなく山も料理するよ!という意気込みが伝わってくる気迫の1皿。
冬は多くの和食屋さんで猪料理は提供していますが、過去に頂いた猪料理にもう1ひねり加え、次元の違いを見せつけられた猪料理という感想。


■6皿目は鮒寿司。
そう今回の目的その2にあたります。
お腹にたっぷりの卵を抱えており、この2切れで十分高タンパク。
この鮒寿司を見ていたら、急にお酒が飲みたくなって熱燗をお願いしました、実に日本酒と合います。
思っていたほど癖はなく、おそらく極薄の2枚だけだったからかもしれませんが、個人的には大好物の範疇に入る味です。
普段晩酌はしませんが、こんな珍味があれば、自宅でちびちびやりたくなるかも。


■7皿目は「お新香」?!と思ったら、からすみでした。
でもただのカラスミじゃありませんよ、自家製発酵カラスミと、その天ぷらなわけです。
通常のカラスミと比べると色が薄く、発酵の過程でこうなったのだろうと思われますが、実に深い味わい。
からすみだけでも十分に美味しいところへ、徳山氏秘伝の発酵技術が加わると、からすみもこんなに変化するんだなぁ、、、と関心させられました。
もはや芸術的な作品です。


■8皿目はモロコのうに味噌のせ。
高級魚モロコをまぁなんと贅沢にもウニとあわせちゃうなんて。
甘煮のモロコとウニのほのかな苦味がバランスとれていて、見た目も実に美しい。
一見、少し大ぶりのワカサギかな?と思いましたが、全然違いましたね。


■9皿目はいよいよメインの熊鍋。
脂がたっぷりのった熊肉のしゃぶしゃぶであります。
まずは大きなすっぽんの形をした土鍋が運ばれ、そこには天然のなめこが2つ。
濃口の味付け汁にネギを入れ、お肉を入れて頂くのですが、この汁を1/3程残すのがポイントのようです。
なぜかというと、後で雑炊にするらしいので。

熊肉をいれると汁に脂が移り、これが雑炊には抜群の”ダシ”になるとのことでした。
考えられていますね全てが。
そもそも熊の肉は猪そっくりで油っぽく、少量頂けばよいものなので、写真のように数枚で十分。

そして、雑炊登場。
先ほどの脂が確かにご飯と相性バッチリ、卵が溶いてあり冬場には最高の雑炊でしょう。


さて、ここまででかなりお腹一杯で〆も終わったし・・・と思って腰を上げてはいけませんよ。
個人的にはどのお店でもコース料理の場合、最後の菓子でその真価が問われると思っています。

メインの料理に重きを置き、最後の菓子にあまり力を入れていないお店の場合、出来合いの菓子が提供されたり、またはシンプルにわらび餅や餅菓子だけという事がよくあるのですが、ここは徳山鮓。
どんな菓子が出てくるのかと期待していましたが、想像を超えたものとなりました。

まず写真にあるように、見た目はバター?!チーズ?!豆腐のアイスクリーム?!
いえいえ、これは熟鮓を作る過程で出てくる「飯=いひ」というものを使ったアイスクリームらしく、まさに最後のデザートまで発酵食品しています。

そこにブルーベリーソースがかけられており、口当たりはクリームチーズで、口の中でアイスになり、後味は熟鮓の風味という究極の変化を見せる絶品菓子です。


全体を通じて極めてレベルが高く、評価が絶対数値で5点以上つけられるなら、「料理」という項目に7点~8点くらいつけたいくらいです。

翌朝の朝食も品数が多く、それでいて低カロリー高タンパクは嬉しい限り。
朝も徳山氏と色々お話を聞かせていただき、氏がお勧めする京都や大阪、都内の名店を教えていただきました。


出発は1時間に1本だけの米原方面へ列車を逃してはと、8:50にはご主人自らが車で駅まで送って頂き、まるで小説の中のような銀世界から、月曜日の現世界へ戻ってまいりました。

  • 雪の中に佇むお店は、隠れ家を飛び越して秘境の店
  • にしんの麹漬け。これから始まる食事への軍太鼓
  • 2品目でいきなりスペシャリテ。熟鮓とカチョカヴァロのチーズが極めて相性抜群

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3位

菊栄食堂 (宮古島市 / 沖縄そば、食堂)

2回

  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス -
    • | 雰囲気 4.7
    • | CP 4.9
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2019/07訪問 2021/07/24

6年たっても変わらぬ味と値段!

うこんたっぷりのカレーがおすすめ
梅雨が明け、台風シーズンまでの間隙にあたる7月。
最高の時期にまた宮古島に来れた。
幸せだ、、、なんと幸運なのだ自分は!、、、と、太陽と大地に感謝せねば(毎回忘れるが)。


さて。
宮古島に来たらなんとしても行きたいお店がいくつかあるけれど、ここだけは外せないというのが菊栄食堂。

宮古島自体は何度か来ていて、ほぼすべてのスポットらしきところは巡りつくしたつもりでいるんだけど、飲食店だけは開閉店があるため、来るたびに新店ができていたり、以前の店がなくなっていたりする。


今回の目的は水中の撮影と空撮、それに伊良部島へ架かる大橋を渡ってみたいのだ。
あれから6年、宮古島はどう変わったのか。

噂によると空前のバブル景気が押し寄せているというじゃないか、、、変わってほしくない、、、でも地元の人の利便性や生活水準を考えれば、潤ってほしい気持ちが交錯する、、、複雑だ。


空港に降り立ち、とりあえず宿へ向かった。

直行便なので朝一番に羽田を出ると、9時半には島へ到着。
もろもろ準備をして宿を出ると、少し早い昼食となる。


とりあえず宮古気分を満喫したいので、地元のものを食べたい。
となれば、もう菊栄食堂さんしかない。


6年前、タクシーの運転手や海人に聞きまくり、ここが一番だと教えてもらった海沿いの小さな食堂。
潮で錆びた看板と、何の飾り気もない店構え。

手書きで”以下省略”のメニュー名。
何も変わっていなかった。

ここのゴーチャンプルーは次元の違う旨さだったのを思い出す。
厚切りのスパムに大量のゴーヤー、豆腐と豚肉も入っている。


さすがにランチ時という事もあり、テーブルの8割くらいはお客で埋まっていた。
一番手前の入り口に近いテーブルに腰かけ、注文は前回と同じゴーヤーチャンプルー、それと真っ黄色のカレー、みやこそばの3種類。


暑い。
気温は30度を超えている。
しかも天気は晴れ。

冷房が効いているのかいないのかわからない。
建てつけの問題か経年劣化なのか、入り口の開き戸がきちんとしまらないから外から蒸し暑い空気が入ってくる。

う~む。


他のテーブルを見ると、ほとんどのお客はトーフ汁らしきものを注文していた。
たぶんゆし豆腐汁の事じゃないだろうかとは思うのだが、今回自分はあの真っ黄色のカレーが食べてみたいので、トーフはまた次回に。






最初に出てきたのはゴーヤーチャンプルだった。
おぉ、、、同じだ。
6年の時を経ても何も変わっていない。
そしてあの時と同じ味。

そしてカレー。
うこん色というか、真っ黄色。

味は「昔食べた記憶がある素朴な感じ」という感想、、、ありきたりだがそれしか出てこない。
スーパーなどで売られているルーを使うと絶対に作れないやつだこれ。
たぶんカレー粉からちゃんと作ってる。

大きめのじゃがいも、にんじん、豚肉と玉ねぎ。
具がごろごろしていて、普通の極み。
だがめちゃくちゃ美味い。


みやこそばは具が麺で見えない”THE宮古タイプ”。
実に質素、麺と三枚肉、かまぼことネギのみという本当にシンプルな見た目。


やはり個人的にはゴーヤーチャンプルーが最高だ。
いろんな沖縄料理屋にいったけど、これ以上のものを食べたことが無い。
カレーもチャンプルーも500円ワンコインという信じられないコスパだし、やはりここに来て正解だ。
「食」を中心とした旅にするなら、ガイドブックには載らない店に行きたいね。。。ってことで、タクシーの運転手さんと、沖縄の漁師に聞き込みし(笑)ついに巡り合えた食堂がこちら「菊栄食堂」

もちろん人によって回答はまばらでしたけど、タクシーの運転手の約半数、漁師さんはほぼ9割はこちらのお店を指名。
そんなにうまいの?!ってことで、市街地から歩いて10分ほど、海沿いの、まさに港の前のTHE食堂へ伺いました。

外観は潮風の影響なのか錆びた看板があって、「冷やし物一切」と書いてある・・・・

え?!食堂でしょ。

沖縄 では「アイス、ぜんざい、ラムネ、ジュースなどの冷たいお菓子系=冷やし物一切」と書くんですけど、ここはどう見ても古びた食堂。
大丈夫だろうかと思いながらも、恐る恐るドアを開ける。

すると、荒くれ者風情(失礼)のごっつい男たちが飯をガシガシ食べているでないの!。
本当に”港の男の食堂”っていう感じ。

そこは相撲の土俵のように女人禁制の雰囲気さえあり、私のような貧弱男も立ち入りを拒むような気配さえある・・・。
※1人だけ、男性か女性か判別不能な「おそらくおばさん」が居ましたけど・・・。


店員は「肝っ玉おっかさん」ですが、みな常連のようでメニューを正式には言わず、

「俺、豆腐」
「俺、野菜と卵」

など、何かを省略して注文している。

おそらくこれは、豆腐チャンプルー、野菜炒め、卵焼きのことだろう・・・(メニューを見る限り)。

テーブルに座る勇気は無かったので奥のカウンター一番左にひっそりと腰掛ける。
反対側の壁には品数少ないメニューがあり、シンプル過ぎて正直何にしようか迷う。

本音を言えば、ゴーヤーチャンプルーにチャーハン、さらにオムライスとカレーを注文し、いつものように写真撮影して「記事を書くので残します」って伝えたかったけど、とてもとても残すなんて言えない空気(^-^;)

でも念のため・・・・

「ゴーヤーチャンプルーはごはんセットですよね?そのご飯を別料金でチャーハンにできますか?」って聞いてみた。

すると、おっかさん:「できない」

・・・・

ではゴーヤーチャンプルーで。


伺ったのが13時頃だったのですが、さらにお店が混み始めて、店内は海と同じく荒くれ者で大シケ状態。
カウンターもテーブルもほぼ満席になりました。

隣の人がカレーを頼んでいたのですが、見るとルーが真っ黄色。
これ、多分ウコンが入ってるね、でなければこんなイエローは出せないでしょ。


私のチャンプルーは10分程度で届きました。

で、これがめちゃくちゃ美味い!!

ゴーヤの臭みは全くなくて柔らかく、ポーク、豆腐、そして宮古かまぼこがチャンプルしてあるんですけど、信じられないくらい美味いです。
これには少々面食らいました。

店の外観は寂れているし、味なんかわからない海の野郎共、飯の味もたいしたことはないだろう・・・なんて甘くみてましたが、ごめんなさい。
本当に美味いです・・・。
お世辞抜きで、過去一番うまいゴーヤーチャンプルーとなりました。

もし宮古島へ来る機会があれば、是非これは食べて欲しい。
こうなるとカレーも、オムライスも、チャーハンも気になってしまう。


知らない土地で美味しいお店を探すコツは、市場に行くか港にいけ、そしてタクシーの運転手に聞け。
と、昔から言われていますけど、それ正しいです。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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4位

Kitchen 5 (広尾、六本木、乃木坂 / ヨーロッパ料理、創作料理)

2回

  • 夜の点数: 2.5

    • [ 料理・味 2.7
    • | サービス 2.3
    • | 雰囲気 3.4
    • | CP 2.3
    • | 酒・ドリンク 2.3 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2019/09訪問 2019/09/23

しばらくぶりの訪問で

数年ぶりに立ち寄ってみたキッチン5。
本当はもっと早く来たかったのだが、予約がどれ無かったり、また店主が長期休暇をしてしまったんどが重なり、延び延びになってしまった。

ブログを見ると、日本に帰宅し9月下旬以降なら予約が可能だという知らせを読み、さっそく予約してみたのだ。


西麻布は久しぶりとなる。
はやり住む場所が変化すると、行動半径もかなり変わるものだなぁ。







このあたりのお店もかなり変わっていた。
若い方がオーナーの、先鋭的な和食店やバーが次々に開店していて、しかもそれなりにお客が入っている。
それらの店はみな解放感のある造りで、店外からも店内の様子がよく見えるような構造になっているのだ。

たしかにこのあたりの店は、少し前までは扉で硬く閉ざし、まるで一見お断りのような排他的な印象があったが、そうした窮屈としたイメージは、もうこの街からは感じられない。


キッチン5は、以前からかなりオープンな店で、それはおそらくこの陽気で気さくな女主人の性格でも影響していたのだと思う。


海外から戻った店主の料理は、新メニューという告知がされていた。
といっても、数年ぶりの自分としては、もちろんほとんどが新メニューであって、久しぶりに見るピンチョ、ずらりと並んだメインと独創的な料理。

食欲がそそられる。


一連の料理の説明を受けたが、なかなか複雑でこだわりが多く、おまけに品目が多いので、最初と最後の方しか覚えられない。
なので、とりあえず食材の好き嫌いとまだ頂いたことがなさそうなものをチョイスすしてみた。


食前酒を飲みながら小料理をつまみ、続いて赤ワインを注文。
ピンチョと前菜が運ばれ、懐かしいあの味を思い出した。


しかし、この後のメインは、自分がこれまでに感じたことが無いほど塩味気が強く、お水をかなり飲んでしまった。
チョイスを誤ったか、2つのメインが両方とも、強烈な味付けで、これは好き嫌いがはっきり分かれるだろう。

自分が年をとったのか。
もはやこの濃い味ではついていけず、かなり残してしまった。


色々な意味で、人は変化する。
それは店も、客層も、店の味もなのだろう。
食通のご夫婦も絶賛

大切な人をお連れしたいキッチン5。
今回はグルメなご夫婦を招待させて頂きました。

最初はどうなることやらと不安もありましたが、総じて高評価を頂き安心。
この日は火曜日の夜にも関わらず、19:30を回るとほぼ満席。

本当に人気が出てきたなぁ・・・なんか人気が出過ぎたらそれに歯止めをかけそうな店主だけにちょっと不安。

前回とまた違う料理が多数あり、今回も迷いましたが、3人でお願いしたので量も大量に注文し、ボトルも2本あけちゃいました・・・
食い過ぎ、飲み過ぎです。


西麻布という日本でも屈指の賃料が高い場所にて、30年も営業し続ける名店中の名店。

個人的に大好きな地中海沿岸料理を、店主独自のセンスでアレンジして提供する無国籍料理店です。

お店のシステムは他の方が書いている通り、まず飲み物を注文し、カウンターに並べられた前菜とメインの説明を聞いて好きなものをチョイスする・・・という流れです(説明を聞いてから飲み物の注文を取るケースもあるみたいですが)。


口コミを見る限り、料理と店主のサービスに対する賛否がありますね。
私は、とても気さくな人間味あふれる店主だと思いました、高感度◎です。

なんというか、お金のために料理を作るとか、サービスはしておらず、我が道を究めるため、そのアウトプットする場所がたまたま「キッチン5」であると・・・いった感じを受けました。
達観してるとでもいいましょうか、顧客に媚びていないだけだと思うし、媚びてまで営業したくないというスタイルなんだと思います。

私はこういう接客が好きです。
そして料理も、一見チャンプルーの様なごちゃごちゃに見えますが、1皿1皿、1品1品には意味が込められていて、口内調味すると非常に美味しくなるように考えられていると思います。


人にはそれぞれ好き嫌い、味受けの濃淡はあると思いますが、私はとにかく気に入りました。

顧客はほとんどが常連さんで、しかも女性比率が非常に高く、伺った日はなんと男性客は私だけ(緊張した)。

1人で来店する女性客が特に多く、みな共通しているのは「知的で優雅」な、そして「神秘的」な女性ばかり。
インテリ系の女性がこちらのお店にコロリとはまってしまう気持ち、分らなくはないです。

色々食べ歩いた方にこそ、行ってみてほしいお店だと思います。
雑に見えて、実に繊細で知的な料理だと分るはずです。


これだけレベルの高い料理なのですから、お値段も妥当です。
今回は私が好き勝手に注文したので2人で18000円近く行ってしまいましたが、普通の食事量なら1人6000円前後だと思います。


店内の内装は実に気持ちよい手作り感満載の調度品で、聞けば店主は陶器の制作にもはまっているらしく、カトラリースタンド、料理の器などが店主制作のものだそうです。
旅行写真のアルバムも置かれており、自由に見る事ができます。


どことなくエキゾチックな雰囲気ある店主の魅力に完全にはまってしまいました。

大切な人との食事に、長期出張や、大きな仕事が終わった時など、全てを忘れてお酒と料理に浸りたい時にまた出かけたいお店です。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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5位

ウシマル (松尾 / イタリアン)

2回

  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.9
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.9
    • | 酒・ドリンク 4.3 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2020/08訪問 2020/09/02

ダイエット指数:4 千葉食材の能力を100%引き出すイタリアンと最高の接客

久しぶりの「うしまる」さん。
千葉県山武市、ほぼ九十九里の近くなので、我が家からは実に遠い。

気軽に行けるわけではないので、レンタカーを手配し、1か月ほど前に予約した日曜日のランチへ向かった。

周囲は田畑が多く、ホテルや商店もない。
表現に遠慮をしなければ田舎のど真ん中にポツンと建つレストランといえる。


外観はイタリアの建築物風で、どちらかといえば地中海、南イタリアのそれに近く、夏の青空とコントラストが素晴らしく、実に絵になる建物だと思う。


さて。
今回予約したのは6000円のランチコース。

以前はそうではなかった・・・と思うが、今は予約が難しい人気店となってしまったので、全員一律で同じコース金額の時間帯というものがあり、この日のランチはこの値段のものしか取れなかった。

食事が始まる前「本日はいい伊勢エビが入りました」というのでそれもお願いし、食前酒の冷えた白ワインで店内の雰囲気を堪能した。
キンキンに冷えたレチーナワインでもいい気分だったが、まさかそんなものの用意はないだろうし。


このお店は、食事1皿の分量自体はさほど多くはないのだが、とにかく皿数が多い。

過去にはメインのお肉になるころまでに、必ず満腹になってしまったのだが、今回は調子がよかったのか完食できた。
おそらくメインとパスタのボリュームが少なくなったからだと思う。
まぁこれくらいがちょうどいいのだ。


中でも千葉の九十九里で獲れる”ながらみ貝”とモロヘイヤのカクテルは爽やかで夏の雰囲気満点。
牡蠣、タコ、タイ、伊勢エビと、海の幸を存分に楽しめたし、ジャージー牛のお肉も頂けた。

席はもちろん全て満席。
ホールスタッフの増員されていて、お店の人気がうかがえた。


四季で来たらきっともっと楽しめるのだと思うが、いかんせん遠い。
ただ、遠くても行く価値は十分あると思う。
現時点で個人的にイタリアンナンバーワンのお店。
2015年春再訪問。

時を経て、彼らがどほどの進化を遂げたのか楽しみでならない。
絶妙な距離感で緊張感と笑いを生み出す接客。
1球入魂、渾身の料理達。

それらは2年前に比べてさらに大きく進化していた。
死角がまったく見当たらないため、他店と比べようがない。
うしまる独自の路線をひた走る独走態勢だ。

すごい、美味しい、また来たい。

自分へ約束をして店を後にした。


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千葉県山武市・・・
はじめて聞く地名のため、地図を広げなければここはどこ?!の状態です。
これほど地の利の悪い場所にありながら評価の高いお店。
気にならないと言えば嘘になります。


この日は「千葉県内終日グルメツアー」を組んおり、久しくしているレビュアー様に運転してもらい計4人での訪問となりました。

西船橋で待ち合わせ、バターロールのような雲がふわふわしている青空の中をドライブ。
車内の会話はグルメ談議、あっという間に1時間が経過し到着となりました。

道中は日本の田舎道という感じでしたが、到着して建物を見ると、まるでイタリアにある一軒家風情。
この天候もあって、まるでプーリア地方へ旅行した感覚になります。


ドアをあけると開放的な店内で、オープンキッチン風(←調理場は見えないけど焼き場などは見れる)

数席のテーブルと個室1部屋、壁には小さな窓があり、差し込む太陽光の演出によって、自分たちが千葉県に居る事を忘れさせてくれます。

個人的にこういう雰囲気は大好き。
もしこの窓から「海」が見れたら確実に評価は満点です。


食材は全て地産地消にこだわっており、あらゆる食材の調達を県内で行っているそうです。
大きな牡蠣やフルーツトマト、本場イタリアも驚きのチーズに至るまで、千葉県てこんなに食材豊富だったの?!と驚かされます。


フロアを仕切っているマネージャーのような方の接客が素晴らしく、シェフとの連携もお見事。
他の従業員も懸命に頑張ってはいるものの、どうしても上記両翼の陰に隠れてしまって質が低く見えてしまうのは致し方ない事かな。

全16皿近く提供されたのですが、前半のポーションはかなり小さめだったのですが、後半になると一気にイタリアンらしくボリューミーになります。


特にグリルお肉の4種盛りについては、どうしても食べきれず同席した方におすそわけ。
どうやら、お客の食べるスピードや流れなどから量を調整しているようです。

このお肉の後にフルーツトマトのタリオリーニ。
グリルは無理でしたが、このタリオリーニは全粒粉タイプでモッチモチ。
最近頂いた炭水化物料理の中では非常に高評価な1皿となりました。


ドリンクも全て入れて1人8000円。
1皿あたり500円弱という驚きのコストパフォーマンス。


もはや現時点でここ以上のイタリアンは見当たりません。

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6位

イラン・アラブ料理 アラジン (六本木、乃木坂、麻布十番 / 中東料理、ビュッフェ)

2回

  • 昼の点数: 3.2

    • [ 料理・味 3.2
    • | サービス 3.0
    • | 雰囲気 -
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2020/08訪問 2020/08/31

ダイエット指数:2 ビュッフェ形式ではなくなったランチ

イラン・アラブ料理のアラジンさん。

以前はコスパがとてもよいランチビュッフェによく通っていたのだが、昨今の事情からそれらがなくなり、通常のランチメニューを注文するスタイルに変更されていた。

ひよこ豆やレンズ豆のふむす、ケバブ、ゴルメサブジにイラン風カレー、プリンにお米のブティングなど、いろんなものを食べれたのが良かったのだが、メニュー形式になってからは、事情が少し変わってしまった。


何やらA・B・Cという3種類のメニューがあり、スープが選べるタイプ、ケバブがついているタイプ、サフランライスか、ドライフルーツのライスだったりとか、組み合わせがいろいろあるのだが、たっぷりとは食べれなくなってしまったのが残念だ。


特に羊肉のケバブは好物なのでできれば数本はいただきたかったが、1本だけ、、、というのはちと寂しい。
それでも久しぶりに頂いたゴルメサブジは、とても落ち着く味付けで毎日食べられる。
今日は珍しい料理がありました。
なんと紅しゃけのソテー。
この店には2年近く不定期に通っていますが、魚を使った料理に出会うのは初めてです。

で、肝心のお味ですが、やたらしょっぱかった・・・。
使い慣れていない食材ゆえか?!、仕入れる際、間違えて塩鮭買ったんじゃなかろうか。

日本の定食のようにご飯に切り身をのせて頂きました・・・。
ぜんぜんイラン・ペルシャ料理らしくないな。

でも、そんな事も含めて全て許せるのがこの店のいいところ。
羊肉のキョフテは今日も美味だし、ゴルメサブジは言うに及ばず。


総合評価


最近、アジア・中東料理といえば、カレーばかり食し、すっかりご無沙汰になってしまったアラジンさん。
今日はなぜか無性にゴルメサブジが食べたくなって訪問しました。
※といっても前回訪問から1ヶ月程しか空いていませんけど。


ここに来るたびに思うこと、”自分の前世はおそらく「イラン人だった」のではないか?!”ということ。
それほどここの料理が私の体と脳に合うんです。

インド料理のようにスパイスが立っているわけではないし、日本食のように繊細な仕込みと豪華な食材を使っているわけではない。

どちらかといえば、丁寧ではない仕事の数々。
生ぬるいシチューや、熱々ではない焼き物、まるで冷凍食品のようなピザや、油コッテリのフムスなど。

極めつけはまったくやる気のないホールスタッフの対応・・・

愛想が無く、カウンターに肘をつきながら誰かと永遠に長電話。
お店がオープンしているのに料理は半分程度しか出ていなかったりと。

まぁ数え上げればきりがないわけです。


だけれど、この何とも言えない独特の空気が大好き。
ここに来る度に「あぁ、帰ってきたぁ・・・」と、ほっこり安心する自分が居るんですよね。


今日は何を食べようかな?!なんていう中途半端な気持ちの時には、まずここは選ばないので、来店する場合は前日の夜からペルシャ料理が食べたい!と決まっている場合のみ。
そのため訪問は毎回オープンと同時の11:30。


そして私と同じく前世がイラン人だと思われる日本人がそろりそろりとやってきては、がっつり無言で食べ合うわけです。

なんとなく中東の料理が好きな人って、独特の空気みたいなオーラが全身から出ていて分かるんですよね。
あぁ、この人ここの料理好きだろうなって。

大多数の方は1度来ればもう2度と来ない一見さんだけれど、私のようにヘビーユーザーになると、結構な頻度で顔を合わせるわけで、お互いに「あいつまた居る」的な雰囲気になります。


店内で流れているテレビは現地のドラマか、大体はアルジャジーラ、ここだけイランの治外法権的なムードです。


こちらのお店の料理で特に私が好きなのが

・バガリポロ(イラン風混ぜご飯)
・ゴルメサブジ(青菜とキドニービーンズの煮物)

もちろん、豆をすりつぶしてペースト状にしたフムスも美味しいし、冷凍ピザ(違ったら失礼)も、羊肉のケバブもイケるんだけれど、前2者に比べると影が薄くなります。

混ぜご飯はバスマティライスを使用しており、ほのかにスパイスの香り立つ見た目”サフランライス”。
だけれど「サフランライス」と括ってしまっては、あまりに失礼なほど完成度が高いライス料理なんですよこれが。

そして料理は文化だと教えてくれるのがゴルメサブジ。
この「青菜」と「キドニービーンズ」のシチューは、味を別の表現で表すと「酸っぱくて青臭いシチュー」です。

日本の気候と風土からは到底この味付けは思い浮かばないでしょう。
酸味はビネガーではなく、ドライレモンから、そして独特のコクはハーブから出ていると思われるのですが、これが先のバガリポロに実によく合うわけ。

調べたらイランでは、いわゆる「おふくろの味」として、どこの家庭でも作られているポピュラーなメニューらしいです。
どうりで懐かしい味・・・と感じたわけだ。


羊肉のケバブは見た目とっても美味しそうに見えるんですが、食すと「おや?」と思うはず。
肉を一度ミンチにしてから焼いているので、食感は100%ハンバーグ。
味は見た目ほどジューシーではありません。

ところが、このケバブ。
ナンのようなピタパンに、フムスと一緒にくるりと巻いて頂くととっても相性が良いんです。
単品だとその美味しさは分かりづらいんですが、すべての料理がお互いの個性を引き立てるように、うまく構成されているわけ。


インド料理店の多くは、ライタやカードといったヨーグルトソースがあったりするものですが、ここアラジンさんにはそれらが無い。
前回訪問時にはわざわざヨーグルトを購入して持ち込んでみましたけど、どの料理にもぴったり合いましたよ。
コストがかからないプレーンなタイプでもよいので置いてくれればいいのになぁ。


最後にこちらのお店、劣悪なサービス(笑)と、個性的な料理にも関わらず意外にも女性客比率は半数程度。
しかもそのほとんどは1人客です。
どうしてこんなお店に?!と、来店理由を聞いてみたいところです。

メニューはほぼ毎日変わりますので、写真を見ての「期待訪問」はやめた方がよいでしょう。
ほとんど提供されないメニューから、毎日提供されるものまでバラつきがあり、定番のゴルメサブジでさえ、用意していない日がありますからね。
さらにビュッフェ途中でひよこ豆のフムスがレンズ豆に変わったりします。

なので、料理は出たとこ勝負です。
まぁ私の場合、そんなところも好きな要因の1つなんですけどね。

  • (説明なし)
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7位

ふねっちゃーぬ家 (竹富町その他 / 沖縄料理、喫茶店)

1回

  • 昼の点数: 3.6

    • [ 料理・味 3.0
    • | サービス 3.4
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 3.4
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2013/07訪問 2013/08/22

船でしか行けない船浮港で頂く、昔飯(むかしごはん)

数年前は沖縄本島と東京で2重生活をしていました。

そのころ月に1度は離島へ出かけ、海と人と沖縄の味を体感しながら自然を満喫していたのですが、「ここなら永住するのにいいかも」と思えてしまうほど素晴らしい「地」がありました。

それが西表島の船浮集落です。

石垣島空港へ直接向かう方法もありますが、ほとんどの方は那覇空港経由で石垣島空港へ入ると思います。
石垣空港からはタクシーかバスで八重山フェリーターミナルへ。
ここが各離島へ向かうためのポイントとなります。

ターミナル周辺は石垣島でも賑やかな場所なので、食べるものや宿などにも困らないはず。
ですので、この港周辺に安宿を長期で借りておき、大きな荷物を預けておいて手軽になって各離島へ行くというのがお勧めのスタイルです。

ターミナルから西表島までは40分程度ですが、島には2つの大きな港「上原港」と「大原港」があります、船浮へ行くなら上原港で下船。
その後はバスで白浜という港町までさらに30分程度の道程。
海沿いの美しい景色を見ながら走ります、有名な星の砂浜なども通過し、時間の経過はあっという間です。

白浜から定期便が船浮まで出ているので、それに揺られてさらに進むことになりますが、退屈感は全くありません。
ここまで来ると、海の色、緑の色が開発されたリゾート地とは全く違って、本当に大自然のままの景観を楽しむことができます。
パナリ(無人の小島)がいたるところにあり、ちょっと上陸して探索してみたい!なんていう誘惑に駆られます。


船浮集落は平均年齢がたしか70歳以上だったような気がしますが、最近は変化しているのかな。
いづれにしても、私が出掛けた時に、畑仕事をしているおばあちゃんに「今何歳?!」と尋ねたら「105」とか「98」とか、とてつもない数字が飛び出してきたのが印象深かったのです(本当なの?!とは内心ちょっと疑っちゃいましたが)。


この集落にリゾート施設などはもちろん無く、あるのは小さな民宿(かまどま荘)と2軒の食事処だけ(2013年、ぶーの家ができました)

石垣島から観光ツアーも組まれているようですが、参加者はそれほど多くは無いので、印象は「さびれた港町」です。
でも、この寂れ加減がなんともいい味を出していて、逆に温もりを感じるほどです。


私がこの集落に惹かれたのは、この「素朴さ」と、港から歩いて20分ほどのところにある「イダの浜」。

よく宮古島の与那覇前浜が沖縄で一番美しいと言われますが、個人的にはイダの浜の方が好きです。
何の飾り気もなく、1億年前の地球の海もこんな感じだったのではないだろうか・・・と感じられるくらい、神秘的で幻想的な海です。

もし「自分探しの旅」をしている方がいたら、その最終地点としてお勧めしたい場所です。


おっと失礼。
食べログでした。

海の話は置いておきましょう。


その船浮港で2軒ある食事処の1店がここ、ふねっちゃーぬ家です。
メニューは色々ありますが、一番のお勧めは古代弁当「昔飯(むかしごはん)」。

赤米や沖縄伝統のお惣菜が盛られた栄養満点の伝統料理で、ツアーなどではこのお弁当代も含まれています。


とにかく、かなり時間をかけていく場所なので、美味しい!というよりは、美味しく感じます。
垂直から差し込む太陽の日差しと、どこまでもエメラルドグリーンの海を眺めながら頂くお弁当とさんぴん茶。

贅沢この上ない離島の旅飯です。

  • 昔飯(むかしごはん)
  • メニュー
  • イダの浜、一人旅の終着地点はここがいいかも

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